東京都知事選にて、静観というポジションを選んで、1人世田谷区議の離党者を出した日本維新の会。
そんな日本維新の会について、公示前から「石丸伸二に推薦を求めて拒否された」という記事が出ていました。
どうにも腰が定まらない維新。4月下旬には安芸高田市の石丸市長に“抱きつき”を試みていたという。
「東京維新の会の幹部が石丸さんとのアポを取り付けて、“ウチの推薦でいかないか?”と打診したんです。ところが石丸さんは“今回は完全無所属でいきたいので”とあっさり断った。それでも維新側はあきらめず、どうにか“広島の論破王”を取り込もうと“維新の推薦があれば60万ほどの基礎票が乗りますよ”と持ちかけた。が、石丸さんの意思は固く、協議は物別れに終わったのです」(党関係者)
その後の維新は、まさに“悪女の深情け”だった。
「5月に入って石丸さんが正式に無所属での出馬表明をした後も、維新の推薦を受けてもらうべく打診し続けた。彼らの念頭には、2020年の前回の都知事選に、無所属で出馬した小野泰輔さん(現・維新の衆院議員)が、後から維新の推薦を受け入れた成功体験があったようです」
「維新」が都知事選で大迷走 安芸高田市長・石丸氏に推薦打診もあっさり“お断り”されていた(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース
そこで、維新は馬場伸幸代表と藤田文武幹事長、柳ヶ瀬裕文総務会長、音喜多氏と幹部がそろって石丸氏に会ったという。その様子を知る関係者が、こう話す。
「石丸氏は開口一番、『政党推薦はいらない』と藤田氏に言いました。藤田氏は都知事選なので、音喜多氏、柳ヶ瀬氏ら東京から選出されている人が決めるべきと対応を任せた。石丸氏も『維新と考えが共通する点はある』というので話を重ねたそうです。しかし、推薦はいらないと貫く石丸氏の前に維新が撃沈した格好になります」
一方、維新の国会議員によると、こんな話がある。
「柳ヶ瀬氏は『オレから石丸に断ってやった』と触れて回っていた。けど、石丸氏から袖にされたことは、党内では有名。素直に断られたと認めればいいのです
それで、冒頭のように石丸氏を直撃して確認したのだが、「私から維新にお願いしたことはまったくありません。それより有名な会社の創業者からご支援もいただけそうです」
「維新? ないないない、絶対ない」石丸伸二氏は記者直撃を笑い飛ばし…維新の都知事選「不戦敗」舞台裏 | AERA dot. (アエラドット)
私はこれらの記事を見たときに「あまりにも想像通りすぎて作り話を疑うレベル」と上のようにツイートしていたのですが、選挙期間中によりそういう可能性を疑う記事を見かけました。7月4日に現代ビジネスが、石丸の選対事務局長が実名でそのことについて話す内容を含めた石丸陣営持ち上げ記事のように見える記事を配信していたのです。
しかし、石丸伸二氏の選対事務局長を務めるのは東京維新の会を支えてきた元国会議員秘書の藤川晋之助氏である。普通に考えれば石丸支援でまとまるのが手堅い選択だったはずだ。そこで、告示日に藤川氏に話を聞いた。
「維新から接触はあったが、うちはあくまで政党の推薦は受けないという立場。それでも応援の仕方はあるんだからうちに乗っかって応援すれば良かったのに、維新はバカだなと思いますよ」
(中略)
ある維新関係者はこう証言する。
「藤川さんが東京維新の中心にいたのは2019年頃までの話で、音喜多さんと柳ヶ瀬さんが中心になってやるようになってからはパージされてしまった。彼らにとって藤川さんはあれこれ言ってくる疎ましい存在だったからです。だから、今回もどうしても石丸だけは推したくないというのが本音だったんでしょう」
こうした東京維新の姿勢に藤川氏は憤りを隠さない。
「本当に器が小さいですよね。音喜多も柳ヶ瀬も私がいなかったら参院選で当選してないですよ。それなのにそうやって『応援したら除名だ』といわんばかりの圧力をかけるというのは、維新自体がもう既得権益になってしまっているということですよ」
小池にも石丸にもつけずに都知事選「蚊帳の外」の東京維新…これは内部崩壊への予兆か!?(小川 匡則) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
これ、維新批判でウケを狙っている週刊誌に便乗して石丸宣伝記事を書いてもらうことを狙って取材受けてるんじゃないか?と思ってしまったんですよね。
そういう、選挙宣伝を考えての取材対応だと考えると、候補者を持ち上げる方向の情報を流そうとする動機があるわけで。
果たして本当に事実なのか?都合の悪い部分を隠していたりしないか?とわずかに思っていたのです。
そんな中、選挙後の7月8日、日本維新の会の音喜多駿氏が出演した番組で石丸氏の事に触れたようです。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は8日のBSフジ番組で、東京都知事選で得票数が2位だった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏から支援の要請があったと明らかにした。
支援しなかった経緯について「できるだけ政党色をつけたくないということだったので、別々にやろうとなった。けんか別れしたわけではない」と説明した。石丸氏が得票を伸ばした要因を「政党色をつけないから無党派層が取れた」と分析した。
