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また、不正受給ばかり疑う人たちと、それを加速させた可能性のある議論

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東京都の一日のCOVID-19感染発覚人数が100人をまた超える日が出て、その関連の話として、こんな地獄のようなツイートが出回っていました。

まるで、お金目当てで感染者になりたがる人がいるから、感染者が増加しているかのような印象をばらまいているのです。

そもそも、この新宿区の感染者への見舞金は区内在住が要件であり、歌舞伎町関係者の方がみんな区内在住ではないというのは、区長が話している認識からして当然の事実です。

新宿生まれ新宿育ち、街の消防団員も担う吉住区長は、「新宿」や「歌舞伎町」が象徴的に取り上げられていることについて、「子どもの頃からこの街にいるので、それが新宿の姿だと思っている」とした上で、「感染を拡大させないためにも、まずどこからうつったのか、誰にうつしてしまったかの調査を徹底し、それらを正確に把握できるよう、力を入れてやっていかなければいけないと感じている。それぞれの業態の皆さんにお話を聞いていて、いくつかの店舗では利用された方々に連絡をとり、私たちが検査できるようにしてくれている。もし陽性だった場合、お住まいの地域の保健所の方に引き継ぎをして、治療を受けられるよう取り組んでいる」と話す。

「感染させない努力を文化に」集団感染リスク抱える“夜の街”、新宿・歌舞伎町対策を吉住健一区長に聞く | ABEMA TIMES

なので、歌舞伎町関係者へのCOVID-19のPCR検査と、この見舞金は無関係です。

また、見舞金について「無症状で元気でも」と書いていますが、無症状で元気でも、陽性反応が出た場合なんらかの隔離措置となり、仕事もできない無収入状態になるわけで、そのことへの見舞金が出されるのは、症状がどうであろうが、本来当然ではないでしょうか?

症状の治療に対しての見舞金ではなく、生活保障のための見舞金だということを見失う、悪質なミスリードを招くツイートであるように、私は思います。

国の持続化給付金(最大200万円)、家賃支援給付金(最大600万円)、雇用調整助成金(1日上限1.5万円/1カ月33万円)に加え、都では独自に接待を伴う飲食業の補償について「感染拡大防止協力金」として最大100万円を給付。現在、2度目の給付も行われる見通しだ。また、新宿区では在住の新型コロナウイルス感染者を対象に1人当たり10万円の見舞金を支給する(11日までの区の感染者は累計472人)。

 吉住区長は「感染した場合、国民健康保険に入っている方の場合はそこから給付される仕組みになっているが、個人事業主の方の場合は対象になってないという課題もある。また、自分が倒れたら家族を食べさせられない、自分が隔離されたら子育てできないなど、いろんな課題を抱えている人がいる2週間の隔離の間の療養費は公費が出るので、だいたい月に20万円で暮らしが成り立つとすれば、残りの半月で10万かなという見当だ。区内には多くの医療施設があり、公務員の方も住んでいるので、ダイヤモンド・プリンセス以来、様々な事情で感染された方がいる。今回の措置はいわゆる繁華街で働いている人だけを対象としたものではなく、1月以降に感染した人の全てに給付するというものだ」と説明。

「感染させない努力を文化に」集団感染リスク抱える“夜の街”、新宿・歌舞伎町対策を吉住健一区長に聞く | ABEMA TIMES

で、冒頭に引用したツイートの引用リツイートのコメントを見ると、どれだけ下劣な妄想を披露できるか大会になってるのです。

こんな下劣な妄想披露大会、ほんとに醜いと思いますし、こんな引用リツイートされてしまうことをツイートした人には恥に思ってほしいのですが、そもそもそんな発想できるならこんなツイートしないと思うので、悲しいのですが。

一方、こんな妄想にたどり着くきっかけとして、とある専門家の議論が一因なのでは?とも思うのです。

それは、PCR検査についての偽陽性の指摘です。

これはPCR検査の拡大についての議論で、全員検査という主張に対して、という形でなされたものなのですが、私の認識は、検査というものはどうしてとある程度の割合で偽陽性が出てしまうものなので、偽陽性のダメージを減らすために、そもそも感染してないと言い切れる人を検査するのは避けましょう、みたいな話だと思うんです。

私が参考にしたのは、こういうものなのですが、要するに、そもそも感染してない人が検査された人の大半になると陽性も偽陽性の割合が増える、という話しで、だから事前に感染してない人を弾こうという話になるんだと思うんです。

