しばらく前の話になりますが、2024/03/05付で、柏市議の小川がく氏について、千葉県選管が居住実態がなかったとして、当選無効の判断を下したことが報じられ、2024/03/15の県報にて公表されました。
小川氏を巡っては、落選した市議選候補者らが当選無効を求める異議を申し出て、市選管が棄却。柏市民オンブズマン連絡会議のメンバーらが「小川氏の居住実態がない」などと訴え、県選管に審査を申し立てていた。県選管は裁決で市選管の決定を取り消した。
6月のシャワー週1~2回? 市議の居住実態、県選管認めず当選無効 [千葉県]:朝日新聞デジタル
小川氏は取材に「実際に住んでいたのに、推定で結論を出している。中立公正な裁決ではなく、東京高裁に提訴する」と話した。小川氏は日本維新の会公認で当選後、昨年11月に党の勧告を受け、離党した。
ちなみに柏市民オンブズマン連絡会議から、小川氏側がオンブズマン推薦と名乗ってるけど、うちとは全く関係ないからという説明も出ています。(時々地方選に出てくる日本維新の会と無関係の維新みたいですね)
なお、小川学柏市議は「市民オンブズマン柏市支部長」を名乗り、「市民オンブズマン推薦」と選挙ポスターに記載がありましたが、柏市民オンブズマン連絡会議(全国市民オンブズマン連絡会議 加盟団体)ならびに全国市民オンブズマン連絡会議とは一切関係がありません。
柏市議当選無効異議申立 千葉選管「当選は無効」裁決|ombuds
小川がく氏の居住実態については、柏市の選管の判断は、ざっくりいうと『色々怪しいけど、否定できる証拠が出てきてないから実態ありとします』みたいなものでした。
不自然な点は残るものの,前住所地2に生活の本拠があったという当選人の主張を覆すほどの証拠書類の提出や主張が確認できないことから, 当委員会は,本件期間について,当選人の住所は前住所地2にあったと判断する。
『不自然な点は残る』と書かれているように、水道がほぼ使われておらず、水道を使わなかった理由として挙げられていた銭湯にて日付が空白の領収書をもらって作った証拠があったり、後日に領収書を発行してもらったものがあったりと、なかなかに怪しい動きがありました。
しかし、いくつか他の事例を見てみると、市町村レベルの選管は、基本的に、立証するのは当選無効を訴える側であるというルールで処分するようで、当選無効側に決定的な証拠がないので当選は有効としていました。
一方で、県の選管は、小川がく氏側に要件を満たしている立証責任があると考えているのか、小川氏の提出した証拠について細かく調査したようです。
クリックしてr060315-13922-betu2.pdfにアクセス
すると、飲食店の領収書について、店の控えの記録と、小川氏が提出した日時が合わない形になっている(小川氏が日付を偽って提出した可能性が高い)ことや、どう考えても行けない行動をしている日に飲食店に行ったと主張していたことなどが新たに発覚しています。(また、飲食店の店員に挨拶したり仲良くしたりしていたと小川氏側は主張した一方、店員側はあんまり話をしていないとか、覚えてないと話した、という話もあったそうです)
また市選管でも触れられていた、銭湯で7月にもらった領収書と主張して提出したものが、9月の形式だったという話が、インボイス登録番号が記載されているかどうかの話であったことが乗っていたりなど、様々な話が市の選管よりも具体的に検証され裁決書に記載されていました。(そんなとこにインボイスが効いてくるんですね)
他にも、コインランドリーの利用についても、色々と怪しい点があると県選管は判断しています。
また、問題になっている居住地での家財道具について、県選管での質問に対し、市には回答してなかった「スーパーAでカーテンを新規購入して設置した」という新たな回答をしていて、そのスーパーAではカーテンは取り扱っていなかった、という新たな怪しい点も付け加えられていました。(ちなみにアパートの一階なのでカーテン無しで住める場所ではなさそう)
以上のとおり、当選人が本件期間中、本件住所地に生活の本拠たる実体があったことを示す客観的な証拠はない。
当選の効力に関する審査の申立てに対する裁決書 千葉県選挙管理委員会
これに加えて、当選人による提出資料の加工、本件住所地から現住所地に転居したことを機に郵便局に前住所地から現住所地への転送届を届け出ていること、8月以降は前住所地の水道・ガス使用量が明らかな減少傾向にあることを考えると、当選人は、7月頃までは前住所地に居住しており、本件選挙の告示日前後に柏市内に生活の本拠を移転したと認められる。
当選無効の論理はこのような感じでした。
一方、この決定までにしれっと維新が離党勧告して、それを受け入れ、維新から小川がく氏が離党していました。(ところで千葉維新のホームページ、お知らせを遡れない設計になってますか?)
小川学柏市議会議員につきまして、千葉維新の会党紀規則第2条第一号に規定する「政治倫理に反する行為」に該当する行為があると認められましたので、同規則第3条第1項第七号を適用し、」令和5年11月6日付けで離党勧告処分を行い、同年11月15日に本人からの離党届を受理したことを、ここにご報告いたします。
所属議員の離党について
この離党勧告については過去に一部維新支持者からも疑問が出ていました。
このとき、なぜ離党勧告していたのか、小川がく氏の当選無効決定時の報道で理由が出てきていました。
小川氏は日本維新の会公認で出馬。維新関係者によると、県総支部が実施した聞き取りで公募時と食い違う説明をしたため、勧告を受け昨年11月に離党した。
千葉・柏市議の当選無効 居住要件巡り県選管裁決、証拠信用性なく – 産経ニュース
聞き取りでく食い違う説明をしたと。この聞き取りは柏市選管の発表後なので、多分居住要件に関することだと思うのですが、当選無効に関する事実について公認したときと事実が違うと発覚しているならば(この「ならば」は想定でしか無いのですが)、静かに離党勧告&離党で済ませるのではなく、もう少し色々と公認した政治責任の取り方みたいなのがあるのではないかな…と思ってしまいます。(除名なり、党が把握してる事実の公表なり)
一人でも維新の名前を背負った当選者を増やすために、なかなかギリギリに公認した候補者であることもあり、維新の当選数を増やすことに利用して、当選したあとは無責任みたいな姿勢にちょっと見えてしまいます。(こういうのは維新に限らずちょいちょいあるきがしますが、今回は、国政維新の役職持ちすら応援に来ていただけに…)
ちなみに、千葉維新の会のホームページの現時点での最新情報にのっている、つかこしたかのり市川市議会議員、なんかよくわからない居住要件問題(2019年時点の居住要件を2021〜22年に議会で問うもの)が議会で話し合われていたようです。
あと、他の市議の侮辱問題もあったようです。大丈夫なんでしょうか。(市川市議会、基本的に怪しい議員が他議会より多そうですが…)
一方、柏市議選に出馬していて、次点で小川がく氏などに当選の疑義をなげていた「さかきばらアリーゼ」氏という方がいました。
さかきばら氏は5ヶ月後の取手市議会議員選挙に転戦しているのですが、その際になんかだけ立憲民主党の公認もらって一ヶ月で取り消しになってるんですよね。これもなんだったのか…。(地方議会等の公認、結構粗雑なものだったりするの多いですよね)その後のさかきばら氏のツイート見てるとうーむ…となりますが。
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