維新の会・音喜多駿氏、石丸伸二氏から「支援要請あった」 都知事選 – 日本経済新聞
日本維新の会の音喜多駿政調会長は8日のBSフジ番組で、東京都知事選で次点に入った前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏について「選挙前に2度ほど会い、支援をお願いされた」と明かした。
音喜多氏は知り合いに紹介されて石丸氏と面会したといい、石丸氏側から「維新は政策も近い。支援をお願いできないか。ただ政党色は付けたくない」と依頼されたと説明。音喜多氏は支援の条件として「維新と政策協定を結んで推薦を取ってもらう形」を望み、折り合わなかったという。「(維新側から)推薦を申し入れて断られたという認識はない」と語った。
「石丸伸二氏から支援依頼あった」 維新幹部が明かす 都知事選巡り | 毎日新聞
音喜多氏は、これまで流れていた「私から維新にお願いしたことはまったくありません。」「維新から接触はあった」として、維新側から接触したかのような話と違って、石丸氏側から依頼があって、それに対して維新側が推薦が支援の条件だとして、結果として折り合わなかった、としています。
維新も、維新の名誉を守りたいという動機がありますから、真実通り全て話すとは限りません。
さて、この2つの陣営からの発言は、どういうことなのでしょうか。
例えば、石丸氏の「私から維新にお願いしたことはまったくありません。」という言葉について、「私から」以外のお願いについて、石丸陣営の石丸氏以外がお願いしていたら嘘とは言えない発言だよな、とか考えてしまうのですが。
そういう誤魔化しじゃなくて、思いっきり嘘を誰かが蒔いてる可能性もありますが。
維新は、岸田首相との党首合意の話で、「必ずやる」と裏で言っていたのに騙されたとか言ってましたが、今回も騙されたのか、それとも…
2024/07/10 追記
7月9日の日本維新の会藤田幹事長の記者会見にて、石丸氏との接触について触れたようです。
日本維新の会の藤田文武幹事長は9日の記者会見で、東京都知事選で次点に入った前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏と、告示前に馬場伸幸代表ら幹部4人で面会したと明かした。石丸氏は面会時「政策の近い維新に何らかの形で応援してもらうことは可能か」と支援を求めてきたという。
石丸氏との面会には馬場、藤田両氏のほか東京が地元の柳ケ瀬裕文総務会長、音喜多駿政調会長が参加した。藤田氏は「著名な方から紹介を受け、先方から意見交換、あいさつをしたいと申し出があった」と説明。石丸氏には「(支援は)推薦を付けて全力でやるかやらないか、という2択でしか難しい」と伝えたという。2回目の面会で石丸氏から「今回は自力で頑張りたい」と返事があり、支援の合意には至らなかった。
石丸伸二氏と維新幹部4人、都知事選告示前に面会 幹事長が説明 | 毎日新聞
そして、選挙の前に著名人の紹介で馬場代表らとともに、石丸氏と面会したことを明らかにし、「石丸氏から『無所属で広く支持を得たいが、政策の近い維新の会に何らかの形で応援してもらうことは可能か』との申し出があり、私から『推薦して全力でやるか、やらないかの2択しか難しい。ステルスというのは難しい』と申し上げた。最終的には『自力で頑張りたい』と言ったので、具体的な協議の前に爽やかに別れた」と述べました。
維新幹事長 “石丸氏の都民の心つかむ活動 すばらしかった” | NHK | 選挙
藤田幹事長によりますと6月の告示前に石丸氏から「大きな選挙が初めてなので、ひとつの考え方として無所属で広く支持を得たいが、政策の近い維新に何らかの形で応援をしてもらうことは可能か」という相談があったということです。
それに対して藤田幹事長は「推薦をしっかりつけて全力でやるか、やらないかの2択しか難しい。ステルス支援は難しい」と返答したということです。
そして後日、石丸氏から「今回は自力で頑張りたい」と申し出があったため、維新として支援する話はなくなったと説明しました。
藤田幹事長は「石丸氏に対して失礼をされたとも、こちらが失礼をしたとも思っていない」「表では応援するのは難しいが心の中で応援しますということだった」と述べました。
維新・藤田幹事長「石丸氏から都知事選告示前に応援依頼も…」 – 日テレNEWS NNN
(東京都知事選に立候補した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏について)とある著名な方からご紹介を受けて、石丸氏から「日本維新の会と意見交換をしたい」「ごあいさつしたい」という申し出があり、馬場(伸幸)代表、私、柳ケ瀬(裕文総務会長)さん、音喜多(駿政調会長)さんが会った。石丸氏とは「政策の近い維新に何らかの形で応援してもらうことは可能でしょうか」という意見交換があった。私がその場で申し上げたのは、「推薦をしっかりつけて全力でやるか、やらないかという2択でしか難しい」。簡単に言うと「ステルス(で支援する)というのは難しい」ということを一般論として申し上げた。
維新・藤田幹事長「石丸氏と意見交換」 都知事選前に [維新]:朝日新聞デジタル
「可能か」とは聞いて意見交換したが、お願いはしていないということなのでしょうか?
