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長尾たかし議員の『こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。』発言を問題だと思う理由

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20日午前、国会内では野党の女性議員が中心となって抗議集会を行った。議員たちは米国発のセクハラ告発運動にならって「#Me Too」と書かれた紙を掲げ、女性議員は黒い服に身を包んで参加した。

  すると同日夜、長尾氏はその集会の様子をおさめた写真とともにこんなコメントをツイートしたのだ。

「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」

  この投稿は「写真に写っているような女性議員たちにセクハラなんかしない」と主張しているものと受け止められ、たちまち反論や抗議が相次ぐことになった。

(中略)

しかし長尾氏はその後も、

「この方々ヘは、セクハラをしませんと宣言することが、セクハラになる時代なのでしょうか?」
「しないということがセクハラ?まったく理解できません。しません、致しません」

と投稿。また、セクハラ問題の被害者は女性に限ったことではないのだが、「男性がMe Tooと掲げられている事に注目してしまいます。私は、致しません」とも主張した。

Me Too女性議員に「セクハラとは縁遠い方々」 批判殺到した自民議員が「お詫び」

まず、長尾議員とは無関係に、野党議員が#MeTooを掲げたことについてちょっとだけ。

この#MeTooというものは、当初は『私もこういう被害を受けた』という告白をするためのハッシュタグであって、そこから『告白をする当事者に賛同する』みたいな感じにも使われるようになった、経緯があるものだと私は把握しています。
そういう意味で、野党議員は賛同者として、#MeTooを掲げているのだと思います。

その一方でこの行為について『収奪』と表現する方を見かけました。
要するにこのような政局に関わるような取り上げ方をしてしまうことで、当事者から言葉が離れていってしまうのではないか、という懸念だと思います。
実際、その懸念はあっても不思議ではないと思います。
そういう意味で、野党は慎重にならないといけないとは思います。

また、立憲民主党としては、セクハラについて報道されてもなにも認めず処分もしていなかった財務省よりはマシとは言えど、役職停止処分はしたものの初鹿議員を党内に抱えていることや、青山議員を比例名簿に掲載し当選させ国会議員の資格を与え続けているということは、責められてもおかしくはないことでしょう。

それはそれとして。

冒頭に引用した自民党の長尾たかし議員のツイートは、セクハラについて無知が過ぎるのではないでしょうか。

『こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。』と「こちらの方々」をセクハラと勝手に無関係だと決めてしまっていることが最悪です。
その後『男性がMe Tooと掲げられている事に注目してしまいます。』というツイートをしているのも、最悪です。
男はセクハラとは無関係と考えてしまっているように見えます。

それが妥当か考える参考として厚生労働省が定める『職場でのセクシャルハラスメント』の定義を見て下さい。
「職場におけるセクシュアルハラスメント対策について」より引用)

「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応によりその労働者が労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されること

要するに職場で性的な言動で就業環境が害されているならば、いかなる属性·特徴を持つ人間であろうともセクハラの被害者という解説なんです。
(ちなみに、横道にそれますが、buzzfeedの「特ダネのためにすり減った私。記者たちの #MeToo」などの、マスコミの労働環境についての様々な記事を見るに、マスコミの仕事の問題は、ここで言う『職場』がどこまででも拡張できてしまうことなんだろうと思います。今回の事務次官の事例もそこが遠因になっていると言えます。)

『性的な言動』が向けられるかどうかについても、属性·特徴は関係ないです。
例えば性的なからかい、これはどのような人には対しても行われるのは明白でしょう。(例えば、『お前童貞だろ?』みたいな揶揄もそうでしょうし、性癖についての揶揄などもあるでしょう。)

痴漢の問題で『こんなやつが痴漢の心配をするのはおかしい』と揶揄されることがあります。
(実際は痴漢を受けるかどうかについて、特徴などは関係ないようです。むしろそういう思い込みが利用されて罪を逃れようとする人などもいるとかなんとか。)
これも、職場で特定の人間にたいして執拗に発言されたら、見事なセクシャルハラスメントでしょう。

セクハラがそのような概念であるということを前提として『こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々』と言い放つのは、むしろこの長尾議員の行為自体がセクハラにも該当するようなものであり、全くもってセクハラと縁遠くないことを証明しているのではないでしょうか。

長尾議員は『セクハラをしませんと宣言することが、セクハラになる時代なのでしょうか?』と述べているのですが、わざわざ属性や特徴を絞って特定の人だけに宣言しているように見えることが、その宣言がセクハラになり得る行為である理由なのです。

(ちなみに、揚げ足取りかもしれませんが、この宣言では、他の人にはやる可能性があるみたいですよね。そんなことは意図してないでしょうけど。)

そのようなことについての考慮もなく、政敵を揶揄する目的で『こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。』と述べてしまうのは、浅はかだとしか言いようがないと私は思います。

追記

長尾議員が、ブログに今回のツイートについて説明する文章を書いています。

野党批判をしたいならそのこの自体を批判すればいいわけで、そこで自身が一部の人間に対してセクハラをしないことを高らかに宣言をしたとしても何も意味はないはずです。それをわざわざ誰かに対して宣言することが『ハラスメント行為』嫌がらせを意図しているとしか言いようがありません。

今回のことをきっかけに、同党の杉田水脈議員のように『セクハラと騒ぐ裏には思惑が。女性が女性の首を絞めることになる』みたいな思考にならずに、セクハラという概念について認識を改めてもらえればいいのですが。
長尾議員は厚生労働委員会の委員であるようですし。

しかし、『女性議員に対するセクハラ発言ともとれる投稿だということも理解いたしました。』と、やはり性別とセクハラを結びつけていたりしていることなど、この記事に書いている指摘が見事に当てはまるような認識に留まってしまっています。
(ここは、長尾議員を批判する人にも見られる認識のようなので、世間的な認識のアップデートみたいなものが改めて必要な気もしますが。)

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