二週間ほど前に日本維新の会と自民党が政治資金規正法関連の協議で意味わからない動きがなされているのを見て、ブログに色々書いたのですが、そこから総理の国会閉会の挨拶を拒否するまでになったので、改めてこれまでの流れと言うか、気になった話について改めて書いてみます。
この動きの発端について振り返ります。
ことが動いたのは5月31日。維新の馬場伸幸代表と自民の岸田文雄首相が、党首合意を交わしました。
――自民党の政治資金規正法改正案の修正案に維新は賛成しますか。
細かな部分での協議はまだ残っているが、基本的には賛成する。
――自民党に助け舟を出した形になったようにも見えます。
見解の相違だ。維新はまだ少数野党というポジションで一気にやることは物理的にできない。できる部分から歩みを進めていく。政策活動費を我々の主張を受けて100%丸のみすることは非常に大きな前進だと自己評価したい。
維新・馬場代表の発言要旨 規正法改正めぐり首相と会談 – 日本経済新聞
「きのうになって、自民党側から旧『文書通信交通滞在費』、現在の『調査研究広報滞在費』の使いみちの公開と、政策活動費の改革については、すべて丸のみをするので、特別委員会での協力をお願いしたいという申し出があった。この2点について、わが党の考え方が通ったので岸田総理大臣と合意をした。1歩でも2歩でも、改革を進めていくのが日本維新の会の考え方だ。自民党の修正案が提出されれば、基本的には賛成だ」
岸田首相と維新代表「政策活動費」10年後に領収書公開で合意 | NHK | 政治資金
で、前のブログにて触れましたが、維新はこの合意について『不十分だが前に進めた』こととをアピールしていました。
しかし、合意直後から、合意の中身や、自民党が合意後に出した修正案について、維新は精査したのか?という疑問が噴出し、維新の現場の議員からも、それを認めて審議が必要だとする発言が出てきました。
改正案の修正をめぐっては先週、岸田総理と維新の馬場代表が党首会談を行い、政党から議員個人に支給される政策活動費について維新が主張する「10年後の領収書の公開」などを自民党の修正案に盛り込むことなどで合意。維新の馬場代表は「100パーセント、我が党の考え方が通った」として、自民党案に賛成する方針を示していました。
しかし、自民党が示した条文案では、政策活動費について維新が全支出の領収書公開を求めていたにもかかわらず、公開が50万円を超える支出に限定されていることなどから、維新内部からは「自民党に騙された」との声があがっていました。
「自民に騙された」維新 規正法自民案に賛成方針から一転、反対も視野に | TBS NEWS DIG
結局、維新の要求通り修正し衆院では維新の賛成込みの可決となりました。
これを受けて、委員会可決後の記者会見では、野党からの批判について聞かれたときに藤田幹事長が国民民主党のトリガー条項の交渉を当てこすりながら、自民党を動かしたことを評価するべきだと述べていました。
(交渉に当たった法案が特別委員会で可決したことへの率直な受け止めと、野党から抜け穴が指摘されているがその議論をどう聞いているかを質問されての回答)
政策活動費のブラックボックスをなくす、というこの制度設計については、私も自民党がここまで踏み込んでほしいなと思いながらも、おそらく自民党の体質だったら無理だろうという風に思っていた、冷静に見ていたところもあるんですが、我々のアプローチもあってですね、先方から最終的には丸呑みしたいという形で合意に踏み込んでいただけたことについては、私は総理のご覚悟を一定評価したいと、このようにおもいます。
もちろん、青柳議員に、質疑でも触れていただいてますが、もう一つの大玉である企業団体献金については、議論ほとんどされずにですね、政府と自民党としては態度を買えずに終わってしまったということについては大変残念だし、100点の政治改革ではないという風に言わざるを得ませんが、その中でも、このたいへん大きな疑念を呼んでいるブラックボックスを、0にしていこうという取り組みが、一歩進むといったことについては、我々も賛同するし、政局ではなくて政策実現という意味においては評価したいと言うように思います。
