結局「約束」ってなんなんだろうね

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前にブログで玉木雄一郎氏と岸田文雄氏の、トリガー条項についての電話交渉がよくわからん、みたいなことを書いたのですが、その後新しい情報が少し増えたので、それについて書きます。

前回の記事では、国民民主党が予算案に衆院で「国民民主党が衆院選の追加公約で掲げた「トリガー条項の凍結解除」によるガソリン値下げを岸田総理が検討することを明言し、実現に向けた方向性が明らかになったこと。」などを理由に賛成したのちに、玉木雄一郎氏が「首相と直接話をした。首相と私で結んだことが全てだ」と何らかの約束をしたことを明示し始めたことまで書いたように思います。

玉木氏は昨年12月6日にガソリン価格の高騰が続いた場合、揮発油税などを減税する「トリガー条項」の凍結解除するための法案を日本維新の会と共同で衆議院に提出しており、この日の審議で政府側の対応に期待していた。

 ところが岸田首相は、玉木氏が「原油価格の高騰には踏み込んだ対応策が必要です。総理、トリガー条項の凍結解除による減税、値下がり、そろそろ決断すべきだと思いますが、いかがでしょうか」と何度も質問を浴びせても「あらゆる選択肢を排除せず検討したい」と繰り返す答弁に終始した。

 質疑終了後、玉木氏は「これからも実現ができるまで岸田首相に言い続けて、実現につなげていきたい」と話し、岸田首相の答弁内容を前向きにこう分析した。

「今までは『凍結解除は適当ではない』と明確に選択肢から排除していたことに比べれば『あらゆる選択肢』と否定はしなかったので、検証の対象に入っていると思う。『適当ではない』よりマシで半歩前進した」

国民・玉木代表「半歩前進」とプチ満足 ガソリン高騰で“トリガー条項” 発動を岸田首相に要求

その後、岸田文雄氏の答弁は「あらゆる選択肢を排除せず検討したい」から一歩も動いていない一方、国民民主党の榛葉幹事長が約束の内容について、党の会見で喋ったのです。

国民民主党の榛葉賀津也幹事長は25日の記者会見で、岸田文雄首相が燃油価格の急騰対策として、4月からガソリン税の一部を減税するトリガー条項の凍結を解除する意向を玉木雄一郎代表に伝えたとの認識を示した。

 榛葉氏は首相の「約束」について、「必ずトリガー条項をやる、4月から条項を解除する」と伝え聞いたと明かした。「一国の首相がうそをつくわけがない。早く3月中に約束を果たしてほしい」とも強調した。

ガソリン税トリガー条項「首相が4月解除約束」 国民幹事長が発言

この内容、本当ならば結構な爆弾だと思うのですよね。

4月に凍結解除をすると言うならば、現在からそれを行うための準備が行われていないとおかしいのですよね。改正案の提示であったり、党内の説得であったり、税収減を踏まえた予算にすることであったり。

その辺の話について、表に出てくるのはどこまで前向きなのかわからない3党幹事長会談の話位のようです。

しかもここでも前のめりな国民民主党の一方、自民党・公明党はなんか微妙な立ち位置のように感じ、なんか微妙な意思疎通のできてなさがあるように見えてしまうのです。

玉木氏は「まずは具体的なトリガー条項の凍結解除に向けた議論を急いでもらいたい」と協議の進展に期待した。

自民、公明、国民が9日に3党実務者協議 国民玉木代表はトリガー凍結解除の議論進展に期待 

 榛葉氏は静岡県浜松市内の会合で、3党首による会談に先立つ山口氏との会談で、トリガー発動について「前向きに考えたい」と言われたと説明。「来週から幹事長間で具体的な議論に入る」と述べた。

