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ViViと自民党2019

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アドセンス広告

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先日、女性誌viviに自民党が応募者プレゼント付きの広告を打ったことで色々と議論がありました。

講談社広報室は「このたびの自民党との広告企画につきましては、ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したいと考えました。政治的な背景や意図はまったくございません。読者の皆様から寄せられておりますご意見は、今後の編集活動に生かしてまいりたいと思います」とコメントした。
 一方、自民党の若者向けイメージ戦略を展開する「#自民党2019」プロジェクト事務局は、取材に「より広く若者などに政治に興味を持ってもらうために始めた。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)なので批判も含めたいろんな声が出ることは想定していた。寄せられたツイートについてはコメントしない」と述べ、予定通り6月21日までキャンペーンを続けるとしている。

ViVi、自民党とのネット広告で批判殺到 「機関誌になったのか」「Tシャツより年金を」 - 毎日新聞

この広告記事自体は、当初公表されていなかったものの。掲載期間というものが決まっていたらしく、現在は削除されています。

この広告記事を巡って、確認しておきたいのは、講談社の『政治的な背景や意図はまったくございません。』というのが、とてつもない間違いであり、場合によっては全くの嘘偽りであるということです。

まず、政治的な背景や意図としては、自民党のお金で作った記事であるという時点で、そのようなものから逃れることは出来ないでしょう。
「自民党には政治的な意図はあるかもしれないが、講談社としては自民党支持を促す意図はない」ということを言いたいのかもしれませんが、それで広告というものを運営していいのなら、詐欺広告も打ち放題ということになるように思いますが、どうなのでしょうか?
(実際、週刊誌だと怪しい広告がいっぱいあるように見受けられるので、そういうものだということなのでしょうね)

また、通常の広告と違って、記事の意図を講談社が説明できるくらいには、記事作成に講談社が関わっているように見受けられます。記事広告は広告を打つ企業側が全部作るか、企業の意図を汲んで雑誌側が作るかのどちらかだと思います。
そのような記事広告にて、政治的な意図があるのかないのかは自民党とViVi編集部がどの程度意思疎通していたのか、意思の共有をしていたのかなどが関わってくると思うのですが、その点については当事者からは材料が出てこなさそうです。

この広告記事がどのような政治的な背景を持っているのか。

まず、自民党がお金を出して『ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供』することにつながったということは、まさに、自民党は若い世代の声を聞く政党だというアピールになるという点があります。

また、上記魚拓を見ていただけるとわかるのですが、ViViGirlの方々の述べている意見は、一部の自民党支持者から「綺麗事」とか言われてしまうような、一部の自民党国会議員からは「愚か者めが!」とか「愚か者の所業」「恥を知りなさい」と言われてしまうような、理想的な世界を思い描くようなもので、自民党の理念とハッキリ一緒かと言われると疑問視せざるを得ないものだったりします。
これも「自分たちと違いそうな意見でも受け入れることができる、幅広い意見を包括する自民党」というイメージを作り上げることにつながるでしょう。

そのような自民党の政治的意図・背景について、どこまで講談社側が把握して、どのように考えて動いていたのか、当事者しかわかりませんが、週刊文春2019年6月27日号に、多少この広告記事の背景がわかる記事が載っておました。

記事のタイトルは「ViVi炎上の裏に甘利明と講談社の“なかよし"」

その記事には、講談社の中堅社員に甘利氏と食事をしたりなどの交流がある人物がいて、その人が甘利氏からの打診を受けて飛びついたということや、漫画村問題などへの対処などで講談社と甘利氏の関係が親密になったことが書かれています。

更に講談社の社内の話として

  • ViViのウェブ版は雑誌と編集長や部員が別で、雑誌側は「とばっちりを受けた」と言っている
  • 講談社側は当初「選挙に行こう」という内容だと聞いていた。
  • 撮影時にTシャツを渡されて初めて内容を知った人もいたぐらいだった。
  • Tシャツプレゼントの応募形式が「#自民党2019」をつけてSNSに投稿するものだということも知らされていなかった。
  • 担当役員は「週刊現代」の編集長を努めた人物で、現在もニュース系雑誌を統括している。
  • 広告料は400万円だった

ということが書かれていました。

一方、自民党側の話としては

  • 今回の話や天野氏の絵などの「#自民党2019」関係は、党の広報は無関係で、甘利氏が独自に進めているもの。
  • 今回の企画は広告代理店電通ではなく「STARBASE」という会社が担当していて、甘利氏のTwitterもこの会社の指南。

このSTARBASEという会社については、この自民党2019の映像作品について制作実績として掲載しているプロダクションのページを見ると確定します。
(全体的に#自民党2019のコンテンツが「音楽やファッションを語るように政治も語り合える未来。そんな新しい価値観」を理解している自民党というイメージを作るためのものだということがよくわかります。)

上記サイトに載っているクリエイティブプロデューサーがSTARBESE社の代表取締役です。

会社のホームページで言う「CREATIVE CONSULTING」の業務がこの「#自民党2019」なのでしょう。
(個人的にはSTARBESE社がレーベル業など音楽関連業務を行っているのが、音楽と政治関連の話題に繋がりそうで興味深いです)

私は、こういうのを見るたびに「与党でいるだけでメリットが有る」ということを強く意識します、
与党でいることにより、有象無象が寄ってきて、ろくでもない人脈からまともな人脈まで勝手に広がっていくということが起こるのです。
よく立場が人を作る、なんてことが言われますが、立場は人脈も作ります。

長年与党でいることにより、自民党にはその「立場が作る人脈」が積み上がっています。

一方で旧民主党政権は3年ちょっとで新たな人脈ができたようには到底思えません。
これは政権内部の統治や自分たちで決めたマニフェストをめぐるアレコレが大半を締めた結果、外部の意見を取り入れる余裕が政権になかったことが大きな要因としてあるように思います。
また、政権外の時期も含め、そもそも民主党系の組織がとても構造が流動的で、どの人がどのポジションで何を決めているのか外から把握しづらいという点も人脈の定着・広がりを一定程度阻害しているように見えます。

そのような様々な要因で積み上がった様々な政治活動原資の格差が、何も規制せず、今後の政治活動や選挙結果にて解消可能かどうか、そのような格差が政治への民意反映を歪めているのではないか?それは許されることなのか?
そのようなことが、広告規制などの姿勢の違いにつながってくる要素のひとつなのだろうと思うのです。

私は、こういうものについては人々の良識に期待して問題を指摘し続けるしか無く、人々に良識がないならどうしようもない、と考えてしまうのですが。

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