「万引き老人」の記事を読んで、間違った貧困認識を是正しよう

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「万引き老人」悲しく切なすぎる貧困の実態 | 「若き老害」常見陽平が行く サラリーマン今さら解体新書 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

この万引き老人についての対談を読んで、Twitterでよく見るような認識を是正するための情報が載っていたので、その部分を紹介します。

 

『老人の万引きが若者より増えている』のはなぜか。

この老人の犯罪増加という話は良く言われていて、どうも『あの世代のモラルが悪いんだ』という話にされがちなのですが、実際はそういう話とは違うのだと思われます。

そういう部分がこの記事でも示唆されていて、老人の犯罪増加の理由について、モラルの悪さと違う理由がいくつか挙げられています。

1つは『体力のない高齢者のほうが捕まえやすいという実情』。

そして重要だと思うのが、万引きの理由として挙げられている、困窮から犯罪に手を染めてしまう場合です。

おカネがあれば自分のおカネできちんと生活する、そういう真面目さをきちんと持ち合わせているような人間が困窮から万引きをしてしまう。(真面目さが空回りして貧困になっているケースだと思われる)

若しくは年金生活者や生活保護生活者(年金の額が不足していたり、無年金の物が生活保護に頼る構図がある)が、その支給額だけでは余裕が無いために万引きしてしまう。

こういう犯罪は『足るを知れ!』『無駄遣いしてるからだ!』みたいなシバかれ方をし易いが、実際には支給額そのものが限界ギリギリまで絞られた額を支給しているため、無駄遣いなんてする余裕すらない。
そしてその余裕がない事が犯罪の理由になってしまうのです。

 

わかりにくい、理解できない貧困が増えている。

そういった人は、万引きをする前に、スーパーの袋を多く持って行ったり、店で買っていないのに氷を持っていったり、しょうゆやガリを多めにとっていったり、試食だけしたりと、図々しくも厚かましい「迷惑行為」をしていることが多いです。そういったわかりづらい「貧困」が今は増えていると感じます。

記事中でこのように言及されているように、わかりにくい貧困が増えています。

貧困という言葉の字面のように『貧しい、困っている』という事が揃っていないと貧困ではないだろう、と判断されてしまうことが多い気がします。

しかし、周囲に迷惑を撒き散らすことでリスクを分散したり、様々なテクニックを使うことで、困っている状況をなんとか解決しながら生きていることが実際には多いように思います。

その『困っている状況を解決しながら生きている』状態だからといって、もし解決できなかったら貧困になっている、そういう薄氷を踏む生活をしている場合、それは貧困と呼んでも差し支えないのではないか。
そういう事が『相対的貧困』という概念を見ていく上で必要となってくる問いなのではないだろうか?と私は考えています。

(実際の相対的貧困という行政上の定義のは収入の多寡によって定義づけられています)

OECD(経済協力開発機構)では、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。平成24年(2012)の日本の貧困線は122万円、相対的貧困率は16.1パーセント

相対的貧困率(ソウタイテキヒンコンリツ)とは – コトバンク

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