興味乱舞に引きこもれず

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権利保護の緊縮削減に反対するブログ

2019参院選 政党論

2019年参院選雑感〜N国戦術勝ち〜

2019/07/29134views 

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この記事の所要時間: 221

7割位N国の話になってしまっています。

NHKから国民を守る党

N国については参院選前に記事を書いていたのですが、その後東京都選挙区でのポスター戦術が使えなくなり、作戦を変更した結果、見事にそれがハマり議席と政党要件を獲得しました。

ここでは後出しジャンケン的なものですが、議席獲得と政党要件確保に至った要素などについて素人分析を書いておきます。

これは決してまぐれとは言えないと私は思います。

マジックワード「NHKから国民を守る」

「NHKから国民を守る」

「NHKの被害者をお救いする」

このワードを目にしたとき、あなたは何を頭に浮かべるだろうか。

このNHKの被害者というワードは、NHKが巨大組織であり、公共放送であるからこそ、様々なことを紐付けることが出来るワードなのです。

例えば一般的なマスコミ批判を思いついてもなにも違和感がありません。

NHKの放送内容について、左右ノンポリ問わず批判したいことがある人もいるでしょう。

オルタナ右翼のスティーブ・バノンはフェイクニュース機関の一つとしてNHKを挙げていますし、特に右翼からは目の敵にされているように思います。

(その結果、N国の候補者に立候補する人にへんてこ右翼が多かったりするのでしょう。)

NHKのTwitterアカウントにブロックされたこともNHKの被害と言う人も居るでしょう。

または、NHKと仕事をしたことがあって、その待遇の悪さを思い出す人もいるんでしょう。以下のような。

(話はそれますが、以下のツイートのささきひろしというアカウントは、ガイナックス関係者の佐々木洋だと思うのですが、同じガイナックス関係者の鈴木俊二といい、Twitterで見かけるとまとめブログレベルのクズウヨなのはなんなんでしょう。山田太郎の動き方といい、私の中でアニメと、そういう思想がどんどん関連づいているのは間違いなのでしょうか?)

これらの大量のイメージが「NHKから国民を守る」というワードから引き出されるわけです。

しかし、NHKから国民を守る党が明確に守るとか被害と指しているのは、以下のような料金徴収のための訪問員とのトラブル等です。

このようなトラブルが、スクランブル放送で見たい人だけ料金を払って見るシステムに変えれば防げる、というのがNHKから国民を守る党代表の主張です。

目指すは、契約者だけがNHKを視聴できる仕組み「スクランブル放送」の実現で、これで「玄関先や裁判所でNHKと国民の争いがなくなる」と言い、実現すれば解党するとしている。

東京新聞:候補擁立「NHKから国民を守る党」とは 「契約者だけ視聴」目指す 4月の統一選で躍進:参院選2019(TOKYO Web)

それ以外の様々なNHKの不祥事についても触れますが、その問題自体を解決するわけではなく、NHKが見れなくなればそれで解決、というような姿勢のようです

しかし、そんな党首の言動などの部分は当選するまで周知されませんし、党名だけ見て投票する方も多いでしょうから、党名にいろんなイメージが載せられて、一票につながることになります。

それで約100人に1人が票を投じれば参院の全国比例1議席につながるということになります(投票率50%前後の場合)。

この生活上イメージしやすいイシューが得票につながりやすいというのは、一般論として言えるように思います。

自己の行動の自由を阻害しないような信念

本当に必要なことは他の議員がやってくれるから、NHKの被害者を守る活動以外はある程度はほっといていい、ということを自党の地方自治体議員向けだけでなく公に発言している立花孝志氏。

これまで船橋市議や葛飾区議にも当選してきた立花氏に対して、地方議会議員の仕事と「NHKをぶっ壊す」という目標には関連性がないのではないか、と質問がぶつけられる場面もあった。
これに対して立花氏は、「あーもう区議としての成果を全く出さないということを最初から言っています。区民っていうよりも、国民の声に応えていくことをすることが、最初から区政とか市政の仕事をするとは言わずに立候補していますから。それに対する苦情っていうのは一切ないです」と答えた。
国会議員としては、立花氏が職員時代に見聞きしていたNHKの「粉飾」などを追及していくつもりだという。
その他の政策や議題については、インターネット上で政策に関する国民の賛否を問うシステムが構築されるまでは、「出席はしますけど、議決権は行使しない。全会一致のものについてまでいちいち欠席はしませんけど」と語った。

“NHKから国民を守る党”が1議席獲得 「お金と候補者は全部YouTubeで集めた」選挙戦略を明かす

この「NHKの被害者を守る活動以外はある程度はほっといていい」ということが、議員としての活動だけではなく、政治家としての生き方全般に適用できるのです。
「NHKの被害者を守るため」なら、それ以外にはいかなる被害も、人権侵害も、侮辱も、マナー違反も、モラル欠如も許されるような、(人権など様々な「(否定的に表現すると)綺麗事」を主張することのような)行動の束縛が起こらないように動いているのではないかと思うのです。
それを裏付けるかのような発言を当選後のメディア出演にて行っていますし。

立花代表は「今回の参院選で改憲勢力が国会発議要件である3分の2を切ることも読んでいた。これからの3年間は発議できないが、その次の3年間を見据えて、裏では交渉していこうと思っている。とりあえず今のところは反対で、安倍さんの"最後の懐刀"で置いておきます。もし自民党がスクランブル化に賛成するのであれば、憲法改正に賛成します。そうすれば僕は政治家を辞められるわけですから」と発言。
 さらに「今後、無所属の議員さんをお金の力を使っていっぱい引っ張ってきます。そのための政党助成金ですから。明後日、丸山穂高さんとお会いする予定。彼は無所属なので、次の選挙では勝てない。僕とひっついて、うちの党から重複立候補すればいい。丸山さんがうちの党に来てくれることによって、政党助成金が2430万円上乗せされる。それをそのままどうぞ、と。明後日、それを飲むか飲まないか。僕の頭の中には、その候補が全部で9人います。実際、"立花さんのところに行ったら2430万円くれるんですか!"と言ってきた人もいた。お金に釣られて来たと思われても、NHKの被害者のために使うんですとなればいい」とも話した。

N国党の立花代表「自民党がNHKのスクランブル化に賛成するのであれば改憲に賛成する」、丸山穂高議員との面会も予定 | AbemaTIMES

そのように動くことで、炎上することも含め、あらゆる方法での知名度アップを狙えますし、その知名度や行動制限の無さから党名に明確に書かれた「NHKから国民を守る」ことに期待を寄せる人が生まれたり、ハードルを下げた上で「意外とまともな事言ってんじゃん」と思う層を掴めるのではないかと思うのです。

以下の東スポの記事なんかはそういう狙い通りの記事のように思います。

情報発信の重要さ&選挙区にどんどん候補者立てて正解

ーー現実的には各選挙区で当選が難しいにしても、そこにN国の候補者がいることで、比例でN国を書く人も出てくると思うんですけど…。
もちろんその効果は考えています。
当然、選挙区では野党統一候補ということで、一人区は3人しか出ないということですから、そこは2%を超える投票が取れると。
全国比例で2%を超えるというのは非常に難しい壁ですが、選挙区で2%超えるっていうのは、例えば幸福実現党さんが前回の参院選で1.7%獲得されていらっしゃいましたので、これは大丈夫だと。
その戦略をしっかりYouTubeで説明したところ、わんさかわんさかと電話がかかってきて、1億円以上のお金は集まりました。

“NHKから国民を守る党”が1議席獲得 「お金と候補者は全部YouTubeで集めた」選挙戦略を明かす

立花孝志氏、統一地方選挙の際にいくつか動画見て、思った以上に細かく戦略について話してて、透明性が高いなと思ったんですけど(ただ、都合の悪いこととかは平気でごまかしているように見えますし、隠すところは隠しているようですが)ここでも戦略をオープンにして支持を集める手法を取っていたようです。

この戦略をオープンにするというのは、戦略に関わる人が増えれば増えるほど発言の影響に慎重にならないといけなくなるわけで、身動きが取りやすい規模だからこそできることだろうなと思います。(山田太郎氏とかもそういう規模の強みがあるように思います。)

しかし、こういうところが「説明責任」的なものを果たすことにつながると思いますので、難しいからこそやる価値が高いのではないかと思います。

選挙区で2%の確保を狙うというの戦略が、今回のような構図だととてもハマりました。
これは私にとって盲点というか、勝手に「比例区で全国2%取れない政党が、選挙区で全国2%の得票なんて取れるわけがない」と思い込んでいました。

しかし、立花孝志氏はきちんと過去の選挙結果から選挙区のほうが取れる可能性が高いことを導いていたのです。
これは本当に脱帽しました。

立花孝志氏は、前回の2016参院選での幸福実現党の数字を例に上げています。

この選挙は、今回のように野党統一候補と与党候補の一騎打ち選挙区が多く、そこに幸福実現党が擁立することにより完全一騎打ちではなくなった、という選挙区が大量にありました。