それから、昨日、金曜に合意してから、条文がパラパラと出てきて関係者が色々それを評価いただく中で、ここに抜け道があるんじゃないかとか言うことを委員会でも、それからSNS上でも、各議員がなされていたのを私も承知しております。で、それは百も承知で、そういうことを、そういうトゲを抜く、穴を塞いでいくということを自民党さんとかなり密接に協議をさせていただいて、先方も色々、ある種こちらからみると抵抗のような形で、されてきましたが、かなり真摯に向き合っていただいて、最終的には我々が言う抜け穴というのは全て塞げたと。
まあ、今後運用していく中で、ここにあったか、というようなものが枝葉のところである可能性は、そらゼロとは申しませんが、今考えうる大きな穴というのは、ほとんど塞げたという風に思っています。ですから、最終、そういう政策論は大歓迎で、最終最後までここに穴があるんじゃないかと言っていただいたらよろしいかと思いますが。
玉木代表なんかも結構言ってますね、批判的に。ただ、大自民党に、この、ある種政治改革でいうと一番というほど大玉を、100点ではないにしろ、僕からすると100点近いと思ってますが、呑ませるということについては、玉木さんもトリガーずっと取り組んできて、数年にわたってやってきましたけど一切、受け入れられずに袖にされましたね。私は個人的にはそれを応援してましたけど、でもそれは、政策論としては僕らご一緒はしませんでしたが、最終は。
ただ、そういう取り組みについては政策実現にこだわる姿勢はいいと思うんです。ただ、今回については誰が見ても、正直相当大きく前進する、政治改革の一つでありますから、それはフェアに評価し合うというのが、健全な政党間のあり方だと私は思います。
令和6年6月5日(水)藤田文武幹事長 記者会見
8分30秒から
馬場伸幸氏も「維新がいなければ前に進まなかった」と主張していました。
日本維新の会の馬場代表は、党の代議士会で「日本維新の会が存在しなければ、今回のような動きにはなっていない。立憲民主党がやたらと高い球だけを投げて、自民党がそれを拒否し、お互い『あいつがやらない』『こいつがやらない』とののしり合って、何も前に進まなかった。一歩ずつ改革を進めていく」と述べました。
政治資金規正法改正案 衆院特別委 あす首相質疑と採決へ | NHK | 政治資金
このように、『非現実的な要求をする野党とは違うんだ!とにかくどんな形でも前に進めるのが維新だ!』という路線で突き進んでいた維新でしたが、改正案の評価は高くなく。
議員への罰則強化や、政治資金の透明化策などを盛り込んだ政治資金規正法の改正案が、自民党と公明党、日本維新の会などの賛成多数で衆議院を通過しました。
この評価を尋ねたところ「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が30%、「あまり評価しない」が32%、「まったく評価しない」が28%でした。
【最新】岸田内閣支持率21% 発足以降最低に 不支持率は60% 政治資金規正法改正案の評価は NHK世論調査 | NHK | 選挙
ちなみに、前回のブログに貼ったツイートを読み返していて気づいたのですが、維新が入れたはずの10年後公開の話を、本当は毎年公開が理想で、維新としても基本即時公開で機密性のある案件のみ10年後としていたけど、そんな高い玉を投げても自民党が呑まないから、と自民党のせいにしたりする議員が出てくるくらい、党にも異論が届けられていたようです。
ちなみに衆院に提出された維新案では、政策活動費にあたる?「特定支出」という制度を創設して、総額規制をした上で『収支報告書に支出先の氏名及び住所の記載を要しない』『領収書の添付も行わない』として、収支報告書に書かなかった場合は『特定支出の支出を受けた者の氏名又は住所が明らかにされることによりその政党の政治活動に重大な支障を生ずるおそれがあると認める旨及びその理由を記載した書面』を提出して10年後公開となる、という話のようでした。
(ちなみに維新案では『特定支出』を「当該政党の政治的勢力の伸張、政策の立案又は調査研究を目的とする支出であつて、その支出を受けた者の氏名又は住所が明らかにされることにより当該政党の政治活動に重大な支障を生ずるおそれがあると認めるもの」と定義していました)
(成立した自民党案では政策活動費について目的で定義せず「衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者に対してする支出で金銭によるもの」という形式で定義をしていました)
