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興味乱舞に引きこもれず

菅義偉政権 COVID-19対策

首相のワクチン接種数の扱い方などに違和感

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政府は総理官邸の公式ツイッターを通じて今日付の公表値で今月9日、15日、16日、17日の4日分について、1日あたりの接種回数が100万回を超えたと発表しました。

新型コロナワクチン、1日100万回接種を達成 供給不足の懸念も|TBS NEWS

このように、1日100万回接種を超えていたことが判明しました。

この接種数をめぐる話について、菅首相の言動に癖が思いっきり出ているような気がしたので、それについてブログに書こうと思いました。

この1日100万回という数字、どういう背景で出てきたのでしょうか?

これは先日、産経新聞が「報告ベースで100万回超えました」という勇み足のような記事を書いたことを批判するブログを私が書いた時にも触れましたが、改めてこの記事でも振り返りましょう。

この1日100万回接種と言う数字が何故出てきたのかは、この読売新聞の記事の記述のような話であろうと思います。

菅は、自衛隊を動員した大規模接種会場の開設に続き、5月7日、ワクチン接種の「1日100万回」目標を打ち出した。

 接種が加速化する5月24日から7月末まで約70日。100万回は、この間に高齢者の2回接種(計7200万回)を終えるのに必要な回数を逆算した「首相発案の数字」(周辺)だった。

周囲の制止振り切り突っ走る首相、高齢者接種「7月完了」譲らず…[政治の現場]ワクチン<1> : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

この1日100万回接種という数字を打ち出した記者会見では、7月末までに高齢者接種を全て終えると言う目標も打ち出していまして、この数字はその大目標を達成するために必要な小目標である、というのが当時様々な新聞で伝えられていた首相の意図でした。

しかし、この数字が出た後に出てくる首相や閣僚の言動は、この「大目標」と「小目標」の関係が存在していないかのような物でした。

例えば、河野太郎氏はこのようにインタビューで話しています。

ワクチン接種は予防接種法に基づいて、市区町村にやってもらう業務ですと言いながらも、なるべく早く高齢者への接種を終えて、医療機関への負荷を軽減しないといけません。

大阪のような、ベッドも埋まっている、ホテルでも多くの人が宿泊療養しているといった非常に厳しい状況からいち早く抜け出すためにも、まずは重症化しやすい高齢者にとにかくワクチンを早くうってもらう。

医療従事者や医療機関に対する負荷を軽減する策は、他にありません。

だから、まずは7月末までに、というゴールが決まった。

しかし総理の頭の中には、高齢者世代だけではダメだという考えがある。今は、変異ウイルスの影響で重症化する人の年齢も下がってきています。

65歳以上が接種しおえたら終わりではなく、その次の世代にも行かなきゃいかんぞという意味で、引き続き1日100万回の接種を目指すという目標が出てきたのだと思います。

1日100万回接種はゴールじゃない?高齢者以外の接種はどうなる?河野大臣が語る、ワクチン接種の「3つの山」

1日100万回接種は高齢者のためではなく、その次の世代にも行かなきゃいけないと言う意味で出てきた、という受け止めをしている、と河野大臣は話しています。

河野大臣は100万回接種という目標に否定的である姿勢であると言うことからして、「高齢者だけでは達成できない」と計算して、それに対して予防線を張るための、他世代を巻き込む発言をしたのかもしれません。が、この時点で高齢者に7月末にというものと100万回接種という数字のリンクを首相が明言しなかったことで、都合よくこの数字を使えるようになっているのがわかると思います。

一方、首相自身も、都合のいい数字の拾い方をしています。

菅義偉首相は9日の党首討論で、新型コロナウイルスのワクチン接種について、「8日は100万回を超えてきた」と述べた。しかし、100万回というのは1日分でなく、複数日分の接種回数が含まれており、発言はミスリードだ(ファクトチェックの基準)。【佐野格/デジタル報道センター】

 発言は9日、立憲民主党の枝野幸男代表との党首討論で出た。

枝野氏が緊急事態宣言の解除の基準などを問うたのに対し、菅氏は「私自身の新型コロナに対しての考え方を明快に述べさせていただきたい」として、以下の通り述べた。「現在、全国の自治体やさらには医療関係者の皆さんの大変なご努力によって、ワクチン接種が順調に進んでいます。昨日は100万回を超えてきました。まさに一定の方向を示すと日本の国民の皆さんの能力の高さ、こうしたものを私自身今、誇りに感じております」。

