希望の党で、衆院比例選の供託金返還を巡り、不協和音が生じている。
衆院選敗北で大幅に減る供託金の返却分について、党本部が落選者に優先して配分する方針を示したためだ。
衆院選の供託金は、小選挙区が300万円、比例選は600万円で、重複立候補者は比例分が300万円に減額される。比例選の供託金は、党が負担するのが一般的だが、資金難の希望はいったん立候補者が負担する形をとった。
希望は234人が比例選に出馬し、供託金として約8億円を負担した。返却額は、比例選や重複立候補者の小選挙区の当選者数で決まるが、当選者が50人にとどまる惨敗を喫したため、ほぼ半分の4億円程度しか返却されない見通しだ。
厳しい台所事情の中、立候補者全員に全額返金するのは当面困難なのが実情だ。大島幹事長は2日の両院議員懇談会で、比例選の供託金の返還は落選者を優先し、現職は返還をしばらく見合わせる方針を説明した。これに対し、現職議員の間では「説明が不十分で納得できない」(比例復活の中堅)と不満がくすぶっている。執行部は引き続き理解を求める方針だが、新たな火種となりそうだ。
過去に長谷川豊氏について書いた際に『比例名簿の供託金は、政党が支出していることを前提としているので、候補者自身が出している場合、どういう基準で返還するのかは、窓口となる政党次第、となります。ちなみに、希望の党は比例の供託金も候補者に払わせたようです。』ということを書いていたのですが、読売新聞の報道曰く、それについて揉めそうな気配があるようです。

読売新聞の記事にあるように、比例区の供託金の返還は当選者の数で決まります。
(具体的には多分ブロックごとに「選挙区で当選した重複立候補者数×300万円+比例区議席割り当て数×2×600万円」の額が供託金の最大返還額となります)
つまり、当選した人にとっては、自分の出した供託金が自分の当選によって還ってきている、という小選挙区の供託金と同じような考えをするであろうと思うので、当選した人に供託金を返すことが優先されると考えてもおかしくないように思います。
一方で、政党という組織として考えた場合、当選した人は(離党しない限り)しばらくは党に関わっていくということが想定できるし、議員給与もあるなど返還されなくとも多少耐えられる?一方、落選者は選挙後は選挙事務所の処理や今後の収入の不透明さなどがありますし、今後も希望の党と関係がつながっていくとは限らないので、落選者への返還を優先せざるを得ないのは、仕方ないことだろうと思います。
今回の希望の党のように、返還を前提に比例区の供託金を集めてしまうと、選挙区の供託金のように候補者個人と明確に紐づけされて返還されるわけではないために、全額返金されなかった場合に、政党が不足額を即補填できないと返してもらえない人から不満が出てしまうのです。
比例区の供託金は、事前にどのような基準で返還していくのかを明確に決めた上で集めないと、めんどくさいことになるということが、今回の例で理解しやすいのではないでしょうか?
ちなみに、このような騒動が、資金は自己負担とされる維新界隈から聞こえてこないのは、全額返金されるているからなのか、候補者が納得して黙っているだけなのか、比例の供託金は党が負担しているのか、どれなのでしょうね?
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