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デンマークのマイナス金利政策関係の動きから社会設計を考える

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疲労の正体という特集に惹かれて週刊ダイヤモンドを購入したところ、特集の面にたどり着く前にあった、「金融市場 異論百出」という記事に書かれている内容に目が止まりました。

その記事を書いていたのは東短リサーチという金融市場を調査研究するシンクタンクの代表取締役社長加藤出氏。

記事のメインの内容はデンマークのマイナス金利に対する反応について。

金融機関が貸出金利にマイナス金利政策のコストを上乗せすることできちんと利益を得ているということなども興味深かったのですが、気になったのは預金金利が下がっても反応が大きくならなかった理由として上げられているものでした。

それは、2つ有って1つは『高福祉社会が出来上がっていることで、将来に対する不安を持たない人が大半であったこと。』もう一つは『そもそも「将来が不安だから預金するという発想がない」こと』と書いてありました。

この2つはマイナス金利政策の前例として重要なもののように私には思います。
というかマイナス金利政策を取らなかったとしても、このような政策を取ることで、いわゆる『好景気』というものに近づけるのではないだろうか、と思うのです。

民進党の代表である蓮舫さんも言っている『安心の好循環社会』に繋がるような社会設計をデンマークは目指しているように思うのです。

ちなみに、安倍総理は、今年の年初の記者会見での発言を読むと方針としては『もはやデフレではない(脱却したとは言っていない)ので新しい国造りとして「一億総活躍」への「挑戦」を始めます。』とし、安心については、記者から国民生活の安心について質問されても安心にはほとんど触れず、頑なに『挑戦』を強調するという姿勢のようでした。

でも、現在の社会で、『挑戦』しても討ち死にするのが目に見えている、というような人は多いように思います。
まずはそこをどうにかしないと『雇用されていても安心できない社会』がさらに出来上がっていくだけでしょう。

安倍総理は『「挑戦」しない限り何事も成し遂げることはできないわけでありまして、「挑戦」するのはできるだけ早く「挑戦」しなければ手遅れになるわけであり』というような見解を披露しています。これは政府の行政方針についてですが、私は国民に対しても『挑戦しないと』と煽っているように記者会見の内容を読んで感じました。
これは『挑戦』という言葉でごまかした『自己責任社会』を煽る言説のように思うのです。
(他にも『攻めの姿勢』『いかに力強く回し続けられるか』という言葉のチョイスもその印象を強くしているように思う。)

好景気のために自己責任で挑戦することを前提に、最低限のサポートをするという姿勢であるように思うのです。しかし、自己責任での挑戦が価値観として先に来てしまっているせいで、サポートが足りなくても挑戦することを強いられてしまう。そういう社会設計がドンドン進められているのだろうと思います。

そして、その結果が、先日日経新聞が『会社にしがみつく時代は終わった』という記事に記した、一労働者を無理やり個人事業主にすることで自立を促すという偽装請負(のような)行為を推進し、労働者の労働条件を悪化させる、いわば人間を一度崖から突き落として生き残った人間で社会を形成するかのような価値観がばらまかれるような状態なのだと思います。

雇用されていても地獄なんて社会、どうやって生きればいいんでしょうね。

 

ちなみに、ダイヤモンドの記事にはこのような記述もありました。

『デンマークは失業保険が手厚く解雇が容易』

これもマイナス金利政策の影響を、いかにして銀行が耐えているのか、という話なのですが、この文を読んで私はみんなの党や維新関係の政治家が良く主張している『解雇しやすい法制度に』という話を思い出しました。

日本で『解雇しやすい法制度に』という場合、そこで想定されている制度は『会社がお金を払うことで解雇できる』というものだと思います。
しかし、この制度設計では明らかに会社側だけが強くなるのです。

そうではなく『解雇しやすい法制度に』する場合は、デンマークの例のように失業保険を手厚くすることが王道なのではないでしょうか?

失業保険を手厚くするという形を取れば、労働者が自主的に退職する円満退職といえる事例も多くなり、労働者も自らがいきいきと労働できるような職場に移る事がしやすくなり、さらに不当解雇という、まさに『解雇しやすい法制度に』と述べるような人が主張する『労働市場の流動化』という理想に近づく方向に動くのではないでしょうか?

 

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