(副大臣、政務官に女性起用がなかったことについて)もう女性が何人とか、そういう時代じゃない。女性が多いからいいとか、閣僚に女性が何人とか、ジェンダーの数をうんぬんしているのは日本だけ。優秀な女性、男性は関係なくどんどん登用する。そのためにも女性の国会議員が少なすぎる(のは問題だ)。
みんなにチャンスを与えて、ジェンダーに関係なく政治の舞台で活躍できる環境作りをしなければならない。したがって、大臣、副大臣、政務官に誰がなるかよりも、どういう仕事をやってくれるか、そこに注目したい。(記者会見で)
「ジェンダーの数うんぬん、日本だけ」 女性ゼロで国民民主・榛葉氏 [国民]:朝日新聞デジタル
国民民主の榛葉幹事長が『もう女性が何人とか、そういう時代じゃない。』とか『ジェンダーの数をうんぬんしているのは日本だけ』と言ってます。ジェンダーの数というのはナンノコッチャと思うのですが(ジェンダーの種類[という言い方が正しいかわかりませんがXジェンダーとかクエスチョニングとか]を増やすべきみたいな話ですか?)多分、単に「男性や女性の数を云々」的な事言いたいんでしょうけど、それをジェンダーの数と言っちゃうのはどうかと思うのですが、とりあえず本当に女性の閣僚の人数を気にするのは本当に『日本だけ』なんですかね。
私は日本語以外にはあまり詳しくないので国外のことはあまりわからないのですが例えば2021年に発足したアメリカのバイデン政権は以下のような発信をしていたと日本で報じられています。
「これまでのどの政権よりも(白人でない)有色の人が多く、女性が多い。壁をやぶる人たちの政権だ」
運輸長官にピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長を起用すると発表した、12月16日の会見でバイデン氏はこう語り、「米国の姿を映す政権だ」と胸を張った。
多様性求めたバイデン氏だが…オバマ前政権の高官ズラリ:朝日新聞デジタル
またスペインのサンチェス内閣も女性の割合が高かったことが報じられていますし、今年3月、閣僚や会社役員の男女平等を定めるジェンダー平等法案を提出していると報じられています。
フェミニストを自称するサンチェス首相の人選は、先に不信任決議を受けて辞任したマリアノ・ラホイ前首相の男性ばかりの内閣とは対照的だ。
女性閣僚は、国防相、経済相、財務相、教育相といった要職に就いている。
スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る 17人中11人 – BBCニュース
この「ジェンダー平等法案」はスペインのサンチェス政権が7日の閣議で決定しました。
法案では、来年7月までに、
▽上場企業の取締役の40%以上を女性とするよう義務づけているほか、
▽内閣の閣僚や地方自治体の行政機関、それに公的な団体の代表についても、2028年までに40%以上を女性とするよう求めています。
スペイン「ジェンダー平等法案」“上場企業の取締役 4割以上女性に” | NHK | ジェンダー
またフィンランドも女性閣僚が多いことがイスラエルで注目されて記事を書かれていました。
とはいえ、フィンランドの政治家たちにとっても、女性閣僚が多数を占めるマリン政権は偉大でドラマチックなものなのか? それとも、これは過去何十年にもわたり積み重ねてきたプロセスの必然的な結果なのだろうか? トゥップライネンの回答は次のようなものだった。
「その両方でしょうね。フィンランド最初の女性大臣は1926年に社会問題相に任命されたミーナ・シッランパーで、これは100年近くも前のことです。任期は短かったものの、女性首相も過去2人いました。いまの状態は奇跡ではなく、ごく当然の結果です。最も5つの連立与党のリーダーが全員女性というのは、もちろん特筆すべきことですが」
フィンランド人が「34歳女性首相」を“当然”だと考える理由 | 女性も政治やビジネスの世界で活躍し、社会を変えられる | クーリエ・ジャポン
また、国連女性機関は毎年、閣僚や国会議員などに女性がどれだけいるのかをまとめています。
これでも『女性が多いからいいとか、閣僚に女性が何人とか、ジェンダーの数をうんぬんしているのは日本だけ』なのでしょうか?
