今回、FNNの取材で、2016年7月、南スーダンの情勢が悪化した直後に、別の情報開示請求があり、この際、陸上自衛隊の幹部の指示で、日報の存在を隠ぺいしていたことが明らかになった。
複数の関係者の証言によると、「日報」に対する最初の情報公開請求は、2016年7月に首都ジュバで大規模な武力衝突が発生した数日後に受理され、派遣部隊の司令部が置かれている「陸上自衛隊の中央即応集団と、南スーダンの派遣施設部隊との間でやりとりされた全ての文書」の公開を求めるものだった。
中央即応集団の担当者が、「日報」のデータが残っていることを確認して、上司に報告したところ、上司は「バカ正直に出せばいいってもんじゃない」などと叱責(しっせき)し、「日報」を開示しないよう命じたという。
これを受け、担当者は、陸上幕僚監部に「『日報』は、個人保管の資料で、開示すべき行政文書に該当しない」と説明し、陸上幕僚監部も了承したため、2016年9月中旬、「日報」以外の文書だけが請求者に公開された。
こうした経緯は、大臣などに報告されず、陸自の一部が独断で行っていた。
防衛省では、これが「日報隠し」の発端になったとみて、全容解明を急いでいる。
先週月曜日、フジテレビが南スーダンの日報が存在していたのに情報公開請求に、存在しないと嘘をついていた問題について、最初から隠蔽の意図があったとするニュースを流しました。
また、続報として、以下のニュースも打っています
南スーダンPKO(国連平和維持活動)の日報をめぐる問題。2016年7月に申請された情報公開請求に対して、陸上自衛隊が、日報を「非公開」と決めた直後、司令部が現地の部隊に、「日報に『用済み後破棄』と明記せよ」などの指示を出していたことが、FNNの取材でわかった。
複数の関係者によると、陸自の中央即応集団司令部は、2016年8月上旬、日報の保管を把握しながら、「個人保管の資料で、開示すべき行政文書に該当しない」として、公開しないことを決定した。
一方で、この決定の直後、司令部から南スーダン現地の派遣施設隊に対し、日報に、「用済み後破棄」、「閲覧者限定」などの指定を明記するよう指示を出していた。
司令部の幹部自衛官は、この指示と、日報隠蔽(いんぺい)との関係を否定しているが、防衛省は、いきさつをくわしく調べている。
これまで、南スーダン日報問題に関しては、NHKが報じていた情報がまとまった情報としては最新だったように思います。
それらによると、昨年10月の請求に対して、昨年12月に廃棄済みを理由に不開示決定したものの、今年1月に保管していたことが発覚したから制服組(自衛官)は開示を検討。
その検討の際に背広組(防衛官僚)から『今さら、あるとは言えない。』といわれたので、公表することはなく、その後国会答弁などに辻褄を合わせる動きをいくつもしていた、という話でした。
しかし、今回のフジテレビの報道では、そもそもそれ以前に、陸上自衛隊の中で一度、日報に関して一度『なんでも出せばいいものではない』として、非開示にしていた、という話が伝えられています。
やはり最初から隠蔽だったんですね。7月にこの開示請求をしたのも私です。
〈上司に報告したところ、上司は「バカ正直に出せばいいってもんじゃない」などとしっ責し「日報」を開示しないよう命じたという〉日報問題 去年7月に「隠ぺい」指示https://t.co/tdbrp9jMMU
— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) May 29, 2017
そして、その非開示決定に合わせて、日報に『用済み後破棄』と明記されるようになった、ということのようです。
稲田氏は、日報の「用済み後廃棄」という扱いは民主党政権下で南スーダン派遣が始まった当初から変わっていないと説明してきましたが、それを裏付ける証拠は何も提示していません。日報の表紙に「用済み後廃棄」と明記されるようになったのは、私が最初に開示請求を行なった後の去年8月3日からです。 pic.twitter.com/0WBEBtbSmf
— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) May 30, 2017
NHK報道では『陸上自衛隊内部では、保管されているなら『出そう』というスタンスだった。』とまで言われていましたが、そうではなかった可能性が高かったことを示すような情報が流れた、と言う事です。
布施さんはこの報道について、このようにツイッターで感想を述べていました。
問題は、隠蔽の判断が本当に陸自単独のものだったのか、もっとハイレベル(統幕、防衛省幹部、防衛大臣、NSC、官邸、首相)が関与していたのかという点でしょう。特別防衛監査ももう2ヶ月以上やっています。中間報告はいつ出るのでしょうか?
— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) May 29, 2017
「大臣には報告されず陸自の一部が独断で」という部分は、僕も引っかかりました。 https://t.co/8yF80tkOV7
— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) May 29, 2017
これまでの、経緯をまとめると、背広組がストップをかけたらと言う話を『そもそも現場の制服組が勝手にストップかけてたんだ』という話で上書きするような流れなので、そこに違和感や疑問を持つのは当然のことのように思います。
要するに背広組と制服組が責任を押し付けあってリーク合戦してる、という構図なのではないでしょうか?
そう考えると、結局、情報不開示の時点から、面倒な責任は回避するという点のみは一貫しているのが見えてくるわけで、そういう状態のまま、海外派兵などを行ってしまうのは、非常に不安であります。
この不安な状態をいかに解決するかは見えてきませんが、責任を果たす行政に少しでも近づいてくれることを願うばかりです。
(責任とは何か、というところは説くと長くなるので、別の機会に…)
余談ですが、ここまで書いて、個人的には、獣医学部の問題で、官邸(内閣)と文科省が汚れ役をどちらが担うかで綱引きしてたような記録があったのを思い出しました。
多分こういう問題は、現政権下に関わらず、常にあっただろうとは思いますが…
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