龍ケ崎市議当選無効の件の県報が出ました

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以前ブログで書いた村井将重龍ケ崎市議が茨城県選管にて当選無効と判断された件について、正式に決定が掲載された県報が出たので読みました(決定が掲載された県報のpdfへのリンク

龍ケ崎市選管の決定と茨城県選管の決定が違うことになった理由

まず1つ目の理由は買い物の内容についての判断です。

市はレシートについても問題視していなかったのですが、県は特定の買い物内容に注目していました。

NHKがそれについて『生活必需品を購入していなかった』としていたのですが、決定では具体的に「食料品などの生活必需品」と「石油ファンヒーター用の灯油」について検討されています。

県の選管は、1月のレシートが他の月と比較して少なく、龍ケ崎市内で食料品などの生活必需品を購入したと証明する記録が存在していないこと。それと、1月12日以降から住んでいたのにも関わらず、住んでいた部屋に唯一ある暖房器具である石油ファンヒーター用の灯油を1月28日に初めて購入していることの2点を疑問視して、その日までは住んでいたと認められないとしています。

石油ファンヒーターについては、1月の龍ケ崎市は最低気温がマイナスになることもあり、たしかにまったく使う用意もせず2週間も過ごしたというのは、なかなかな気がします。

https://www.ata.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=40&block_no=1014&year=2023&month=01&day=&view=p1

この点、龍ケ崎市選管は1月のレシートは廃棄していてもおかしくない(当選人自身もレシートを受け取らなかった買い物の存在と、レシートの廃棄を主張していたらしい)などと判断し「不自然ではない」としていたので、違うものになっています。

2つ目の理由はSuicaの履歴などについてです。

申し立ての内容に「龍ケ崎と北千住は常磐線で40分くらいなので通える」的な内容があったので、鉄道利用の記録について、本当に存在しないのかを選管は調べています。

龍ケ崎市から北千住 時刻表(JR常磐線) - NAVITIME
龍ケ崎市から北千住のJR常磐線を利用した時刻表です。発着の時刻、所要時間を一覧で確認できます。龍ケ崎市から北千住の運賃や途中の停車駅も確認できます。

その選管の調査に対し、2月10日以降のモバイルSuicaのアプリ上で確認できる鉄道利用履歴については提出したのですが、県の選管がそれ以前の鉄道利用履歴について、鉄道会社に個人情報の開示請求をして提出してほしいと求めたところ、「プライベートに関する事情で公にしたくない情報があるため」提出拒否をし、プライベートに関するところだけマスキングして提出しては?と促しても拒否。

それに対し「不利益な情報が記載されているから提出しないとの考えは誤りか。」と尋問したところ「そう思われても仕方がない」と証言したそうです。

結局、この2月9日以前の利用履歴について、一度は提出する意向を示したものの、弁護士と話し合って「提出しない」ということに最終的になりました。

そこで、県の選管は、前述の1月のレシートが少ない件と合わせて、生活の本拠は旧住所地である千住にあり、龍ケ崎には鉄道等で通っていた(それを隠すために鉄道履歴の提出拒否をした)、と考えるのが自然であると結論付けたようです。

3つ目は旧住所地の電気ガス使用量。

妻子が住む東京都内の家の電気やガスの1月の使用量が前の年に比べ増えていたのですが、ここについて、増えた理由について聞いたら回答は「不明」でした。

これが、前述の通ってたんでは?と考えることを強めるものとして認定されているようです。

そして最後に4つ目、証言についてです。

妻の証言は、あくまでも龍ケ崎での居住実態については、当選人から聞いたという話にとどまっていること。

龍ケ崎での同居人は、そもそも家にいた時間が少なく(7時半から8時頃に起床して同時半頃には出勤、一般的な帰宅時間は22時から23時位、休日らしい休日がなかった。)、「いたのかいないのか確認はしていない」と証言するなど、当選人の実際の生活について把握しているとは言えない状態で、「住んでいたと思う」という証言では選管の提出資料等から導いた判断を覆すには足りないということのようです。

これら4点が、県の選管が市の選管と判断が違う部分で、結果として3ヶ月圏内の初期には東京に本拠(住所)があり、龍ケ崎市内にはなかったと判断し、当選無効と結論づけた、という感じのようです。

やはり、前回触れたブログで龍ケ崎市選管の決定と各種報道を読んで書いたように「市選管はアウトと言えないからセーフと判断し、県選管はセーフじゃないからアウトと見た、というような案件」でした。

レシートの件といい、鉄道利用履歴提出拒否といい、当選人の証明がいまいち詰めきれてないというか、1月の部分によくわからない、証拠がない部分が存在しているのは事実としてあるようです。

特に鉄道利用履歴の提出拒否のような、調査に対して協力せず、証拠を少しでも多く集めようとしない姿勢は、疑念を強めるものとなったのではないかと思います。

また、龍ケ崎市の決定などでちょこちょこ手続き等の怠りなどなんか杜撰なところについて触れられているのも気になるところです。

転居届の提出を怠る、立候補者説明会に出席しなかった、借家の所有者を把握していなかった、運転免許証の住所変更手続きを怠る等々。

なんかこの辺の杜撰さというか、そういう感じのことが悪い方に作用した結果、今回の当選無効に至ったように思えますし、そういう意味では、今後、多分訴訟に持ち込まれると思いますが、そこでの動き次第ではひっくり返る可能性のある決定内容ではあるように見えました。

(日本維新ホームページのプロフィールに「海外をバックパッキング」とあり、なんとなく、そういう細かいことを気にせずに行動するタイプの行動力のある方なのかなと思ってしまったのですが、これは多分ただの私の偏見。)

村井 まさしげ|役員・議員・支部長|日本維新の会
日本維新の会ウェブサイト

一方、そのような杜撰さについて、選挙の住所要件直前に別な土地への出馬を決めたのにもかかわらず、多分それに関わっていたであろう石井章氏周りからの引っ越しや手続き等のサポートが手薄であるようにも思えました。

ちょっとその点は当選人の方が可哀想に思いました。

とりあえず、(選挙に出たい人も含めた)政治家は、レシートを取っておく癖など、いろんな履歴を残す癖をつけたほうがいいな、と思いました。

ただ、今回のケースのようにあまりにも急に出馬する場所を決めるとか粗雑なことをしなければある程度どうにかなる気もしますが。

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