ちなみに、国民民主のホームページに丸川氏が大臣だったころ対談したという内容の記事があるのですが、そこに載せてある内閣府男女共同参画局の資料『資料②:諸外国における政治分野の男女共同参画のための取り組み』でも、女性閣僚の割合が女性の政治参画の指標として出されています。
一方、榛葉氏は『女性の国会議員が少なすぎる』『みんなにチャンスを与えて、ジェンダーに関係なく政治の舞台で活躍できる環境作り』というキーワードになりそうなことを述べています。
『みんなにチャンスを与え』たいけれど、自民に女性議員が少ないから仕方がないみたいなことを言いたいんでしょう。榛葉氏は自党に女性議員が多いことを過去にアピールしていますし、女性議員が少ないとも述べていますし、女性議員の数について云々することは日本だけとは思っておらず、必要なことだと思っていそうですし。(ちなみに国民民主の政策には『あらゆるライフステージと政策での男女格差をなくす』ことが含まれています。)
また、維新の藤田幹事長も似たような、自民の女性議員が育ってないから仕方がないみたいなこと言ってます。
(副大臣、政務官の人事で、女性の起用がなかったことについて)「何人のうちの何人を女性にする」ということではなく、女性議員をしっかり発掘し、しっかりと育てていくということを地道に積み重ねることで、結果として「彼女であればここに適性がある」という人事が行える。やはり王道で考えるべきだと思う。
自民党は女性議員がいまいち育っていない、あれだけ多数の人材を抱える自民党であっても、そういう現状なんだろう。私は「女性を何人入れようと決めて」というのはあまり理想的じゃないと思う。ここは人事権者の考えが色濃く出ると思うので、今回の人事で女性を優遇している、または優遇していない、ということを評価するつもりはない。
自民党は女性議員がいまいち育っていない、あれだけ多数の人材を抱える自民党であっても、そういう現状なんだろう。私は「女性を何人入れようと決めて」というのはあまり理想的じゃないと思う。ここは人事権者の考えが色濃く出ると思うので、今回の人事で女性を優遇している、または優遇していない、ということを評価するつもりはない。
維新・藤田幹事長「『女性を何人入れよう』ではなく適性で」 [維新]:朝日新聞デジタル
ちなみに自民党的には、以下のような都合があったようです。
「背景には、本来、副大臣レベルで入ってもおかしくない方が今回、閣僚として何人か若手が入った。その分、副大臣の人数が足りなくなってしまったというのと、自民党の女性局のフランス研修、観光旅行だと批判されましたけれど、その影響で女性局の関係者が入りづらくなってしまった。あと派閥の推薦が上がってきて決めるわけですけど、その段階で選挙が近いことを懸念する議員、特に女性議員から今回は遠慮したいという声があったと聞いています」
フジ解説委員・松山俊行氏 岸田政権、副大臣、政務官に女性ゼロの一因は「自民党の女性局のフランス研修」(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース
(個人的には杉田水脈政務官就任オッケーだった自民党さんが女性局問題NGというのは、なんとも場当たり的だなぁと思いますが、杉田水脈が政務官に再びならなかったことだけが女性ゼロで良かった唯一のことなのかもしれません。)
立憲民主党 塩村文夏参議院議員:「(杉田議員は)ブログでこう投稿して、ツイッターで拡散させているんです。会議室では小汚い格好に加え、チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。このブログを書き、ツイッターで拡散したのは事実ですか?」
自由民主党 杉田水脈衆議院議員:「はい、事実ではございます。ただ、この時は私はまだ国会議員ではなく一般人でございました」
立憲民主党 塩村文夏参議院議員:「国会議員の後の落選中ですよね。『コスプレのおばさん』とか『気持ちが悪い』とか、これちょっと私、あり得ないと思うんですよ。人権感覚は本当に大丈夫なのか」
自身のブログで投稿していた表現について去年、国会で追及を受けた自民党の杉田水脈議員。当初は「一般人だった」と話していましたが…。
杉田水脈議員ブログ“人権侵犯の事実あり”と認定 本人の受け止めは?
