徳育や愛国心教育とは要するに韓国人や中国人を蔑むことでした

この記事のアクセス数
285PV
この記事は約9分で読めます。
記事内にアフィリエイトリンク等の広告が含まれています。

学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割かのような、国有地を不当な価格で譲ってもらっている疑惑が持ち上がったことで注目された学校法人森友学園。

今度は、その元々注目されていたヘイトの面に注目が集まるようです。

共同通信が塚本幼稚園がヘイトスピーチに該当する意見を発信していたことを記事にして加盟社に配信したようです。いかに一番詳しく書いていたサンスポの記事を引用します。

(余談ですが、こういう共同通信が配信している記事で、大抵一番詳しく書いてネットに配信しているいるのが産経新聞系列であることがほとんどであることについて、私は不満があります。どこか別な新聞社のサイトが同じようにやっていたら、そちらを優先して引用に使用したいのですが・・・)

 

大阪市淀川区の学校法人森友学園が運営する「塚本幼稚園」(同区)が、「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を保護者向けに配布し、憎悪表現に当たる恐れがあると問題視した大阪府が法人理事長の籠池泰典園長らから事情を聴いていたことが16日、分かった。

(中略)

このほか、共同通信が入手した同園の昨年12月の保護者向け冊子では「(韓国の)心を引き継いだ人たちが日本人の顔をしてわが国に存在することが問題」と記載。園のホームページ(HP)上では「韓国・中国人等の元不良保護者」と一時掲載し、後に「K国・C国人等」に改めた。

「よこしまな支那人」大阪の幼稚園、保護者向けにヘイト文書 府が聴取 – 芸能社会 – SANSPO.COM(サンスポ)

(ホームページに掲載している文章とは「Microsoft Word – インターネット上での誹謗・中傷記事について.docx」のこと。

これは、引用前に多少余談として愚痴ったように、共同通信の配信した記事を産経新聞社発行のサンスポが載せているという構図なのですが、この塚本幼稚園について、産経新聞は今回の騒動の元になった小学校運営への参入も含め『現代教育の歪みをも映し出す』などと賞賛するかのような取材記事を2015年に載せています(【関西の議論】安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ(1/4ページ) – 産経WEST)。

産経新聞はこういう事実を知らないまま取材記事を載せたのでしょうか?

私は、記事内で批判と闘っていることを記述していることや産経新聞のこれまでの論説などから、このようなことを知っていた上で問題視していなかったのであろうと思ってますが、その上で、なぜ共同通信が問題だと取り上げたことをシレッと載せているのでしょうか?

朝日新聞批判で歓喜している暇が有ったら自社の報道姿勢を反省してほしいです(最近で言うと『「反アパデモ “無料旅行”と募集」は誤報 産経サイト、書き換えるも訂正なし(楊井人文) – 個人 – Yahoo!ニュース』など)

産経新聞への批判はこれからも継続して行うのでここまで。

本題の塚本幼稚園に戻ります。

 

日刊スポーツがサンスポやロイターが載せている内容とは違う、共同通信が配信した記事を載せているのでそれも引用します。

「韓国人と中国人は嫌いです。日本精神を継承するべきです」。大阪府内に住む30代の女性は子どもが塚本幼稚園に通っていた昨年2月、こう手書きした副園長からの手紙を受け取った。

元々在日コリアンで、今は日本国籍の女性は「自分が在日だったことは園に伝えていたのに、教育者がこんな言葉を浴びせるとは」とショックを受け、数日後に子どもを退園させた。

園はホームページで「日本人としての礼節を尊び、愛国心を育てる」とうたい、籠池泰典園長は保護者向け文書などで「日本民族の統一性」を強調。2015年の運動会を撮影した映像では、園児に「日本を悪者にする中国や韓国は心を改めて。安倍(晋三)首相頑張れ」と選手宣誓させていた。

「韓国人と中国人嫌い」副園長が保護者に手紙渡す – 社会 : 日刊スポーツ

また、大阪のABCnewsでも取り上げられました。

 

大阪府によりますと、淀川区にある私立の「塚本幼稚園」が「よこしまな考えを持った在日韓国人や支那人」と書かれた文書を保護者に配布。さらに「韓国人と中国人は嫌い」と書いた手紙を元在日韓国人の保護者に送っていました。府は、差別表現に当たる恐れがあるとして、先月、幼稚園側から事情を聴き、園は文書の配布を認めたということです。保護者は、「(園児に)中国・韓国は悪い国やからっていう風な指導をしていて」「かなりのいじめを受けて園をやめたという事例もあった」と話しています。これに対し、園長は、「差別的な意図はない」と反論し、「(保護者)がちょっとおかしいんじゃないかと(思います)」「変な人ですよ。おぞましい」と話しました。府は、行政指導も含めた対応を検討しています。

ABC WEBNEWS|【大阪】幼稚園で外国人差別文書を保護者に配布

これが、産経新聞が『超ユニークな教育』だとか表現をし、園側が『礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる』と言っていた教育の実態です。

「(保護者)がちょっとおかしいんじゃないかと(思います)」「変な人ですよ。おぞましい」と述べる園長の態度のどこに礼節があるというのでしょうか?

  • 選手宣誓で『日本を悪者にする中国や韓国は心を改めて。安倍(晋三)首相頑張れ』と運動会に全く関係ないことを園児に言わせる。
  • 在日コリアンであることを知りながら、手書きの『韓国人と中国人は嫌いです。』という手紙を渡す。
  • 園に対する批判が来ると『投稿者は、巧妙に潜り込んだ K 国・C 国人等の元不良保護者である』と言い出し『当園は、日本精神をとりもどすためにも、日本に在住する極めて少数派の K 国・C 国等の人たちのこういった行為に対して、断固として立ち向かう所存』と謎の使命感と、相手がマイノリティであることを強調することによる自己正当化を行う。

これらのどこに礼節があるというのでしょうか?

日本精神なるものをとりもどすことがこの園の使命の1つらしいですが、この実態が日本精神の現れならば、日本精神とはとても陰湿で、とても危険であるとしか思えません。

その他、園長の部屋という枠で、園長の立場を利用して数々の政治的主張を垂れ流していることも見逃せないでしょう。内容も現沖縄県知事について『もともと中共に従いたいと心から思っているので、中共の手先かもしれない。』と述べていたりするなど、右翼の醜悪な部分が濃厚になっているように思います。

ちなみにその根拠として書いている娘婿が中国人というのはデマです。

 

また、同じく園長の部屋で小学校を作る意図について書いているのですが、現行の公立小学校批判として『教える側が国を潰そうとする側の日教組(旧社会党・現民主党の大部分)・全教(共産党)でありますので』と書いているのです。この認識も間違っていると言う他ないでしょう。

『国を潰そうとする側』という部分に関しては、もう右翼に何言っても聞かないだろうというくらいありふれた妄想なのでもうほっとくとして、日教組や全教だけが教員であるかのようにしている点をここでは批判します。

産経新聞の記事によると、直近の調査で、日教組の組織率は24.2%(母数はすべての公立学校の常勤公務員)であり、全教は4.3%であるそうです。これが教える側のすべてを表していると考えるのは、度が過ぎるとしか言えないのではないでしょうか?

(ちなみに塚本幼稚園と同じような「『美しい日本人の心を育てる』 教職員団体」を名乗っている全日教連という組織もすでにあり、組織率は1.9%となっている。)

同じ記事では『塾の経営者は新左翼や在日の経営者が多い』などという、やはり無根拠かつ差別的な記述がありまし、別な記事では中国について『今年度(平成24年度)ほど中華人民共和国(支那)の日本国への侵攻が実行された年はない。』と言い出したり、なぜか防衛白書で書き出している記事では『かの国がない方が世界平和につながるので、4つ位の国に分裂させるか、なくしてしまうことだ。人間社会でも究極は刑務所に入れる(極刑は死刑)このことによって、人為的に社会から遮断する。学校であれば退学、社会であれば懲戒免職であります。』とまで述べています。

また、『八紘一宇のおかげで日本では人種差別は無かった』論も漏れ無く主張しています。

これらの記述は幼稚園で保護者に配布する新聞に載せていたもののようで、このような思想布教のために幼稚園を経営していることが、文面からひしひしと伝わってきます。

そして、この園長は、このような思想を布教した後、思想を定着させるための囲い込みをするために、小学校を作るという目的を隠していません。

日本人の優れた、秀でた天性を伸ばし武士道精神に基づく教育をし、日本人としてのプライドを持たせたい。極東軍事裁判(東京裁判)史観を排除し世界に雄飛させたいと思っている教師も多くいます。歴史と伝統にのっとったほんまものの教育の実践のため、その教師集団の統合の要(かなめ)となるのが我が記念小学校なのです。

平成26年2学期 記念小学校開校にあたって|平成26年|園長の部屋|塚本幼稚園幼児教育学園

 

「集合時にだらだらとしていたり、子供が先生と友だちのようにしゃべったりというのが『普通』になっている小学校に、当園を出た子供たちが入っていくと、自分の根っ子に不安を持ち始めるんです。せっかく、当園で身につけたことが潰される…。それで小学校をつくることにしたんです」

【関西の議論】安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ(3/4ページ) – 産経WEST

 

当園は以前から計画のあった小学校を建設し初等教育に歩みを進めます。天とのミッションであります。塚本幼稚園教育をそのまま小学校教育へ高め、幹を広げ、大きく枝を増やすのです。基本が出来ている子たちであれば、我々の小学校へ集うことができます。過去多くの保護者が望み、持っていた我々幼稚園の初等教育時代が呼んでいるのです。安倍晋三政権になって日本及び日本人が本来の姿に回帰し始めたのです

塚本幼稚園がしっかりすれば日本は変わります。日本が変わればアジアが変わり、アジアが変われば世界が変わるのです。我々園児の中から世界に号令をかける人材が出てくるでしょう。小学校建設もその一貫です。

平成26年1学期 天とのミッション|平成26年|園長の部屋|塚本幼稚園幼児教育学園

このように、特定の思想を刷り込み、囲い込むのが「教育勅語的精神に基づく人格形成」だとか「愛国心教育」だとか「徳育」だとかいうものの正体です。

このような思想教育施設が普通に存在していることが私にとっては「おぞましい」ですし、この園長は「ちょっとおかしいんじゃないかと(思います)」

 

ところで

現在、朝鮮学校への補助金支給が色々と騒がしい問題になっていますが、それをめぐる大阪の裁判にて『税金を原資とする交付金を受けようとする以上、「私立学校にも一定程度の政治的中立性が要求されている」』という判決が下っているようです。

もしコレが確定ならば、森友学園系列の幼稚園や小学校に対し給付される交付金があるかどうかについても、問題視しないといけなくなるのではないでしょうか?

 

現行政府にとって都合のいい歴史観や政治思想であるからと言って、特定方面のみの政治的中立性を欠いた偏向教育が許されてはいけないのではないでしょうか?

(個人的にはこういう歴史観や思想と、一定の線を引けない政府に行政や法律を設計・運用してほしくないです。その一方で過剰介入も問題ですが。)

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました