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マスク配布施策を振り返る

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2020/05/06、安倍首相が布マスク配布咲くtについて質問を受け、それに回答したことで、また布マスク配布策が注目されているように思います。

安倍晋三首相も6日、ネット配信サービス「ニコニコ生放送」の番組内で、布マスク配布の効果を次のように語っていた。

「我々がこれ(編注:布マスク配布)を始めた後、パリやシンガポールでもこういう配布をスタートしたと思います。官民連携してマスク生産を増強しています。品薄状況を解消できるという考え方のもとに布マスクを配布させていただきましたが、こういうものを出すと、今まで溜められていた在庫も随分出てまいりました。価格も下がってきたという成果もありましたので、そういう成果はあったのかなと思います」

政府配布が「マスク在庫復活」に影響? 輸入業者は「実感ない」、市場に出回った理由は...: J-CAST ニュース【全文表示】

ここで安倍首相は2つの「マスク配布による成果」を述べています。

  1. 誰かがためていた在庫を吐き出したこと
  2. マスクの価格が下がったこと

この2つが布マスク配布の成果だと述べています。

また布マスク配布の狙いは「品薄状態を解消できるという考え方のもとに配布」と言っていることから、やはり、医療現場などに不織布マスク・サージカルマスクが出回っているかどうかは、少なくとも官邸周りは副産物的効果程度にしか見ていなさそうです。
(そこが主目的ならば、目的を達成していないことへのお詫び、もしくは医療機関のマスク調達がうまく行き始めている事を成果として挙げるといった言及があるはずです。)

これらの安倍総理が成果とする現象、実際に起こってはいると思うのですが、重要なのはそれと布マスク配布がどの程度「因果関係」にあるのか、です。

布マスクの効果としては、菅官房長官が過去に「布マスク1億枚が洗濯をしながら平均20回使われたとすれば、使い捨てのマスク20億枚分の消費を抑制することになる。」と述べていたように、一枚で複数枚の使い捨てマスクと同じ需要を満たすことが主要効果でしょう。

このような話は、基本的に「需要・供給・価格」の3要素の話になるはずです。

つまり、需要と供給のバランスがおかしくなっていたから価格もおかしくなり、転売の儲ける余地が出来上がる。
そして需要と供給のバランスが均衡し始めると、価格も落ちつき始め、転売で儲ける余地は減っていく。

特に今回は需要過多が発生したために、供給が追いつかず、希少性により価格高騰が起き、そこを転売は狙ったという構図になっているはずです。

この需要と供給の変化に関わる要素が何があったかをまとめることで、マスク配布がどの程度関係しているのかは、推測することができるのではないでしょうか?

この点について、2020/05/08の菅官房長官記者会見にて政府見解を述べています。

まず使い捨てマスクについては、国内での増産の取り組みや中国をはじめ海外からの輸入量の増加などにより、4月には少なくとも7億枚を超えるマスクが供給されたと考えています。さらに5月には、1億枚程度増加する見込みであります。

また最近では、従来の大手の小売店舗やメーカーによる供給ルートとは別に、中国から直接マスクを輸入し個人商店などで販売する向きも広がっているように思います。

(加えて)繰り返し利用することができる布製マスクも高齢者施設や介護施設、小中学校、さらには一般家庭への配布を進めていることや、ご家庭などでマスクを手作りする動きが進んでいることから、使い捨てマスクの需要が一定程度抑制されてきている面もあります。

こうした対応により、徐々に店頭でマスクを入手できる環境が整ってきていると考えていますが、マスクの品質や価格、売り惜しみや買占めなどを注視しつつ、国民のみなさんが安心して取得することができる状況を作っていきたい。

「アベノマスクを全国に届けてから言って?」菅官房長官の「マスク入手できる環境整いつつある」発言に疑問の声。 | ハフポスト

(ハフポスト、この引用した記事の引用した部分以外の独自の内容もそうなんですけど、クソ記事が増えてません?誰でもかけるわかった速報〈アベノマスク届いていますか?東京都以外の46道府県で「準備中」と発覚。厚生労働省が公表【新型コロナ】〉とかアホなのかと思いましたよ?)

