参政党の神谷党首が以下のようなツイートをしていました。
期日前投票を避けて、当日に投票にいけというツイートです。
この期日前投票を避けるようにという話は、このツイートや引用されているツイートへの返信等から見えるように、不正選挙を警戒することによる行動です。
この期日前投票は怪しいという話は、参政党はユーチューブの動画でも拡散しています。
この動画で、神谷氏は一部自治体で自分への投票が不自然に少なかったのではないかという疑念があったこと(気付いたのが異議を唱えられる期間外だったらしい)に触れ、期日前投票の開票までのプロセスで何があるかわからないと言い出し、アメリカの不正選挙について存在していることを前提に話し、日本でも存在していないとは言い切れない、と期日前投票の回避を促しています。
また、票が書き換えられないように、鉛筆を避け、マジックや油性ペンで投票したほうがいい、と言い出しています。
実際は鉛筆以外は消えたり滲んだりで無効票を誘発する可能性があるようですが。
総務省によりますと、投票所で用意される筆記用具については法令で規定はないということで、「開票作業の短縮のために投票用紙は折られていても開きやすいプラスチックの素材になっていて、鉛筆が書きやすいので多く用意されている。ボールペンなどで書くとにじみやすく、他の投票用紙に色が移って無効になることを防ぐ目的もある」としています。
そのうえで投票所への筆記用具の持ち込みについて「制限する規定はないが、推奨しているわけではない。持ち込むのであればインクが乾きやすいものにしてもらいたい」としています。
“不正選挙”めぐる偽情報が拡散 票を書き換え? 鉛筆でなくボールペン? 根拠ない投稿も | NHK | フェイク対策
この動きを見て思い出したのが、先日の韓国の戒厳令やらなんやらの話です。
尹前大統領が戒厳令を行ったひどい理由の一つに、不正選挙陰謀論への傾倒がありました。(実際に選管に兵士が赴いて占拠していたようです)

尹氏は、共に民主党が圧勝した国会議員選挙だけではなく、自身が勝利した大統領選挙でも、不正選挙によって票差が縮まっていたという疑念を抱いて、そういうYouTube動画にはまっていっていたようです。(過去最少の票差となっていた)
そんな韓国の不正選挙論をなぜ参政党の今回の動きで思い出したかというと、韓国での一番メイン?な主張に期日前投票と当日投票の結果のズレを根拠にしたものがあると聞いたことです。
上記ナムウィキでも反論されているのですが、不正選挙を主張する論拠として、期日前投票で共に民主党の候補の票が多く、当日投票で未来統合党の候補の票が多かったというズレを不正選挙の証拠と言い募る形があるようです。
言い方としては、当日投票を自然な結果と扱って、それと期日前投票が大きくずれることについて、「そのズレ方をするのは、大数の法則的に、低い確率なはずで、それが当たり前のように起こっているのはありえない」という感じのようです。
しかし、この主張はそもそも、すべての投票を行う人に、『○%の確率で○党に投票して、▲党に▲%の確率で投票して・・・』という同じ投票確率が適用できる際に成り立つものであって、すべての人間が全く同じ考え方の人であるはずがない時点で成立しない主張なのです。
(一部の不正選挙主張者が今回の大統領選挙について『「事前投票が減ったのに当日投票が増える」のは自然な確率分布では説明不能。』と言い出しているのは本当に呆れるといいますか…。あんたらが事前投票が信用ならないと主張した結果起こる数字じゃないんかと…)
一方、この主張を一部の人に信じさせることはとても悪質です。
なぜならば、この当日と期日前の差という数字は、人を誘導することによって差を増やすことができる数字なのです。
その作り上げるために必要な行動が「特定の党派の人間だけ、特定の投票方法に集めること」になります。
そして、この行動に、今回の参政党の党首の「当日投票に参政党支持者を集める」という行動が当てはまります。
実際に韓国でも当日投票と期日前投票の得票率の違いとして、保守系の有権者への不正選挙論の拡散により、期日前投票を避ける傾向が保守側(未来統合党に投票する有権者)だけ強くなったという背景も存在していたようです。
また、そもそも支持者の偏りが、投票日に用事がありがちな有権者(労働者、大学生等)が共に民主党支持者が多く、当日投票に行きがちな高齢者に未来統合党支持者が多いという、何もしなくても差が出るような状況でもあったようです。
ちなみに、今回の大統領選挙でも、地域別の期日前投票を見ると、明らかに保守が強い地域で他の地域より期日前投票率が低くなっていたようでした。

このような現象は、韓国だけではなく、アメリカでも郵便投票で起きていて、郵便投票で差が詰まったり勝敗が逆転したことが不正選挙の証拠とされていたり、郵便投票に火がつけられたり妨害行為的なものが見えるなど。かなり良くないことが起きています。



また、先日の韓国の大統領選挙に、謎のアメリカからの自称選挙監視団が来て、韓国の朝鮮日報がインタビューをしていたのですが、多分、アメリカ側は保守派が北朝鮮や中国を警戒する文脈から韓国政界に介入しようとしているのでしょうが、結果としてへんな陰謀論(と日本の嫌韓言説)を後押しする結果となってしまっているように見えます。そもそも『統計的にあり得ない開票結果』という陰謀論者の言説を取り入れていることが明らかなキーワードがインタビューに明らかに存在しているので…。(そもそも朝鮮日報が韓国の大手新聞で一番右にいて、不正選挙を疑うようなコラムやインタビューも普通に載せていたことを鑑みると、そういう人脈で呼ばれたのだろう)


こういう反中などの言説から不正選挙の主張が入り込む可能性も今後は考える必要がありそうです。

日本でも、これまで多少不正選挙陰謀論は存在していましたが、主要勢力の当事者が主張するほどではありませんでした。
しかし、アメリカや韓国で不正選挙陰謀論がメインストリームに上ってしまったのを鑑みると、日本でも今後はそれが主流化する可能性は大いにあり得ると思います。
(今のところ自民党以外への政権交代がほとんど起こっていないことや、選管の不手際がそこまで注目されていないことがそういう論の浸透しづらさに繋がっている気がしますが、近年選挙業務の過酷さや人手不足などから、選管の不手際が増えているように見えるので…)
日本は、幸い他国よりは遅い展開になっているので、他国の事例から学び、対策を打つ余裕が各勢力、各行政に未だあると思いますが、一方で原口一博、西田昌司、青山繁晴、等々、各勢力に着実に陰謀論が浸透しつつあるのも事実なように見えます。
少しでもそういう陰謀論に染まらない人・勢力が増えるように、願うばかりです。
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