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加藤勝信氏の「内閣府が作業」という説明は正確なのか?

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本日の加藤勝信官房長官の定例記者会見で、日本学術会議の任命過程についての質問に官房長官はこう答えたようです。

また、加藤官房長官は午後の記者会見で、菅総理大臣への任命の考え方の説明について、「今回の任命をどういう考え方であたっていくのか説明がなされた。1つの考え方が共有化され、それにのっとって、内閣府で作業がなされ、99人の決裁文書が起案された」と述べました。

日本学術会議“決裁までに任命の考え方を首相に説明”官房長官 | 日本学術会議 | NHKニュース

この件について、菅義偉総理大臣が名簿を見ていないと言い出した時、私はこのようなツイートをしていました。

が、リストを見ずとも、どこかのタイミングで「こういう人は弾いて」という指示を出して、それを元に官僚が弾いて、総理はそれを承認する、という方法ならばリストを見なくても首相の意向を反映することはできるだろうとも思ってはいました。

で、今回の加藤勝信氏の話は、要するに、総理にご説明に上がった時に「1つの考え方が共有化され」た。つまりここで弾く基準などが決まったと言うことなのでしょう。

また、前回のブログで触れたように、以前も何度も任命拒否のようなことは怒っていたようなので、その際の基準を再確認しただけの可能性も高いと思います。

一方で、加藤勝信官房長官は「内閣府で作業がなされ、99人の決裁文書が起案された」と起案の作業をしたのは「内閣府」だと述べています。

この部分について、一週間以上前、10月3日の毎日新聞にて、この説明と異なるような報道がなされているのです。

日本学術会議が新会員として推薦した候補者105人について、内閣府がそのまま首相官邸に上げていたことが2日、複数の政府関係者への取材で判明した。

 人事の決裁は、内閣府日本学術会議事務局から内閣府人事課を経由して首相官邸に上げられる。政府関係者は「内閣府は『首相官邸側がいきなり覆した』と言っている。人選に関して内閣府が身分照会をかけることはなく、今回もそのまま推薦者全員を官邸に上げた」と指摘した。別の政府関係者は「事務方は今回、当事者能力はないから国会でも答弁のしようがない。官邸に聞いてくれ、となるだろう」と語った。

学術会議候補者、「官邸が覆した」? 内閣府は「そのまま全員を上げた」 - 毎日新聞

この毎日新聞では、内閣府はそのまま上げたのに首相官邸が覆したという証言が記事になっています。

内閣府は当事者ではない、という発言もあることから、基準作成は官邸主導であり、内閣府は基準を知らない、ということを示している記事になるのではないでしょうか。

この部分について、加藤勝信官房長官の説明のように内閣府が本当に絞る作業をしたのでしょうか。
官邸の名簿を追認して名目だけの作業をしただけではないのか?という疑問が私には浮かぶのですが。
加藤勝信氏は、そういう風に言葉の意味をちょっとずらして、はぐらかすことが得意な方ですし、「作業」の具体的な中身はこれから確認されるべきものなのではないでしょうか?

また、時事通信は2020年10月12日、このような報道を打ちました。

日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人が任命されなかった問題で、菅義偉首相がこの6人の名前と選考から漏れた事実を事前に把握していたことが分かった。除外の判断に杉田和博官房副長官が関与していたことも判明した。関係者が12日、明らかにした。

菅首相、「6人排除」事前に把握 杉田副長官が判断関与―学術会議問題:時事ドットコム

リストを見ていたかどうかは関係なく、選考漏れした6人の名前を知っていたと。
で、今回の除外の判断に杉田和博官房副長官が関与したと。

この杉田和博氏は、過去の任命拒否事案にも関与していることも報じられています。

学術会議関係者も、定員より5人程度多めに推薦候補者をリストアップしていたと認めた。政府筋によると、杉田和博官房副長官が窓口となり、会議の会長らと新会員の選考について協議していたという。
 加藤勝信官房長官は6日の記者会見で「推薦は一義的には学術会議がする。その間にいろいろなやりとりがあり、議論は当然なされている」とした。
 政府関係者は「17年の時は会議側も政府の立場を理解し、それに基づくやりとりはできていた」と説明。「学術会議は政府の機関で、会員は特別公務員だ。政府に会員を選定する余地が全くないという方がおかしい」と語った。
 別の政府関係者は「105人より多い候補を示してもらい、学術会議側と調整した」と話した。こうした過程を経て、当時の安倍晋三首相が105人の会員を任命したという。

安倍前政権が2017年の日本学術会議の会員選考過程に関与 定員超える名簿を要求:東京新聞 TOKYO Web

で、ちょっと気になるのは、前川喜平氏が週刊朝日のインタビューにこういうエピソードを披露していることです。

 私が事務次官だったとき、文化審議会の文化功労者選考分科会の委員の候補者リストを官邸の杉田和博官房副長官のところにもっていきました。

 候補者は文化人や芸術家、学者などで、政治的な意見は関係なしに彼らの実績や専門性に着目して選びます。それにもかかわらず杉田さんは「安倍政権を批判したから」として、二人の候補者を変えろと言ってきました。これは異例の事態でした。

「杉田官房副長官、和泉補佐官に政権批判した学者を外せと言われた」学術会議問題を前川喜平氏語る (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

「安倍政権を批判した」ことを理由とした候補者差し替えを、日本学術会議の件とは違う場所ですが、杉田和博氏から提示されたことが有る、と。

これを聞いて思い出したのは、コロナ対策でテレビ番組に反論をしたりした際に、情報開示請求がなされ、テレビ番組などでの政権批判の発言を中心に、内閣広報室が発言を記録していたことが発覚したことです。

――報道番組の内容を記録するような部署があるのか?
そうしたチームがある。ここに書いてる分析担当。ただ、報道を扱う網羅的に全部やっている訳ではない。番組のチョイスもそこがやっている。
NHK『日曜討論』はいつも見ているものです。必ず、絶対にこうしてまとめています。土日の番組は全部とりあげる訳ではないです。土曜日は、月曜日に起こすので、二日たってしまっているので、相当に重要なものがなければ、起こすことはしない。
――こうしたことをやっているのは、こちら広報担当なんですか?
私たち、内閣広報室は、首相官邸のホームページとツィッターをやっているところと考えてもらっていいです。こうした作業も、自分たちの中のもので、他に提供することを意図している訳ではありません。ただ、他の省庁から、このことに確認したい、ということがあれば、それを提供することはありますが。

【特報】内閣広報室,テレビ番組を監視!|WADA/開示請求|note

「他に提供することを意図している訳ではありません」とは述べていますが、私には、文化勲章やら、日本学術会議の人事やらに、このような情報が使われたのではないか?と私は考えてしまうのですが。
こういう情報収集もまさに杉田和博氏の関与する「インテリジェンス」的な話のように見えますし。

また、この杉田和博氏が内閣人事局のトップをやっていると言うのは、安倍政権下での官僚人事がどのようなものになっていたか、という一つの証なのではないかと思うのです。

 杉田氏は警察庁警備局長、内閣情報官、内閣危機管理監を歴任した経験から、危機管理を担ってきた。2012年末の第2次安倍政権発足とともに現職に就き、今年4月には副長官としての在職日数が歴代2位に。17年からは中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長も兼ねる。

杉田副長官ら官邸事務方幹部、続投の方針 今井氏参与へ [菅政権発足]:朝日新聞デジタル

今回の案件はこういう意味で、安倍内閣から菅内閣まで、総合した人事に関する問題点を改めて(なんど改めてんだろう?)浮き彫りにするような話なのだろうと思います。

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