「今まで自公という連立で一貫してやってきたが、ここまで公明党との信義が崩れたと検討会でも名指しで言われましたし。自民党との信義という観点で今までやってきましたが、これは完全に崩れたと思っていただいて結構です」(都議会公明党 東村邦浩幹事長)
東京都議会公明党は14日、議員報酬削減の方法などを都議会主要会派が議論する検討会から離脱する方針を明らかにした。公明の独自案が事前報道されたことに都議会自民党などが反発したのをきっかけに、議論が紛糾したため。公明の東村邦浩幹事長は同日記者団に「自民に『検討会は公明抜きでやるしかない』とまで言われた。自民との信義は完全に崩れた」と述べ、友好関係にあった自民との決別を宣言した。
来夏の都議選を控えて都議会最大会派の自民と第2党の公明が決別することで、議会内の勢力図が大きく変わる可能性がある。東村氏は、自民党との緊張関係が続く小池百合子都知事について「知事の『東京大改革』は大賛成。いいものはどんどん協力する」と強調。連携する考えを強くにじませた。
政権も何もないはずの地方議会なのに、謎の連立解消が行われたようです。
連立という言葉自体は並び立つという以上のものがないのですが、政治世界で連立というと、どうしても並び立って「政権」を形成するということがイメージされます。
しかし、地方議会は、二元代表制であります。
二元代表制というのは、基本的に議会と首長が緊張関係を保ち監視することを目的に形成されている制度です。
なので議会に与党(政権)が出来ることは本来は想定外であるといえると思われます。
しかし、公明党の都議会の幹事長は『自公という連立でやってきた』と平気で連立関係に有ったことを述べています。
つまり、国政の枠組みで地方議会でも動いていたことを白状しているのです。
(こういう観点で言うと、国政政党の枠組みが地方議会ではっきりと守られていること自体がおかしいのですが、その一方で都議会で「民進党」を名乗る会派が2つ分裂しているのも、それはそれで複雑な思いがあります。個人的には一方がみんなの党崩壊の引き金を引いた騒動を起こした人たちなのも複雑な感情があります。)
この信義関係とか連立関係が地方議会でどういう動きにつながっているのかというと非常によくわからないところがあります。
なので解消するということがどういうことになるのか、と言うと表面化するのは、法案への賛否で共同調歩をとっていたのがそうではなくなるということでしょう。
正直言って、法案への賛否で共同調歩をとっていること自体、地方議会で会派としては別な者同士の関係としてはおかしいと思うのですが、それが解消されるようで、それ自体には特に悪いことはないと思います。むしろ健全化といえるかもしれません。
しかし、ここからが問題で、なんと「知事の『東京大改革』は大賛成。いいものはどんどん協力する」と言い出すなど、結局、与党化路線は変わらない、むしろ二元代表制の形骸化としては悪化の方向性で変化する可能性が高そうなのです。
(ついでに言うと、蓮舫氏の連携模索の動きもどないなっとんねん、という感じがします)
で、この動きを見て思い出したのが、大阪での公明党の動きなんです。
大阪の公明党は、国政の選挙事情からか、首長を出している大阪維新の会と協力関係であり都構想以降、自民党と共同調歩が取れなくなっている状態になっています。
都議会公明党も勢いのある首長の主張に乗っかっていき、自民党との関係を捨て始めるという流れは類似しているように思います。
公明党がそういう癖のある政党であるということが徐々に見えてきたように思うのですが、そういう動きを見ると『地方議会ってなんだろうなぁ』という感想を抱きます。
国政のための地方議会って、なんなんでしょうね。
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