それともなんらか認識の違いがあるのでしょうか?
2024/07/11 追記
石丸伸二氏が7月10日にインターネット番組でこの件について話したという記事がありました。
9日の記者会見で、日本維新の会の藤田文武幹事長が石丸氏から東京都知事選の「応援」を打診されていたことを明かした。石丸氏は「藤田さんの説明が一番うまかった」とコメントした。
音喜多駿氏に対しては「音喜多さんはなんでああいう表現をするのかなっていう。僕がまろやかに明言を避けていたのに」と語り、経緯を明かした。「支援を僕から求めたというような表現だった。それは正確ではなくて。最初から言ってるんですよ。公認、推薦ってあるじゃないですか、言葉のグレードが。あの言葉の定義じゃなくて、単純に石丸伸二の話に乗れるか、乗れないかで支持を表明してもらえないかっていう話をしたんですよ」と打ち明け「全く違うんですよ。党に支援、サポートをお願いしてないんですよ、最初から」とした。
「ReHacQ」プロデューサーの高橋弘樹氏から「1回目に行って、こういう政策をしたいですと言った。そこに公認推薦をもらえるわけじゃなくて、これに共感してもらえますか?って言いにいったってこと?」と聞かれ、石丸氏は認めた。そして「どこまで可能か分からないですけど、メディア対策として国政政党がついてないと不利な扱いになるじゃないですか。そのためだけで、名義貸しっていうと言葉はアレですけど、その1点だけで話をしました」と語った。そして「そこに名前があるとないと全然違うので、もし可能なら」と続けた。
さらに「全部相乗りでも構わないという思いでいると。自民・公明・立憲・国民、共産。石丸伸二が言っている一極集中から多極分散、日本の将来を考えた時にこれだ、と乗れるところがあるのであれば、私は受けたいと思うっていう話をしました。いわゆる政党の支援じゃないです、最初から言ってるのは」と語った。
高橋氏から「私の政策に共鳴するなら、応援してくれ、みたいな」と言われ、石丸氏は「そうです」と言った。そして、ケンカ別れかを聞かれ否定し、紳士的に?と聞かれ、うなずいた。
石丸伸二氏、維新への応援打診経緯明かす「音喜多さんはなんでああいう表現を」ケンカ別れは否定(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース
「ReHacQ」プロデューサーの高橋弘樹氏から日本維新の会から推薦がない中での選挙戦を問われ「政党が後ろについてないと泡沫(ほうまつ)候補として扱われますよ」と維新の音喜多駿氏から言われていたことを明かした。
高橋氏からはメディア露出の推移を聞かれ「最初は全くですよ。小池さんと蓮舫さんの女傑対決みたいな構図でしか新聞もテレビも扱わない。まさに国政の代理戦争というていで」と切り出した。
結果、日本の維新の会からの推薦はなかったが「欲しいのはそれじゃない。テレビに出るための枠が欲しい。その力は自分になかったんで」と訴えた。そして「国政政党とひっついて何かあるっていうのは、そもそも自分の言ってるスタンスに相いれない。党利党略とか、国政の代理戦争を自治体でやろうっていうのがオールドファッションだなって」と説明した。
石丸伸二氏、維新への支援要請は「テレビに出るための枠が欲しい、その力は自分になかったんで」(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース
どうやら、石丸側から、公党の公認や推薦、支援は邪魔だからいらないけど、維新に支持されることで、維新の名前を使ってテレビに出たかったので、支持のお願いをした、ということのようです。
なんというか「舐めてるなぁ」みたいな印象を受けたのですが、公党や現職議員等の既得権益に対するそういう態度がウケることもあるでしょうね。
個人的に、石丸氏は、いつぞやかの東国原氏の「私を自民党の次期総裁候補として選挙を戦う覚悟はありますか」みたいなことを言いそうな人だな、というイメージを抱いていたのですが、やっぱり外れてはいなかったのだな、と思いました
あと、しれっと選対幹部が「維新から接触はあった」と石丸側からの支持のお願いだったのを違う言い方して取材受けてたのを改めて考えると、維新の名前を使って露出を増やしたかったので、石丸陣営が積極的に維新の推薦打診を断ったと流して(それを週刊誌やらが利用して抱きつきだなんだと記事書いて)た可能性が高そうだな、とも思いました。
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