ファクトチェック:菅首相「ワクチン接種100万回超えてきた」はミスリード | 毎日新聞

この100万回宣言の根拠は、当時産経新聞が党首討論の前日に記事にしていたような、官邸が発表している報告総数の前日比が100万回を超えていたことであろうと思います。

首相官邸は8日、新型コロナウイルスワクチンの接種回数が7日時点で1834万8184回に上ったと発表した。前日比109万3504回増で、発表ベースで菅義偉首相が目標に掲げた「1日100万回接種」に達したことになる。

ワクチン接種、発表ベースで「1日100万回」達成 - 産経ニュース

この「発表ベース」の数字はあくまでも報告された総数の前日比であるので、その日に接種された数字を表すわけではなく、また前日以前の接種も事後報告されているものも前日比の数字に含まれているため、一日の数字として扱うことは不正確なのです。一か月前の数字まで事後報告されていることもあるようです。

このようにその時点では無根拠でミスリードであるというような数字を、首相は党首討論で堂々としゃべった可能性が高いのです。

ちなみに、首相が官邸ホームページの数字を気にしていると言うのは、複数の首相の言動を報じる新聞や雑誌の記事で言及されています。

「まだ本格的に始まったわけじゃないのに、もう1日40万も打ってるんだぞ」

菅は自分のスマートフォン画面を、訪れた自民党議員らに見せ笑顔を浮かべた。新型コロナウイルスのワクチン接種実績を示す首相官邸のホームページだ。連休前(4月23日)に高齢者と医療従事者で計19万回だった接種回数は倍増していた。

<1>周囲の制止振り切り突っ走る首相、高齢者接種「7月完了」譲らず(読売新聞)

このように、数字を気にしていた菅首相ですが、中身についてはどうも気にしていないようです。

(いつワクチンの接種回数が100万回を超えたのかについて)

 毎日毎日、過去のものが上がってきますから、どこで100万回というのは分からないのですけれど、このところは大体その数字になっています。正式に超えたものですから、そう申し上げました。そこは私自身が予想したより、はるかに速いペースでそうなってきているのかなと思います。
 それで、今度21日から職域接種を始めます。今日の夕方の段階で1,000を超える職域が、是非この接種をやりたいという申し込みがあるようですので、そういう意味で、一日も早く接種することによって、国民の皆さんの命と健康を守れるのです。ですから、一人でも多くの皆さんにこの接種を早くできる、そういう思いの中で、もう10月とか11月頃には全員の接種を終えたい。そしてまた新しい年を迎えられるわけですから、そういう思いで今日発言いたしました。その方向に進んできていると思っています。

令和3年6月9日 党首討論等についての会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

ここで「正式に超えたものですから」と言っているのですが、この時点では報告総数の前日比以外、100万回を超えたものはありませんでした。

その報告総数の前日比を「正式に」と述べてしまうのですから、その数字の意味は分かっていないのだろうと思います。
(結果としてその後報告数に、実際の接種数も近づいていく、とか述べているならまだしも)

そして、菅首相は、この後にも、このような報告総数前日比らしきものに言及しています。

ワクチンの接種は、この1週間で合計730万回、1日平均100万回を超えるペースで増加しています。累計の接種回数は2,700万回を超え、1度でも接種した人の数は2,000万人を超えました。自治体や医療関係者などの御協力に、心から感謝いたします。

令和3年6月17日 菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

この730万回というのは、報告数前日比を1週間分足し合わせたものだろうと思われます。

これらの数字を足し合わせると7,272,775回となり、約730万回となります。

この時期に1日当たり100万回接種を超えていたと言うには、接種日ベースの数では昨日まで正式には超えていなかったわけですから、首相は報告された数字で100万回接種について話していることがここからも推察できるわけです。

このように、菅首相はどのタイミングで接種したのかなどの数の実態・中身は気にせずに、見栄えのいい数字、もしくは簡単に見れる数字を利用しています。

このような数字の把握の仕方と、下から積み上げて目標を作ることをせずに、見栄えのいい大目標(高齢者7月完了)を作り、そこから逆算するだけの小目標(1日100万回接種)を作ると言う、数字を積み上げる側の実態を考えずに目標を作る行為は、首相の「結果以外の中身を気にしない」という性質から来ている現象なのではないかと思うのです。

