職域接種について、また色々検索していたのですが、前回ブログに書いたように職域接種が順調に進んでいると私が思っていたのは、職域接種開始の頃に「ワクチンの職域接種が本格化」みたいなタイトルのニュースを見て、その通り進んでいると思っていたんだな、と考えてしまうような、NHKニュースの記事を見つけました。
この職域接種が本格化と言う見出しでの報道は、NHKだけではなく、朝日新聞や日テレなど複数の報道機関が行っていますが、実際には、前回ブログに引用した産経やNHKの報道などで書かれているように、この本格化と各社が報道した後にワクチンがまだ届いていないからと言うことで、過半数の会場が計画を後にずらすことになっていて、一部の会場ではキャンセルすることになってしまっていたりしました。
国は1000人程度に接種を行える企業や大学などを対象にことし6月から職域接種の申請を受け付け、全国5202の会場から合わせておよそ1820万人分の申請を受け付けました。
しかし、国からのワクチンの供給が遅れていることから8月15日までに接種を始めることができたのは2408会場と、申請の46%にとどまっています。
開始ができていない会場の中には接種計画を見直したことで医師などのスタッフを確保できなくなったり、自治体による接種が進んで職域接種を希望する人が減少したりして職域接種を取りやめる動きも出ています。
申請を取り下げたのは7月27日の時点で427会場、申請の8%に上っています。
接種人数にすると、およそ310万人分に相当するということです。
職域接種 ワクチン届かず420余の会場で取りやめ 310万人分相当 | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース
そんな供給が遅れると言う話が出てくる前の「本格化」のNHKのニュースに、楽天の職域接種で地域住民に接種する計画についてのコメントがあることを見つけました。
職域接種を始めた企業の中には、希望する従業員やその家族への接種を効率的に進めて、できるだけ早く近隣住民に対象を広げようというところもあります。
IT大手の楽天グループは、神戸市が実施している大規模接種の運営にかかわっていて、21日から都内の本社で始まった職域接種でもこのノウハウを生かしています。
受け付けや書類の確認、検温、問診の案内など一連の対応を細かく分け、それぞれに担当者を置いているほか、医師によるオンラインの問診も活用しています。
会社によりますと、待ち時間がなければ受け付けから接種までにかかる時間はおよそ4分で、一日当たり最大5000人の接種が可能だということです。
会社では、希望する従業員やその家族への接種を終えたあとは、できるだけ早く近隣住民の希望者にも対象を広げたいとしています。
楽天グループの百野研太郎 副社長は「当初から希望する近隣住民への接種を想定して1日当たり5000人という規模を目指している。医療従事者の役割を最小にしながら、対応の能力をあげていきたい」と話しています。
ワクチン職域接種が本格化 首相「企業や大学での接種 加速を」 | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース
職域接種で地域住民に接種することは、過去のブログでも書きましたが、このように開始当初から表に出ていた計画であり、また、実際に行われた地域住民に接種する内容を見ると、接種数について、世田谷区対象の際は数字を出しておらず「順次供給されるワクチン供給量に応じて」とされていたものが、川崎市に開放した際は1日3000人、横浜市に開放した際には1日当たり5000人規模と数字が明確になって、さらに計画通りの数字に増えていることからも、それが最近まで行われなかったのは、当初憶測されていた「ワクチンが余っていた」なんて事実はなく、楽天自身のページにて開始の理由として書かれていた「順次供給されるワクチンの一定量についての目途」がこれまでは立っていなことが主な理由であって、きちんと「在庫が貯まっているものではなく、実績に基づき週単位で順次供給されるワクチン量に応じ予約枠が追加」されているのではないか、と察することができるのではないかと思います。
接種実施場所は、楽天グループ本社(東京都世田谷区玉川1-14-1)。川崎市民の接種人数は各日程3,000人(合計6,000人、12,000回接種分)。ワクチンはモデルナ製。
楽天のワクチン職域接種、川崎市民に開放 – Impress Watch
接種実施場所は、楽天グループ本社(楽天クリムゾンハウス/東京都世田谷区玉川1-14-1)。予約枠は各日程5,000人で、合計15,000人。ワクチンはモデルナ製。
楽天のワクチン職域接種、横浜市民にも開放 – Impress Watch
また、世田谷区との連携について、6月の職域接種開始当時に世田谷区長が視察に訪れていると言う事実があったようで、それを考慮しても当時から調整は行われていたので、「ご要請いただき協議を進めていた世田谷区との連携」となったのではないかと思うのです。
令和3年6月24日、二子玉川にある楽天グループ株式会社で行われている職域接種を視察しました。
楽天グループ株式会社では6月21日から職域接種を始めており、三木谷代表取締役会長兼社長や百野取締役副社長執行役員から説明を受けました。
今後のワクチン接種についての意見交換を行うなど、大変有意義な時間となりました。
令和3年(2021年)6月24日
世田谷区長 保坂展人
楽天グループ株式会社を訪問し、職域接種を視察しました | 世田谷区ホームページ
最近、ワクチンについて接種が当人の思った接種スピードより遅れているということから、「ワクチン接種の加速化を邪魔する人のせいで殺される」みたいな発想から粗雑な反応が発生するケースが増えているように見え、この楽天やソフトバンク、また「炊き出し精神」とツイートして批判されたスマートニュースなど、大手IT企業が職域接種で地域住民に接種することへの憶測含みの批判的な反応と言うのも、大手IT企業について日頃悪印象を抱いていたことも含んだ粗雑な反応であったように思います。
ワクチンに対してファクトチェック的な動きが、副反応などについては(「ワクチン接種の加速化を邪魔する人のせいで殺される」みたいな発想からの反応も含み)多く存在しているように見えるのですが、こういう職域接種に対しての反応などにもファクトチェックが必要だったのではないでしょうか?
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