ただ、この「感染してない人」をどう見分けるの?事前確定の基準正しいの?そこで無症状の感染者を見落とさない?という疑問がここにはついてくるわけで、そこに誠実に答えない限り、この議論は終わらないと思うのですが、この議論で偽陽性について言及するひとは、見分けがパーフェクトな前提で議論してるように見えるんですよね…。

で、ここで気をつけないと行けないのは、人数がどれだけ増えても、1個人が偽陽性になる確率は一定である、ということを見落とすと大変なことになるということです。

例えば『PCR検査が陽性になったとしても、実際に新型コロナに感染している確率はわずか6.5%』と明らかに誤解を生むことを書いている医師のブログがあります。

もし、みなさんがPCR検査を受けて「陽性」の判定を受けた場合、実際に新型コロナに感染している確率はどのくらいになるかご存じですか?

①99%

②70%

③6.5%

答えは③。

PCR検査が陽性になったとしても、実際に新型コロナに感染している確率はわずか6.5%、あるいは15人中14人は、検査結果が陽性であっても、新型コロナではない、ということになります。逆に、新型コロナに感染しているのに検査結果が陰性になる人が30%もいます。

なぜこんなことになるのか?

知りたい方は、赤字部分をもう少しお付き合いください。

(関心のない人はとばしてください)

本当にPCR検査は必要か?

この数字の前提はこのブログをきちんと読むとわかるようになっているのですが、そもそも検査を受ける人間全体の有病率を0.1%と仮定した上での検査結果全体での数字です。

絶対に感染していないと確定している個々人に偽陽性があたる確率はこの記述の部分の通りでしょう。

PCR検査の特異度は99%ですから、このうち1%は病気でないにも関わらず陽性と診断されてしまうということになります。

本当にPCR検査は必要か?

この個々の1%の事例が、絶対に感染していないと確定している人の検査数が増えることで必然的に増えるので、検査全体での偽陽性が増える、という話をこのの偽陽性の話ではしてるわけです。

ただし、検査の実態としてはある程度のスクリーニングはされていたり、そもそも無症状の感染者がいる以上、現在症状がない人間を無感染者と確定しても誤りがあるわけで、それを完全に感染者と無感染者を見分けられている前提で、更にそういう前提を説明する前に『PCR検査が陽性になったとしても、実際に新型コロナに感染している確率はわずか6.5%』なんて書いてしまうと、まるで現在の検査の九割が偽陽性であるかのような印象が広まるのではないですか?

そういう誤解を防止するための説明を(関心のない人はとばしてください)って、不誠実にも程があるのではないですか?

また、以下の医師のツイートもそういうツイートです。

検査前確率はどうやって算出してんですか?という前提の説明なしに偽陽性を語っているのです。

このように、偽陽性という概念が医師のツイートなどで粗雑に発信された結果、まるでPCR検査は簡単に偽陽性が出る検査だという誤った認識が蔓延したんじゃないのか?と思うんです。

それが偽陽性を狙って検査して10万円貰おうとしていられるなんていう愚かな妄想の糧になってはいないか?と。

でも、実際にPCR検査を利用するにあたって、社会的に大きな問題になるのは偽陽性よりも個々人に当てはまる可能性が高いはずの偽陰性の問題ではないでしょうか?

 感度とは、新型コロナウイルスに感染している人に検査をして、正確に陽性という結果が得られる割合です。感度が70%だとすると、感染者100人に検査して陽性が70人、陰性が30人になります。この30人は偽陰性です。原理的には微量のDNAでも増幅できるはずのPCR法でも、検体にウイルスが含まれていなければ正確な結果が出ません。正しく検体を採取できなかったり、検体を採取した場所にウイルスが排出されていなかったりすると、ウイルスに感染していても偽陰性になります。

偽陰性なのに感染していないと誤解して出歩くと、他の人に感染させるかもしれません。PCR検査は感度がそれほど高くないので、検査で陰性であっても感染していないと安心はできません。せきや発熱といった症状がある場合は、検査するしないにかかわらず、外出を控えてください。そもそも、新型コロナでなくてもインフルエンザそのほかの呼吸器感染症かもしれません。

特異度は、感染していない人に検査をして、正確に陰性という結果が得られる割合です。推定では特異度99%以上と高いです。つまり、偽陽性(感染していないのに誤って陽性になること)は少ないのです。前回、福岡県では500人以上も検査して、3人しか陽性が出ていないというお話をしました。いまこの原稿を書いている時点で5人目の陽性者が確認されました。もし、この5人が全員偽陽性だとしても、特異度は99%以上です。何百人も調べて陽性者が出ていない地域もありますので、新型コロナのPCR検査は特異度が高いというのは確かでしょう。