また、ここで再確認なのですが、100万回接種と言う小目標は『接種が加速化する5月24日から7月末まで約70日。100万回は、この間に高齢者の2回接種(計7200万回)を終えるのに必要な回数を逆算した「首相発案の数字」』なはずでした。

5月24日から平均して高齢者への接種が100万回を超えないと、高齢者の2回接種完了と言うのは達成できないので、1日100万回接種が目標の数字として出てきていたはずです。

一方で、現在様々な場所で言及される「1日100万回接種」には、医療従事者など、高齢者以外の接種者数も含まれています。一般接種でも自治体によっては高齢者以外にも接種を始めている自治体もあるでしょうし、大規模接種会場で高齢者以外も予約可能になったりもしています。

そんな状態になってくると「1日100万回接種」という数字の意味が、河野大臣のように「高齢者以外」を巻き込んで意味づけないと、よくわからないことになってきます。

また、こんな首相の発言を見ると、余計「1日100万回接種って何なの」と思ってしまいます。

(記者)
 読売新聞の黒見です。
 ワクチンの接種で関連でお伺いいたします。総理は先ほどもおっしゃられたように、1日100万回の目標を掲げていらっしゃいますけれども、大規模接種の設置とかが相次いで、今後、100万回になる見通しというのはいつ頃になるというふうに見ていらっしゃいますでしょうか。よろしくお願いします。

(菅総理)
 まず、諸外国の例を見ても、やはりワクチンは感染防止の切り札だというふうに思っています。ですから、政府としては総力を挙げて、このワクチン接種に全力を挙げているところであります。
 こうした中で、接種の際の打ち手がいない。そうした根詰まりの部分については、政府で地方自治体の皆さんにも手伝いをさせていただいているところであります。
 現在、1日40万回から50万回でありますけれども、6月に入って中旬以降は、打ち手も含めて100万に対応できるような、そうした体制が中旬以降にはできてくる。このように思っています。
 とにかくワクチン接種に全力を挙げて、感染対策を行うと同時に、コロナとの闘いに私自身が先頭になって取り組んで、何としても国民の皆さんが安心・安全の暮らしを、かつての日常を取り戻すことができるように、全力で取り組んでいきたい、このように思っています。

令和3年5月28日 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

見通しとしては「6月中旬」というのは正しかったわけですが、そもそもその数字は何のためか?というのを考えると、その見通しを普通に披露していることに、それでいいの?と思ったりもするわけです。

ここからの更なる加速で間に合う、もしくは希望しない高齢者を除けばこのペースで行ける、と言うことなのかもしれないですが、やっぱりここも「数字の中身を気にしない」首相の悪癖が出ているのでしょう。

一方、政府が作ったシステムの運用だったり、期限だったりに苦労する地方自治体と言う構図がワクチンにおいてはなんども見られます。

ある程度は、走りながら修正していくと言うことが必要ではあると思いますが、そもそもいろいろと修正が必要となるような状態なのに、算出・設定の根拠がよくわからない、なにかとの勝負のための目標が作られてしまい、それのために振り回される方々は、とても大変だろうと思います。

7月末までの高齢者接種完了の政府目標に対し、今月1日時点で全国1741自治体のうち98・7%に当たる1718自治体が実現見込みと回答。5月12日時点の1490自治体(85・6%)から約3週間で200以上の自治体が政府目標に沿う形に前倒しした。

ただ、接種完了の定義について、自治体への調査や調整役を担当する総務省は「地域によって事情が異なる」(地域政策課)として明確に定めておらず、自治体ごとに基準がバラバラになっているのが実情だ。

一部の自治体は過去のインフルエンザワクチンや集団免疫の獲得を期待できる接種率をもとに、完了とする目安を独自に設定。神戸市は高齢者全体の80%に当たる約35万人が2回目の接種を終えることを完了としている。また、東京都東大和市は接種率70%に、埼玉県川口市は65%に達した時点で完了とする方向だ。

一方、基準そのものがあいまいな自治体もある。長野県松本市は新規の予約の受け付けが落ち着いた時点で、接種希望者が打ち終えたと判断して完了と見なす。静岡県熱海市は7月末までに市内の高齢者の大半を接種できる態勢を整えているとして、実際の接種率に関わらず、7月末で完了とする予定という。

そもそも接種完了の定義を明確にすることは困難とされる。副反応を懸念するなどして接種を控える人が一定程度出ることが想定されるため、100%の接種率は見込めないからだ。そこに菅義偉(すが・よしひで)首相の大号令があり、自治体側が完了の定義を設けざるを得なくなったという経緯がある。

ある市の担当者は「自治体側の判断で拙速に接種完了を公表した場合、これから接種を受ける住民に『もう受けられないのか』と余計な混乱を招きかねない」と不安を口にする。

別の市幹部は「総務省から7月末に接種を完了するよう何度も働きかけを受けたので、7月末に達成できる接種率を完了の基準にした」と明かし、「ガラス細工のように積み上げた接種完了にどれだけ意味があるのか」と疑問を呈した。

高齢者接種の「完了」、自治体で定義ばらばら - 産経ニュース

1日に高齢者への集団接種が始まった朝霞市の担当者は「接種体制の整備や市民からの問い合わせ対応に追われ、記録を確認する余裕がない」と打ち明ける。鶴ヶ島市の担当者も「職員が限られている中で、記録よりも接種を進めることを優先している」と話す。

 タブレット端末やシステムがうまく作動せず、記録に支障が出たケースもあった。行田市の担当者は「数字の読み取りがうまくできず、職員同士の読み合わせによる確認作業に時間がかかり、実際の接種数と記録の数字との間にズレが生じた」と話す。その上で「同様の自治体は他にもあるはず。システムの数字がどれだけ実態を反映できているのか」と疑問を投げかける。このほかの市や町でも、システムのトラブルなどにより、記録が遅れたところがあった。

 川口市では、接種してからVRSへの記録までに1週間程度の差が生じている。個別接種を担う医療従事者の負担を減らすため、市が140か所の医療機関から毎週予診票のコピーを回収して、まとめて記録しており、時間差が生じているという。市の担当者は「『接種後、即記録』という国のイメージと、現場の実態は異なる」と指摘する。

政府の「接種記録システム」実態を反映せず?…「接種数が把握できない」自治体も : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

そして、菅首相に振り回されているのは、地方自治体だけではなく、閣僚も異論をぶつけても聞く耳を持たれないどころか、場合によっては資料を投げつけられたり、敵扱いをされてしまうようです。

「こんなんじゃ話にならないんだよ」

 昨年12月上旬、首相官邸の執務室。菅義偉首相が発した怒声に、その場は凍り付いた。

 財務省主計局長の矢野康治は、脱炭素技術の研究・開発を支援する基金に1兆円を充てる案を主張したが、菅は倍増するよう迫った。「そんなことはできません」。かつて官房長官秘書官として菅に仕えた矢野が食い下がると、いらだった菅は説明資料を投げつけた。菅の意向通り、金額は2兆円に積み増された。

 官房長官時代も、菅が官僚をどなりつけることはあった。「自らの政策に反対するのであれば、異動してもらう」と公言もしていた。ただ、あくまで政権ナンバー2の立場であり、最終決定権者は安倍晋三首相だった。「首相の発言は重い。今は、誰も菅さんに反対できなくなっている」。安倍政権も知る政府関係者は語る

資料投げつけ「話にならないんだよ」苦悩する元・最強の官房長官…[菅流政治]検証半年<1> : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

首相は12月上旬、気の置けない党内の若手議員と会食した際、「Go To トラベル」を全国一斉に即時停止するよう暗に求めた西村氏への不満をまくし立てたという。

「新幹線や飛行機に乗って移動することが感染を広げるわけではないでしょ。旅先だろうが日常生活だろうが、大人数の会食やマスクの非着用や取り外しが感染拡大の理由であることには変わりない。なのに医者たちは、感染者がゼロになるために最適な手段ばかり考える。最近の西村は『医者の側』に行ってしまった」

 政治家ならば、一定のリスクを負っても経済不況を忘れてはならない――。言下にこう言いたかったのだろう。

「軍師不在」で「裸の王様」菅首相の機能不全 | 深層レポート 日本の政治 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

