毎日新聞の報道や、和田政宗議員の朝日新聞取り違え説とかなんか色々出てきたので、一度確認しておこうと思いました。
朝日新聞第一報(3月2日)
内容が変わっているのは、2015〜16年に学園と土地取引した際、財務省近畿財務局の管財部門が、局内の決裁を受けるために作った文書。
朝日新聞が確認した契約当時の文書と国会議員らに開示した文書は、起案日、決済完了日、文書番号が同じである。
学園とどのようなやりとりをしてきたか時系列で書いた部分が、項目ごとなくなったり、一部消えたりしている。
契約当時の文書
学園との取引について「特例的な内容になる」「本件の特殊性」と表現されている。
「学園の提案に応じて鑑定評価を行い」「価格提示を行う」という記載も。
これらの文言は、国会議員に開示された文書では、無くなっていた。
関係者によると、文書の内容が変わったのは、昨年2月下旬以降とみられる。
朝日新聞第二報(3月3日)
『2015年の貸し付け契約の際の決裁文書』と『2016年の売却契約の際の決裁文書』がいずれも契約当時と国会議員に開示した文書で違っていた。
ともに、学園との交渉経緯についての記述が消えていたり、別な内容に変わっていたりした。
『2015年の貸し付け契約の際の決裁文書』
「特例的な内容となる」が国会議員へ開示した文書では無くなっていた。
学園側の「要請」という記述が「申し出」に変わっていた。
『2016年の売却契約の際の決裁文書』
「学園の提案に応じて鑑定評価を行い」「価格提示を行う」が無くなっていた。
貸し付けに至る経緯説明の項目がまるごとなくなっていた。
複数の関係者によると、内容の変更は昨年2月に朝日新聞が問題を指摘した後に書き換えられた疑いがある。
朝日新聞第三報(3月6日)
契約当時の決裁文書には、貸付料の支払い方法を巡って学園側の要望や主張をしてきたか記載してあった。
財務局がどう対応したかの経緯も詳しく書かれていた。
学園側が早く土地を買うために価格を示すように財務局に求めたということや、それに対して財務局が「学園側の提案に応じ」「価格提示を行うこととした」と記されていた。
→これらの記載が開示文書では消えていた。
学園の「要請」と書かれた複数の箇所が「申し出」になっていた。
(第一報と第二報の振り返り的な内容)
毎日新聞(3月8日夕刊)
国会に提出した売買に関する開示文書になかった「本件の特殊性に鑑み」「学園に価格提示を行う」などの記述が、別な決裁文書に存在していた。
文書は昨年9月に毎日新聞が情報公開請求し、今年1月に開示された。
『文書作成の経緯や疑惑との関連性が議論になりそうだ。』
財務局が、学園に国有地を鑑定価格より約8億円安い1億3400万円で売却する方針を国土交通省大阪航空局に通知した際の決裁文書(2016年6月)
「財務局と航空局との協議」と題した項目に、「本件の特殊性に鑑み、売買契約締結後に契約書に基づき国が行う行為については、近畿財務局と大阪航空局が必要に応じて協議を行い、これを実行するものとする」と書かれていた。
(国有地の地中から大量のごみが見つかって新たな契約を結ぶことや、国がごみに関する責任を一切負わないとの特約を盛り込むこと、などの経緯を特殊性と表現した可能性がある。)
財務局が学園に売却額の予定価格を通知した際の決裁文書(16年5月)
「学園から早期に土地を買受けたいとの要請を受け」「学園に価格提示を行う」などの記載があった。
財務省が昨年5月、国会に提出した売却時の決裁文書にはこうした表現はなく、学園からの「要請」は「申し出」との表現になっている。
毎日新聞の関連反応
和田政宗議員は、毎日新聞が提示した5月の文書と似たような(多分同一文書かな?)、予定価格の決裁文書を提示し、朝日新聞は売買契約の決裁文書と取り違えた可能性があるのではないか、と主張
ところで、毎日新聞のウェブ記事を載せたタイムスタンプと、和田政宗がその内容とほぼ同一(毎日新聞の記事の片方のみ使用?)の決済文書を使ったブログ記事を更新したタイムスタンプが同一なのは、記事が出るって知ってて狙ったのかね? pic.twitter.com/LrkiFmRZHb
— 限界サヨクのツイ栗鼠しらず (@desPAiR0906) March 8, 2018
ちなみに、私は、毎日新聞のウェブ上の記事の日時表記と、和田政宗議員のブログ記事の日時表記とが、同じ14時48分なのが気になっています。後から和田政宗議員のブログの投稿時間をかえたのか、事前に知っていて予約投稿したのか、たまたま一緒なのか…
(たまたま一緒はありえないと思いますし、毎日新聞は定期的にこの時間に記事を載せているようではないので、和田政宗議員のブログが後から毎日新聞の時間に合わせたのだろうと私は考えていますが。)
毎日が朝日の援護射撃をしたこの件。朝日が提示したのは売買契約の決裁文書。毎日はそれを大阪航空局に知らせた決裁文書。同じ時期に作られている文書で朝日と毎日が同じ表現の文書を提示しているという構図。
