梅村みずほ氏を処分しても変わらない維新

この記事のアクセス数
19PV
この記事は約6分で読めます。
記事内にアフィリエイトリンク等の広告が含まれています。

梅村みずほ氏が支援団体の発言によってウィシュマ氏に期待を与えたことが死の原因だみたいな質問をして問題視され、その後もその路線を加速させて質問に立ち続けたら維新が法務委員会から外した案件。

梅村みずほ氏にはその後、党員資格停止6ヶ月という処分が下りましたが、処分理由はあくまでも『党のガバナンス』について、党の指示などを無視したことが理由であったものであったようで、発言は不適切としながらもNHK報道で藤田幹事長発言を見るに、言葉遣いなどの問題みたいに言っていて、言い方や組み立てを変えれば許される的な道は塞いでいないように見えました。

上記の打ち消した点についてはMBSのニュースではさらに発言が長く載っていて、明確に言い方以外は問題ではないみたいな認識であることを述べていました。

(日本維新の会・藤田文武幹事長)「支援者の在り方への問題提起は我々党として持っているし、質疑の内容について事実を基にしっかりと論理構成して真実に迫るということは適切な態度だったと思うが、ここは本人も認めているがいわゆる論理構成の未熟さ、感情のセルフコントロールの未熟さからあまりよろしくない質疑になってしまったということは本人も反省しております。その中で途中経過の中でですね、政調会、党役員とのやり取りの中で質疑についての指示、取りやめ等も含めた内容の指示があったにもかかわらず最終的に質問通告については、以前申し上げましたが、政調会に提出されたものと違う内容で質疑が行われて、感情的な最終質疑になり批判をいただいた、党の指示に違う、ガバナンスから逸脱したということについて処分をした」

【速報】維新・梅村みずほ議員を6か月の党員資格停止処分 入管施設で死亡のスリランカ人女性めぐる発言で 梅村氏は発言の撤回や謝罪せず | TBS NEWS DIG

この点については、維新の他の議員の質疑もウィシュマ氏の案件に言及していないだけで路線としては同じであるようにみえる質問をしているということを前回のブログで触れました。

それに関連して、2023/05/30の参院法務委員会での鈴木宗男氏の質問がTwitterで話題になっているのを見たので確認してみました。

参議院 法務委員会 2023年05月30日(火)|PolityLink
2023年05月30日(火)に開催された参議院 法務委員会の国会中継をPolityLinkで見てみよう。

ここで、鈴木宗男氏は「入管は、難民申請に対しては、私は公平に、公正に対応しているというふうに、認識もしていれば、それが事実でないかというふうに思っております」「政府として、何故に改善案を出したか、同時に、各々しかじがで、国民の理解をいただきたいし、この法案に間違いはないんだという、答弁をしてほしい」と明らかに与党に寄り添う質問をして、法務大臣から「今の在留審査も難民認定もですね、きちんとやっているという我々は前提に立っているので、それが違うと言われてしまえば、もうそこから先は議論は平行線にどこまでもいく」という、在留審査や難民認定に問題があると政府は絶対認めないという意味の発言を引き出すようなことしていました。

そんな中で鈴木宗男氏は以下の発言をしました。

あの、トータルで考えてですね、何をもって国益かという観点が私は一番だと思っております。国益なくして私は人権もないと思っております。人権だけ優先してもですね、私は通りません。この点ですね、いやいや、いろいろ考えあってもいいけども、私の考えは私の考えで、信念を持ってですね、あなたの何十倍も政治家がやってきてますから、こう言っているんです。大臣ですね、何かしら人権といえば善だ、すべてが。国益というか、いわばちょっと一歩下がれ、みたいな議論を取らん。私は両方大事だし、両方の考えた上での判断をして、この法案が出ていると、こういうふうに思いますけれども、大臣の認識はいかがでしょう

両方大事と言っていますが結局は(少し整えますが)「国益なくして人権もない」「人権だけ優先しても通らない」「人権といえば全てが善だ、国益はちょっと一歩下がれ、みたいな議論はしない」と述べているわけです。

前回のブログにて触れたのですが、音喜多駿政調会長が、梅村みずほ氏について謝罪した際の参考人質疑にて「人権というのは最重要である反面、受け入れる社会としては、秩序の維持であるとか治安であるとか、国益というと少し語弊があるかもしれませんが、持続可能な受入れ体制を整えていかなければいけないという極めて難しいバランスの中に、法律や制度運用がある」「理想を追求しすぎると、ややもすると社会の秩序が維持できない」という認識を述べていましたが、これと鈴木宗男氏の発言は、言い方が違うだけで似たようなものでしょう。

(ちなみに鈴木宗男氏の質問に対し大臣は苦笑?しながら「国益と人権が対立する概念だとは思っておりません」「大きな意味でですね、国益と人権というものは両立するんじゃないかと思っていますので、うまくやっていかなければならないと思っています」と答弁してました。)

で、この人権より社会秩序という考えだからこそ、入管の体制より支援団体を疑問視することを優先し、その結果梅村みずほ氏のようにウィシュマ氏の案件でも支援団体が影響していると考えるに至るのではないのでしょうか。

という感じでやはり維新は梅村みずほ氏の質問のことは言葉遣いとかそういう問題にしか本当に思っておらず、党内秩序とか、党益をメインに考えた処分なんだろうな、と思いました。

ところで、この鈴木宗男氏の質疑で思い出すことが2つあります。

一つはロシア外交についてです。

鈴木宗男氏は国益のためにウクライナの味方につかずロシア側から仲裁せよみたいなポジション的なことを言っていますが、それを今回の法務委員会での『人権より国益』という趣旨の言動は共通していますよね、明確に。

そもそも論として日本の国益の観点からして、ロシアとウクライナどちらが大事だろうか。北方領土問題があり、漁業交渉があり、肥料の原料、何よりも日本の一番のウィークポイントであるエネルギーの安定供給に、ロシアは日本にとって死活的に大事な国ではないか。

この視点から考えてもロシアを批判、非難して何か得ることがあるだろうか。

1月7日(土) | 鈴木宗男オフィシャルブログ「花に水 人に心」Powered by Ameba

ちなみに、この点について、山本太郎氏が似たようなこと言ってたみたいですが…

参議院 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 2023年05月23日(火)|PolityLink
2023年05月23日(火)に開催された参議院 経済産業委員会、環境委員会連合審査会の国会中継をPolityLinkで見てみよう。

アメリカの言いなりじゃないですか。G7と足並み揃えて、それでロシアから得られるエネルギーというものを諦めるんですか。中立に立つべきです。中立に立った上でロシアからもエネルギーを入れる。それこそが最高の国益にかなうんじゃないですか。原発で失敗をした国が、さらにこの原発を進化させて手を出していく。そのような私はここではやるべきではないと。原発の寿命の延長などを絶対にやってはいけないこと。この5法案を束ねてやること自体が間違いです。原子力の憲法である、この法まで曲げてしまうようなことは許されることではないと申し上げて終わります。

そして、思い出したもう一つの事は、このブログで、何度も触れた『自助・共助・公助』の話です。

自助・共助・公助
「自助・共助・公助」の記事一覧です。

この話で、「自助を一番にしないと」「自助をしないと死ぬよ」「「自助」を飛び越えて、いきなり「公助」を前面に「誰でも助けますよ」と言っていたら、どんな社会になるのでしょうか。(by自民党)」とか言う人は、今回の維新のような『国益や国の秩序がないと人権はない』と言い出すタイプだから、何度も批判してきたのだ、ということを思い出しました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました