安倍首相はこの日、答弁でこれを否定。長妻氏の質問に対し、こう述べた。
「私が国会の質問時間などについて指示をするわけもなく、指示をしたことはございません。萩生田もインタビューに応じ、指示をしていないと答えている」
長妻氏は、首相が5月の国会で「熟読」を呼びかけた読売新聞も同様の報じ方をしていると言及。「各紙が誤報したのか」と問い詰めた。
安倍首相は「私はファクトを申し上げます」として、こう答弁した。
「私は指示をしておりません。第三者がいないのですから、一方の当事者の私が指示をしていないとはっきり申し上げておきます」
「萩生田氏は、先般、NHKの日曜討論で『総理から国会の運営については指示があったというのは全くの誤報です。国会のことは国会でお任せしたいと前置きをしたうえで、私の説明に一定のご理解を受けた』と述べているわけであります」
「つまり、萩生田氏が私に説明をし、私は聞いていたというわけであります」
各メディアが報じた「削減を指示した」という「萩生田氏」の発言は、誤報だったという認識だ。長妻氏は「日本の大新聞が全部揃って誤報をするのか」と述べた。
野党の質問時間についての話がいろいろと盛り上がっていますが、2017年11月27日の予算委員会にて、『萩生田氏の説明』として報じられていた『総理が与党の質問を確保する方向に動くように発言した』というものについて、総理ではなく萩生田議員が発言したものを総理は黙って聞いていただけだ、と総理は主張したそうです。
今回のように、萩生田氏が『総理が言った』という説明がその後『萩生田が言って総理が聞いていた』という内容に修正されていくという流れで、私は3年前の「撃ち方止めになればいい」発言についてのあれこれを思い出しました。
当時の経緯を振り返ると
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国会で本当に言ったかを質問されて「きょうの朝日新聞ですかね、『撃ち方やめ』と私が言ったと報道が出た。これは捏造です。朝日新聞は安倍政権を倒すことを社是としていると、かつて主筆がしゃべったということです。私に確認すればすぐ分かることです。私が言ってもいない発言が出ているので、大変驚いたところです」と意味不明な比喩を使っての朝日新聞批判にすり替えつつ否定。
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発言者は「私が『これで、撃ち方やめですよね』と言ったら、総理たちも理解を示した」「全体の趣旨としてはそうだったが、『撃ち方やめ』は自分の言葉だったかもしれない。説明ミスだった」と説明を修正。
一方、同席していた山本一太議員はブログに『昨日、党本部の総裁室で安倍総理と昼食を食べた。 この時、総理と交わした会話の詳細は、誰にも(ましてやマスコミには)話していない。』と記載。
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翌日、もう一度国会で質問された総理は「私が言ってもいないことを、裏取りもしないで報じた。朝日の記事には『反発を買う可能性もある』とあり、火がないところに火をおこし、(野党との間で)問題にしようとする姿勢を感じた。だから、『捏造』という感想を述べた」 「(福島第1原発元所長の)吉田調書や、(慰安婦を強制連行したと虚偽証言した)吉田清治氏の問題では、日本の名誉が傷つけられた。こういうことを(朝日は)反省しているのか。かつて朝日は、私と中川昭一さん(元財務相)がNHKに圧力をかけて報道内容を変えさせたと報じた。これも捏造だった。(朝日には)安倍を攻撃しようという意図がある。自分の思う方向に持っていこうとするから、間違いが起こる」などと複数の報道機関が報じていたにも関わらず、再び朝日新聞批判を豪快に展開した。(朝日新聞、安倍首相に異例の反論記事「捏造はありません」 (2/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK)
このように、説明者が間違っていたとしか思えないにも関わらず、それを不問とし、なぜか複数の報道機関が報じていたにも関わらず、朝日新聞だけをめちゃくちゃな論旨で吊るし上げるという事を3年前に総理は行っていたのです。
こういう事が以前にあった事を考えると、今回は総理が発言する前に、萩生田氏がみずから修正を報道に責任を押し付けつつ行ったと言うだけで、この3年前の事象のように萩生田氏の説明が間違っていたか萩生田氏の説明が総理に都合が悪かった、ということには変わりないのではないか、と思うのです。
総理がブリーフィングをさせている萩生田氏が信用できない人間である可能性もありますが、その場合、そんな人間を側近議員として扱っている総理のある種の『任命責任』的なものが問われると思いますし、本当は最初の萩生田氏の説明が正しかったのならば嘘をつき報道機関に責任を押し付けてみずからの問題を隠し通す不誠実な姿勢と言えますし、どちらにせよ、今回も政権のどうしようもない残念さが浮かび上がったようにしか私には思えません。
私から見ると、萩生田議員が安倍総理の意向を忖度して色々と手を回してくれるというのが、総理お気に入りの理由な気がしますが…
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