このときに、私は幸福実現党がタカ派右翼の主張を思いっきり行っていることから、「自民党に幸福実現党の票が入ったらひっくり返るのでは」という程度には数字を見たのですが、それが全国足したら1.7%も積み上がっていたとは思いもよりませんでした。
(963,585票とのこと)

与野党一騎打ち構造に割り込むことで「与党も野党も嫌だ」という票の受け皿としてN国公認候補者が機能し幸福実現党と同程度の得票を確保できると計算し、そこに「NHKから国民を守る」というキーワードに強調してくれる人を乗せることで得票2%超えを目指す。

これはとても合理的な戦略だと、今になると思います。

幸福実現党とは仲がいいから、と言って幸福実現党とかぶる選挙区を回避している様子も見受けられたのですが、これも3人め効果が薄くなることを考えた、供託金節約策のための言い分だったのだろうと思うと、本当に「舐めてました。すいませんでした」としか言いようがないです。

結果として比例区では1.97%で政党要件に届かなかったものの、選挙区で選挙区の全国票数としては1,521,294票(2019年7月22日午前六時、NHKの開票速報サイトを参考に手計算。不正確な可能性があります。)、3.02%の得票率を得て政党要件をみごとに確保しました。

政党助成法は、①国会議員5人以上②国会議員1人以上で、直近の衆院選か参院選、またはその前の参院選で選挙区か比例区での得票率が2%以上――のどちらかを満たせば「政党」と認定する。れいわとN国は②で要件を満たした。8月13日までに総務相に届け出し、10月10日までに交付請求書を出せば、10月18日に8月分からの政党交付金がうけられる。
 交付金は年約320億円が各政党の議員数や国政選挙の得票率に応じて配られる。総務省政党助成室は「両党に配る額の計算はこれから」と話すが、似たケースでは、自由連合が1998年の参院選後、政党要件を満たし、所属議員1人で5400万円の交付を受けた。
 公職選挙法にも、政党助成法と類似の政党要件があり、れいわとN国はこちらも満たした。少なくとも次の衆院選では、政党としての選挙カーやビラ、はがきを活用できる。小選挙区の候補者が政見放送に出られるようになる。

れいわ・N国に交付金配分へ 「政党」認定、活動で恩恵:朝日新聞デジタル

落ちても目的達成していた可能性

政党要件の話を続けますが、立花孝志氏は、衆院選に向けて政党要件を得ることを目的としていたという発言をしています。

ーー今回も国政選挙に立花さんが通るべく、戦略を練って…?
私が通るというよりも、冒頭申し上げた通り、政党要件を満たさないと選挙は勝てないんですね。
今回だって我々は諸派ということで、「NHKから国民を守る党」っていう名前が(選挙期間中の報道で)出ない。そんな中で、次の衆院選を考えて、とにかく2%の政党要件を取るんだと、これは間違いなく選挙区で取れば大丈夫なんだと、これを何度も総務省に確認しました。
幸福実現党さんとうちの選挙区での票っていうのは2倍くらいありますから、幸福実現党さんが前回96万票くらい取ってらっしゃいますから、同じように(候補者を)立てれば、得票率2%の110万票っていうのは、ゆうに超えていくだろうということを元に、議席が取れなくても、2%をとにかく取りに行くということに終始しました。

“NHKから国民を守る党”が1議席獲得 「お金と候補者は全部YouTubeで集めた」選挙戦略を明かす

これは、先程引用した朝日新聞がちょっとだけ触れている『公職選挙法にも、政党助成法と類似の政党要件があり、れいわとN国はこちらも満たした。』という部分に関わる話です。

過去に新党改革がはまった「政党助成法では政党要件満たしているけど、公職選挙法上では政党要件を満たしていない」事例を元に「政党助成法上の政党要件と公職選挙法上の政党要件のズレ」について記事を書いたのですが、ここでN国が狙っているのは新党改革と真逆の「政党助成法では政党要件を満たせずとも、公職選挙法上の政党要件を満たす」ことです

N国の事例で、注目すべきズレは『前号の規定に該当する政治団体に所属していない衆議院議員又は参議院議員を有するもので』という要件(≒国会議員1人以上という要件)が政党助成法上の政党要件にはあって、公職選挙法上の政党要件には存在しないことです。

つまり、国会議員が存在せずとも票さえ得れば公職選挙法上の政党要件は満たすことができます。
もしその形で政党要件を満たすことになっていたら、その事例は初だったのではないでしょうか?