  1. 国内での増産
  2. 海外からの輸入増
  3. 従来のルート外での中国からの輸入
  4. 布マスク配布(施設等)
  5. 布マスク配布(全住所)
  6. 自作マスクの増加

これらが菅官房長官が今回触れた、市場のマスク増加につながっているとされる要素です。

以前このようなマスクの話題に触れたときからは「自作マスク」に言及し初めていることが、今回の新しいことのように思います。

これらの要素に3月に行った、マスク転売禁止の施策と、外出抑制していることでマスク需要は減るという要素を加えれば、今回のメカニズムはだいたい説明できるのではないでしょうか?
そういう意味でこの部分の菅官房長官の説明は妥当なように思います。

これらの要素があるにも関わらず、他の施策を無視して全住所への布マスク配布について語ると不誠実・ミスリード・疑似相関を誘う、まるで効果の怪しい健康食品の広告のような説明と成り果てます。
(冒頭に引用した安倍総理の一応マスク増産に触れるものの、その後なかったかのように話が進む説明はまさにそうだと思います)

これらの要素がどのようなものだったかを、他の記事で説明した部分とかぶりますが、改めて確認してみます。

かぶる内容がある過去記事1
被る内容がある過去記事2

国内での増産

経産省として何度も補助金を採択するなど、国内での増産を図る企業に対して積極的に補助金を出して、国内での生産量を増やそうとしています。

これは、今回のマスク不足が、中国からの輸入に頼っていたからだという分析が背景にあるようです。

そ国内生産を増やせば他国の事情に左右されずマスクは安定して手に入れられるという発想に至ったということです。

ただ、日本で生産すると人件費等で他国産のマスクが戻ってきたときに競り負けて売れないのではないか?という不安があり、マスク不足序盤は増産に踏み込むメーカーは少なかったという分析をいくつか読みました。

かし、世界的にマスクが必要とされる現状を見てなのか、政府が在庫を抱える覚悟を示したのを見てか、増産に踏み込む企業がどんどん増えてきた印象が4月ぐらいからあります。

現行の安倍政権は、マスク配布という施策を行ってしまったがために、こちらの施策の話が打ち消されてしまっているように思います。

そういう意味でも、マスク配布策は、結果として愚策であったように思われますが・・・

 -マスクの国内生産に踏み切った理由は。

 「2007年から中国の工場でマスクを生産しており、まずは中国向けの増産に動いた。その後に国内需要が爆発したが、中国では輸出規制が強まり、価格も高騰した。日本政府の要望もあり、国内でのできるだけ早い供給を目指した」

 「需要はさらに大きくなり6000万枚ではとても足りなくなった。中国でもマスクが一気に作られ、輸入に頼ってきた原材料の不織布も手に入らなくなった。不織布から国内で作るため、補助金を活用した追加投資を決めた。感染を防ぐ意識は世界中に残り、投資は必ず回収できる」

マスク国内生産「投資は回収できる」 アイリスオーヤマ社長 ネット通販態勢も強化 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

買い上げは、十分なマスクの輸入・供給実績を持つ事業者が対象。将来の余剰分を政府備蓄用などとして購入し、民間側の過剰在庫懸念を払拭(ふっしょく)する。厚生労働省と経済産業省などが購入保証額や財源、購入後の備蓄体制の調整を進める。

 安倍晋三首相はマスク供給については「余った場合は備蓄として国が責任を持つ」と表明していた。政府は国内小売業による海外製マスクの調達を支援。一連の措置で、生活必需品となったマスクの供給確保と価格の安定化につなげたい考えだ。

余剰マスク、政府が買い上げ 在庫リスク回避で供給後押し―新型コロナ:時事ドットコム

海外からの輸入増

日本衛生材料工業連合会によると、2018年度のマスクの国内供給量(国内生産と輸入の合計)は55億3800万枚。輸入が8割を占め、大半が中国からのものだ。感染拡大で輸入がほぼストップし、国内需要が急拡大したことで需給が逼迫(ひっぱく)。1月下旬ごろから全国的に品薄が続いている。

マスク「4月中に7億枚供給」のはずが…続く品薄、いつ解消? - 毎日新聞

このように、月3〜4億枚のマスクを海外、主に中国からの輸入に頼っていた日本。

中国からの輸入量はピークほど伸びてはいないですが、月1億2千万枚までには回復しているようです。
マスク外交推進と見られていることからも、これからも輸入量は海外に競り負けない限りは増えるでしょうし、これからもマスク量に一定程度の影響力は持つぐらいの量は輸入され続けるでしょう。

従来のルート外での中国からの輸入

秋葉原や新大久保など、様々なこれまでマスクを扱っていなかったお店で売られているマスクのことです。

これについて、一部露店で売られているものなどについて「2月に買った転売ヤーが在庫を吐き出している」というような評価をなされることが、特に布マスク全住所配布を肯定的に評価する中では多いような気がするのですが、果たしてそうなのか?と思うのです。

そもそも、この「ブローカーが抱えている在庫」がいかなるものか、というものを見てみると、布マスク配布策との関係性も見えやすくなるのではないかと思うのです。

例えば、このブログの人のような実際に安くなったこれまでの輸入ルートではないルートで輸入されたと思われるマスクを実際に購入した人のレビューを見ると、価格崩壊が起きているマスクは、転売禁止がなされたあとに作られて、輸入され即販売されているマスクなんですよね。

福建省産・生産日は4月20日とありますから、中国でコロナ騒動が一段落しつつあるタイミングで製造・輸出されたものですね。

梱包はビニールで包んであるだけの非常にお粗末なもので、ゴミやホコリが侵入していても文句は言えないという感じです。輪をかけてすごいのは、袋に「MASK 3300円」と元の価格がマジックで書かれているものや、一度開封されたのかジップロックに詰め込まれているものまでありました。

これ、新品やなくて展示品ちゃうか。やはり安いには理由があるのです!

また先述のように、ほぼ同じタイミングで中国からマスクを輸入した業者さんいわく、単価は1枚30円ほどだったそうなので、輸送費を考えるとこれはもう原価以下での投げ売りだと言えそうです。

1枚140円→36円に大暴落!新大久保の闇マスク価格推移をまとめてみた

この一方で、転売禁止の国民生活安定緊急措置法の政令の改正が行われたことによりマスクの転売が禁止になったことで、転売ヤーの在庫放出は一時ピークを迎えたはずです。

布マスク配布策が起きているのはその転売ピーク後の世界の話なのですから、転売ヤーの話を持ち込むのは評価を歪めることにしかならないのではないでしょうか?

前述の通り3月の半ばには法改正が行われ、マスクの買い占めや転売が規制された。ネットを使いこっそり販売され続けたが、思うように販売ができなくなった転売集団は、やはりSNSを使って販売の岐路を見出そうとしたのだという。

「買い占め司令を出していた人物に、今度はマスクを売らせ始めたんです。それこそ、全国の病院や高齢者施設に営業の電話をかける、スパムメールやSNSを使って売る、最後は路上での密売です。こうした組織は特殊詐欺に関与している連中も多く、情報に疎い人々を操る術に長けています」

で、現在売られている在庫は、先程のブログの方が買ったような、中国国内で4月前後に起きた、マスク製造業新規参入ブームに乗っかった、質の不安定なマスク、です。

つまり、在庫が存在してそれが放出されたのではなく、日本国内の在庫が不足している状態から、その不足を補うように中国からこれまでとは違うルートでマスクが大量に入ってきた。
これと日本国内での生産体制の整備が同時進行で進んだことが、供給力増の期待値増に一番寄与しているのではないでしょうか?

関連情報リンク

また経産官僚からマスク配布策の弁明が・・・?

