前回のブログで『杉田水脈が政務官に再びならなかったことだけが女性ゼロで良かった唯一のことなのかも』と書いた部分でちらっと触れていたのですが、杉田水脈氏の2016年のブログ記事が人権侵害にあたると札幌法務局に認定されたようです。
7年前、自民党の杉田水脈衆議院議員がみずからのブログなどでアイヌ民族を差別する投稿を行ったことについて、札幌法務局は人権侵害にあたると認定し、議員側にアイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行ったことが分かりました。
杉田衆議院議員は平成28年、みずからのブログやSNSに国連の会議に参加したときのことについて、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などと投稿しました。
杉田水脈議員のアイヌ民族差別投稿 人権侵害と認定 札幌法務局 | NHK | 北海道
このときどのようなブログを書いていたかについては、相当悪質なので、一応当時の魚拓へのリンクも貼りますが、内容を引用して批判しているブログの方でざっくりと確認するのを、私的にはおすすめします。
NHKのニュースによると『議員側にアイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行った』とのことですが、杉田水脈的には、過去に似たようなことを言っていた金子やすゆきや小野寺まさるを見るに(偏った知識を)学んだ結果として「アイヌはいない」と考えて「コスプレ」だと発言しているんだろうから学んでなんて言っても意味はなく、また、発言に注意なんて、政務官を好き勝手言うために辞任して、それを許されてしまった人間がそんなことするわけがないだろうと思うのです。
講演会のタイトルは「あなたもなれる? みんなでアイヌになろう?」。憲法改正の実現などを目指す日本会議北海道本部が主催して9月21日夜に開かれ、「アイヌ先住民族、その不都合な真実20」などの著書がある医師の的場光昭氏と、元道議の小野寺秀(まさる)氏が講師を務めた。
「タイトルがヘイトだ」 アイヌ新法に疑義呈する講演会めぐり小競り合い(1/2ページ) – 産経ニュース
辞表を提出した、杉田水脈・総務政務官は記者団に対し「先の国会で私の過去の発言などに厳しい指摘があり、一部は取り消したが、真意がなかなか理解されないのではないかということもあった。信念を貫きたいと思う一方、内閣の一員として迷惑をかけるわけにはいかないという思いもあり、総合的に判断して年末の節目に辞表を提出した」と述べました。
その上で「発言を聞いて応援してくれる支援者もたくさんいる。私を支援してくれる方々がいっぱいいるので、その方々の代弁者として、しっかり政治家として頑張っていきたい」と述べました。
(中略)
(岸田総理大臣は)「先ほど杉田政務官からは『もとより差別意識はなく、説明を尽くしたが、結果として国会審議に迷惑をかけることになった過去の言動について問題があると判断したものは撤回することとした。自らの信念に基づき撤回できないものもあるが、行政に迷惑をかけることはできないため、辞任したい』という意向が示された」と述べました。
杉田水脈 総務政務官が辞表提出 「信念貫きたいが総合的判断」 | NHK | ジェンダー –
という感じで今回の札幌法務局の話もなにも意味がないんだろうな、と思っていたら、同じ党の議員によって全く聞いてないことがバレました。
この研修会、28日にツイートしていますが、調べたところ、実際に行われたのは22日。なんと人権侵害認定と報じられた2日後の話なのです。
そもそも、アイヌ女性の方などをコスプレだ気持ち悪いだ小汚いだ述べていたことが人権侵害と言われているのに、『民族衣装のコスプレをした方々の 「日本人がアイヌ民族を差別している」 という主張を否定しただけ』と認定2日後に杉田水脈が主張し、それを自民党議員が鵜呑みにしてツイートしているわけです。
しかし、主張を否定した〝だけ〟のブログに、以下のように、気持ち悪いだ恥晒しだと書くのでしょうか。
『目の前に敵がいる!大量の左翼軍団です』
『ハッキリ言って“小汚い”なんでこんなにきたない人ばっかりで集団を作れるのか不思議です。』
『近所のスーパーに買い物に行くのとはわけが違います。(私は近所のスーパーに行く時でもあんな格好はしませんが)「場をわきまえる」という日本人なら誰でもできることができていないのです。』
『国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります。』
