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どうしようもない「外国人と会話するときは必ずマスクをつけてください」文書

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潮来保健所が、外国人コミュニティに感染が広がっているのを受けて、どうしようもない文書を送って、それがニュースになりました。

新型コロナウイルスの感染拡大に絡み、茨城県潮来保健所(潮来市)が、鉾田市の外国人が働いている農家に対して「外国人と一緒に食事をしないように」などと呼び掛ける文書を、同市や地元のJAに送っていたことが21日、分かった。県は同日、内容が不適切だったとして文書を撤回した。

県感染症対策課によると、文書は19~20日にメールで送付。「この地域で、外国人コミュニティーで感染が広がるとともに、農家や家族で外国人から感染した可能性が疑われる患者が多く発生している」とした上で、「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」「外国人と一緒に食事をしないようにしてください」などと呼び掛けた。

コロナ拡大に絡み「外国人と食事しないように」 茨城・潮来保健所が文書送付 不適切内容で県撤回

この外国人コミュニティで感染が広がっているとみなした根拠は、送付先の鉾田市にて、技能実習生の集団感染がおこったからでしょう。

また、鉾田市内の事業所でも新たに技能実習生9人の感染が判明し、この事業所で感染が確認されたのはこれで11人となりました。

茨城県 新型コロナ新たに80人感染確認 変異株10人確認

県の発表をまとめた鉾田市のページを見ると、事業所で確認された感染者11人全員技能実習生のようです。

これを受けて発せられた文書が、冒頭の文書なのですが、これまでの感染対策から何を学んできたのか?と言いたくなるようなものだと思います。

「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」という対策は無意味です。

何故ならば、そもそもの話としてマスクと言うのは、「感染させない」ためにするのが基本であって、「感染しない」というのは副産物とまでは言わないまでも、感染させない効果よりは低いものとなっているようです。

よって、本来、外国人コミュニティで感染が広がっているならば、感染可能性が高い外国人の方の側に、マスクの着用を訴えかけることが必要なことです。

しかし、文書は感染が広がっていないはずの農家の側に「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」と述べるものになってしまっています。

これでは外国人コミュニティで感染が広がるのは止まりませんし、そこから他コミュニティに感染が拡散することも止められません。

この「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」で得られる効果は、下手をすると「外国人だけを感染源だと思っています。なのであなた達だけに壁を作ります。」という差別心を発露しながら、非外国人同士でマスクをせず感染しあうという地獄絵図を作り上げるだけなのではないでしょうか。

これは「外国人と一緒に食事をしないように」という一文も同じであって、必要なのは、外国人であろうが非外国人であろうが、できる限り少人数で食事をすることであるはずです。(国の分科会からは「同居家族以外ではいつも近くにいる4人まで。」という提言が出されています。)

そこを「外国人と一緒に」としてしまうと、やはり感染拡大予防に抜け穴ができてしまうし、外国人をコミュニティから排除する効果しか生まないのではないでしょうか。

一方で、「外国人コミュニティで感染が広がっている」と聞いて気になったのは、鉾田市には(当たり前ですが)技能実習生以外にも外国人がいると言うことです。

宇都宮大学の学生の方が2017年に鉾田市の技能実習生について調べた小論文でも触れられているように、鉾田市には「実習先から逃亡する人、もっと稼ぐために実習先を転々としている人など、いわゆる在留期間を過ぎてもなお滞在する非正規滞在者の存在」があります。

私が気になっているのは、この非正規滞在者のコミュニティで感染が広がっていて、それがそことつながりを持っていた技能実習生に感染ってしまったのではないか、という可能性です。

そうなると、必要なのは非正規滞在者のコミュニティに感染拡大への対策を行ってもらうことであって、そことの関係がある可能性がある技能実習生の方々に伝言をしてもらうことが必要になってくるのではないでしょうか。

そういう意味で「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」「外国人と一緒に食事をしないようにしてください」ではなく、なんだったら外国人と色々気を付けながら食事をしながら感染予防について話してもいいように思いますし(その瞬間の感染可能性は高まりますが、長期的な感染拡大予防にはつながる可能性があるように思います。)、住んでる人同士でマスクをしているかどうかを確認し合うなど、外国人コミュニティと何らかのコミュニケーションを図る行為が、感染拡大予防として必要なのではないでしょうか。

そのへん、例えば以下の美濃加茂市の事例のように、COVID-19に限らず、各地に様々、コミュニティとの関係性について様々な事例が積み上がっているのではないでしょうか。

 新型コロナウイルスの第4波の中、在住外国人が感染するケースが増えており、岐阜県や県内の自治体が警戒を強めている。在住外国人が人口の1割近い美濃加茂市は彼らの信頼が厚い牧師らと協力、感染拡大を食い止めるため対策を講じている。

聖歌隊減員、合唱せず会食も中止 在住外国人、牧師と協力し感染防止徹底

このような場合、記事中に「彼らの信頼が厚い牧師らと協力」とあるように、「信頼」がキーワードのように思います。

そこで思い浮かぶのが、一部の非正規滞在者に対し、本来「信頼の厚い」相手になるはずであった技能実習受け入れ先、もしくは技能実習生斡旋者が、何らかの信頼を欠如するような行為を行っている場合があることです。