こういう定義をするとなると、維新に質問が飛ぶわけです。
『支出を受けた者の氏名又は住所が明らかにされることによりその政党の政治活動に重大な支障を生ずるおそれ』って何を想定しているの?と。
それが問われた質疑の様子が以下の記事の内容です。
6月3日の審議で「なぜ10年間公開しないのか」と問われると、答弁者の一人だった維新の青柳仁士議員は「一定程度、政党として今それを出してしまうと外に迷惑がかかってしまうような支出があるということは、我が党として認めているからだ」として、次のように答えている。
「政府の審議会の委員の方にお知恵を拝借することがあるが、野党に力を貸しているとなれば政府の審議会はもう降りてもらわなきゃいけないというような意地悪をされる可能性は十分ある」
(中略)
また、青柳議員はこうも語っている。
「選挙の情勢調査をどういったところに何回、どのように委託しているのかということが明らかになると、こういう数字を持って選挙の戦略を立ててくるだろうということが他党に丸わかりになってしまう」
(中略)
維新は自発的に昨年の政策活動費の使途をおおまかに明らかにし、11〜12月分については領収書も公表した。ところが、その領収書は日付と宛名と金額以外は黒塗りにされたもので、支出先は明らかにされなかった。その上、その多くは飲食店での支出だった。
この点について問われると、同じく答弁に立った中司宏議員は次のような珍答弁をした。
「我が党では、利用する飲食店が大体決まっている。具体的な店舗の情報が公開されるということで、張り込みや待ち伏せなど政策活動に重大な支障が生じる恐れがある。また、先方にも迷惑がかかる可能性がある」
(中略)
馬場伸幸代表は法案が衆議院を通過した直後の記者会見でこう語っている。
「もう既に、複数の飲食店にある記者がいろんな調査に回っているという情報が我々のところに入っています。それが事実かどうかは別として、やはり飲食店はお客さん商売ですから、そういうところに皆さんがどんどん取材に行けば、先方に迷惑かかるのは当たり前です」
「記者に張り込みされるから公開できない」抜け穴だらけの政策活動費、維新が領収書黒塗りを主張した驚きの理由(小川 匡則) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
利用した飲食店名の公開も「政治活動に重大な支障」に当てはまる可能性がある「基本即時公開」ってなんなんでしょ…
とりあえず、維新改正案ではなく、自民党の100%丸呑みにより即時公開ではない10年後公開の法律ができたわけですが、今度は法案の外で揉め始めます。きっかけは以下の、自民党、浜田靖一国対委員長の発言でした。
自民党の浜田靖一国会対策委員長は11日、国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の改革について、「すぐに解決する話にはなっていない。日程的に見ると厳しい」と述べ、今国会会期末までに結論を得るのは困難との認識を示した。
(中略)
浜田氏の発言を受け、維新の馬場代表は11日、国会内で「合意をした話をやらないと『うそつき内閣』と言っても過言ではない」と強く反発。「公党間の約束が守られなければ、それなりの対応をさせてもらう」と述べ、改正案の参院での反対や、立憲民主党が提出を検討する内閣不信任決議案への賛成に含みを持たせた。
旧文通費改革「日程的に厳しい」…自民・浜田国対委員長、会期末までの結論は困難との認識 : 読売新聞
岸田首相は、維新の質問等に今国会でできるように各党で議論、と答弁していたようで、それを受けて、維新としては今国会で改革することが条件だとしていたようです。
岸田総理は24日の参議院予算委員会で、旧文書通信交通滞在費の使い道や公開のあり方について「各党・会派間で議論を再開するよう指示している」としたうえで、「この国会で結論を出せるよう各党で議論を行う」考えを示しました。
旧文書通信交通滞在費の改革めぐり岸田総理「今国会で結論出せるよう各党で議論行う」 | TBS NEWS DIG (1ページ)
しかし、自民と維新の党首合意では、期間については明文化されていませんでした。