『国会議員が在特会なんかと写真に写ると大問題になるのに(在特会のことは全く支持しませんが)、左翼活動家と写真に写っても何の問題にもならないなんて、おかしな世の中です。左翼活動家の方が暴力的で危険ですし、共産党員は公安の監視対象です。』
『同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなるくらい気持ち悪く、国連を出る頃には身体に変調をきたすほどでした。』
『彼らは、存在だけで日本国の恥晒しです。』
このような文言を国連会合に出席したアイヌの方などに向けて書いていたわけで、それで『アイヌの皆様の差別など全くしてません』というのは、出席していた人がアイヌの方であった以上、アイヌの存在を認めていないという前提がなければ成立しません。
そして、その前提があるということは『「日本人がアイヌ民族を差別している」 という主張を否定しただけ』ということにはならないように思う(アイヌの存在を認めない≒現存のアイヌの方に対する差別行為)のですが、多分若林氏は、そんな周辺知識もなく鵜呑みにしてツイートしてるのでしょう。
ちなみに杉田水脈とその仲間たちは国連の女性差別撤廃委員会に出席する際、撮影してはいけないところで撮影していたりもしていたらしいです。
ブルーリボンの男性が、NGOの女性たちを無断で撮影していたため、筆者が「ここは撮影禁止ですよ」と注意したが、その後もなりふり構わず撮影していた。翌日の審査会場でも、傍聴に来たアイヌの民族衣装やチマチョゴリ姿の女性たち、糸数慶子参議院議員らを無断で撮影。その後、NGOの女性たちから撮影を断られたにもかかわらず、杉田氏は撮った写真を許可なくウェブサイトにアップし、「左翼」「小汚いNGO」などと誹謗した。
国連の女性差別撤廃委会期中に――杉田水脈氏ら呆れた言動 | 週刊金曜日オンライン
ブログで名前を取り上げられた、当時参院議員だった糸数慶子氏は「会場には女性の権利向上を目指してNGOや当事者団体が集まっていた。そうした人々を十把ひとからげに『左翼』と攻撃し、おとしめた。とんでもない曲解で今も悔しい」と怒りをにじませる。 「罵声を受けた」との杉田氏の主張には、「一般公開されていない会議や記者会見に杉田氏らが勝手に入り、無断で参加者を撮影していたので注意されていた」と述べる。
杉田水脈総務政務官、今度はアイヌ民族や在日コリアンへの侮辱で批判殺到 それでも更迭しない岸田首相:東京新聞 TOKYO Web
この撮影行為についても含めて、当時チマチョゴリを着て参加していた在日コリアンの方も大阪法務局に申し立てており、啓発したという返答を受けていたようです。
国連会議にチマ・チョゴリを着て参加し、写真を投稿された在日コリアンの女性3人が今年2月、大阪法務局に人権侵害を申し立てた。 申し立てた府内在住の在日コリアンの女性(65)によると、13日に法務省の担当者から電話があり、「調査が終了し、杉田議員に啓発した」と説明されたという。10月以降、担当者による説明会が開かれる予定という。
法務省、差別的投稿の杉田水脈議員を「啓発」 人権侵害申し立て受け:朝日新聞デジタル
このように、あらゆる方面に誹謗中傷といえる文言を浴びせたり、容姿を晒したりしておいて『主張を否定しただけ』は鵜呑みにしてはいけないでしょう。
しかし、そもそも昨年末にこの発言などで政務官を辞任していた杉田水脈氏に講演させる静岡自民は大丈夫なのか?と思って色々調べたら、どうもそういう方向性の人がちらちらと何人も講演しているようで。
自民党の人脈なんてそんなもんだと言われたらそうなんですが。
冊子は自民党本部が6月11日付で、各議員事務所に25部ずつ配布した。「野党や一部メディアで誤った情報を発信することが度々見受けられます」「報道では語られていない真実を伝える内容となっています」などと記した同党本部名の文書が添付された。文書には「インターネットメディア『テラスプレス』から発行されました」「参院選に向けた演説用資料としてご活用ください」とも記されている。
冊子の題名は「フェイク情報が蝕(むしば)むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」。A5判約140ページ。執筆者は書かれていない。野党の国会や記者会見などでの発言を「ご乱心」と批評。憲法改正や自民党総裁選などをめぐる報道への批判も展開している。
自民党広報本部は朝日新聞の取材に対し、配布した事実を認める一方、入手の経緯などは明らかにしなかった。
冊子を受け取った議員からは戸惑いの声があがる。
ネットに詳しい中堅議員は「野党第1党の党首をイラストでからかい、自民党お墨付きの冊子として配布するのは政権党としてマイナス。副読本でなく、服毒本だ」と指摘。閣僚経験者は「自民党もここまで落ちたか……。しかし、読んで演説する議員も一定数いるんだろう」と漏らす。
