【過去の質疑を振り返る】『テロ資金提供処罰法』と『私戦予備及び陰謀罪』

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平成26年10月29日の法務委員会での井出庸生議員の質問です。テロ資金供与処罰法は今国会で改正案が成立した法律ですが、このテロ資金供与処罰法と私戦予備及び陰謀罪の適用範囲がかぶっているのではないか?これはどう違うのか?使い分けができるのか?ということが質問されています。


なぜ、井出庸生議員がこの質問を行っているかというと、この2つの法律が、殆ど前例が存在しない法律であることがあると思います。そういう前例が存在しない状態で、いざと使うという時に、コレはどの法律を適用すればいいんだろう?ということになってしまうといけないので、きちんと整理をしておいたほうがいいのではないか?ということだと思います。


ちなみにテロ資金供与処罰法は『単に国家的な法益を保護するためだけではなくて、社会的な法益を保護するもの(国に対する脅迫ではなく、社会に対する脅迫でも成立する)』
私戦予備及び陰謀罪は『私的に外国に武力を行使することが我が国の国際関係上の地位でありますとか国家の存立を危うくする、だからこれを処罰する』というものです。


で、法定刑は私戦予備及び陰謀罪は『三月以上五年以下の禁錮』テロ資金供与処罰法は『十年以下の懲役から二年以下の懲役までさまざま』となっています。


で、この整理した方がいいのでは?という質問に対して、警察庁刑事局長は『観念的競合を適用すると決めているので、大丈夫。整理できています』という内容の答弁を行っています。
観念的競合というのは『一つの行為が2つ以上の罪名に触れること』を表す言葉で、こうなった場合は、最も法定刑が重い刑で処罰されることになっているというものです。


今回の質疑ではハッキリと2つの罪名に触れていることが前提に展開されていましたが、重要な点はこの井出庸生氏の質問にあるような気がします。

『重なり合うということは、仮にテロ資金提供処罰法改正案が成立をして、それに該当する事件があったときに、その被告人、弁護人が、いや、これはテロ資金の対策の法律の方ではないんだ、そんなつもりはなかった、適用されたとしてもせいぜい私戦予備及び陰謀罪じゃないか、そういうケースというのはこれから想定されてくるということですか。』


要するに、この法律に適合するのか?という争いを一々行わなければなら無くなってしまうのではないか?しかも前例がないのに大丈夫なのか?ということです。この質問に対する答弁は、正直逃げの答弁というか、そういう曖昧な事態はありえないという想定のようでしたので、今後本当に適用する事例が起きてしまった時にどうなるのか、今後頭の片隅にでも置いておこうかなと思います。

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