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興味乱舞に引きこもれず

COVID-19対策

優先順位が有耶無耶になっていく

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現状のワクチンの優先順位は以下のように定められています。

(出展:「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(第2.2版)」 令和3年4月15日[PDF形式:4,299KB]

(以下のリストでは3~5になってしまっていますが実際のPDFの表ではは基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者、60~64 歳の者の接種順位は同じ3であり並列です。しかし60~64 歳の者についてはワクチンの供給量による。となっています。)

  1. 医療従事者等 新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症疑い患者(注)を含む。以下同じ。)に直接医療を提供する施設の医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者の搬送に携わる救急隊員等及び患者と接する業務を行う保健所職員等を含む。)
  2. 高齢者 令和3年度中に 65 歳以上に達する方 ワクチンの供給量・時期等によっては、年齢により接種時期を、細分化する可能性がある
  3. 基礎疾患を有する者1.令和3年度中に 65 歳に達しない者であって、以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
    ・慢性の呼吸器の病気
    ・慢性の心臓病(高血圧を含む。)
    ・慢性の腎臓病
    ・慢性の肝臓病(肝硬変等)
    ・インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
    ・血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
    ・免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む。)
    ・ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
    ・免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
    ・神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
    ・染色体異常
    ・重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
    ・睡眠時無呼吸症候群
    ・重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)
    2.基準(BMI30 以上)を満たす肥満の方
  4. 高齢者施設等の従事者 高齢者等が入所・居住する社会福祉施設等(介護保険施設、居住系介護サービス、高齢者が入所・居住する障害者施設・救護施設等。表 3 参照)において、利用者に直接接する職員(市町村の判断により、一定の居宅サービス事業所等及び訪問系サービス事業所等の従事者も含まれる。)
  5. 60~64 歳の者 ワクチンの供給量によっては、基礎疾患を有する者と同じ時期に接種を行う
  6. 上記以外の者 ワクチンの供給量等を踏まえ、順次接種ワクチンの供給量・時期等によっては、年齢により接種時期を、細分化する可能性がある。

このように、ワクチン供給量を加味して、ワクチン接種の優先順位が決まっています。

ここで重要なのは、医療従事者というくくりについて「患者に直接医療を提供する」「患者の運搬に携わる」「患者と接する業務を行う」というように患者との接触が条件として加わっていることなのではないでしょうか。
ワクチン接種の目的として、今回の国の定義では「患者と接する人を最優先する」という意図が見えるように思います。

また枠外に「内閣総理大臣等が相手国に渡航し外交交渉を行うに際し、相手国との外交上の特別の事情により、渡航前に予防接種を行う必要があると認められる政府代表団の一員(ただし、職務内容に照らし必要最小限の人員に限る。)については、その特別の事情に鑑み、渡航前に予防接種を行うことができる。」と書かれているのも注目かもしれません。
首相などがワクチン接種を優先される理由として、今回は「外交上の必要」が掲げられていて、行政に携わっていることは理由となっていないのです。

このような中、優先順位の中の「医療従事者」の定義について拡大しようとする試みが、いくつか権力者や有力者により行われました。

新型コロナウイルスワクチンの接種を巡り、愛知県西尾市の近藤芳英副市長が、スギ薬局を展開する「スギホールディングス」(HD、愛知県)創業者で同市在住の杉浦広一会長(70)と、妻の昭子相談役(67)の予約枠を優先確保するよう、市の担当部署に指示していたことが分かった。近藤副市長は本紙の取材に指示を認め「夫妻は市への貢献度も大きく、忙しいお2人なので担当部署に依頼した」と説明。本紙の取材を受け、市は夫妻の予約を取り消した。(角野峻也)

「何とかならないのか」愛知県西尾市の副市長、スギ薬局創業者夫妻の新型コロナワクチン予約枠の優先確保を指示

茨城県城里町の上遠野(かとうの)修町長(42)が4月下旬、町内の高齢者に先駆け、新型コロナウイルスのワクチンを接種していたことが明らかになった。上遠野町長は13日に記者会見を開き、「接種は(町の)保健センターで行われるため、その開設者である私も医療従事者。キャンセルが発生し、廃棄を避けるため接種した」と説明した。

