安倍晋三首相は3日夜、自民党の森山裕国対委員長ら国対幹部と首相公邸で会食した。出席者によると、首相は憲法改正をめぐる国会論議について、「立憲民主党と共産党がいる限り全会一致の議論は無理だ」と語った。
また、首相は11~18日の日程で欧州、中東を歴訪することを踏まえ、22日の会期末が迫る中、外遊中に野党が内閣不信任決議案を提出した場合の対応を質問。これに対し、国対幹部は、首相不在時の臨時代理が国会に出席し、不信任案を採決することが可能と説明した。
7月3日、時事通信が上記の首相発言に関する記事を発信しました。
この報道を受けて、私はtwitterで以下のようなツイートをしていました。
『出席者によると、首相は憲法改正をめぐる国会論議について、「立憲民主党と共産党がいる限り全会一致の議論は無理だ」と語った。』(国民民主党とか社民党とか…)(また、これもなかった事になるのかな?) / “憲法改正論議、立憲・共産い…” https://t.co/1IIM9Pk2CA
— 限界サヨクのツイ栗鼠しらず (@desPAiR0906) July 4, 2018
すると、以下のような報道が翌日になされました。
立憲民主党の辻元清美国対委員長は4日、安倍晋三首相が3日夜の会食の際に憲法改正論議を巡り「立憲民主党と共産党がいる限り、議論は無理だ」と発言したとの報道を受け、自民党の森山裕国対委員長に電話で抗議した。森山氏は「首相はそんなことは言っていない」と述べた。
出席者の一人である森山国対委員長から、案の定「していない」という主張がなされました。
似たような事例は以下の通りです。
これらの事例を通じて思うのは、自民党はわかってやってる面もあるのではないか?ということです。
首相発言を気球観測的に報道陣に紹介して、批判者には「言ってません」と説明し、支持者はその発言に嬉々とするか、報道に対し「嘘つきだ」として報道の信用力低下を促進するか、いずれかの行動を取る。
そうやってあらゆる方向に都合よく振る舞えるから、首相発言をわざと堂々と流しているのではないか?
首相発言をレクしてくれる出席者は、情報源として貴重なので、報道として批判することを躊躇しがちなのもわかってやってるのはないかと疑ってしまいます。
近年の自民党は、世耕議員などの推進により、メディア対策を積極的に研究・実践しているようですし。
それを受けて、メディアもできる限り発言者を察せるような記述をしていたりするのですが、取材源との関係上、こういうところは後手後手にならざるを得ないのだろうなぁと思います。
一方で、ここまで簡単に「言ってません」と表で否定されてしまうような情報を流してくる相手をどこまで信用していいものかということも考えてはいると思いますが。
(ちなみに、日経新聞のリークなどでは「否定の仕方が記事がある程度事実である証明」になる場合もありますし、表で否定したからと言って本当に報道が間違っていたかは、断言できないように思います)
メディアと自民党 (角川新書)
西田 亮介 KADOKAWA/角川書店 2015-10-24
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世耕 弘成 新潮社 2006-07-14
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