言葉の意味をずらして誤魔化す安倍総理の一例

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先日、参院予算委員会での共産党の小池晃氏の質問の事を書いた記事を見て「また、ごまかしてる」と思ったので、こういうことを記録して積み重ねるのが大事だと思いましたので、記録しておきます。

今回の誤魔化し方は相対的貧困という国内格差のようなもので、下層にいる人がどんどん増えている、という事を聞かれたのに、『貧困大国』という言葉だけを見て、何を思ったのか、一人ひとりの格差が見えない、経済活動の規模を示す国民所得(国内総生産などのこと)やそれを単純に人数で割っただけの額を示し、『日本は経済規模は大きいです。だから貧困ではありません』という、誰も聞いてない国家の経済規模の話をしだすというものでした。

この誤魔化し方は、すごい意図的なものを感じざるを得ません。その後再答弁で『傾向が進んでいることは把握しておりますので』と取り繕ってはいるが、私はこの“ずらし”は意図的だと思います。(東京新聞の方だと、野党に指摘された数字が出た時期より昔の数字をわざと出していますしね。これ、『民主党が』みたいな事を誘導したいんじゃないかとすらも穿ってしまう。民主党批判が総理の趣味・特技なので)

なぜかといいますと、この『相対的貧困が進んで、貧困大国になっている』という指摘は、要するに『再分配政策が失敗してますよ』という指摘なのです。

相対的貧困というのは、国民所得がいくらあろうが、一人あたりGDPがいくらあろうが(むしろそれが高いほど生活水準が上がっているので相対的貧困が発生しやすいと言えるだろう)、その人が実際に得ている収入(社会保障などを含む)では、その国内での常識といえる生活水準が満たされていない、と言える状態を示すものです。

国家がいくら裕福であろうが、満足な生活水準を満たしていない人が増えている、そういう指摘を受けても『国家は裕福ですから!』と返してしまう総理のもとで、どれだけ再分配政策が適正化されていくか、私は暗澹たる気分で消費税増税を迎え入れることになってしまうことが残念でならない、と思っています。

 

厚生労働省の国民生活基礎調査では標準的世帯の年間の可処分所得の半分(約百二十二万円)未満で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」は二〇一二年で16・1%。十八歳未満の子どもに限ると16・3%に上る。同じ調査手法を採る経済協力開発機構(OECD)の加盟国を貧困率の高い順にみると三十四カ国中六位だ。

 これを基に小池氏は「日本が世界有数の貧困大国になった認識はあるか」と追及。首相は、調査手法や対象者が違う総務省の〇九年全国消費実態調査(相対的貧困率10・1%)を持ち出して「OECD平均より低い」と指摘。その上で、一人当たりの国内総生産(GDP)が高いことなどを挙げ「日本は世界の標準でみてかなり裕福な国だ」と述べた。

東京新聞:貧困問題、データで応酬 首相「日本は裕福な国」:政治(TOKYO Web)

 

この日、小池氏は日本の貧困状況について質問。厚生労働省の「国民生活基礎調査」や経済協力開発機構(OECD)の調査で、標準的世帯の年間の可処分所得の半分未満で暮らす人の割合を示す「相対的貧困率」が、2012年で約16%になったことをあげながら、安倍首相に対し「6人に1人が貧困という実態。日本は世界有数の貧困大国だという認識はあるか」と聞いた。

これに対して安倍首相は、「日本が貧困かと言われれば、決してそういうことはないわけでありまして、国民所得、あるいは総生産を一人で割っていく、一人あたりのGDP等でいえば、もちろん日本は世界の標準で見て、かなり裕福な国であるということであると思います」と回答した。

一方で、塩崎恭久厚生労働相は、相対的貧困率には現物給付は含まれていないとしながらも、「(貧困率が)高まってきていることは間違いない。OECDが指摘しているように、相対的貧困率については、日本はレベルとしてはかなり高いし、方向としても増えてきている」と認めた。

これを受け、安倍首相もOECDのデータが第2次安倍政権が成立する前の調査であるとしたうえで、「(貧困率が高まっている)傾向が進んでいることは把握しておりますので、ひとり親世帯や多子世帯を支援すること等に、7000億円を補正予算や来年度予算に計上したい」と再答弁した。

貧困率の増加について聞かれた安倍首相「日本は裕福な国」と反論

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