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0票

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7月21日に投開票された参院選比例区で、自分が投票した候補者の得票が0票なのはおかしいとして、大阪府堺市美原区の有権者4人が区と市の選挙管理委員会に再調査を求めた。両選管は「訴訟で裁判所の決定がない限り、再調査はできない」としている。

投票した候補者の得票0 再調査要求…選管「できない」:朝日新聞デジタル

このような0票に対する疑義というのが、2013年の参院選で起こった辻褄合わせ事件以降、注目されるようになったように思います。

辻褄合わせ事件というのは、以下の事件のことです。

高松地裁判決によると、13年7月の参院選の開票作業で、元事務局長らは投票総数よりも票が足りないと思いこみ、白票を二重集計するなどして329票を水増しした。その後、本来の有効票が見つかると、集計せずにしまい込んだ。後日、「白票が水増しされた」と市に匿名の通報があると、保管していた箱の封を破って票を廃棄するなどの隠蔽(いんぺい)工作もした。関係した6人が起訴・在宅起訴され全員に有罪判決が出た。

朝日新聞デジタル:高松市選管 開票作業の不正から3年 - 香川 - 地域

この件については以下のNHKのシリーズ記事も詳しいです。

この衝撃的な事件が起こって以降、0票という数字について敏感に反応するようになったように思います。
0票でも実際に投票しているかを入念に確認するようになったというか。

その一方で、異議を突っぱねる理由として、この事件の当初でも使われたものが使われます。

市選管によると、投票用紙は任期満了の6年後まで市で保管される。
 公選法の規定では、参院選比例代表の結果に疑義があり再点検を求める場合、中央選管を相手取り、開票日から30日以内に提訴しなければならない。
 総務省選挙部は「一度確定した選挙結果を覆すことにもなりうるので、(提訴という)厳しい手続きが必要になる」とした上で、「開票作業は立会人が不正を監視することで選挙の公平さを保っている。簡単に票を見直せるならば、選挙結果は信頼できるものだという選挙効力の安定性を維持できない」と説明する。
 しかし亀山さんらは「選挙に疑問があればすぐ訴訟では、ハードルが高い」と訴える。期限内の訴訟に至らず、やり場のない怒りを抗議文で表した形だ。

【関西の議論】投票したのに集計「0票」とは…参院選比例「高松」の不可解、「30日過ぎた」と動かぬ選管 - 産経WEST

この再点検の場合、30日以内に提訴というのは、公職選挙法の204条に規定されている選挙の効力に関する訴訟のことなのではないかと思います。

(衆議院議員又は参議院議員の選挙の効力に関する訴訟)
第204条 衆議院議員又は参議院議員の選挙において、その選挙の効力に関し異議がある選挙人又は公職の候補者(衆議院小選挙区選出議員の選挙にあつては候補者又は候補者届出政党、衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては衆議院名簿届出政党等、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては参議院名簿届出政党等又は参議院名簿登載者)は、衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を、衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし、当該選挙の日から30日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。

公職選挙法

現在の公職選挙法では、国政選挙での異議を申し立てる制度がこのような訴訟提起のみとなっており、それ以外は公職選挙法上は想定されていないと思われます。

2019年の参院選においては、山田太郎氏と山本太郎氏の票がごっちゃになる現象が、いくつか存在しましたが、この点検は法律的な根拠は存在しないのではないかと思います。
(選挙管理委員会の独自の判断なのではないでしょうか)

近年、行政の全般で人不足等々で、行政が担うべき機能を担いきれなくなっている、という話がよくなされますが、この開票作業もその一つで、今回の選挙でもトラブルが目立ちました。

上記、神戸新聞の記事にもあるように、開票も含めた選挙事務は、とても重い負担です。

この過負担が選挙結果の不信にまでつながってしまうと、民主主義の不安定にも繋がります。

開票の日程の変更も含め、選挙結果の信頼を維持するための公職選挙法の改正がそろそろ必要なのではないでしょうか?

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