そこで井ノ原氏が、再びスピーチする。
「ちょっと一言いいですか。やはり、こういう会見の場は全国に生放送で伝わっておりまして小さな子どもたち、自分にも子どもがいます。ジャニーズJr.の子たちもいますし、それこそ被害者の皆さんが自分たちのことでこんなにもめているのかっていうのは、僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら……。ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいと僕は思っていますので、どうか落ち着いてお願いします」
すると、左ブロックの前から2列目に座っていた男性記者とその周辺から拍手が起きた。筆者はちょうどその前の最前列に座っていたが、その瞬間、心の底からビックリした。不祥事、ましてや人権侵害をした企業の会見で、企業側の制止に対して、記者から拍手が送られることなど、通常ありえない。
井ノ原氏のコメント内容にも驚いた。「自分の子ども」「ジャニーズJr.」という未成年、さらに被害者を盾に取り、抗議の声を封じようとするそのやり口に。「もめているところを僕は見せたくない」というお気持ち表明も、非常に偽善的で卑怯である。
井ノ原快彦の”論点ずらし”に拍手が起きる異様な会見…首尾よく終えたつもりの彼が残した”致命的な失言” 「一社一問ルール」「子ども」「被害者」を盾に場を仕切る狡猾さ (2ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
先日、ろくでもない会見が行われました。
会見の内容は、過去の性加害被害の補償について。
その会見で場が荒れた結果飛び出した事態が上記に引用した内容の事態です。
この事態について、当事者の会だった方(当事者の会の中でもなんか分裂が起きているようです。)が「もしこれがビッグモーターだったら、拍手は起こったでしょうか。」と述べていましたが、私は、ビックモーターどころが、これを発言したのがパニック障害により会見を欠席していた藤島ジュリー景子氏であっただけでも、このような反応にはならなかったように思うのです。
ここで拍手が起こるのは、僕には望月氏への怒りだけではなく、表に井ノ原氏や東山氏を立たせることによる、イメージ中和効果といいますか、相手が性加害に適切な対応をできていなかった企業を代表して立っていることを忘れさせるというか、(被害者である可能性のある人をそこに置くことによって企業としての加害性を)ぼやけさせるというか、そんな効果が生まれていたのではないかと思うのです。(その事によって望月氏にだけ目線が向かったのでは?という。)
以下の9月会見時の室井佑月氏の反応がそれを露骨に物語っています。
室井氏は「でも、いちタレントだったわけでしょ? 彼らだって。なのに、例えば性被害があったとか、見てたっていうことがあったとしても、それを言わないっていうのも個人の権利だと思う」と訴え「なのに自分たちメディア機関の人間なのに『お前らどうなんだ』っていう。まずさ、戦争の時にメディアって協力してたから、新聞の日に絶対反省するでしょ。あの一言もなく、よく…。被害者だもん、構造の中で彼ら」と納得いかない様子だった。
まるで第三者の立場としてそこに居るように見えるから『被害者の皆さんが自分たちのことでこんなに揉めているのかっていうのは僕は見せたくない』とさも心から被害者を慮っているかのように語る言葉に対して、一部記者が拍手で応えるという事態が起きてしまったのでしょう。
しかし、性加害が裏で起こっているような異常な事態があっても『ルールを守っていく大人たちの姿』がそこにあった。そんな状態があったからジャニーズの周辺がこうなったんじゃないかと僕は思ってしまいますし、まだ被害者救済は始まったばかりなので、なにも評価できない段階であるように思うのですが。(そういう意味で「やることはやっている」といい出した国民民主党の玉木雄一郎氏の反応にも違和感を持ちました。)
ちなみに拍手をしたと自ら述べた人が私が知る限り二人います。その一人がENCOUNTというウェブ媒体の編集長の方でした。
私自身も無意識に拍手をしていた。視聴者から一括りに「メディアは偉そうだ」と思われたくなったし、「そんなルール無視、配慮なしの昭和スタイルはもう止めにしてほしい。井ノ原氏の発言でヤジも飛び交っていた空気が変わり、止まっていた質疑が進む」と思ったからだ。挙手を続けても指名されず、質問できなかったことは個人的に残念。だが、聞きたかったことは事務所に問い合わせていけばいい。全てのメディアがそうすべきとは言わないが、ENCOUNTはそのスタイルでやっていきたい。令和に生まれた新たな媒体として。
「次に変わるべきはメディア側」…ジャニーズにコントロールされてきたキャスティング問題
ちなみに、『聞きたかったことは事務所に問い合わせていけばいい。』として聞いたことの一つは、インターネットでの写真使用に関する話のようで、そこ今聞くことなん?と思ったのですが。
しかし『井ノ原氏の発言でヤジも飛び交っていた空気が変わり、止まっていた質疑が進む」と思った』って、見事に「ジャニーズにコントロール」って感じですが、そういう「ルールを守ること」を(私からすると盲目的に見える程度に)無条件に肯定するのが、「偉そうだ」と思われてはいけない、「批判される側から「落ち着いてください」と正論を繰り出されるのはメディア側としては恥ずかしい」と思っている人たちによる令和スタイルなんでしょうか。(そこにはルールというすごい偉そうなものがど真ん中に鎮座しているのでしょうが。)
(個人的には中丸氏が会見を見た感想として「生産性の高い時間だったのかな」と述べているのも、令和のそういう価値観なんだろうなと思ってしまいます。生産性。)
(あと、ジャニーズは関係ないのですが、国民民主の伊藤孝恵氏が反対しないことについての理由として「普通の会社で働く者が「反対だ」と机をたたいて会議を出ていったら、次から会議に呼ばれないだけでしょう。」と述べていたこととも個人的には思い出しています。それ、会議に呼ばない会社側を疑問視しないの?という意味で。上で触れた玉木氏の言動と言い、国民民主はそういうENCOUNTみたいな方向性の人がどんどん集っているように見えます。)
ちなみにENCOUNT編集長のSNSアカウントを見ると、ジャニーズネタが多そうで、ジャニーズファンに記事傾向が気に入られているようです。なんか影響ありそうですね。(そういう人たち、なんかやめたジャニーズ系の人たちやそのファンを批判する傾向もあるようですね。)
ちなみにENCOUNTは、スポーツ新聞レベルのこたつ記事や薄っぺら記事を大量にYahooニュースに配信している媒体の一つです。私はろくなイメージがありません。
「ルール無視、配慮なしの昭和スタイル」に反対すると、ルール内で様々な方面によくわからない配慮をしつつ、粗雑な記事を量産して金を稼いで、その金で力を入れた取材記事やインタビュー記事を書く、みたいな媒体が生まれるということなのでしょうか。
ところで、今回の会見でNGリストが存在した件、ジャニーズ側が持っていたリストが「氏名NGリスト」だったことで、へんてこな論がSNSで蔓延していたのですが、もし本当に氏名を出していけない人を記者会見主催者側が把握していたら、それはヤラセ質問をさせるためのリストである可能性が高い問題になるのではないかと思いますので、それはそれでヤバいのではないでしょうか。(そういう動機以外で氏名を出していけない方が記者会見には来ないでしょう。)
あと、維新の足立康史と松井一郎はなんなんでしょう。維新にこういうのを信じる磁場でもあるんでしょうか。
あと、望月氏のことについては、サッカーで言う(稚拙な)マリーシア的なプレーをしてる人という認識です。カオスな状況を作り出すことで相手のおかしなプレーを引き出すこともあるのですが、相手のおかしな部分を引き出すために本人もおかしなことになってるので…っていう。
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