鉾田市では、2014年、残業代の一部未払いが発覚し、27の農家が5年間技能実習生を受け入れられなくなる処分を受けるという事案が発生しました。

このような不信感を募らせる出来事が、非正規滞在者の増加につながるのではないかと思うのです。

また、冒頭の文書に戻りますが「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」「外国人と一緒に食事をしないようにしてください」という行為も下手をすると差別されたことによる不信感を募らせる結果になりかねません。

そのような不信感を募らせるような行為を控え、外国人コミュニティ(の一部)とその他のコミュニティ(の一部)がつながる必要が、(普段から必要ですが)特にCOVID-19対策ではあるように思います。

また、オーバーステイのような非正規滞在者の存在をいかに受け止めるかと言うことも重要だろうと思います。

アメリカでは、そういう方々に合法的に滞在する道を開くかどうかで2大政党がバトルしているようですが、日本でもどうするのか議論する必要があると思います。

米各メディアによると、法案は国内に約1100万人いると推定される不法滞在者について、身元調査や納税証明を条件に5年間の合法滞在資格を付与。その後、永住権(グリーンカード)申請が可能になる。永住権取得から3年後には、市民権を申請できる。
 また、幼少時に親などに連れられ不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる人々は、即時の永住権申請と3年後の市民権申請が可能になる。トランプ前大統領は、オバマ政権時に設けられたそうした人々の救済措置の廃止を進めるとともに、途上国からの合法移民に対する制限も強めていた。

不法滞在者の合法化へ道 移民政策を抜本改革―米政権

そういう方向では、正式に議論に持ち込む前にクラスターが発生してしまったようなのですが、ひたちなか市のインドネシア人コミュニティ内で、「新型コロナの感染拡大を防ぐため、オーバーステイの同胞にもワクチンを接種してもらえないか」との声が上がっていたというのは、重要なのではないかと思います。(大洗町に多くのインドネシア人の方がいるということ、寡聞にして知りませんでした。)

 大洗町は、約1万6000人の住民の5%に当たる約800人が外国人だ。そのうち約400人がインドネシア人で、同国スラウェシ島北部のマナドなど出身のキリスト教徒の日系人や技能実習生が多い。港町としての地場産業である水産物加工や、周辺地域の農産物加工などの作業を担っている。

 家族で定住している日系人も多く、八つのインドネシア人教会を中心にコミュニティーを形成している。第二の古里となった大洗のことを、出身地マナドを合わせて「カンプン・マナド・オオアライ(大洗マナド村)」と呼ぶ人もいる。

 正規在留者のほかに、オーバーステイのインドネシア人も暮らし、周辺のサツマイモ畑や建物解体現場などで働いている。教会関係者によると、そうしたオーバーステイ労働者は約200人に上るという。

 インドネシア人コミュニティーでは、「新型コロナの感染拡大を防ぐため、オーバーステイの同胞にもワクチンを接種してもらえないか」との声が上がり、要請書の文案づくりが進められた。しかし、高齢の日本人や日系人への接種の見通しすら不透明な現状の中、行政との協議などは見合わせていた。

 そこにクラスターが発生した。

【独自】茨城県大洗でインドネシア人クラスター 新型コロナ 感染拡大防止が急務

 新型コロナウイルスのワクチンの接種対象に、オーバーステイ(超過滞在)の外国人も含めてほしいと要請する準備が、茨城県の在日インドネシア人の間で始まった。海外では対象に含める国もある。これまでのところ、対象者としては明示していない日本政府の対応が注目される。

 背景には、オーバーステイとなった外国人が、日本各地の人手不足が深刻な職場で働いている現実がある。ワクチンの接種を受けていないことが、本人だけではなく、職場や地域にとっても感染再拡大のリスクとなるためだ。

「オーバーステイ外国人にもワクチンを」 在日インドネシア人ら要請の動き

一方、外国人の方の信頼と言う点では、入管法改正案と入管施設での収容者への不当な扱いが最近話題になりましたが、ここも、オーバーステイの人をどう受け止めるか、という課題と言う点では共通しているのではないかと思います。

個々人のために、お互いが信頼できるような仕組み等が構築できるように、少なくとも「外国人と会話する時は必ずマスクを着けてください」「外国人と一緒に食事をしないようにしてください」などという文書が二度と出てこないことを望みます。

山村医師によると、全国の入管施設では、専門的な医療の代替として鎮痛剤や胃薬などが日常的に使われ、職員の判断で薬を与えるケースが頻繁にあるという。

また、病気で収容に耐えられないと判断されれば仮放免が認められる場合があるが、そうした事情から、山村医師の聞き取りに対し、多くの外国人が「体調不良を訴えても、職員が信じてくれないことがある」と答えているという。

このため山村医師は、収容された外国人と入管職員との信頼関係が損なわれる事態も起きているとしている。

こうした状況のもとで、職員が判断を誤り、収容されている外国人にとって致命的な結果につながる危険性があると山村医師は警鐘を鳴らしている。

スリランカ人女性の死が投げかける入管施設の“長期収容”問題

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