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「30000件は民主党政権下で無断で破棄されてました」という誤魔化し

2017/11/06 283views

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この記事の所要時間: 836

民主党福山議員「機密文書が34000件も無断で破棄されてるんですよ」
自民党小野寺防衛大臣「34000件のうち30000件は民主党政権で無断で破棄されてました」

というやりとりがブーメランとして話題になってますが、ただの誤魔化し、質問者を黙らせるだけでなにも解決する気がない言動なのではないかと私には思えるのです。

(小野寺大臣による件数が増えた理由の説明が別な質疑であったようなので、それを下に書きました。これからの記述は推測でしかなかったものなので、小野寺大臣の別な答弁について書いた場所だけを読むことをおすすめします。
【追加情報 2017/11/06】

まず機密文書廃棄は
「保存期間が満了すれば管理者の承認で廃棄することは、自衛隊法施行令や訓令(内規)で定めている」と、説明されたと毎日新聞の記事(http://kenuchka.seesaa.net/article/400334983.html )にあります

この管理者とは「防衛秘密の保護に関する訓令(http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/2007/ax20070427_00037_000.pdf )」を参照すると
(防衛秘密管理者)
第2条 自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号。以下「令」という。)第113条の6の規定により防衛大臣が指名する防衛秘密管理者は、官房長、局長、幕僚長(統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長及び航空幕僚長をいう。以下同じ。)、情報本部長及び装備施設本部等(防衛大学校、防衛医科大学校、防衛研究所、技術研究本部、装備施設本部及び防衛監察本部をいう。以下同じ。)の長並びに地方防衛局長とする。

ということで大臣ではないことがわかります。
つまり大臣にすら無断で廃棄されていたと考えられます。

ここで民主党政権になって外務大臣がある方針を打ち出して大きな動きがあった事を思い出すべきです。

岡田かつや氏は自らのブログにこう書いています

『外務大臣としてまず取り組んだのが、日米密約の解明です。

長年、歴代の総理や外務大臣が「密約はない」と言ってきたわけですが、政権交代を機に、4つの密約について明らかにし、それへの対応も含めてきちんとした結果を出したと思っています。

そして、この密約の問題をきっかけに、外交文書の公開ということを制度化しました。

30年経ったら公開するという一応のルールはありましたが、実際にはそれが行われていませんでした。30年経ったら原則公開するというルールを明確にし、公開しないものは最終的に大臣が判断するということにしました。人員も増やして、外交文書の公開がいまスピードアップして進められているということです。
(http://katsuya.weblogs.jp/blog/2013/11/post-ce00.html )』

民主党政権に至る前の、自民党政権下では大臣も機密を隠す事を擁護する側にいました。
破棄しなくても無いことに出来ていた訳です。

それが政権交代で公開を迫られる可能性が出てきた。
いちいち公開すると色々検証されて混乱が起きると判断し管理者が勝手に積極的に廃棄した。
こうも考えられるのです。

つまり民主党政権時に大量廃棄されたのは、それだけ民主党政権が過去の防衛秘密を公開したくない官僚には脅威だったという印にもなりえるのではないでしょうか?
(一部真相が答弁で語られていたのをツイッターのフォロワーさんが発掘していたので、そういう情報なしに、盛った憶測を語っていた部分は訂正させていただきます。答弁については、この記事の下の方で触れました 2017/11/06)

それをブーメランと単純に処理して終わらせてしまうのは、あまりにも浅はかで、問題を温存することにつながる行為だと私は思うのです。

【追記】
これが民主党の責任逃れみたいに受け取られてますがそうではなくて
『情報公開を迫ると廃棄されてなかったことにされてしまう』という可能性が高いというわけで、しかも公開に消極的だった(きちんとした統率能力を持った大臣がいたはずの)自民党政権下でも4000件はやられていた。

つまりどんな政権下でも情報公開を外部から迫られる限り、それを通達で止めるくらいには問題のある可能性がある資料廃棄は行われる危険性がずっとあり、民主党政権で大臣の方針変換と把握不足、統率不足からよりそれが顕著にあらわれたのだ、という話です。