と、ここまで書いていたところ、こんなツイートを見かけました。

発信側が意図的に消した情報をもとに語るのもなんか微妙ですが、一度発信された情報ということはサイト上のナンバーが欠番になっていることからも明らかなようなので、布マスク配布策を振り返る意味も兼ねて、この経産官僚からの弁明で気になる点をいくつか引用します。

その前に、この江崎禎英氏は、経産官僚として、厚生政策に突っ込んできたことで、名前を聞いたことがある人も居るのではないかと思います。(特に医療関係者は)

このように、医療政策を動かそうとして色々とやってる経産官僚でして、この辺の時期にいろんな記事を読んだ私としては「口のうまい糞コンサル」というイメージがあるのですが、そういう人がマスク配布策などに関わっているようです。

ちなみに、今回取り上げる、医療ガバナンス学会のメルマガに江崎氏は過去に登場したことがあって、それが民主党から日本維新の会に移った、(終末期医療で同調したのであろう、尊厳死賛成派の)梅村聡氏という方の雑誌連載記事に登場しているのです。

で、また、そういう個人的な?つながりがあったのであろう媒体を利用して、経産官僚から政府非公式であろう政策についての説明が行われたわけです。
(Facebookといい、メルマガといい、なぜ経産官僚は個人的に政策の説明をし始めているんでしょうか?国会でろくに説明できなかったということを言い訳にしていますが、私には、政府内で自分が批判されるのを避けようとでもしているように見えるというか・・・)

「マスクが手に入らないことに対する国民の不安を軽減するためには、繰り返し使用できる布マスクを来月(4月)末までになんとか1億枚規模で調達できないか」というのが当時の認識でした。私自身がこの布マスク生産・調達プロジェクトに参画し、事業者との調整に携わったのはまさにこの頃です。

ここで来月末=4月末という認識が明らかになっていますが、このあとを読むと、あの安倍総理の布マスク配布策発表のときに述べた見通しがいかに机上の空論であったかがわかります。

<なぜ、「興和」を始めとする特定の企業とだけ契約したのか>

今年3月時点で、海外で1億枚規模のマスク用ガーゼを調達するネットワークを有し、布製マスクを材料の調達から裁断、縫製、検品、袋詰めまでを一貫して行える企業は、興和しかありませんでした。

ただ、興和単独では1億枚規模の生産は困難であったため、中国で縫製関係の業務経験のあった伊藤忠とマツオカコーポレションの協力を得て生産体制を構築したものです。

当初、これら3社からは、4月末までに1億枚の生産など到底無理だと言われましたが、日本の窮状を救うためにあらゆる手を尽くして目標を達成して欲しいとお願いしました。結果、ベストシナリオで約9千6百万枚まで積み上げ、1億枚規模の目標達成の可能性ありとして、直ちに材料の確保、製造ラインの立ち上げをスタートしていただきました。

なんとかベストシナリオを積み上げて、4月末に9千6百万枚まで積み上がる、というのが施策スタート時の認識であったということです。そんなに施策はベストシナリオ通りに行くはずがないということは「急がば回れ」ということわざにもよく現れているように、当然のことだと思うのですが、災害時だから、どうしても、と、ベストシナリオで突っ込んでいったようです。
こういう発想、経産省絡みであることから、個人的には原発政策を思い出します。原発事故が起こりえるという事を無視して、神話に乗っかって安全対策をおろそかにしていった流れを。

ちなみに、安倍総理が4月の始めに発表したときの見通しは以下のようなものです。当初目標は4月末なのに「来月にかけて」と多少余裕を持たせているのは、ベストシナリオでの1億枚に多少足りていなかったからなのでしょう。
まさか『5月以内に調達できたから嘘は言っていなかった。セーフ』と言い出すための余裕ではないでしょうし。

 そして来月にかけて、更に1億枚を確保するめどが立ったことから、来週決定する緊急経済対策に、この布マスクの買上げを盛り込むこととし、全国で5,000万余りの世帯全てを対象に、日本郵政の全住所配布のシステムを活用し、一住所あたり2枚ずつ配布することといたします。

令和2年4月1日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第25回) | 令和2年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ

そして、例の妊婦向け布マスクを中心に発見された汚れなどがある布マスクがなぜ発生したかについても理由が語られています。

<なぜ、不良品が発生したのか>

当初、興和からは「興和の名前が出る以上、従来通りの国内検品を行うのでなければこの仕事は引き受けられない」と強く言われました。しかし、興和の国内検品は、一旦全てのマスクを一か所の検品施設に集め、1ミリ程度の縫い目や折り目のずれ、布のほつれも不良品として弾いてしまうというレベルの対応です。このため従来どおりの国内検品作業を行っていたのでは目標の半分も達成できない可能性があり、緊急避難的な対応として現地検品を基本とするオペレーションに変更してもらいました。

日本に持ち込んだ後は、配布準備段階で最終チェックを行うのですが、ここでのチェックをすり抜けた不良品が利用者の手元に届いてしまったことは誠に申し訳なく思っています。また、自治体によっては、こうした作業を保健所に依頼したことで、保健所職員の作業を増やす結果になったことも反省点として認識しています。

過去に妊婦向け布マスクの件についてブログを書いた際に、予想した通り、『ベストシナリオ』にするために、興和側が要求した普段通りの検品作業を省略するように政府からお願いしたということのようです。ベストシナリオのために安全対策を一部行わないというの、コンサルのメチャクチャな無駄削減みたいですね。
(よく経産省のコンサル体質に言及する言説を見る気がしますが、納得ですね)

ちなみに、この興和の検品についての要求なのですが、最近の国会質疑にて、興和との契約について、

両社とも、政府からの要請であること、本来はマスクを作る態勢ではないこと、緊急性を重視したこと、を強調しているように思います。

これは、政府が急かしてそれに答えた結果、検品がずさんになった可能性が高いのではないでしょうか?

複数の報道も、そのような見方に沿っているように見えます。

(中略)

Twitterでの一部で、興和と伊藤忠がブチギレたなんて書いているツイートが流行していましたが、このような流れを見る限り、ブチギレているとしたらその先は「不良品だ」と指摘した側ではなく、急かすだけ急かしたくせにいざ不良品が出たらメーカーを表に出して盾にしようとしている官邸じゃないんですかね?

妊婦向け布マスク配布で起きた問題

一方、今回の布マスク配布が遅いことについて、そもそも不良品以外にも、様々なベストシナリオと違う実態が出てきていたことが語られています。いや、当時の中国の状況とかわかってなかったんか?とか、これが本当に想定外だったの?ちょっと思いますけど。

<なぜ、配布が遅れているのか>

4月末までに1億枚の布マスクを生産して国内に持ち込むというのは、元々極めて厳しい目標でしたが、緊急事態ということで各社全力で取り組んでいただきました。しかし現実には、急遽集めた1万人に及ぶ縫子さんの教育から始まり、中国国内での物流の障害(企業活動の制限)、更には中国政府によるマスクの輸出規制によって通関で止められるなど次々に問題が発生しました。

しかも入国制限によって、これらの問題を解決するための職員を中国に派遣することができません。大使館の協力も得ながらなんとか通関を突破しても、日本へ運ぶ航空機の確保ができないといった状況にも見舞われました。生産、物流、通関等々、二重三重の障害を乗り越えて国内に持ち込む中で、スケジュールが後ろ倒しになる状況が続いてしまいました。

これに加えて、今般の不良品問題の発生によって、メーカーが全量回収の上国内検品を行うとともに、更に万全を期すために国による検品も行っているために、配布スケジュールにしわ寄せが生じる結果となっています。

ベストシナリオは必ずしも達成できるわけではない、ということを抑えておかないと、見通しだけで突っ走って大変なことになってしまうわけですね。こういう問題はよくある話のようにも思いますが。

(この辺の話について、朝日新聞や毎日新聞のこの記事に詳しく書いて有りそうです。)

この江崎氏の文章は「日本の危機的な状況を救うために協力してくれた事業者」「日本のために今も昼夜に亘って布マスクを製造してくださっている1万人を越える海外の縫子さん達」のために是非事実を知っていただきたいと思い、筆を執りました、という事を最後に述べているのですが、結局は「私達の布マスク配布作は失敗ではないということにしたいがために業者とか現場の方を持ち出しているようにしか私には見えないです。

