Q.先生の座右の銘は?
A.去私利他!!
Q.それは誰の言葉ですか?
A.これは僕の造語だけど、お袋から「世のため、人のために」と言われていて、それを表した言葉だと思って作ったのだ。けど元々は仏教の経典に「自利利他」と言う言葉があるんですが、これは自分を高めることによって人のためになるという意味合いなんだ。けど「自利」というのはどうも自分を利するという風に今の人は誤解し易い。もう一つは夏目漱石の座右の銘に「則天去私」というのがあるのですよ。「則天去私」の「去私」のところを使って、「自利利他」の「利他」を使って足して2で割った訳だ。そして誰が読んでも「私を去って、他人を利する」という意味で誤解がないように一生懸命考えて作ったんだ。
去私利他という言葉が座右の銘であるという山本幸三内閣府特命担当大臣。
アベノミクスの仕掛け人ということのようだが、大臣になってからの言動は、正直解せないところがいくつもありますし、今朝報道された話は本当に『去私』であるのか解せない内容です。
今回のブログではその中でも大きい言動を拾っておきます。
「一番のがんは学芸員。観光マインドが全くなく、一掃しなければだめ」
山本幸三氏は、この後に取り上げる発言もそうなのですが、専門知識を持つ専門家を軽視しがちというか、専門知識の価値を下げようという動きをしたがっているように思うのです。
しかし、毎日新聞の記事で、この発言の元になったと言われる、デービットアトキンソン氏が付加価値を上げて入場料を上げる事を提案しているように、重要なことは専門知識が然るべき価値を得ることではないでしょうか?
既得権益を破壊する事が『構造改革』であり『幸三改革』なのかもしれませんが、重要なのは既得権益が益を独占すること無くそれこそ『トリクルダウン』が起こるように動くようにすることであって、それが出来ずに既得権益を破壊しても新たな既得権益が益を独占することが続いていくだけだと思います。
それを防ぐことが重要であって、一掃すればいいとか言う話ではないでしょう。
「小動物獣医師の給与を下げるべきだと考えるか」「そう思っている。」
山本幸三地方創生相は4日、公務員の獣医師が不足しているのは「小動物獣医師がもうけるからだ」と述べ、ペットを診る小動物獣医師の待遇が良すぎるとの認識を示した。獣医学部をつくって獣医師を増やせば、ペット診療の「価格破壊」が起きて小動物獣医師の給与が下がり、相対的に給与が低いとされる公務員獣医師の不足が緩和されるという持論を述べた。
安倍晋三首相が「公務員獣医師の確保は喫緊の課題だ」などとして獣医学部を全国で増やす方針を示したことを受け、山本氏が閣議後の会見で発言した。「小動物獣医師の給与を下げるべきだと考えるか」という質問に、「そう思っている。(日本)獣医師会の資料で、1施設で5千万円以上の収入があるところが3割を超える」などと語った。
ペットもうかるから公務員獣医師不足?山本創生相が持論:朝日新聞デジタル
小動物獣医師の待遇が下がれば公務員獣医師が確保できるだろうというのは、要するに『デフレになれば相対的に待遇が良い状態になるので公務員が増える』という話と類似している話だと思うのです。
これはリフレを目指すはずのアベノミクスの仕掛け人として適切な認識なのでしょうか?
先程の学芸員発言の際にも触れましたが、重要なのは『適切な価値が与えられること』です。
公務員獣医師が不足しているのは、公務員獣医師が適切な評価をされていないことが最大の原因である、と私は考えます。
(もちろん他にもいくつも原因はあるでしょうが、根本的にはここでしょう)
たとえ『ペット診療の価格破壊』が起きたとしても、その結果起きるのは、体力のある集団による市場の独占なのではないでしょうか?
そして規模の維持のために不採算事業の過剰淘汰が起こって、結果的に小動物獣医師利用者の一部が不便になる可能性すらあるのではないでしょうか?
また、いずれにせよ公務員獣医師が給与が低いままならば、一攫千金を狙って小動物獣医師などの公務員以外の道を模索する方向に走る人のほうが多いままになるのではないでしょうか?
価値や待遇を下げて状況を改善しようとする方針には、私は断固反対します。
「(メールの作成者は)文科省から出向してきた人で、まあ不適切なことでありますが、陰で隠れて本省の方にご注進したようなメールだ」
都合の悪い人はバッサリと切り捨てる、まさに『改革』の悪いイメージを体現しているようなものだなぁ、と思います。
証券取引等監視委員会の幹部を議員会館に呼び出し、知人のインサイダー取引事件に関して「人権を軽視した違法な調査だ」などと発言
本当に『去私』なのか解せないと言ったニュースがこれです。
別なときに、山本幸三氏は「安倍政権は、私の理解では、岩盤規制突破を含めてがんがん仕事をしているので風当たりが強くなる。それが宿命だ」と発言しているのですが、この件が象徴するような『しなくていい仕事をしている』から風当たりが強くなってしまっていることを少しは考えたほうがいいように思います。
たとえ調査の結果を左右しなかったとしても、これは国会議員の不当介入としか言いようが無いと思いますし、そこまでする動機が何処にあったのでしょう?(以前から別件などで問題視していた様子はなさそうですし・・・)
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