新型コロナ検査、どれくらい正確? 感度と特異度の意味:朝日新聞デジタル

社会的にPCR検査の陰性だけではお墨付きとしては弱い可能性があるというのはある程度のインパクトがある話だとは思うのです。

一方、偽陽性だった場合の個人へのダメージというのも、重いものであるというのはよくわかります。

無症状でも陽性の人がいるのだから、接触歴もないのに、それこそ全国民を対象にPCR検査しろという主張には目が点になります。

PCR検査は100%の精度ではない偽陽性だってありうるのに、流行地域でもなく、接触歴も症状もない人にPCR検査をして、陽性だったら隔離しろというのは人権侵害にもつながるのではないか?と心配になります。ハンセン病で犯した過ちを彷彿とさせます。

また、PCR陰性は、この人は大丈夫なんだという証明ではないことも強調したいです。

僕たちも、新型コロナウイルス を疑い、PCR検査をした結果、陰性であっても、症状から疑ったのであれば、やはり2週間は外出を控えてくださいという指導をしています。

「アビガンは特効薬ではなさそう」 現場で患者を診てきた救急医が語るウィズコロナの時代

ただ、ここで気になるのは、子宮頸がんワクチンになると、偽陽性を問題視する方の態度が真逆になっているように思うのです。

例えばツイートを引用したearl医師は、これです。

『うちは上の子にHPVワクチン3回打ちましたよ。有害事象は褒美を要求されただけで何も起きなかった』というただの1個人の事例をリツイートして、義務化を主張するわけです。

『あなたのような方がHPVワクチンの危険性を過度に煽ったお陰で、多くの若い命が失われます。』というツイートのリツイートまでしています。

このツイート、危険性を過度に煽ったお陰で、という言葉、そっくりそのままPCR検査でのご自身の発信に対して言ってあげたいですね。

HPVワクチンもPCR検査もある程度のデメリットはあるでしょう。それをearl 氏は方や過小評価(リスクを無視して良いこととする)して、方や過大評価(リスクが取り返しがつかないから、行ってはいけないこととする)しているようにしか見えないのですが、必要なのはリスクの大きさの見極めと、なんらかの軽減策はないのか?とかそういうものの検討ではないですか?

そこを検討するのは政治の仕事であって、0か100かで見るのが医師の考え方だ、とか言うのかもしれませんが、少なくともそこが不十分だからこそ、リスクについて不安になり、過剰に自衛し始めて、余計物事が拗れていくのだろうと思うのですが。

(以下の朝日新聞が取り上げた福島県の事例もそういう話のように見えます。)

こういうリスク軽減の検討・実行こそ大事なことだと思うのですが(そしてリスク軽減策の一つが、今回話題になってる見舞金でしょう)、そんなことをせずにPCR検査について全否定されるようなミスリードを生む見解を度々披露する一方で、子宮頸がんワクチンの副作用訴訟の弁護団に『あなた方の仕事は副反応救済のはずです。効果まで否定するおつもりですか?』と言っているのは滑稽極まりないと思います。

とにかく、これ以上、COVID-19陽性者への偏見差別が生まれないような、PCR検査についての議論がなされること、陽性者について見舞金も含めきちんと保障ごなされることなど、COVID-19感染拡大が落ち着くために最善のことを行っていただきたいものです。

このへん、東京都も安倍政権も、経済のために個人を犠牲にする姿勢のようなので、どうしようもなさそうですが、見舞金程度で不正受給を疑う国民が選ぶ行政府としては妥当なのかもしれませんね。

小池都知事は2日午後5時から緊急記者会見で、現在の状況について「感染拡大要警戒」にあると述べ、夜の繁華街への外出を控えるように呼びかけた。一方では、「緊急事態宣言の状況に戻ることは誰にとっても好ましくない」として、当面は休業要請などの規制は行わず、経済と感染防止を両立させていくと語った。

東京都、新型コロナウイルス新規感染107人を確認 小池知事が緊急会見「現在は感染拡大要警戒」|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

そして、西村大臣は「もう誰も緊急事態宣言はやりたくないし休業もしたくないだろう。感染防止策をしっかり取って、何か異常があれば店を休んだり、調子が悪ければ会社にも出ず、遊びにも行かないなどを徹底していかないとまた同じようなことになる。一人一人の努力をお願いしたい」と呼びかけました

「高い緊張感を持って警戒すべき」 西村経済再生相 新型コロナ | NHKニュース

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