国民民主党とファクトチェックという言葉から連想した、榛葉氏のファクトチェックしてほしい発言

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国民民主党は、AIを活用して、選挙期間中、自分の党の政策についての言及等をファクトチェックすると、ラジオ番組で伊藤孝恵議員が述べたようです。

西田:自民党のファクトチェックですか?

伊藤:ではなくて、我々の政策に関する真実ではない情報が拡散しないようにするファクトチェックです。

 そのため、結党してから5年の政策や立法したものの議事録をAIに食べさせておき、何か我々の政策に関して間違った情報が出た時に、目標2時間以内で事実はこうですと公表できるようにします。

 各党がファクトチェック体制を整えれば、本当の政策を有権者にちゃんと見てもらうことができるはずです。短期間の選挙戦の中で、真実ではない情報が流布してしまうような選挙にしてはいけないと思います。

石丸伸二の手法にも学んだ、国民民主のネット戦略全貌 参院選へ独自の新戦略「AIファクトチェック」とは? 【西田亮介の週刊時評@ライブ】国民民主党の伊藤孝恵氏に聞く③(2/4) | JBpress (ジェイビープレス)

政党のファクトチェックというと、大阪維新の会がコロナ期にファクトチェックツイッターアカウントを運用していましたが、政党という当事者が行うものとなると、どうしても客観性のない「反論」の域になってしまい、ファクトチェックという言葉を使うようなものとは違うのではないかな?と思ったりしました。

今回の国民民主党のファクトチェックはどのようなものになるのか気になりますが、個人的には、短期的な成果にはなりづらいのではないかな、と思ったりします。

・・・と、ここまでは今回のブログの前フリというか、導入部分みたいなもので、ここからが今回のブログで私が書きたかったことです。

「国民民主党」という言葉と「ファクトチェック」という言葉の並びを見て、個人的に思ったことがあります。それは国民民主党の榛葉幹事長の発言を少しファクトチェックしたら引っかかる物があるんじゃないの?ということです。

私が榛葉氏の発言の記事を目にするとき、結構な確率でそれどうなの?という発言だったりします。
それは、ファクトレベルでおかしいのでは?という発言だったり、そういうレベルではないがどうなの?という発言だったりします。

今回のブログはその榛葉氏のこれどうなの?という言動について記録しておこうという記事です。

「車検やらないほうがいいよ」「壊れたら修理すればいい」発言

実は車検という制度も作ったのも田中角栄です。

皆さん車持ってる人いるかも知れないけどね、あれ、車検やらないほうがいいよ。捕まるけど。

あれ、なーんで車検やってると思、日本の車壊れるわけじゃない、そんな簡単に。壊れたら修理すればいいんだもんね。

こないだ東南アジア行ったらボロボロだけど日本の車ブンブン走ってるよ。壊れないよそう簡単に。壊れたら直しゃいいんだから。

あれはね、田中角栄が、田舎の道走ってたら、田舎に住んでる人わかると思うけど、轍だけ削れて、真ん中と脇だけぺんぺん草で。車の轍のところだけ削れてるね。

私も記憶あるけどね、田舎はねみんなしてね、何年かに一回修理するんですよ。

ああこれ大変だなって。

で、その轍をみて田中角栄が、なんでこれ削れるんだろう・・・そうだ!って。車が重いから削れるんだって。じゃあ重さに従って税金取ろうって自動車重量税って始まったんだ。

これどうやって取ろうかって。役所が取るのは大変だなって。そうだディーラーの皆さんにとってもらおうって。

ディーラーの皆さんにとってもらえば、税金払ってる感減るよね。

その時のディーラーの皆さんには車を修理してもらって、点検してもらって、その時に税金を取ろうって。

あれは自動車重量税を取る方便として車検が始まったんですよ。

【政策研修会】榛葉幹事長参加!-2025.2.24- 国民民主党 千葉県総支部連合会 – YouTube

この発言について、榛葉氏本人がツイッターで切り取られて喧伝されるのは不本意、車検は必要で、自動車重量税を見直せという趣旨で言った、みたいなことを述べているのですが、明らかにその域を踏み越えた発言だと思うんですよ。「車検やらないほうがいいよ」「壊れたら直せばいい」という発言は。(支持者がそこを省略した形で切り取って擁護しようとしてましたが・・・)

また田中角栄が車検を作った、やら、自動車重量税を取る方便として車検が始まったというのも多分誤りです。

色々と調べると車検制度というものは運輸事業者の取締からスタートしていて、それが自家用車等?に広がっていったという経緯があり、それは田中角栄は関係ない1951年ごろなどに起こった話である、という感じのようです。

車検制度が生まれた歴史背景 | 安くて速い「車検の速太郎」
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特集 車検制度の歴史と自動車検査の意義・役割 JAMA – 一般社団法人日本自動車工業会

自動車重量税が、このすでに行われていた車検制度を利用して徴税する制度として作られたという話であって、自動車重量税のために車検制度が作られたわけではないのです。

沖縄大学リポジトリ
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この車検制度は自動車重量税を取るために存在していて、安全のためには不要であるかのような言及は、私は不適切な言動であると思います。

自動車重量税等の関連税制の見直しや、車検制度の見直しという話はしてもいいと思いますが、流石に「車検やらないほうがいい」「壊れたら修理すればいい」は整備不良事故を増加させる、あり得ない発言でしょう。

「ザイム真理教」発言と上振れした数字の引用

ただ問題が一個あるよ。政治だ。

政治の目的は、この国の懐、つまり財務省の懐を豊かにすることではないんです。

この国の政治の目的は、ここにいる、いや、ここにこれなくても家にいる一人ひとりの、一軒一軒の、家計を豊かにし、所得を豊かにすることが政治の目標なんです。

ところがね、今永田町霞が関には、ある宗教がはびこっててね、ザイム真理教ってんだけど。

やたら税金取るのよ。

この国は4年連続過去最高の税金を取り続けているよ。

去年の昨年同月比で、昨年の今と今年の今と、税収が26%増えてます。

皆さんの給料26%増えてますか?皆さんの小遣い26%増えてますか?年金26%増えてますか?

増えてないんですよ。

目減りしてるのに、この国は国民から税金を26%多く取って、それで喜んでる。

税金は与党の政治家や官僚のものではない。

税金は国民のものです。

だから我々の言ってる積極財政っていうのは、取りすぎた税金を国民に返せってことです。

返してそれをしっかり消費に使ってもらおう、勉学に使ってもらおう、おじいちゃんおばあちゃんの年金の安心安全に変えてもらおうって話です。

国民民主党 榛葉賀津也幹事長 街頭演説「手取りを増やす」衆院選 福岡6区【ノーカット】 – YouTube

まず「ザイム真理教」や「財務省の懐を増やす」なんて財務省陰謀論を焚きつけるような言葉を使うなって話なんですが(いくつかのメディアも平気で使っていることが多少ありうんざりするのですが)、それだけでない問題が、この発言には存在しています。それは(本人がどこまで意図してるかわかりませんが)数字を使った印象操作です。

『前年同月比26%』という26%数字を強調した演説が行われていますが、この数字は異常値である可能性が高い数字なのです。

この数字のもとになったであろう記事を引用します。

財務省は1日、8月の国の一般会計税収が前年同月比で25.8%増の5兆8135億円だったと発表した。所得税は41.5%増の1兆1398億円だった。法人税も6074億円と、132億円の赤字から黒字に転じた。制度改正の影響で還付金が減り、税収の増加につながった。

2022年度にグループ会社の法人税を親会社がまとめて納める制度から、親会社と子会社が支払う「グループ通算制度」に変わった。制度改正の影響で23年8月は法人税を払い過ぎた企業への還付金が生じていた。

24年8月は親子会社間での配当に関わる源泉徴収を不要とする制度改正の影響でも還付金が減った。消費税は3兆1825億円で、前年同月比で8.2%増加した。

8月の税収25.8%増、所得税と法人税の還付金が減少 – 日本経済新聞

まだ決算が出ていないので確定ではないのですが、予算案上の見込みでは、24年度の全体の税収は12.7%増です。

また、日経新聞が載せている前年同月比の数字を、検索で見つかった分だけざっくり見ると、4月1.3%減、6月10.5%増、7月35.6%減、8月25.8%増、9月13.3%増、10月5.3%増、11月11%増、12月4.3%増、25年1月17.4%増、25年2月4.6%増、25年3月15.8%増、というように全体平均より、かなり数字にブレのある月が存在していて、その中の一つが榛葉氏が数字をピックアップした月なのです。

確かに、前年同月比約26%というのは、演説をした時点での最新の数字ではあったのですが、その数字は、日経新聞の記事で触れている通り、前年度に制度変更によって還付金が多々発生していたことが原因で、大きく上振れした数字だったのです。

これを意図して使っていたならば、煽動家と言えるでしょうし、意図せず使ってしまったならば、数字の原因を調べてから、数字を扱う慎重さを持ってもらいたいと思います。

蓮舫氏への言及と自党への言及への対応の差

現在も比例で擁立した候補者の一部が批判されていますが、その批判に対して榛葉氏は以下のような反論をしています。

さらに、榛葉幹事長は
「政党というのは幕の内弁当みたいなもので、いろんな具が入っている」
との例え話を披露した。

「これ食べたら、ちょっとアレルギー体質だからって、それ、食べなきゃいい」

「これまずそうだなと思っても、食べたら栄養があるのもあるし、好き嫌いがある」

「でも、いろんなものが入るから一つの弁当になる」

参院選の比例代表は、政党名でも候補者名でも投票でき、党としての獲得議席を個人名での得票が多い順に割り振る仕組みだ。榛葉幹事長は、選挙区の選挙と違って同じ党でも多くの選択肢があるとして、
「切磋琢磨(せっさたくま)で頑張った順から当選する。評判が悪ければ、その方には札が入らないだけだから、それぞれの良さを生かして頑張ってほしい」
と語った。

