維新の代表選

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日本維新の会が代表選挙を行っています。

結局代表を辞める松井一郎氏の言動が一番目立っているように見えます。

7月、自身の後任について問われた松井一郎代表は…

【松井一郎代表】(7月13日)

「僕が名前も知らない地方議員でも、『我こそは!』という人は。そういう人が出てきてもらいたいなと。日本維新の会の代表の後継指名しません。『誰を』ということもないし、『誰だから駄目』とかも言いません」

活発な代表選に期待し、「後継指名はしない」としていた松井代表ですが、大阪府議を中心に支持を集める東徹参院議員が出馬を表明すると…

【松井代表】(8月4日)

「僕を引き継ぐ次の代表としては、馬場議員を応援したい」

一転して、馬場議員の支持を表明。

党内からは“事実上の後継指名”との声も上がりました。

さらに、松井代表は立候補を表明していた他の議員に対しても…

【松井代表】(8月4日)

「“東色”っていうのは何を出すのか。そこはちょっとよく分からないところはあります。もっと分からんのは足立議員とか。あともう1人いたけど…え?(Q:梅村議員?)あっそうそう。分からん」

――Q:代表選で負けた人の処遇は?

「自民党は戦うときは冷や飯覚悟でやってますよ。維新の会もそっち側でやってもらいたい」

負けたら“冷や飯を食う覚悟でやれ”と、けん制しました。

この翌日、東議員は出馬を断念しました。

維新・代表選巡る『血みどろの争い』 松井代表が実質、馬場議員を後継指名 さらに「冷や飯を食う覚悟で」発言も 議員と“同じ重さの1票”を持つ一般党員約2万人の選択は | カンテレSPORTS | 関西テレビ放送 カンテレ

今回の代表選には、「大阪で実現した行財政改革を全国に広げたい」と目標を掲げ出馬を表明し、古巣の大阪府議会の議員を中心に支持が広がっていた。

 東議員と親しい大阪府議は、7月末、取材に対し「東さんは、地方議員と国会議員をフラットに見てくれる。維新スピリッツもある」と期待を語った。

 ところが、8月5日の朝、この府議のもとに東議員から電話があり「自分を支持してくれる若い議員に代表選が終わった後、冷や飯を食べさせたくない。身を引こうと思う」と出馬断念の決断を明かされたという。大阪府議は「徹ちゃんも言いたいことはたくさんあると思う」と慮った。

 なぜ東議員は出馬を断念したのか。8月5日夕方、大阪府内で本人に話を聞くと「党内の融和」を理由に挙げた。

【東議員】(8月5日)

「党内に亀裂が生じてしまって分裂するような状況になるんであれば、党内融和を優先した方がいいのかなと。本当に苦しい思いで断念することを決めました」

「やっぱり松井代表は『親分』だと思っている議員は多いと思いますよ。現実は人間関係ですから、もうこういうのはね、人間関係です。最後は人間関係ですから。もう仕方ないです。仕方ない。この一言に尽きます」

日本維新の会で“権力闘争” 党の新しい顔を決める代表選 松井代表の「馬場氏支持」でくすぶる不満  | 関西のニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

馬場議員への支持表明は実質的な「後継指名」ではないのかと、党内の議員から声が上がっている。

松井代表は、7月30日の臨時党大会で、そうした声を見越してけん制するかのように「代表選は権力闘争だ」と語っていた。

【松井代表】(7月30日)

「大学のサークルの会長を決めるようなもんじゃありません。政治の世界というのは、まさに権力をもって、政策を実現するための組織なんだから、党内であろうと、権力闘争です。自民党的だとか、批判的に言いますけど、自民党はそういう形でひとりひとりが権力闘争のど真ん中で戦い抜き、自分たちの戦う力を少しずつ蓄えアップしてきている。だから、この長い年月の間、日本の政治の中心で政権を担っているわけです」

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7月28日、代表選について「戦だから、やるかやられるか真剣勝負。もっと『血みどろの争い』をやれよと思います」と言っていた松井代表。

維新・代表選巡る『血みどろの争い』 松井代表が実質、馬場議員を後継指名 さらに「冷や飯を食う覚悟で」発言も 議員と“同じ重さの1票”を持つ一般党員約2万人の選択は | カンテレSPORTS | 関西テレビ放送 カンテレ

血みどろな闘争とか色々と言ってますけど、実際に行われているのはバラバラな人たちに執行部の思惑を飲むかどうかを選択させるということです。

そういう選択の最初の結果として出てきたのは圧倒的な推薦人の差です。

馬場氏の推薦人名簿には、維新の衆参両院議員62人のうちの51人を含む特別党員306人が名を連ねた。出馬に必要な推薦人は「特別党員30人」で、その10倍以上だ。「馬場氏が組織力の差を見せつけた」(中堅)との声が出ている。足立、梅村両氏の推薦人はそれぞれ、地方議員を中心に39人と30人だった。

維新代表選に3氏立候補、「全国政党」への道筋・党運営の在り方争点…27日選出 : 読売新聞オンライン
読売テレビYouTube動画より

この提出書類の厚さの差は、ほぼ推薦人承諾書の差でしょう。

個人的に驚いたのは、推薦人名簿の人数の時点で大差をつけても平気なことです。

前例として、自民党総裁選は基本的に推薦人は20人で横並びしていますし、民主党系の代表選挙も推薦人は規約により『国会議員の20人以上25人以下の推薦状』となっているため、(代表選挙の公告などのアーカイブを見ると、2005年代表選挙までは20人だったのが、2006年代表選挙から20人以上25人以下になったようにみえます。)、推薦人の人数の時点で大差がついたものをみたのは、個人的には初めてでした。

とくに馬場氏の推薦人名簿に、衆議院議員35名(浅川、一谷、漆間、吉田がいない)、参議院議員16名(浅田、東、清水、松沢がいない)と殆どの国会議員が載っているのは、執行部経由国会議員団発信の『こいつ以外になったらいけない』という強いメッセージを感じてしまい、『これ、代表選挙やる必要あるの?』という疑問すら出てくるような状態になっている気がします。

馬場氏2人、足立氏1人 維新代表選で県内特別党員5人の支持先|北日本新聞ウェブ[webun ウェブン] (吉田豊史氏は「立候補を目指していた立場なので明かさない」とのこと)

東氏と浅田氏がいないことについては、共同通信の記事にある、東徹推薦人になろうとした特別党員を松井一郎氏が自ら切り崩して出馬を潰した動きが影響しているのでしょう。

▽なぜ応援

 「馬場氏を応援する」。松井氏は先月、代表選への出馬意向を伝えた東徹前総務会長に通告した。同席した浅田均参院会長が東氏を支援するよう翻意を促すと「なぜだ。党をまとめてくれたのは馬場氏だ」といぶかり、首を縦に振らなかった。

 松井氏が馬場氏を推すのは一時低迷した維新をまとめ、野党第1党に迫る位置まで押し上げた手腕に全幅の信頼を寄せるからだ。自身の路線の継承を託す。昨年11月には、馬場氏を幹事長からナンバー2の共同代表に引き上げ、藤田文武幹事長ら若手を抜てきした。同時に政調会長だった浅田氏や東氏を常任役員から外すなど禅譲に向け、着々と布石を打ってきた。

 ▽踏み絵

 ただ松井氏が引退を表明し、代表選実施の時期が決まると、松井、馬場両氏が主導する党運営に不満を抱える国会議員や大阪府議を中心に、東氏擁立の動きが拡大した。

 代表選への投票権がある一般党員のうち、半分以上が大阪府在住とされる。馬場氏が堺市議出身なのがネックだった。大阪府議出身の東氏の巻き返しを恐れた松井氏は「代表選は権力闘争だ。負けた候補は冷や飯を食う」と公言し、自ら東氏支援の府議らに電話をかけ、推薦人辞退を促した。

 関係者によると、東氏は府議中心に50人以上の推薦人を集めていたが、最終的に「党内に亀裂が入る」と出馬を断念した。支持する地方議員は「踏み絵だ」と憤慨する。

「大型サイド」維新代表選告示 意中馬場氏へ「禅譲」狙う|愛媛新聞ONLINE

この自身の露骨な潰しっぷりの言い訳が『政治の世界というのは、まさに権力をもって、政策を実現するための組織なんだから、党内であろうと、権力闘争』『もっと『血みどろの争い』をやれよ』という松井一郎氏の発言の(密かな)背景としてあるのでしょうが、有権者はこんな権力闘争という名の反乱分子?潰しをやる党を求めて投票したんでしょうか。

ちなみに大阪府議周りの不満というのは、参院選前後に報道が増えたように思います。

「ベーシックインカム(BI=最低生活保障)でいきましょう」 

5月17日、維新国会議員団の政調役員会。国会議員団政調会長の足立康史(56)が参院選公約の重点政策への格上げを主張すると、「増税になる。認められない」と前総務会長の東徹(55)らから反対が続出した。

 BIは国民に必要最低限の生活資金を定期的に支給する施策で、維新は昨年の衆院選で公約に掲げた。だが、「維新らしさ」にこだわる東や前政調会長の浅田均(71)ら党創設メンバーには、財政支出拡大への慎重論が強い。結局、BIは公約に含まれたものの、重点政策への位置づけは見送られた。

 国会近くの衆院赤坂宿舎の家賃値下げを巡っては、衆院議員側がいったん容認したのに対し、参院議員の東が「感覚が分からない」とツイッターで反発した。この際は「値下げはおかしいやろ」との松井の鶴の一声で、値下げ分の寄付が決まった。

[政治の現場]参院選前夜<5>維新 険しい全国化…ポスト松井選び 混沌 : 読売新聞オンライン

比例野党第1党の目標は達成したが、大阪などで長年活動しながら落選した元地方議員らからは「有名人戦略」に不満の声も上がる。

「橋下さんがいたころは…」 維新の有名人戦略に内部から疑問の声:朝日新聞デジタル

2個目の朝日新聞の記事は具体的な内容を見れていないのですが、有名人候補が、得票自体が目立っているわけでもなく、そういう候補が票を集めそうな東京や愛知等で接戦を落としているというのが、意味があったの?そんなの出すならこれまで党に貢献してきた人を当選議席に入れてよ、と考える人が出てくるのは自明なのではないでしょうか?

個人票を棒グラフにしてみました

こういう細かい不満が、代表選挙でも表に出せないような状態を、既存政党のような『選挙に勝ってるんだから黙ってろ』等々で誤魔化し切れるのか?というのが、実は維新のこれからの見どころなのかもしれません。

まぁ、支持者の(細かい)不満を誤魔化し切れるのかというのは、全政党共通の課題のようにも見えますが…

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