そのような事例を考えて行動していることが、私からするとすごいと思うのです。

話題にならないけれど

ここまでは戦略・戦術の見事さをすごいと言い続けましたが、その一方でそこから出てくる政策は「すごくマズイ」ことが予想されます。

まず、東京新聞が少し触れているような自民除名者や、N国じゃないと通らないような、維新政党・新風や在特会系列の日本第一党から出ていそうな人が自己の主張を「NHKから国民を守る」に紛れ込ませることで当選するという事例が多々あることが気になります。

党員に右派が多いとされ、過去にツイッターで「アイヌ民族はもういない」と書き込み、自民党を除名された議員もいる。

東京新聞:候補擁立「NHKから国民を守る党」とは 「契約者だけ視聴」目指す 4月の統一選で躍進:参院選2019(TOKYO Web)

また、党名から導けない公約なので、本人もそんなに触れないし、知ってる人も少ない可能性が高い公約として「生活保護の現物支給」があることも、とても不安です。

衆院選で何を言い出すのか、国会で何を言い出すのか全く読めませんが、この民意がどうなるのか、警戒しつつ気にしておきたいと思います。

れいわ新選組

偉大なる実験

6月に行われた木村英子氏の出馬会見でのことだ。

れいわ新選組 山本太郎代表:
障害者利用してと言われたりしないですか」ということを(木村氏が)おっしゃったんですよね。私からしたら“上等です”という話なんですよ。障害者を利用して障害者政策を変えていけるって言ったんです…

れいわ新選組から難病ALS患者ら2人が初当選…国会のバリアフリーの現状と課題とは? - FNNプライムオンライン

れいわ新選組と山本太郎票の躍進は、木村英子さんと船後靖彦さんを発掘?し、担ぎ出して、特定枠を使って優先して国会にこの人達を送る、と宣言したこと。これがすべてだと思います。

これを「売名行為」と批判する方々もいるように、ある程度の規模の政党になるとそういう声を気にして慎重になってしまうところを突っ込んでいく。
そういう行動を制限しない姿勢がN国と同じ様に得票につながったのではないかなと思うのです。
N国風(YouTuberのり)に表現すると、「国会にALSの人を当選させてみた」「国会に脳性まひの人を当選させてみた」という感じで。
(先程N国のときに触れませんでしたが、こういうYouTuberノリで選挙制度の限界に挑戦してみたりしていて、それも「悪名は無名に勝る」のような知名度&支持につながっているように思います)

個人的には「〇〇やってみた」という感じで突撃することが、障害者周りの改善に繋がる、ということについて、ちょっと前に色々あったのを思い出します。

また過去にはこのような出来事もあったようです

今回はこういう話の延長線上の話として捉えられているんではないかと思います。

個人的には、権利はこういうふうに使ってみることで(実験してみることで)どんどんと使いやすくなって行くものなのだろうと思うのです。
(使えば使うほど革が柔らかくなって使いやすくなる野球のミットのようなものとも言えるのではないでしょうか。)

このように当選したら何が起こるか、何をしてくれるのかが明確な候補を立候補させて当選を確約するというのが強力な武器になる、ということが改めて確認できる結果なのではないかと思います。

特定枠

ちょっと自民党の話も入ってきてしまうのですが、特定枠という制度によってだいぶ混乱しているな、と思います。

一方、その他の使い方として、争点などになる社会問題についての専門家や活動家を特定枠に載せることにより、政党としてのその問題に対する姿勢を強調する、という使いみちも可能である。
これは、参議院が(自称)良識の府であることからしても、ある程度望ましい使い方であると個人的には思う。

(中略)

このように、しっかり意図的に選挙活動を禁じる形になっているようです。
これでは、特定枠に専門家が出ていることを宣伝しづらくなってしまうのではないか?と思いますし、もう少し丁寧な立法が必要だった部分のように思います。

続・特定枠考察 - 興味乱舞に引きこもれず

こんなことを過去に書いたのですが、今回のれいわ新選組の特定枠の使い方は「そもそも選挙活動が満足にできない方に被参政権を行使できるようにする、というこれ以上ない使い方だと思いました。

ただし、制度設計思想としては、こういう使い方は想定外ではあったと思われ、本来想定された使い方をしているであろう制度設計者である自民党では、以下のような反応が起こっているようです。

