職域接種は「(8月初頭の時点で)8月23日の週から本格化させる見通し」となるくらい遅れていたという話

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職域接種での近隣住民への接種について未だに「ガメたアクチン」「余ったワクチン」という言説があるようです。

ガメたという評価については、きちんと当初計画の通りなので、誰も騙していないし、国の方針通りである可能性が高いことをブログで書いてきました。

一方で「余ったもの」という評価についても、「当初から計画に含まれている数字であること」だから余ったワクチンではない、という反論を書きました。

今回は、ざっくりとした推察でしか反論していなかった「この時期に言い出したのは余ったからだ」というタイミングについての推察意見への反論の補強となるニュースを今更知りましたので、ブログに書いておきます。

それは、以下の8月9日付けの産経新聞の記事を見つけて気づきました。

新型コロナウイルスの感染が全国で拡大する中、6月に新規の受け付けが休止されたワクチンの職域接種は、今もなお足踏み状態が続いている。国は供給のめどが立つ8月23日の週から本格化させる見通しを示しているが、申請済みの新型コロナウイルスの感染が全国で拡大する中、6月に新規の受け付けが休止されたワクチンの職域接種は、今もなお足踏み状態が続いている。国は供給のめどが立つ8月23日の週から本格化させる見通しを示しているが、申請済みの多くの企業や団体、大学では、医師や会場の確保、接種人数の把握など計画の仕切り直しを迫られている。夏休み中の接種完了を目指していた大学では、秋以降の授業への影響を心配する声も上がり始めた。多くの企業や団体、大学では、医師や会場の確保、接種人数の把握など計画の仕切り直しを迫られている。夏休み中の接種完了を目指していた大学では、秋以降の授業への影響を心配する声も上がり始めた。

職域接種は8月下旬から本格化 仕切り直しの影響は – 産経ニュース

私、職域接種が1000万回分の接種を終えたとか、結構前に「〇〇で始めた」というニュースを見た印象で、「配布自体が詰まっている」という事実を軽視していました。

なので過去の記事では、ようやく配れると述べている記者会見に対して「順番待ちしている企業に供給を始められる」程度の反応しかしませんでした。

しかし、上記の記事を見つけたことで、思ったよりも配れてないの?と思い調べたら

『配送実績※2:13,223,100回分(令和3年8月15日(日)までの累積の配送実績)という数字を政府が発表してました。(2021/08/29時点でのホームページ記述です)

職域接種は『全国5202の会場から合わせておよそ1820万人分の申請を受け付け』たとのことなので、まだ半分も配れていないことになります。

この遅れのせいで、スケジュールに混乱が生じ、職域接種をキャンセルする会場もでているそうです。

国は1000人程度に接種を行える企業や大学などを対象にことし6月から職域接種の申請を受け付け、全国5202の会場から合わせておよそ1820万人分の申請を受け付けました。

しかし、国からのワクチンの供給が遅れていることから8月15日までに接種を始めることができたのは2408会場と、申請の46%にとどまっています。

開始ができていない会場の中には接種計画を見直したことで医師などのスタッフを確保できなくなったり、自治体による接種が進んで職域接種を希望する人が減少したりして職域接種を取りやめる動きも出ています。

申請を取り下げたのは7月27日の時点で427会場、申請の8%に上っています。

職域接種 ワクチン届かず420余の会場で取りやめ 310万人分相当

 「職域接種の開始が23日以降になる」。上智大学に5日、文部科学省からこんな連絡があった。大学は当初、7月中旬開始と学生らに伝えていたが、文科省からの連絡で「8月9日以降」「16日以降」と2度延期。今回で3度目となる。

 度重なる延期は要員確保の点で悩みのタネだ。職員の配置とシフトもそのたびに組み直し、外部の医療スタッフにも変更を依頼してきた。担当者は「委託先から『今度こそですね』と言ってもらったのに、またキャンセル。合わせる顔がない」。

 ワクチンが余って廃棄するのを避けるため、6、7月に学生に意向調査をしたが、延期されればされるほど「ズレ」も生じる。8月に入り、自治体や医療機関、アルバイト先などでの接種で済ませる学生も増えてきた。当初は関連の学校を含めた学生・教職員の約半分の7500人を対象としていたが、3500人に減らす予定だ。