自公国、トリガー条項で来週にも幹事長会談 国民・榛葉氏が言及:朝日新聞デジタル

自民党の茂木敏充幹事長は8日の記者会見で「議論というより(国民から)要望を伺う」と説明した。「政策要望は真摯に検討する」とも話した。

自公国の幹事長が9日に会談 トリガー条項など: 日本経済新聞

首相は会談後、都内で記者団に「政策について様々な提言をいただき、意見交換した」と述べた。「話し合いを続けていくと確認した。進め方はこれから調整していく」と説明した。

山口氏は国会内で記者団に「これからも要望、意見があれば聞く」と言明した。

自公と国民、異例の党首会談 燃油高対策で幹事長協議へ: 日本経済新聞

岸田文雄首相は7日午前の参院予算委員会で、高騰するガソリン価格のガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に向けて自民、公明、国民民主の3党幹事長が今週内にも協議すると、国民の榛葉賀津也幹事長が5日、発言したことについて、立憲民主党小西洋之参院議員から具体的な日程などが決まっているのか問われ「(3党で)これからも話し合いを続けていく。その話し合いの進め方については今後、調整していくことを確認した」とし、具体的な進展には至っていないとの認識を示した。

岸田首相は4日、公明党の山口那津男代表、国民の玉木雄一郎代表と会談したが改めて「特定の政策において何らかの結論を得たということではない」と述べた。

岸田文雄首相、トリガー条項凍結解除への3党幹事長協議は進展には至っていないとの認識

これについて公明党の山口代表は記者会見で「トリガー条項の凍結解除によって消費者に直接効果が及んでいく点は、わかりやすい一面もあるが、制度そのものにも、いろんな課題がある」と指摘しました。

そのうえで「影響の範囲や課題の克服など検討すべきことはたくさんあり、それらも含めて幹事長に検討を委ねている」と述べ、幹事長レベルでの協議に委ねる考えを示しました。

公明 山口代表 「トリガー条項」の凍結解除 3党の幹事長協議で | NHKニュース

この上、昨日の国会質疑において、榛葉氏が玉木氏から聞いたと記者会見で述べていた「4月に必ずやると総理は言っていた」ということについて国会で質問がなされたのですが、やはり手ごたえのない首相答弁がかえって来ていたようです。

岸田文雄首相は7日の参院予算委員会で、ガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」を巡り、凍結解除を主張している国民民主党の玉木雄一郎代表とは何も約束していないと説明した。あらゆる選択肢を排除せず燃油価格の高騰対策を検討するとし「約束しているのはそれに尽きる」と語った。

首相「玉木氏と約束せず」 燃油高トリガー条項巡り | 2022/3/7 – 共同通信

岸田文雄首相の答弁としては「トリガー条項を選択肢として排除しない」以上の約束はしていないとの事です。

一方で、国民民主党は党首・幹事長がそろって「実行」についての約束が存在すると言う前提で話しています。

これはどちらかが嘘をついているのか、もしくは「必ずトリガー条項をやる」と玉木氏に向かって発言はしたが、それは約束ではなく、単なる決意表明だ、みたいな風に一方が何かを誤魔化しているということなのでしょうか?

少なくとも、岸田氏は「トリガー条項を必ずやるとは約束していない」という認識をしているという前提で今後の動きは見た方がよさそうです。

今回のトリガー条項については、国民民主党と与党になにか微妙な距離(齟齬?)がありそうな認識っぽい報道を見聞きするほど、「あらゆる選択肢を排除せず検討する」という答弁を『国民民主党が衆院選の追加公約で掲げた「トリガー条項の凍結解除」によるガソリン値下げを岸田総理が検討することを明言し、実現に向けた方向性が明らかになった』と言い変えて予算案に賛成した判断の前のめり具合がすごいなぁ、と思ってしまうのです。
(ここに私が認識することのできない根拠があるのかもしれませんが、そんな「検証不可能」「認識不可能」な動き方をどうやって評価すればいいのでしょうか。)

今の時代は、維新といい「実体の(見え)ない前のめり」がウケるのかもしれませんが・・・。

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