これについて維新の馬場伸幸氏は「信用してほしい」と首相の側近(フジ曰く木原誠二)に頼まれて削除した、我々はいい人間だから信用した、みたいなことを言ってます。(我々はいい人間とか田母神みたいなこと言ってんなとか思ったのは私だけでしょうか。)
(自民党と日本維新の会の党首同士が交わした)合意文書に期日を入れるという話は、案の段階であった。「今国会中に決着を図る」という意味の文案が入っていたと聞いている。ただ、自民党と話をする中で、彼らが「信用してほしい。だから期日は外してくれ」という水面下の話があって、外している。「信用してくれ」と言ったから信用したという報告を聞いている。我々は良い人間なんで、「信用してくれ」と言われれば信用する。
維新・馬場代表「我々は良い人間だから信用した」 旧文通費の混乱で [維新]:朝日新聞デジタル
馬場氏は「(自民が)『信用してくれ』とおっしゃったから信用した。完全にそれをひっくり返すのであれば、うそつきだ」と述べ、今国会での実現を重ねて要求。維新の松井一郎前代表が「人間をだますよりも、だまされる方に回れ」と母から教えられたというエピソードに触れ、「私もその言葉を受け継いで、人には真摯(しんし)に対応している。政治家だからうそをついてもいいということになれば、これから政治家になる人間はいなくなるのではないか」と語った。
旧文通費の自維合意「当初案に今国会決着」 馬場氏が暴露 | 毎日新聞
皆さま、こんにちは。危険人物の田母神でございます。ずいぶん危ないやつだということでよく叩かれることが多いんですけれども、私はほんとにいい人なんです。
【都知事選】田母神俊雄氏の出馬会見全文(2014/1/7)|政治・選挙プラットフォーム【政治山】
そんないい人たちも堪忍袋の緒が切れたようで、法律の中身は何も変わっていませんが、衆院での賛成を覆して反対することと、首相問責決議の提出を決意しました。
日本維新の会の浅田均参院会長は18日、自民党が提出した政治資金規正法改正案に反対する意向を記者団に表明した。維新は午後にも正式決定する。政治資金規正法改正案に対し、衆院の賛成から一転して反対する。浅田氏は月額100万円を支給する「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)改革を巡る自民との合意に関し「岸田文雄首相は信義則に反する。公党間の約束を破っただけでなく、国民に対する裏切りだ」と述べた。
藤田文武幹事長は、首相に対する問責決議案の提出を検討する考えを記者団に示した。これに先立ち、維新は参院議員総会を国会内で開き、具体的な対応を協議した。
維新は方針一転、規正法に反対 旧文通費「首相は約束破った」 | 共同通信
この姿勢転換について、音喜多氏が「二院制なのだから、法案審議を行う過程で新たな事実や状況の変化がわかれば、法案に対する対応も変わるのは当然」との旨を述べているのですが、そもそも法案自体の内容は変わってないわけで、それなのに「改正案は穴だらけで改革に値するものではない」などと言い出してしまうと、衆院時点での賛成がどうだったの?その時点でひっくり返せなかったの?と言われる、という話だと思うのですが、政策活動費を維新が使っていたことについての批判にも、『維新が最初から禁止していたら自民党は動かなかった』と言い出すような状態では、非を認めることはできなさそうですね。
さらに維新は同日、首相に対する問責決議案を参院に提出。決議案では、裏金事件の実態解明が進んでいないことや企業・団体献金の改革が手つかずになっていたことなどを理由に挙げ、「改正案は穴だらけで改革に値するものではない」と訴えた。
吉村・大阪府知事「総括が必要」 維新執行部の国会対応を疑問視 [維新]:朝日新聞デジタル
特に政策の歪みや政治家の金銭感覚・倫理規範の毀損に直結しかねない巨額の企業団体献金は、かねてよりその存在の是非が議論されていたにもかかわらず、その廃止に踏み込まない今般の与党提案による政治資金規正法の改正案は、抜け穴だらけで改革の名に値するものではない。
2024年6月18日(火)「内閣総理大臣岸田文雄君問責決議案」提出について|ニュース|活動情報|日本維新の会
「だったら最初から政策活動費は一切使わないという方針にしておくべきだった」「二転三転の迷走で、無意味な回り道だった」
