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菅義偉政権 COVID-19対策

『発表ベースで』という産経新聞の誤魔化し 〜なんのための「1日100万回接種」?〜

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産経新聞が以下のような記事を発信していました。

首相官邸は8日、新型コロナウイルスワクチンの接種回数が7日時点で1834万8184回に上ったと発表した。前日比109万3504回増で、発表ベースで菅義偉首相が目標に掲げた「1日100万回接種」に達したことになる。

ワクチン接種、発表ベースで「1日100万回」達成(産経新聞)

ここで、注目すべきは「発表ベースで」とわざわざ前提をおいているところでしょう。

そこで、首相官邸ホームページにいくと、この発表がどういうものかを説明したPDFがおいてありまして、この発表の数字についてのこういう注意書きがあるわけです。

・接種日よりも後に報告された場合、遡って当該接種日の接種回数に計上するため、当該接種日の接種回数が後日増加することがある。

首相官邸の増分についての説明のPDFより。

このように、火曜日の発表ベースでの前日との増減は、実際は土・日・月の3日で報告された数字が増加しているはずなので、一日あたりの数字として扱うには不適切です。
(当初触れていたこちらの仕様は医療従事者の数字の仕様で、今回の報告で明らかに大きくなって100万件達成に寄与している数字は高齢者等の数字なので、間違いでした。訂正します。)

このように、報告ベースだと、接種日よりもあとに報告される事例があり、それを混ぜての一日の件数となるため、実際に一日に接種された数字とはズレが生じることとなります。そういう数字で1日100万件を一日だけ達成することになんの意味があるのでしょうか?
(一日だけ達成することだけに特化するならば、あえて報告をずらすなどすれば、いくらでも一日だけ達成はできてしまうのです。実際は土日分を月曜日に一気に報告、とか、土日に色々と整理して月曜日に一気に報告、みたいなことをしてる自治体とかがあったりするのではないか、と思うのですが。)


追記

どうも一か月前の接種数まで更新されているようです。


このような数字をわざわざ取り上げて記事にする産経新聞の意図を疑うレベルのひどい数字の使い方のように思います。


追記

ちなみに、月曜日の高齢者等の分の公表(日曜日時点の数字を公表する)では、金・土・日に報告された数字となるため、もっと多い数字が出ていたようですが、さすがに産経新聞もその数字を達成としては扱わなかったようです。
ただ、ここまで数字がぴったり900万回となると、自治体からの報告ベースとはいえ、集計段階でもなにか区切りがありそうに見えますが、さすがにそれは考えすぎでしょうか。

あとツイートを見るに、増分の数字を出し始めたのは最近のようですね。少なくともツイートでは5月28日から増分の数字が書かれていて、増分の詳細のPDFは6月1日から添付が始まっています。


ちなみに首相官邸では実数のPDF等だけでなく、高齢者等への接種数のみのグラフが掲載されていていたりしますが、高齢者等の接種数は現状ピークでも53万件程度であり、そこに医療従事者の接種数20万前後を足した1日70〜80万件程度が現在の本当の一日あたり接種数ではないでしょうか?。(ダッシュボードからの引用のようです。)

また、そういう記事を「接種 目標の「1日100万回」達成」と「報告ベースである」ことを抜いたタイトルでピックアップするyahooニュースもひどいです。
事実確認のレベルの低さ、記事タイトルを変えることによるミスリードの促進と、大きな問題があるピックアップのように思います。

また、ここからは今回の記事だけではない、首相の数字の使い方も含めた問題なのですが、この「1日100万回」という数字が、なんのための目標なのかがどっか行ってしまっているように思うのです。

そもそも、この数字を出したときの菅総理の記者会見での言及はこういう形でした。

来週より、順次、全国の自治体で本格的な接種が始まります。この24日からは、東京、大阪の大規模接種センターでも始まります。その後、1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてはあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートしてまいります。

令和3年5月7日 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

「1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせるよう」というように、念頭にあったのは7月末に希望する高齢者への2回接種を終えるというものだったとおもっていました。
それを裏付けるような報道だったり、そういうふうに受け止めた報道もいくつかあったように思います。