菅首相は、更迭についての言及で思ったのですが、どうも途中で何が起こっても、結果として最初に掲げたものが達成できれば、「正しかったので当然の犠牲だ」という認識をしているのだろうな、と思います。

森ゆうこ委員(立憲民主)への答弁。

森委員は菅首相の著書「政治家の覚悟」の内容を引用し、首相が総務相時代、自らの意に沿わない発言をした官僚に人事権を行使したことについて確認した。

菅首相は自身が推進したNHK改革について「政策に反対する者については、政策を掲げて政治家として大臣になったのだから(担当者を更迭し)、政策を実現することは当然なことでないか」と述べた。

政策に反対する官僚の更迭は当然=菅首相 | ロイター

「正しかったので当然の犠牲だ」という姿勢については、民主党政権時代に自民党が野党として散々批判してきたものであるように思うのですが、いろいろあって、菅政権はさらに民主党政権の政治手法をパワーアップしたかのようなことをやっているように見えてしまい、「あの頃はなんだったんですかね」と思ってしまいます。

また、その手法は安倍政権の継続ではあるように見えるのですが、安倍政権と菅政権の違いとして、首相の性格の違いが露骨に表れているように思います。

 首相は就任時、「国民のために働く内閣」と定義づけ、携帯電話料金の値下げや不妊治療への公的医療保険の適用拡大などを素早く実現すると訴えた。

 この背景には、「首相が官房長官時代のように自分でそれぞれの所管省庁に細かく工程表などの指示を出す」(首相周辺)ワンマン的な手法で乗り切れるという自負があった。

 実際、携帯電話を所管する総務省幹部は、

「大手3社の主力ブランドがどの程度値下げしなければならないかまで、首相から直接電話で指示を受ける」

 と打ち明ける。

 言い換えれば、「伝書鳩」のような側近は不要ということだろう。

 政権運営において首相の指示が際立っている現状は、前任の安倍首相時代とは大きく異なる。

 野党からは「ワンマンの安倍1強」などと批判されたが、実際は安倍首相だけでなく、当時は官房長官として首相の軍師役だった菅氏や今井尚哉首相補佐官らの官邸官僚らが丁々発止のやりとりを行い、重要政策の行方を決めていた。

 国内で新型コロナの初感染が確認された2020年1月から春ごろまでは、菅氏と今井氏が対立することもあったが、夏以降は、菅氏が肝入りで進めた観光支援策「Go Toトラベル」を首相以下官邸が一丸となって支えるなど、チーム力が光った。

 安倍氏に仕えた佐伯耕三元首相秘書官は、9月に官邸を去った後、

「よく『安倍独裁政治』などといわれたが、安倍さんはスタッフの諫言を割と柔軟に聞くタイプだった」

 と周囲に語ったこともある。

 これが7年9カ月もの長期政権のバックボーンとなった。

 翻って今の菅官邸の内情はどうだろうか。

 本来、女房役となる加藤氏について、官邸関係者は、

「良くも悪くも大蔵省出身の役人気質が抜けず、政治家として『ここがリスク』と進言するような機会が少ない」

 とこぼす。

 得意の厚生労働分野でも、科学的知見に基づく意見を淡々と語るだけで、世論の批判が急速に高まった「Go To トラベル」をめぐっても、事業継続に固執する首相をたしなめるような場面は「ほとんどなかった」(同)という。

「軍師不在」で「裸の王様」菅首相の機能不全 | 深層レポート 日本の政治 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

安倍前首相は、アベノマスクなど、周囲からの助言を聞いた結果失策をした、つまり他人を信用して失敗をしたわけですが、そもそも菅首相は他人を信用すると言うことがあまりないのではないでしょうか。
(安倍氏も右翼を批判する人に対してはとても偏狭であり問題がありますが)

そのような基本的に「不信」の姿勢を取る菅義偉氏のパーソナリティが、非常事態において、とても悪い方向に出ているように見えます。

例えば「不信」であるからこそ、自力で調べた(変な)情報を信じてしまう、的なことがワクチン接種数の話ではいえるかもしれません。

また、現状は、そんな「不信」を基礎として「自助・共助・公助」が組み立てられるとどうなるかの実験とも言えるのではないかと思うのですが(自粛についての諸々など)、現状必要なのは、それをどうにか食い止める、もしくは解きほぐすことなのはないかと思うのです。

-菅義偉政権, COVID-19対策
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