あまりにも民主党の責任だけ追及する向きばかり目立つので、それだけではないという点を強調しましたが、要するに自民党時代から盲点があってそれが見事に使われたという話だと私は考えていて、その盲点をなくさないで『保管を指示して終わり。もう起こりません大丈夫です』ではいけないだろ、という話です。

これをジミンガーとするならご自由に。

【再追記(2017/07/21)】
これからしばらく経ちましたが小野寺五典氏が「私が防衛相になってからは通達で廃棄を止めている」と述べていたのはどこへやら、結局特定秘密保護法下でも機密文書があっさり廃棄されてしまう状況は変わっておりません。

そのことからも『民主党政権では』というのは誤魔化しでしか無かったことがわかるのではないでしょうか?
そもそも利用されてしまう仕組みをなくさない限りは、どの政権だろうが、機密文書は検証を回避するためにあっさりと廃棄されるのです。
それを、きちんとなくす様々な整備が必要でしょう。

【追加情報 2017/11/06】

過去の議事録をたまたま漁っていたツイッターの相互フォロワーさんであるウタマロさんが、この件について当時、小野寺防衛大臣が別な角度の答弁をしていたのを発掘してツイートしていたので、それを利用させていただきます。

この質問を行っているのは、当時みんなの党に在籍し、その後次世代の党に移るなどウヨ曲折紆余曲折あって、自民党入りした和田政宗議員です。

正直な話、和田政宗議員は、このあとに「特定の政党を攻撃する意図は毛頭ありませんけれども」といいつつ『JR総連やJR東労組には極左暴力集団・革マル派が相当浸透しているJR総連やJR東労組から推薦や献金を受けた民主党議員が民主党政権時代に閣僚となって情報漏えいはしていなかったか?』という内容の質問(答弁は「警察としましては、これまで閣僚などから革マル派等の極左暴力集団に情報が漏えいしたとの情報には接しておりません。」)をしているくらいには、民主党に批判的な言及をよくしている方なので、この質問も民主党政権の失策を提示するアシストとなる可能性すらあったと思います。

しかし、小野寺防衛大臣は、『(廃棄件数の増減について)一概にどの政権がどの政権でということを明確に言えることではありません』という答弁をしています。
つまり、このあとの和田政宗議員の別な質問への答弁で断言しているように、廃棄に対する基準は自民党政権時代と民主党政権時代で変わっていない。
それにも関わらず民主党政権に関わっていた議員がまるで自民党がすべて悪いかのように吹っかけて来たので反論しただけで、実際は自民党も民主党も政権としては同じ事をしていた、つまり同じ問題を抱え続けていたという話だったことになります。
なので必要以上に民主党政権をあげつらうことなく、答弁をしたのでしょう。
(和田政宗議員が、普段の質問からそういう誘導しがちで警戒したのではないか?という疑いもありますし、民主党も同じだったとすることにより、自党の責任を軽くする狙いもあるのかもしれませんが。)

ちなみに、この件数が増えた一理由と言及されている『ウィニー事案』ですが、どういうものかというと、2004年以降、数年に渡り、各自衛隊の隊員が職場に持ち込んだ私物パソコンでWinnyというファイル共有ソフトを利用していた結果、暴露ウイルスに感染するなどが原因で、軍事機密情報を漏えいさせてしまうという事態が何度も発生したことを指しています。

小野寺防衛大臣の答弁によると、この事案を受けて、防衛秘密の内容について精査の上、防衛秘密の文書の数が増えた結果、基準はそのままでも文書の総量が増えたので、結果的に防衛秘密としてそのまま廃棄される文書の量も増えた、という話のようです。

個人的にはそれだけでこの件数の違いを説明できるとは思えませんが、少なくとも、自民党政権と民主党政権では廃棄基準は同じであったというのが、小野寺大臣の見解のようです。

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