この特定枠の導入は、合区選挙区に関連している。2016年参院選から隣接県を統合した「鳥取・島根」「徳島・高知」合区選挙区が誕生。候補者を擁立できない県が出ることから、救済を目的として自民党案を基に制度ができた。自民は今回、両合区のそれぞれ1名を特定枠として立候補させた。
 三浦氏が地盤とする島根の自民党関係者は「本人の選挙運動はできませんが、合区の選挙区からの候補の応援は全力でやらないといけない」と話す。島根県内での合区候補者への票などが、今後の自身の党内での評価に直結するためだ。永田町関係者は「選挙を一生懸命手伝わないと次は支援しないという、党からの見えないプレッシャーのようなものもある」と話した。
 特定枠に慣れない三浦氏陣営も手探り状態。応援の演説でも自身の名前は名乗らず、ウグイス嬢が肩書を紹介するという。
 「なるべく名前を隠している」というのは「徳島・高知」合区の特定枠候補、三木亨氏。徳島県が地盤だ。特定枠の候補者名で投票すると政党への有効投票と見なされる。陣営は「(三木の名前を書いた)得票が多いと他の比例代表候補から“優先的に当選するのに”と批判を受けかねない」と気をもんでいる。「寝ていても当選する」とやゆする声もあるが、2013年に初当選した三木氏には6年後の25年まで選挙の機会がない。「自分の名前を覚えてもらえないという不安はある」。“優先権”と引き替えのジレンマを明かした。

“優先当選権”あるが…「鳥取・島根」「徳島・高知」合区選挙区「特定枠」のジレンマ ― スポニチ Sponichi Annex 社会

制度設計の中心にいた自民党内がこんな感じだと、3年後の次回の参院選直前には、また何かしら制度変更が検討されるのではないか、と思われます。

一方で、山本太郎氏の個人名得票数を見て「この数の民意を背負って当選しないのはおかしい」というような議論がありますが、当の本人である山本太郎氏が特定枠の使用を決断しているということも含めて、特定枠を使用して彼らを当選させた上で政党の議席の3人目に山本太郎を入れて当選する、という方針に対しての支持票も多くあったのではないかと思うのです。
そう考えると「特定枠を使わなければ」とかいう想定は無意味なのではないかと思うのです。

同じ様に、比例区での個人票の数を他党の候補者と比べるという行為はやめたほうがいいのではないかと思うのです。
票の処理方法が「〇〇党の議席を増やしてください」→「その党の議席で〇〇さんを当選させてください」という流れであることを考えると、個人票の多寡は同じ政治団体の中でのみ比較に使える数字だろうと。

特定枠の話もそうですが、こういうところを一旦整理しないと、非拘束名簿式比例制度と採用した選挙への信頼感というのはどんどん失われていく一方なのではないかと思うのです。

立憲民主党

党のイメージを強化する作戦

いつぞやか、「立憲民主党らしさを体現する素晴らしい方に立候補を決意していただいた」という枝野氏の発言があったと思うのですが、今回は「立憲民主党はどういう問題意識を持っているか」「立憲民主党らしさとはなにか」みたいなものを印象づける、確定させるような方向に注力していたように見えました。

例えば大阪の亀石候補擁立時に、「選挙はどうしても相手候補との関係で捉えがちだが、まずは亀石さんとして何をどう訴え、どこにどう伝えていくのか、立憲民主党としてどこにどう伝えるのかということにまず徹することだ」と述べていたのですが、全体的にはそんな感じで動いてほしかったのではないかなと。

ただ、候補者擁立を政党の印象付けのメッセージにする場合、その候補者が残念だった場合、政党自身も残念だという印象が普通の候補者擁立よりも強くなる、ということが一部の候補者擁立で起こってしまったな、ということや、ちょっとよくわかんねぇな・・・という候補者擁立がなかったとは言えないので、安定しないけど大きな組織としては仕方ない面もありますが、もう少し普段から内部の諸々が伝わってきたりしたらいいのでは?と思ったりしました。

国民民主党・社民党

野党統一候補の功績者

大分・広島・山形等々、野党統一が接戦を制したという局面で不可欠だったのがこの2党なのかな、と思いました。

選挙区で接戦に持ち込むことは現状単独だと中々できなさそうですが、接戦に持ち込んだ後細かい票を拾う組織戦となるとこの2党の支持組織が不可欠なのだろうな、と。

思想志向や怨念等々、独自でやりたい意思が強いであろうこの2党ですが、一人区だらけの現状の衆参の選挙制度では、このような政党は生き残りづらいであろうと思いますし、一方で全国規模にしても、海外で言うドイツやイギリスの足切り前後レベルの全国得票率しか得られていないというのを見ると、今後の舵取りは難しいだろうなと思うのですが。

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