国民民主・榛葉賀津也幹事長「政党は幕の内弁当…」 山尾志桜里氏、須藤元気氏の擁立方針に批判が集まり:東京新聞デジタル

「いろんな名前が出ているかのごとく報道があるけれど、私が公党の幹事長として決めて発表することがすべて。今、その過程のプロセスをやたら報道するよね」とチクリ。「決まってもないことをあたかも決まったかのように。ことの分かっていない人が『公認になりそうですよ』とちょっとささやくと、すぐに記事になる」と述べた上で、今の流れを開幕前のプロ野球に例えた。

「プロ野球でも、オープン戦をニュースにして、調子がいいとか悪いとか記事にしても、途中だから。キャンプ中の試合で、オープン戦で評価をしてもしようがない。(本題は)シーズンが始まってからだから」と述べ「我々が正式発表をする人がすべてなので、もうちょっと待ってほしい」「(今浮上している名前以外にも)もっと出しますから」とも訴えた

国民民主・榛葉幹事長がチクリ 参院選“著名候補擁立報道”に「我々の正式発表がすべて」 – 社会 : 日刊スポーツ

このように、「色んな人を擁立するのが政党」みたいな話と、「決定していない人事を報道するのはおかしい」という話で反論していたのです。

これらの反論を見たときに思い出したのは、これらの発言より前の、榛葉氏の立憲民主党蓮舫擁立調整報道への言及です。

榛葉氏は、「立憲の選対委員長ではないけれど、帰ってくるのはウルトラマンと蓮舫さんだけだね。(ウルトラマンは)帰ってきても、3分間しか戦えないんだけれど」と述べた上で「立候補するのは自由だから、蓮舫さんと立憲の判断ではないか」と述べた。

その上で「立憲さんで全国比例ということなら、蓮舫さんならそこそこ(票を)取るでしょうが、そうするとだれかがはじかれる。はじかれるそうな人はつらいね。組織(が支援する比例候補)の人なら余計、つらいのではないか」と指摘した。

「都知事選の時に(蓮舫氏を)相当、ぐっとこらえて応援された組織のみなさんですから。蓮舫さんを都知事にしようと思って頑張った組織のみなさんが、仮に蓮舫さんが当選して、(組織として支援する候補が)はじかれるとすると、かわいそうだが、これは政治だから。立憲さんが決めること。私は見守りたい」とも語った。

蓮舫氏はインスタライブの中で、再び国政に挑戦する可能性に関して「120万を超える人が『蓮舫』と書いてくれた。これでまた国政に戻るというのは私の中では違う」「『渡り鳥』みたいではないか」という内容の発言をしていた。その「渡り鳥」発言についてさらに問われると、榛葉氏は「私は、お酒のサントリーは大好きなんだけど、永田町の『3トリ』はあまり良くないね」と述べ「渡り鳥、風見鶏、人気取り。この3トリはあまり良くない」と、チクリ。「蓮舫さんご自身がおっしゃったんでしょ? ご自身がおっしゃったのなら、(もし出馬するとなれば)ご自身に返ってくるのではないか。そういうのはブーメランと言うらしいけれど」と、皮肉交じりに言及した。

「帰ってくるのはウルトラマンと蓮舫さん」 国民民主・榛葉幹事長、参院選擁立報道に皮肉 – 産経ニュース

自分がされたときは発表していないものを報道するのがおかしいみたいなことを言っていたのに、記者に振られたとはいえ、自身は他党のまだ決まっていない擁立情報に否定的に言及し、更に自党の多数の候補擁立には、評判が悪い人は落選するから安心して、好き嫌いせずいろんな人を擁立するのが政党だ、みたいなことを言いながら、立憲民主党には、他の候補者によって労働組合の人が落ちるのは可哀想だ、みたいなことを言い出すのです。

こんなことを言うということは、可哀想なことにならないように、これまで苦境のときに国民民主党の候補者を支えてくれた労働組合の組織内候補者を落選させないような得票の候補者のみ、国民民主党は擁立しているのでしょうか?正直自党が擁立している候補者にも失礼な言動じゃないか、と、この蓮舫氏への言動を始めてみたときに思いました。

あと、個人的には今の国民民主党に寄ってきてる人たちこそ、風見鶏とかの類のようにみえますし、榛葉氏や玉木氏などの言動には、時折人気取りの匂いを感じます。

おわりに

これ以外にもいくつか気になる言動はありました(宮沢洋一議員を原始猿人バーゴン扱い、立憲共産党発言など)が、ここでは特にひどいと私が思った3つを扱いました。

この粗雑な言動が人気の元なのだとは思いますが、度が過ぎていることが多々あるように私は思います。

この粗雑さがある限り、私は好きじゃないなと思ってしまいます。

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