42歳町長ら職員29人が接種 高齢者先駆け「キャンセル分で」

兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)が、65歳以上の優先者でないにもかかわらず、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けていたことが12日分かった。山名町長は神戸新聞の取材に「町が設置する神崎総合病院の開設者として、会議などで同病院を訪れる機会が多いため」と説明している。

真っ先にワクチン接種の62歳、神河町長「隠すつもりなかった」

大阪府河南町の森田昌吾町長(64)や町職員ら約50人が、13日から始まった高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン集団接種に先行し、医療従事者枠を使ってワクチンを接種していたことが13日分かった。町関係者が明らかにした。

 森田町長は取材に「自分も接種現場に滞在して状況把握や改善指示などを行っており、問題とは考えていない」とコメントした。

大阪・河南町長ら50人接種 医療従事者枠で住民より先に

これらの方々の共通点として言えるのは「医療従事者等」という定義をいじった、もしくはいじろうとしていた、と言う点です。

そういう点で、河野大臣がキャンセル分は現場裁量でだれにでも打って良いという趣旨の発言をしているのですが、今回の中でキャンセル分を打った事例でも、その発言を超えた論点が出来上がってしまっているように思います。

「他市、他県の方でも一向に構わない。全く制約はないので、現場対応でしっかり打ってほしい」。河野氏は13日の記者会見で、キャンセル分は接種券の有無、年齢、住所を問わず、誰に打っても構わないと強調した。

キャンセル分も捨てません 医療従事者に独自転用も―高齢者接種で自治体模索:時事ドットコム

今回、キャンセル分の接種を受けた首長の方の会見での発言ではここでいう「誰に打ってもかまわない」という理由ではなく、「私は医療従事者だから構わない」だったり、「私には優先接種される理由がある」という主張がなされています。

町長は「町内でのワクチン接種は保健センターなどで行われ、ここは医療機関に当たるため開設者の私も医療従事者となった」と強調

42歳町長ら職員29人が接種 高齢者先駆け「キャンセル分で」 | 毎日新聞

会見の冒頭、山名町長は「町民に事前に伝えることなくワクチンを接種し、おわび申し上げる」と陳謝。一方で、神崎総合病院の開設者として毎週、同病院での会議に出席することなどを理由に「接種はリスク管理の一環だった。予約のキャンセル分を打っており、ワクチンの有効活用という国の方針にも合っている」と主張した。

 さらに「割り込みで先に打たせてほしいと言ったわけではない。病院の事務職も接種を受けており、私が関係者として接種を受けることはルール違反ではない」との認識を示した。2度目の接種は27日に受ける予定という。

「信頼裏切り申し訳ない」真っ先に接種の神河町長が謝罪会見 「割り込みではない」と釈明 |総合|神戸新聞NEXT

 町によると、前田義人副町長が4月下旬、院内での感染リスクを考慮して「町長はワクチン接種を受けなくてもよいか」と病院側に相談。町職員でもある病院事務長から「キャンセルが出たワクチンで対応できる」と返答があり、受けることを決めたという。

 神河町のワクチン接種は医療従事者や高齢者施設の入所者らから実施。それ以外の約3800人については基礎疾患のある65歳以上を優先し、5月6日から集団接種を始めた。山名町長はその初日に1回目の注射を受けた。

 神戸新聞の取材に、山名町長はいったん接種を否定した後、撤回。「病院運営に支障が出ないよう接種を受けたつもりだった。隠すつもりはなかったが、うその回答をして申し訳ない」と釈明した。2回目については「ワクチンを無駄にはできないので受ける」としている。

 山名町長は月数回、会議などで同病院を訪れるが、「役場から近い」との理由でリモート参加などの対策は取っていなかった。(吉本晃司)

真っ先にワクチン接種の62歳、神河町長「隠すつもりなかった」

接種は地元の医師会から「住民を対象にした集団接種の会場運営にあたる職員は医療従事者の枠で接種を受けたらどうか」などと提案を受けて行われたということです。
町は担当する職員のほか、町長や副町長、それに教育長も現場で指揮にあたる可能性があるとして、接種を受けることに決めたということです。
これについて森田町長はNHKの取材に対し、「接種会場などで自らが指揮をする場合もあり感染リスクを軽減し、住民に安心感を与えるため接種の必要があると判断した。適切だったかどうかについては判断する立場にない」と述べています。

大阪 河南町長 医療従事者枠で新型コロナワクチン接種

医療従事者は、「新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症疑い患者(注)を含む。以下同じ。)に直接医療を提供する施設の医療従事者等(新型コロナウイルス感染症患者の搬送に携わる救急隊員等及び患者と接する業務を行う保健所職員等を含む。)」と定義されている中で、「ワクチン接種現場で指揮をする可能性があるので」とか「病院に頻繁に出入りするので」という理由で優先接種の「医療従事者等」の対象であるという理由付けをしたうえで、キャンセル分を己に回したわけです。

これは単に「キャンセル分を無駄にしない」という論点だけではなく、キャンセル分を意図的に分配することの是非、医療従事者等の枠組みにどこまでの人が含まれるのか、ということを考える問題になってくるのではないでしょうか。

そういう意味で、スギ薬局の創業者が「薬剤師だから医療従事者」という理屈でねじ込まれそうになった問題(結局は高齢者枠で最優先になった。)と微妙につながっているように思えるのです。

だからこそ、このような話は、例えば神河町長と同じ「月数回、病院を訪れる」ような人でも、出入りしている業者の方とか、そういう他の人がきちんと優先されているのか?とか詰めて行かないといけないのではないかと思うのです。

そういう意味で「誰でも打たれる」わけではない可能性が高く、「キャンセル分を無駄にしていない」という言葉で誤魔化しながら、コネ優先政治が当然とされるきっかけに今回のワクチン接種がなり得るのではないか?と思うのです。

ちなみに、一例として京都市がキャンセル分をどのように優先するかの指針を公表しており、このような指針があればある程度批判は収まるのではないかと思います。(京都市以外でもいくつかキャンセル分をどういう使い方するかについて指針がある自治体はあるでしょう。4月には問題が発生して、河野大臣が自治体に現場対応で、とぶん投げた指示を出しているようですし)
今回の問題は優先順位がこっそり出来上がっていたことも問題の内でしょうから。

 「他市、他県の方でも一向に構わない。全く制約はないので、現場対応でしっかり打ってほしい」。河野氏は13日の記者会見で、キャンセル分は接種券の有無、年齢、住所を問わず、誰に打っても構わないと強調した。
 前日の12日、高齢者向け接種を始めた東京都八王子市では、キャンセル2人分を廃棄処分としていた。今後は医療従事者に回すこととしたが、担当者は「5月以降、接種が本格化すればキャンセルのリスクも高まる」と不安げに語る。
 高齢者施設で接種を始めた京都市でも「準備していない人に打っていいのか」とのちゅうちょから、12、13両日で計3人分の廃棄が発生。市は「今後、接種する施設や医療機関が増えるため、互いにワクチンを融通できるよう医師会などと協議したい」としている。
 ただ、河野氏の発言には戸惑いも。某市担当者は「『接種券がなくても若い人でも構わない』と言われても、それで接種した人をきちんと管理できるのか」と首をかしげる。
 ワクチンをめぐっては、国が最優先する医療従事者向け接種が大きく遅れ、高齢者分を医療従事者に回す動きが相次ぐ。その一つ、茨城県日立市は、高齢者用約1000人分のうち、約300人分について、高齢者施設で接種業務を担当する医師や看護師らに転用する。担当者は「医師や看護師らが感染すれば高齢者への接種を円滑に進められない」と説明する。
 全国知事会の先週の会合でも、国の接種計画に対し「医療従事者への接種が完了した後に高齢者への接種へ移行するのが本来の望ましい姿だ」との批判が噴出。飯泉嘉門会長(徳島県知事)は会議後、記者団に「このままでは第一線で当たる市区町村に不安が広がる」と懸念を示した。

キャンセル分も捨てません 医療従事者に独自転用も―高齢者接種で自治体模索


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