これまでに医療現場で受け入れた外国人の定着率は高いとはいいがたい。言葉の壁や、日本社会になじめなかったりしたことが原因とされている。そうしたことを考えると、半世紀前に埼玉県の小さな町で起きたことは、もっと成功例として知られていいと感じる。
「すべては教育の力です」と西蔵さんは言う。「今の外国人医療者の招聘はケアが足りないのです。だから失敗するのです」
「2004年、私が保証人となってチベット人女性2人を日本留学に招きました。昔の私同様、彼女たちにも徹底的に勉強してもらいました。彼女たちは立派な看護師に育ちましたし、正しいやり方だったと思っています」
教育こそが人間を変える。それが丸木氏から学んだ西蔵さんの信念だ。
埼玉の小さな町にダライ・ラマがやってきた理由 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
これ、記事としては教育ということでまとめ上げていますけど、個人的に「教育」という言葉ではまとめられないんじゃないのかな?と思うんですよね。
例えば、西蔵さんが保証人となって受け入れを行っていることからも分かるように、受け入れた丸木氏が社会的に地位のある人間(俗にいう「地域の名士」)で、その人が全面的に身柄を受け入れて、教育を行ったことにより、実質保証人として難民の方の地位向上に寄与した点が大きいのではないでしょうか?
そこを無視して、後ろ盾なしに単に教育だけを施すということになると、技能実習制度もそうなんですが、「外国人」ということによる日本社会的に信用が低く位置付けられてしまいがちな存在を、単に日本人と信用の差があることを無視して、同じ土俵で戦わせる事になってしまい、これまでの失敗よりスキルが有るだけまだマシだけど、日本に定着しないのは変わらないなんてことになり、『人材使い捨て』という批判が止むことは無いのではないでしょうか?
この『(社会の有力者の)後ろ盾』という要素がすっぽり抜けたまま「教育を施せば解決!」みたいなことをベースに制度を構築してしまうと、教育したところでその成果を生かせないまま高学歴ワープアのような存在を増やしてしまうだけであろうに思います。
社会がきちんと後ろ盾を構築することが、様々な格差を是正するために重要だと思います。そしてそれは外国人労働者についても同様だと私は思います。
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