自民が推す「演説用資料」に身内も困惑 発行者の正体は:朝日新聞デジタル
ただ、個人的には静岡県連の現会長が『城内実』と知って、あぁ…と思ってしまいました。(そんな県連に入っている『思いやりのある保守政治』とか言ってる細野豪志氏は何を思うやら…)
2月15日に開かれた超党派のLGBT議連の会合の後、記者団のオフのぶら下がりに応じた「性的マイノリティに関する特命委員会(LGBT特命委員会)」事務局長の城内実・自民党衆院議員が「同性婚はウクライナの問題と同じだ。『ウクライナが正しい』というのはむしろ少数派。世界の流れだっていうのは間違っている」と発言していたことがわかりました。
性的マイノリティに関する特命委員会事務局長の城内実議員、「同性婚はウクライナが正しいという人と同じで少数派」と発言 | Magazine for LGBTQ+Ally – PRIDE JAPAN
25日に開かれた自民党の性的マイノリティーに関する会合で、城内実・元環境副大臣が「純粋まっすぐお花畑の人は、『差別されている人を助けなきゃ』みたいな話(となっている)」と発言していたことがわかった。性的マイノリティーへの差別解消に取り組む人を揶揄(やゆ)したともとられかねない発言だ。
会合は非公開で、ゲイを公言している旧民主党の元参院議員、松浦大悟氏を有識者として招いて開いた。会合の出席者によると、城内氏は会合の終盤で、「美しいポリコレ(政治的な正しさ)みたいなものでストーリーをつくって、それを疑問視する人をひたすらたたくお花畑正義感の人たち」とも言及。そうした人たちは「多様な価値観、多様な市民を、ステレオタイプでやっているんじゃないか」などと語ったという。
自民・城内氏「お花畑正義感の人たち」 性的少数者の差別めぐり発言 [自民]:朝日新聞デジタル
一方、杉田水脈が環境部会の部会長代理になったことが報じられました。
これについては、(VTuber化している)宮原健太氏が事前に『外交部会の部会長代理になる』と書いており、その後環境部会の部会長代理と入れ替わりになったようです。
杉田水脈氏は、チマチョゴリについても誹謗中傷の対象にしていたことからも分かるように、慰安婦問題などの歴史問題についてひどい認識の持ち主で、それを平気で外交部会に置くのが流石自民党だと思うのですが。(外務副大臣に、過去にヘイトスピーチや人権団体について『情報戦・法律戦を仕掛けられている』『ほとんど朝鮮総連系や朝鮮系の団体が言っている』『日本を貶めるために人権団体と言っているだけ。』と言っていた山田賢司をつけたり、高橋史朗を関わらせたりする人たちなので…)
ところで、関係ない話なのですが、法務部会長代理に武井俊輔がいるのですが、例の当て逃げ事件についてでもやるんですかね?
交換先である環境部会を見るとトップが中田宏…、本人たちの信念や資質は別として、自民党は環境部会を厄介者をぶん投げていく場所とでも思っているのでしょうか?
なんとなく自民党の環境問題への関心というか、そういうものを表しているような気がしてしまいます。
ちなみに、講演内容をツイートしていた若林氏と杉田水脈はメガソーラー批判で共闘しているようです。
なんというか、本当に自民党のこういう方面の問題は根深そうで…
安田氏は「(塩谷氏の)“今後の政治活動の参考にしてほしい”なんて発言がありましたけれども、そんな悠長なことを言っている場合ではない」とし、「杉田氏がマイノリティーに矛先を向けた言葉が差別であるという指摘は、何度となく繰り返されてきたわけですよね」と指摘した。
そのうえで「昨年、岸田首相は、杉田氏を総務政務官に起用したということがありましたけれども、そうした人物を重用するということ自体が、差別問題なんて考慮するに値しないんだっていう負のメッセージとして伝わっていきますし、もっと言えば、差別やヘイトの矛先を向けられた側の命を二の次扱いしているっていうことだと思うんですよね」と自身の考えを述べた。
そして、「岸田首相が先日、国連総会で“人間の尊厳に光を”と立派な言葉で演説しましたけれども、その光を足元で奪われ続けている人たちがいて、その光を奪っているのが自民党の国会議員であるという事態に一刻も早く対処すべきだと思います。これは命にかかわる問題なので」と強調した。
安田菜津紀氏 自民・杉田水脈氏のアイヌ民族侮辱に「岸田首相は国連総会で“人間の尊厳に光を”と…」(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース
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