というご指摘もあるかと思いますが、私は必ずしも無意味だった・無駄だったとは思いません。
確かに年初に維新版・政治改革大綱を策定した時から、いわゆる「政策活動費」と言われる機密性のある支出とは完全に決別するという選択肢もあったでしょう。
しかし、それで政策活動費の廃止のみを主張していたら、自民党は一歩も動くことはなかったはずです。
機密性と透明性を両立する「10年後公開」という自民党が飲める案を維新が提示したからこそ、まずは自民党の政策活動費の支出に一定の歯止め(10年後公開)をかけることができました
日本維新の会は政策活動費と決別し、自民党と対峙する – 音喜多駿(オトキタシュン) | 選挙ドットコム
ちなみに、党首合意について『これこそが政権交代ならぬ政権「変容」の意義・効果。100%完ぺきを言えばキリがないが、現実の政治は前進させること。』と褒めていた維新と無関係な橋下徹さんが、法案のアレさとか、一連の話が表に出てきてから手のひら返して「執行部が大はしゃぎして賛成したのが大ポカ」「執行部が飲みニケーションで決めてるからだ!」みたいな批判を連発していました。なんなんですかね。
ちなみに、参院での反対について、維新の関係者が「都合よく理由が見つかってよかった」と述べていたと時事通信が書いています。
維新関係者は「文通費という理由が都合よく見つかってよかった」と語った。
維新「独り相撲」、他党冷ややか 自民案に一転反対、世論読み誤り:時事ドットコム
そして26日、維新は身内向けに説明会を開いたのですが、そこで馬場伸幸氏はこう述べました。
「後ろからバンバンバンバン仲間を撃つ、ということをすれば、すぐに維新は潰れる。仲間を後ろから撃つということだけは控えてほしい」
冒頭のみ公開された26日の説明会。馬場伸幸代表(衆院議員)はそう語り、党内からの突き上げに警戒感をあらわにした。
「維新スピリッツ教えたる」国会で自民と接近 大阪から怒りの声 | 毎日新聞
この発言は多分本来は、党員資格停止になっている足立康史氏を念頭に置いた発言だと思うんですが、この批判が多くありそうなタイミングで言うのはなんというか、代表選で色々やってた維新だけあるなと思います。
馬場氏は16日の記者会見で、足立氏について「上司や同僚の悪口をSNSで流したら会社では懲戒免職になる。党紀委員会でのやり取りを見た上でどうするか決めたい」と述べた。
維新、足立議員の投稿めぐり党紀委招集へ 「悪口流したら懲戒免職」 [維新]:朝日新聞デジタル
ちなみに、政治資金規正法関連だけではなく、都知事選関連でも、維新所属議員の一部が「自主投票ではなく静観」とした維新の対応に不満を抱えていたようです(主に書いてるのは日刊ゲンダイなのですが)
記者会見で藤田氏は、維新としての独自候補の擁立を断念したことを表明。
党としての対応について「静観するという態度で臨みたい」と述べ、「静観」と「自主投票」の違いについては「規約でなく私の理解」と前置きした上で、「自主投票は、好きなところにそれぞれの議員が、自分の信念・人間関係で(応援に)行く。自由に動いていいが、(静観は)基本的には動かないでいただきたい、という趣旨だ」と説明した。
党内の特別党員(首長・地方議員)に対し、自らの判断で候補者の応援に入ることのないよう呼びかけた形だ。
都知事選「自主投票ではなく静観」維新・藤田幹事長 候補擁立断念しつつ個人行動けん制|FNNプライムオンライン
「知事選を巡っては、東京維新の幹部が石丸さんへの推薦を打診しましたが、石丸さん本人に断られています。プライドを傷つけられたのか、断られたことが相当頭にきたのでしょう。幹部は今月中旬にオンライン会議で『今回は静観。他の候補の支援は絶対にするな』と発言。別の東京維新幹部は『特に石丸はダメだ』と強調していた。さらに『既に石丸支援に動いているヤツがいる』と指摘し『反党行為は厳しく罰する』と、除名処分までチラつかせてきたのです」(維新関係者)
どうやら、東京維新の幹部はメンバーに対し、頭ごなしに「石丸を支援するな」と命じているようなのだ。
こうした東京維新の動きは内部で反発を招いている。「東京都知事選挙における対応について」(19日付)との要望書が、東京維新の会代表宛てに提出されている。差出人は稗島進世田谷区議と矢口まゆ町田市議。文書は永田町で出回っている。