「100万回」はどう積算され、その背景には何があるのか。

 首相は、いまの緊急事態宣言を出すことを決めた4月23日の記者会見では「7月末を念頭に、各自治体が2回の接種を終えることができるよう政府をあげて取り組んでいく」と、自ら高齢者接種の期限を引いた。対象となる高齢者は約3600万人で、2回接種すれば約7200万回分が必要となる。首相周辺は「7月末に接種を終えるには、1日100万回打つ必要がある」と説明。期限を逆算して、「100万回」をはじき出したとする。

1日100万回接種、掲げたが 焦る首相、再三の電話:朝日新聞デジタル

加藤勝信官房長官は10日午前の会見で、菅義偉首相が表明した新型コロナワクチンの「1日100万回接種」との目標について、7月末までに高齢者接種を終えるために必要な回数を逆算したものと説明した。

記者団から100万回の根拠について質問され、加藤官房長官は「1日100万回の接種を行っていくことが、7月末までに接種を行っていくためにも必要」と述べた。

ワクチン接種1日100万回目標、7月末終了から逆算=官房長官 | Article [AMP] | Reuters

政府は、新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種を目標の7月末までに終えるため、「1日100万回」の接種ペースを目指す。

「1日100万回」接種の実現危ぶむ声、大規模会場2か所で計1・5万回どまり : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

7日夜、記者会見し「私自身が先頭に立って、ワクチン接種の加速化を実行に移す」と述べ、7月末を念頭に希望するすべての高齢者に接種を終わらせるため、1日100万回の接種を目標とする考えを強調しました。

菅首相会見 ワクチン接種 1日100万回を目標とする考え | 新型コロナウイルス | NHKニュース

菅政権は1日100万回接種し、7月末までの高齢者接種の完了を目指すが、目標達成には残された約70日間に約6900万回分を接種する必要があり、単純計算で1日当たり約95万回に上る。

接種1日最大約40万回超 「100万回」目標達成へ担い手確保急務

接種が加速化する5月24日から7月末まで約70日。100万回は、この間に高齢者の2回接種(計7200万回)を終えるのに必要な回数を逆算した「首相発案の数字」(周辺)だった。

周囲の制止振り切り突っ走る首相、高齢者接種「7月完了」譲らず…[政治の現場]ワクチン<1> : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

このように「希望する高齢者への接種を7月末に終わらせる」ために、接種スピードを早めるための「1日100万回」という目標、という目的と手段の関係性だと思っていたのですが、その後の菅首相の数字に関しての触れ方、数字を増やすための施策(高齢者以外の接種を加速させる施策を100万回達成の切り札としている)をみると、(そもそも7月末までに希望する高齢者への接種を終わらせることすらも)数字だけ達成すればいいという考え方なのではないか、なんのためにワクチンを打っているのかコロコロ変わっているのではないか?と考えてしまうのです。

「7月末までに終えられる」と回答したのは、4月下旬の時点では、およそ1000にとどまっていた。それが5月12日に公表された結果では1490と86%に増え、5月21日には1616と93%にのぼった。

ただ、総務省内からは次のような声も。
「総務省に聞かれたら、自治体が前向きに答えてしまう面もある。実態を正確に把握しているとは言えず、本当にやれるのか、丁寧に確認する必要がある」

高齢者へのワクチン接種 7月末で終わる? | NHK政治マガジン

各都道府県本部を通じて調査したところ、7月末の完了が難しい理由として、「医療関係者の確保が困難」とした自治体が187(75%、複数回答可)にのぼった。「医療関係者のワクチン接種が終了していない」が63(25%)、「接種会場の確保が困難」が61(24%)、「国の負担金・補助金が不十分」が38(15%)、「地域医師会との協議が難しい」が34(13%)で続いた。

 政府調査の精度については、調査を担当した総務省関係者も「達成に向けて全力で頑張るという、市町村の決意表明みたいなもの」と語っている。(下司佳代子)

「7月末の接種完了は困難」248自治体に 公明調査 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

「『7月末までに完了するよう調整中』でも、『7月完了』に含めていい」 東日本の県幹部は総務官僚の言葉に耳を疑った。自治体の見通しを聞き取るはずの総務省が、「7月末完了」の回答数を積み上げたい思惑が透けて見えた。結局、この県は「調整中」も「完了」と報告したという。

7月接種完了へ「早く打ってもらえるようにプッシュしろ」、官邸に総務相を呼び指示…[政治の現場]ワクチン<3> : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

また、首相の姿勢も高齢者接種にこだわらず、国民全員への接種に視点が移っているようで、高齢者接種を増やすことで重症者を減らす、これにより医療機関への負担を減らし云々、みたいな理屈はどこへ?というふうに思います。

(変異株でフェイズが変わったとか言われればそうなのかもしれませんし、河野大臣はそこに言及していますが、果たして本当なのか?と疑ってしまいます。なんとなく雰囲気で「集団免疫」的な考えに傾いただけなのでは?みたいなことも頭によぎります。多分こう考えるのは、首相にいつぞやかアドバイスしていた大木隆生氏の言動とかが私の頭の中にあるからしょうが。)

菅首相「私自身が先頭に立って、接種の加速化を推進しております。現在は、総接種回数が毎日80万回前後に増えており、1,700万回を超えております」

「1日100万回」の接種を目指している菅首相は、委員会で、毎日80万回前後に増えているとしたうえで、「1日でも早く希望する国民が接種できるよう、政府を挙げて対応する」と述べた。

【速報】ワクチン「毎日80万回」に増加 菅首相「政府挙げて対応」

ーー菅首相が1日100万回の接種を目指すという目標を掲げた際、河野大臣は1日70万回が限界じゃないかと食い下がったと言われています。初めて目標を聞いた時、何を思いましたか?

変異ウイルスがこれだけ感染拡大していますからね。

ワクチンは切り札だよねと言っていたときの切迫感と、これだけ変異ウイルスが感染拡大してきた中での切迫感は、やっぱり違うんですよ。

ワクチン接種は予防接種法に基づいて、市区町村にやってもらう業務ですと言いながらも、なるべく早く高齢者への接種を終えて、医療機関への負荷を軽減しないといけません。

大阪のような、ベッドも埋まっている、ホテルでも多くの人が宿泊療養しているといった非常に厳しい状況からいち早く抜け出すためにも、まずは重症化しやすい高齢者にとにかくワクチンを早くうってもらう。

医療従事者や医療機関に対する負荷を軽減する策は、他にありません。

だから、まずは7月末までに、というゴールが決まった。

しかし総理の頭の中には、高齢者世代だけではダメだという考えがある。今は、変異ウイルスの影響で重症化する人の年齢も下がってきています。

65歳以上が接種しおえたら終わりではなく、その次の世代にも行かなきゃいかんぞという意味で、引き続き1日100万回の接種を目指すという目標が出てきたのだと思います。

しのごの言っている余裕はなくて、とにかくワクチンを接種することで人の命を守る。

色々なご意見、ご批判はあるかもしれませんが、総理が7月末までに高齢者への接種を終えるという目標を掲げたので、「9月までに」と言っていた自治体もとにかく前倒しをして、お医者さんも1日10件の予約を20件にするかと動いてくれている。

そういう意味では、総理が大きな旗を振った効果は出ています。

総理が1日100万回という目標を掲げた分、こちらは大変ですよ。でも、今の状況を考えれば、それぐらいのペースでやらないといけません。

1日100万回接種はゴールじゃない?高齢者以外の接種はどうなる?河野大臣が語る、ワクチン接種の「3つの山」

菅首相は、怒鳴ったり、資料を投げつけたり、更迭したりすることにより、「緊張感」を起こすことで人を動かし、色々なことを実現するタイプのようですが、このようなタイプの人間は、得てして都合のいい話ばかり重視し、都合の悪い現実を拒絶するパワーがとても強いです。(それが暴力などに現れるのです)
そういう菅首相のパーソナリティ、組織運用術により、政府の施策が現実的ではない、目的がどこかに行った雰囲気だけの施策になっているのではないか?という疑問を私は常々持っているのですが(具体例としては携帯料金やふるさと納税など)、ワクチン行政もそういうものになっているのではないか?という疑問があります。

それが結果論としてうまく行けばいい、という人もワクチン関係だと特に多いのかもしれませんが、その過程で犠牲になる人間、または最終的にうまく行かないであろうと察せられる理由、筋が通っていないとしか思えないこと、みたいなものに私は注目していきたいです。

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