別文書に「特殊性」の表現 国会開示にはなし(毎日3/8)https://t.co/u36Ocfyy0X
— 瀬畑 源 (@hajime_sebata) March 8, 2018
この毎日の報道で「朝日は誤報」みたいなことを言っている人がいるようだが、同時期に作られている決裁文書で表現変えるとか考えにくい。もし財務省が出している文書が「本物」なら、内部では「特殊性」の表現を削り、他省へ「特殊性」と書いたということに。それはおかしくはないか。
— 瀬畑 源 (@hajime_sebata) March 8, 2018
一方、専門である象徴天皇制の研究から、公文書管理問題に詳しくなり、公文書管理問題について様々な指摘をしている瀬畑源氏は、毎日新聞の報道後に『同時期に作られている決裁文書で表現変えることは考えにくい』とし、(たとえ、朝日新聞が間違えていたとしても)表現が変わっていること自体がおかしいことではないか?というような反応。
ハフポストは、そもそも毎日新聞が情報公開請求で入手した文書の記述が、佐川氏が国会で答弁していた内容と一致していないとし、文書作成の経緯を問う声が強くなるだろう、としている。
朝日新聞第四報(3月9日)
売却契約の際の決裁文書のうち、事案の概要などを8項目で記した「調書」の「4.貸付契約までの経緯」が、その後の文書では項目ごとなくなった。
契約当時の調書には、この項目で、学園から「借り受けて、その後に購入したい」との要望があり、近畿財務局が「本省理財局に相談した」と記載。計画が小学校の新設で公共性があることなどから、「学園の要請に応じざるを得ないとの結論」になったとしている。
また、10年以内の売買を約束した貸し付け契約が「特例的な内容となる」として「理財局長の承認を得て処理を行う」とし、15年4月30日付で承認を得たなどと記されている。
ところが、昨年2月の問題発覚以降に国会議員に開示された文書では、これらの記載は項目ごとなくなった。代わりに契約当時の文書で5番目だった項目が4番目に繰り上がり、「4.本件売払いに至る経緯について」となっている。
この「売払いに至る経緯について」でも、契約当時の文書では「金額が納得できれば」「損害賠償等を行わない」との学園側の提案に触れ、「学園の提案に応じて鑑定評価を行い価格提示を行うこととした」と記されていた。しかし、その後の文書ではこうした記載がない。
また、「1.事案の概要」の項目で「価格等について協議した結果、学園が買受けることで合意した」との部分は、「売払申請書の提出があった」という記載になっていた。
調書はA4判全7ページだったが、複数箇所で文言がなくなったり変わったりし、国会議員に開示された文書は5ページになっている。それと同じ内容の文書が、8日に国会に提出された。
朝日新聞第四報を受けての反応
朝日の一面。指摘の部分は、昨日毎日が記事にした「普通財産の処理方針の決定」の決裁文書に殆どが含まれるが、一方この文書の「事案の概要」などの記載は、朝日の指摘と異なる。別の文書に同じ記載があるか朝日が意訳したのでなければ、朝日が本物の証拠を持っている可能性もhttps://t.co/p5GsL6Ma8p
— 和田 政宗 (@wadamasamune) March 8, 2018
今朝の朝日の報道でわからない点は「貸付契約までの経緯」が売買契約時の決裁文書にはあったのに、その後の文書では無いとの指摘。そもそも売買契約の決裁文書に、貸付までの経緯を載せる必要があるかどうかと、別の開示済の決済文書に同様の内容が既に記されているので何か意図を持って削る必要も無い
— 和田 政宗 (@wadamasamune) March 9, 2018
和田政宗議員は、これから財務省に新たな文書の開示を求め、その開示された中に朝日新聞と同内容のものがない、もしくは朝日新聞が勝手に意訳したりしていない、ならば、『朝日は「書き換え前文書」の本物の証拠を持っている可能性が高くなる。』と反応しています。
一方で、ブログでは朝日新聞が『印が押された決裁文書の1枚目と、2枚目以降の連続性を証明』する必要があるとも記述しています。
また、「4.貸付契約までの経緯」を削ったことが問題にされている点については、削られていてもなんら問題ではないという認識のようです。
産経新聞(3月9日)
後半は、朝日新聞か異なる決裁文書を比較したという説を和田政宗議員と高橋洋一氏に語らせている内容なのですが、前半には独自情報が。
自民党幹部によると、7日に複数の党幹部が財務省の矢野康治官房長らに事情を聴いた。財務省の説明では、同省近畿財務局で決裁に関わった27人にヒアリングしたところ、全員が決裁後の書き換えを否定した。ある近畿財務局幹部は「契約当時の文書」の内容について「決裁の途中で差し戻された文書の可能性はある」と話したという。
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