他候補への“支援禁止令”について〈非常に困惑しております〉と記され、〈自らの自治体の利益のために最もふさわしいと考える都知事候補がいる場合、その候補者を支援する事は政治家として当然〉〈都知事選における自由な支援活動を認めていただきたく、要望いたします〉と書かれている。
日刊ゲンダイが稗島、矢口両氏に聞くと、共に要望書の提出を認め、現状、石丸氏をはじめ「特定の候補を支援する意図はない」と明かした。稗島氏は「要望に対して『ダメ』という返事が20日に来た。残念だ」と打ち明けた。
党として独自候補を立てていないのだから、知事選の対応は各議員に任せてもよさそうなもの。幹部の対応はちょっと過剰だ。結果的に、東京維新内部で異変が起きている。
「禁止令を破ってでも石丸さんを支援しようという動きが出ています。党勢が低迷する維新に居続けるくらいなら、あえて石丸さんを応援して除名になった方がマシというわけです。特に東京の地方議員の多くは支援者から『維新は不祥事ばかり』『維新なんかやめた方がいい』と突き上げを食らっている。今後、分裂する可能性もある」(前出とは別の維新関係者)
グタグダ維新が内部分裂危機…都知事選“掟破り”の「石丸支援者」続出で小池知事は票減らす恐れ(日刊ゲンダイDIGITAL) – Yahoo!ニュース
そして2024年6月28日、世田谷の稗島区議が離党会見を開きまして、石丸氏を支援するために離党することを表明しました。
音喜多氏曰く「連絡がつかない」とのことです。
「補欠選挙の初日にわざわざ党にダメージをあたえる形で記者会見を開かれた」と書いているように、まさに「後ろからバンバンバンバン仲間」に撃たれたような格好ですが、なんというか、大変ですね。
維新は過去に、山形市長選に幹事長(柿沢未途)が応援に行って、それをきっかけにおおさか維新の会と維新の党に分裂して通帳奪い合ったりしてましたが、今回はそんなこともないだろうし、自主投票じゃなくて静観なんて聞いたことないですけどね…(と思ったられいわ新選組も静観とか言ってた)
維新の党の残留組と、橋下徹大阪市長が設立する「おおさか維新の会」に参加する新党組の分裂騒動で、党本部(大阪市中央区)が異例の厳戒態勢を敷いている。政党交付金用の通帳や印鑑を残留組が奪還に来るため、新党組の国会議員らが交代で党本部を警戒。残留組を追い払うなど、一触即発の攻防が続いている。
(中略)
党本部は、新党組議員の母体「大阪維新の会」(橋下代表)と同じ建物内にある。事務局メンバーもほぼ重複し、交付金の出し入れに必要な通帳や印鑑が保管されている。
東氏が厳命した直後、松野頼久代表ら残留組執行部の指示で松木謙公幹事長代行が党本部に姿を見せた。その場では、引き渡しを求めなかったが、危機感を募らせた新党組は15日から、国会議員らが交代で党本部に詰めることにした。
16日午後には再び訪れた松木氏を、待ち構えていた井上英孝、浦野靖人両衆院議員らが追い返した。松木氏は「執行部に預けるのが筋だが、税金の取り合いみたいで残念。下手な使い方をすると問題になるので、気をつけなさいと言っておいた」と肩を落とした。
【維新分裂】「残留組に通帳奪われるな!」大阪系が党本部で厳戒体制(1/3ページ) – 産経ニュース
維新が、今回の件を受けて総理の国会閉会時の挨拶を拒否して「そんなことより仕事しろ」とか言い出したのをみたときもそう思ったのですが、石丸が維新と国民民主とれいわの支持者からの支持を集めてるという日経序盤情勢も納得できるものがあるな、と。なんというか、炎上商法軍団じゃないですけど、気に入らない儀礼を茶番だと言い出す人達というか、リアリティ番組大好きそうというか…。
個人的にはこういう傾向について、あまり好きではない、生きづらい時代になりそうだな、と思うのですが。
慣例のあいさつについて、馬場氏は記者会見で「儀礼的なことをやっている暇があるなら、本来の仕事を片付けていただきたい」と語り、今後も断る考えを示した。維新幹部は「あれだけケンカした後に、やあやあとあいさつを交わしていたら、茶番だったのかと思われる。お互いによくない」と語った。一方、首相周辺は「少しおとなげない」と眉をひそめた。
維新、首相の閉会あいさつ回り拒否 「ケンカが茶番と思われる」 | 毎日新聞
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