日本維新の会は5日、参院選挙制度をめぐり、全国11ブロックの大選挙区制を導入する公明党案をベースに、現行の総定数242の1割を削減する改革案をまとめた。6日にも参院に法案を提出する。
共産党は5日、全国10ブロック(定数10~40)の比例代表制とする同党案を発表した。党名だけでなく個人名でも投票でき、得票数の多い候補から順に当選する「非拘束名簿式」を採用する。総定数は242を維持する。各党派の合意を重視し、法案提出はしない方針だ。
国民民主党は3日の党会合で、参院定数を6増する自民党提出の公職選挙法改正案の対案をまとめた。比例代表の定数を2減らし、議員1人あたりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を2増やす。導入すれば「1票の格差」は最大でも3倍未満に抑えられるという。
希望の党は既に対案をまとめた。埼玉の定数増は自民案と同じだが、石川、福井両県を合区して両県の定数を計4から2に減らす「2増2減」。全体の定数は増えない案で、定数増に反対する日本維新の会などに共同提出を呼びかけている。
自民党が参議院の選挙制度について全党まとめることを諦めれ、埼玉県選挙区の定数増と、比例区の定数増&一部拘束名簿導入という改正案を提案し、それにどの党も賛同できないという状態から始まった、参議院の選挙制度議論。
公明党が大選挙区制を打ち出していましたが、その他の政党も次々と案を出してきました。
まず、国民民主党が公明党と同時期に、2増2減により現行制度を続けるという一番無難な案を出していました。
比例の定数は減りますが、全体の定数は据え置きなので、本当に事務的な無味無臭な案であると言えるように思います。
(自民党案と比較しない限りは)
希望の党は、どこよりも先に、石川県選挙区と福井県選挙区を合区にするという、予想外の案を出していたようです。
個人的には選挙区のチョイスも含め、自民党に喧嘩打ってるだけの案としか思えないのですが。
日本維新は、産経新聞いわく「公明党提出の対案への賛成も検討したが、見送った」上で、「維新の従来の主張である定数削減を、公明案に加味した(毎日新聞)」定数1割削減&全国11ブロックの大選挙区制の案を出しています。
同時に共産党は、提出はしないものの、「抜本改革というならこの案で行くべきだと態度表明したもの」として、全国を10のブロックに分ける非拘束名簿式比例代表制という案をまとめて発表しました。
10ブロックの分け方は、しんぶん赤旗を参照するに、衆議院比例の11ブロックの中国ブロックと四国ブロックを合併させた形のようです。
2、全国10ブロックの比例代表制(非拘束名簿式)とする。10ブロックとそれぞれの定数配分は次のとおり。ブロック間の較差は1・08程度に収まる。
(1)北海道(北海道)10
(2)東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)18
(3)北関東(茨城、栃木、群馬、埼玉)26
(4)南関東(千葉、神奈川、山梨)30
(5)東京(東京)26
(6)北陸信越(新潟、富山、石川、福井、長野)14
(7)東海(岐阜、静岡、愛知、三重)28
(8)近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)40
(9)中国・四国(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知)22
(10)九州・沖縄(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)28
また、比例代表制という形をとっているものの、個人での出馬も可能というのが、共産党案の変わっているところでしょうか(名簿記載候補者1名の政党のような扱いになるのでしょう)
案が出たという報道を私が確認していないのは、立憲民主党や社民党、自由党ぐらいでしょうか。
社民党は、過去に選挙区と比例区の並立は維持しつつ、選挙区の部分について都道府県ではなく全国11ブロックに再編する案を2014年時点では持っていたので、現在も変わっていないのではないかと思います。
自由党は社民党と参議院では共同会派を組んでいますし、そこまで独自色のある案は出てこないでしょう。
新勢力である立憲民主党のみ、どのような構想なのか読めない状態です。
民進党から派生していると考えると、国民民主党のような無色透明案が出てきそうな予感もしますが、どのような対応をするのか、そもそも案を出すのかも含め、気になります。
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