公明党は『たまたま』だそうです。
山口代表は講演で、女性閣僚が過去最多に並ぶ5人登用されたことについて、女性の活躍の観点で高く評価したうえで、「副大臣・政務官の任命があったが両方とも女性はゼロ、ちょっと残念だった。公明党も女性のいい人をと思っていたが、たまたまこの機会には女性を登用することができなかった」と述べた。
副大臣・政務官「女性ゼロは残念」 公明・山口代表“総選挙に全力で準備”(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) – Yahoo!ニュース
国民民主の党首はそれらの意見を単純に是とは思わなかったようです。
能力がある人を選んだら男性だったというが、「作られた能力差」という面もある。重要なポストを経験することで人脈ができたり、いろんな能力が身についたりするが、そういうところになかなか女性が就きにくく、キャリアアップに様々な壁がある。制度上、構造上、問題があることについては絶えざるチェックをし、見直しを図ることが必要ではないか。そのことが結果として、能力のある女性を数多く誕生させることにもつながっていく。(記者会見で)
国民民主・玉木代表「副大臣、政務官女性ゼロで(プラスが)帳消し」 [国民] [自民]:朝日新聞デジタル
維新や榛葉は『「女性を何人入れようと決めて」というのはあまり理想的じゃない』と言っているが、玉木氏は多分『男女の作られた能力差を改善するためにも、女性も一定数重要なポストにつかせること、つくことができると思われていることが必要で、そこに副大臣や政務官も含まれるはずで、それが出来ないのはなぜか構造や制度を見直すべきでは?』的な認識なんだと思います。
『ジェンダーに関係なく』というための土壌が日本には足りていないので、土壌作りをする必要がありませんか?的な。
榛葉氏や藤田氏はこの土壌作りを、女性議員が少ないからやらないことを許容すべきだと思っていたり、そもそもそんな土壌作りをする必要はないと思っていたりしているのでしょう。
そういう環境だから功を焦って、首相補佐官に突っ込んでいったりウィシュマさんの件で暴言を吐いたりするのでしょうか。
ちなみに、なんで榛葉氏が『もう女性が何人とか、そういう時代じゃない。』とか言い出したのかについて、別な記事などを見たらろくでもない理由が見えてきました。
9月15日に開かれた榛葉氏の記者会見では、副大臣・政務官に女性が起用されなかったことについて朝日新聞の記者が質問し、榛葉氏は
「朝日新聞さんは、いい記事たくさん書くけども、もう『女性が何人』とか、そういう時代じゃないと思うよ?女性が多いからいいとか閣僚に女性が何人とか、副大臣・政務官に女性がいないとか、こういうジェンダーの数をうんぬんしてるのは日本だけですよ」
と反応
国民民主幹部、記者に「公開説教」も批判続出 内閣改造巡り「もう女性が何人とかいう時代じゃない」: J-CAST ニュース【全文表示】
もしかして、朝日新聞とか左翼が嫌いでムカつくから感情的に反発した意見言ってるだけとかじゃないですか?
『共産党と連携なんかありえねえだろ』のノリで。
なんというかそう感じるくらい言ってることが突飛というか、根拠や脈略がないように見えるんですよね。
もう岸田政権批判がムカつくみたいなレベルに与党化してるのかもしれませんが。なんかそのくらい『日本だけ』とかいう必要あります?って思うんですよね。
国会議員の女性が少ないとすら思ってないなら、韓国の右派のように、そういう思想なんだと思うんですがそうでもないようですし。
で、必要ないことを言ってんのは、大体感情的になってるからだと思うんで、言い方的に、朝日新聞の記者が言ったからこういう事言いだしたように見えるんです。
本当にそんな感情的に言ってたなら、どうしようもないと思いますし、そうでなくてもどうなの?と思うのですが(他の人にチャンス与えたらどうですか?)。
ちなみに国民民主は女性支持率の低さを気にしている(いた?)ようですが、今回の榛葉氏の発言でアンチフェミニズム勢力が寄って来てるので、また女性支持率は嘆くことになる可能性が高そうですね(こんな発言一々見てない人もいるでしょうが)
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