度重なるワクチン供給延期で悩む大学 後期が迫るのに [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

富士宮鉄工団地協同組合によりますと、7月19日になってようやく国から8月後半をめどに多くの会場で職域接種を開始できるというメールが届いたということです。

しかし、まだ接種日の決定は通知されていません。

世界各国が求めるワクチンの確保は難しい面もありますが、政府にはまず振り回された企業への丁寧な説明が求められそうです。

「だらしなさ過ぎる!」止まったままの職域接種に怒り “接種日”通知なく企業困惑

で、ソフトバンクも楽天も『ワクチン供給の見通しがついたため』と受付開始の発表に書いてあったわけですが、嘘ではなく当初計画にあったものから優先順位をつけた上で、見通しがたったものを順次発表してるだけてあって、余ったとかは中傷近い憶測なんじゃないですかね…?

…と書きながら、受付開始の発表に実際にそういうことが書いてあったことを確認するために楽天のページをみたら、余ったわけではないことをわざわざ太字で明記していました。現場に迷惑かけてませんか…?

楽天グループでは、日本全体での集団免疫の早期獲得に向けて一人でも多くの方にワクチン接種を速やかに受けていただけるように、当初の発表方針の通り、国の職域接種指針のもと、近隣住民や単独で実施困難な中小企業等もご参加いただける地域包括的な合同接種を念頭に準備を進めてまいりました。

現在、職域接種においては、接種実績に基づいてワクチン供給量が順次調整・確定されています。当社では綿密に計画を立て、効率的なオペレーション体制のもと、供給されたワクチンは当初より速やかに無駄なく接種を進めてきております(在庫が貯まっているものではなく、実績に基づき週単位で順次供給されるワクチン量に応じ予約枠が追加されます)。 このたび、順次供給されるワクチンの一定量について目途が立ち、ご要請いただき協議を進めていた世田谷区との連携のもと、区のエッセンシャルワーカーや区民の皆様へのご提供が実現しています(自治体の大規模接種用はファイザー製ですが、職域接種用はモデルナ製となります。相互に融通することは認められておらず、楽天の職域接種としてモデルナ製でのご提供となります)。

世田谷区民ワクチン接種予約情報ページ|楽天グループ株式会社

また、朝日新聞がソフトバンクがファンクラブ会員を職域接種対象にしたことについて記事にしたのですが、そこに対象にした理由と、タイミングの理由が書いてありましたが、やはり発表タイミングは、政府の供給見通しが理由のようでした。

 営利目的ではという指摘について、球団の広報室は取材に対して「ファンクラブ会員のみに向けて実施されていると誤解を呼んでしまった」と回答。「自治体のワクチン接種の一助となるよう職域接種の趣旨に基づいて、適正に接種者を名簿等で管理できるという点からファンクラブ会員も対象に加えたもので、営利目的はありませんでした」と説明した。

 ソフトバンクグループは6月、社員や家族、地域住民らを対象に25万人規模の職域接種を実施すると表明。このうち、福岡ペイペイドームを会場にして10万人程度に接種する計画を立てた。6月時点でファンクラブ会員も含めることを公表していた。

 ワクチンは一度に納入するのではなく、必要分を定期的に申請する予定だった。しかしその後、政府のワクチン供給不足が露呈し、計画自体がストップ。今月30日に福岡ペイペイドーム分のワクチン約1万8千人分が届く見通しになったという。

ファンクラブ会員に接種は「営利目的」? 問題の本質は:朝日新聞デジタル

こんな感じで、政府の供給が遅れていたのが発表タイミングの理由である可能性がとても高いのに、『余ったワクチンだ』なんて言われてしまったのは、ほんとに可哀想ですし、楽天やソフトバンクで騒いで政府の失敗をごまさせようとしているのでは?とすら思えてきます。

発表タイミングも政府のワクチン配布遅れが理由。計画も政府が企業にお任せにして通したものであるし、能力があるなら近隣住民にも打つ計画にしてほしいということを計画当時から言っていた。

これを前提に職域接種については語ってほしいです。

(ちなみに、朝日新聞の記事では、大屋雄裕氏が『政府が、職域接種の実施者に、誰を接種すべきかの判断を委ねてしまっていることがそもそもの問題。企業が会員など顧客向けに接種する事例はほかにもあり、政府の対応が甘いと言われても仕方がない』と述べていました。私も今回の問題はそういうものだと思います。)

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