また、現状では不良品や国による検品費用ばかりに議論が集中し、こうした布マスクの取り組み自体が全て失敗であったかのような議論がなされているのは誠に残念なことです。特に、日本の危機的な状況を救うために協力してくれた事業者が、結果的に社会的批難を受けることがあってはならないと感じています。また、日本のために今も昼夜に亘って布マスクを製造してくださっている1万人を越える海外の縫子さん達のためにも、是非事実を知っていただきたいと思い、筆を執りました。

手作りマスクの増加

この点、実測することは不可能だと思うのですが、手作りして自分で使っているようなものだけではなく、普段は別なもの売ってる個人のクリエイターさんなどが布マスクを縫って売っている例などを含めれば、結構な量の需給ギャップ埋め要素になってそうだとは思います。(私も、マスクについて色々調べた結果「ハンカチでのエチケットを自動化するようなものだ」という位置づけに至り、そういうマスクをレンタルボックスで購入して使用しています)

ただ、この手作りマスクの普及は、あくまでも政府目標にはもともと含まれていなかったように思いますし、政府の狙いとは全くつながっていないんだろうと思います。(そもそも政府がマスク配布策を発表した時点で推奨したところで、材料不足などの問題があったので、余計混乱しただけだったでしょうが)

市販マスクの入手が絶望的な状況が続く中、文科省が学校再開の指針にマスク着用を挙げ、手作りマスクの作製と使用を推奨している問題で、手作りする上で欠かせないダブルガーゼやマスクゴムが品切れを起こした。

手作りマスク推奨されても…ガーゼやゴムが品切れ - 社会 : 日刊スポーツ

新型コロナウイルスの感染拡大によるマスクの品薄状態を受け、マスクを手作りする人が増えている。家庭で使うだけでなく、地元の商店などで販売する人もいる。手作りの人気ぶりに、マスクの材料も品薄になっている。

 和歌山県田辺市北新町の手芸・クラフト材料の専門店「ハトヤ」は、マスクの作り方を示した専用コーナーを設置している。

 市販のマスクが品薄になった2月上旬ごろからガーゼの布地や専用のゴムを買い求める人が増加。材料をセットにしたマスクキット、鼻の部分に使用する形状保持テープは完売し、さまざまな色が並んでいたゴムも白がわずかに残るだけとなっている。

マスクの手作りが人気 材料は品薄、完成品の店頭販売も 紀伊民報AGARA

その一方で、医療機関にサージカルを回すために、布マスクが配られているという、経産省の官僚と官邸ホームページの一貫した説明を考慮するならば、医療機関やその他必要な機関にサージカルマスクが十分に備蓄されるまでは、その他の人間は、布マスク等、サージカルマスク以外でしばらくは乗り切るということが必要であったと思うのですが、その点が全く説明されることなく、国会議員も閣僚もその点に考慮してる様子がほぼ無かったのは、とても残念に思いました。

マスク配布の予算と寄付の動き

マスクの需要削減などで必要な場所にマスクの供給をするための施策として行われた布マスク配布策。
菅官房長官が記者会見にて以下のような質疑応答を行ったようです。

菅官房長官は1日午前の記者会見で、全世帯向けの布マスクの配送状況などについて、先月29日の時点で、配布予定の1億2600万枚の4割弱にあたる4800万枚の配布を終えたことを明らかにしました。

また、布マスクの配布にかかる費用として総額で260億円、このうち調達に184億円、配送費として76億円を見込んでいると説明しました。

そして、記者団が布マスクの使い方について「政府としては、次の流行に備えて保管しておいてほしいということか」と質問され、菅官房長官は「布マスクは何回も洗濯して使用可能であり、ぜひそういう方向で使ってほしい」と述べました。

布マスク 調達や配送の費用に260億円見込み 官房長官 | NHKニュース

官房長官の記者会見、回数がとても多いこともあってか、冒頭発言以外、記者との質疑応答は文字ベースでは記録されないのですが、ここがニュースになることも多いことを考えると、誰かがウェブ上に記録したほうがいいと思うのですが、官邸記者クラブとかやらないでしょうか?)

まず、費用について、総額466億として、本予算の予備費から233億、補正予算に233億を計上していたと思うのですが、この年度の決算審議で、どのような内訳で費用計上がなされているのか、今から気になります。補正予算分で余った分が予備費に回るのか、それとも以下にあるように、別な施策に回されるのか・・・?

厚労省は答弁で、令和2年度予備費からの233億円のうち、「購入については効率的な執行に努力」した結果として「91億円の見込み」と説明した。

 さらに「印刷パッキング等費用19億円」+「郵送費14億円」+「検品費用が約8億」+「コールセンターなど諸経費0・6億円」=「計約41億」とした。

 福島氏が「残りのお金、どうするんですか?」と、予備費233億円についても、100億円が残る計算となることを聞くと、厚労省は「この予算は感染症対策費の中の健康対策関係業務庁費という費目で計上してますので、その予算の趣旨、目的等に照らして適切に判断をさせていただきたいと思っております」と述べた。

アベノマスク233億-91億-41億…残る莫大金 何に使う?厚労省「適切に…」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

また「必要な場所にマスクを回す分は確保できたから、全住所に配ります」という安倍総理の表明の仕方を考慮すると、その「そもそも現状で必要な場所にマスクが回っていない」という現状を是正するために、という名目で今回配布されたマスクなどを必要だという場所に寄付するという動きは起きていると思いますが、災害時の被災地への救援物資のように、混乱せずきちんと調整ができそうな先に、きちんと使えそうだと判断したものを寄付してくれれば、いいのではないでしょうか。(少なくともカビとかはないものを・・・)

一応、政府としても、自身が十分にマスクを確保することができたならば、身近な人に譲るなど、必要な人に渡すことの検討も考えるように書いていますし。
(このQ&A、過去にFacebookで解説した経産官僚のやつとQ&Aの内容がかぶっているように見えますし、本当にあの人はマスクチームだったんだな、と読むたびに実感しています。)

ご家庭でマスクが多くあるといった理由により、お届けした布製マスクがご自身にとってご不要な場合は、現在世界的なマスクの需給の逼迫が起きていることも踏まえ、例えば身近で必要とされている方に譲るなどの選択肢もご検討下さい。

布マスクの全戸配布に関するQ&A|厚生労働省

一方で、政府としては第二波のために備えてほしいという意図もわかりますが、どうしても「第一派を乗り越えるために打った施策が、配布が遅れ空振ったので第二波での活躍に掛けている」ように見えてしまうのが悲しいですね。

個人的には、マスクのような身につけるものの場合、欧米のような皆無状態ではない限り、自分で納得したものを身に着けないと、不安の増加という精神状態も込みで体調的には逆効果(コロナ以外の疾病に繋がりそうという意味で)のように思うので、「納得させる」「説得する」ということが一番苦手のように見える安倍政権には向いてない施策であったのではないか、と思います。

一方、コロナ対策については「なんとなく有耶無耶にする」という安倍政権の得意技が発揮されたように見え、コロナ関連の施策は安倍政権の性質がよくわかる事例になったのではないでしょうか?

(いきなり予備費10億円とか言い出した件も含め)

一方、10兆円の予備費が計上されていることについては、「予備費というのは、まさに名前のとおり、万が一に備えての経費になる。確かに5000億円とか、場合によっては1兆円組むことはあるかもしれないが、30兆の補正予算のうち10兆円というのは尋常ではないと思う。いったん、積まれてしまうと使ってしまおうというインセンティブも働きやすいので、むだの温床にもなりかねない」と指摘しています。

そのうえで、佐藤教授は「求められるのは国民の安心と信頼だ。どんなに迅速に措置を講じるといっても、むだづかいしてもいいということにはならず、委託料含めて実際の経費の使われ方についてきちんと精査、検証する姿勢が求められる。そのうえで、国民に対して広く情報を提供、開示していくということが必要だ」と話しています。

“予備費10兆円は尋常でない” 専門家が指摘 新型コロナ対策 | NHKニュース

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