須田慎一郎が2月に黒川検事長の定年延長の閣議決定の解説をしているのですが、朝日新聞や野党を揶揄しながらも「官邸の意向」であるという解説をはっきりとしていたようです。
この須田慎一郎氏の発言がなされた飯田浩司氏の番組は、ザ・ボイスやら今回の番組やらろくな人が出演しておらず(青山繁晴、長谷川幸洋、有本香、宮崎哲弥、高橋洋一)、たいてい飯田浩司のコラムがある夕刊フジのような野党揶揄、サヨク揶揄みたいなネタしか流れてこないのですが。(著書も『「反権力」は正義ですか』というタイトルらしいですね。)
で、今回の須田慎一郎の解説。ニッポン放送の書き起こしですから正確でしょうけど、黒川検事長を検事総長にしようとしてる理由についてこう説明してるんです。
法務検察、つまり役所サイドとしては、役所の都合として林さんを推していました。黒川さんは法務省の官房長、そして事務次官という管理畑で、加えて言えば法務省関連の予算や法律を通すにあたって、国会調整・与野党調整をやって来た人です。政治の側に顔を覚えられている人です。そうすると、これからいろいろと法務検察絡みでやって行かなければならないから、官邸サイドとしては林さんより黒川さんがいい。それで決めろとは言っていないのですが、2019年11月中旬くらいに、官邸としてはメッセージを送っていた。法務検察サイドは官邸の意向を踏まえて、黒川さんで行こうということで調整に動き始めたのです
こう堂々と『官邸がメッセージを送っていた』上で『その意向を受けて法務検察は黒川検事長を検事総長にする調整をした』と言っているんです。なのに番組のアナウンサーのまとめはこれです。
新行)すなわち法務検察側の要望があって、それに対して閣議決定したという流れですよね。官邸が介入したわけではないということですね。
この延長の閣議決定自体で介入したわけではない、と言いたいのかもしれないのですが、そもそもこの閣議決定に向かう前の、メッセージを送って法務検察の方向性を変える行為、介入ではないんですか?
法務検察に忖度させてるんじゃないんですか?(忖度しちゃう方もしちゃう方てすが、忖度しなきゃろくでもないことになると学習してしまっているのでしょう。過去の経験で。)
この程度の介入なら検察側が無視できるからセーフ、とかではなく、介入したわけではないとまとめてしまうのは、ミスリードでしかないと思うのですが。
おまけ
ミスリードつながりとして、「検察庁法改正案に抗議します」ハッシュタグの解説を有本香がしていたのですが、見事に誤情報を拡散する結果になっています。

普通に一般人が気持ちを持ってツイートしたというよりも、組織的に大量のハッシュタグ付きのツイートをして、トレンド1位に上げようとした可能性があります。ツイッターをやっていらっしゃらない方からすると、何のことかという感じかもしれませんが、1つのキーワードとしてハッシュタグを付けてツイートすると、それがトレンドというものに上がって、「この話題が注目されている」と盛り上げることができるのです。それを人為的にやったのではないかと言われています。多くの芸能人や文化人の方が、同じハッシュタグ付きのツイートをしたことで、一気にトレンド上位に上がったのですが、その多くが削除されているようです。
実際には「多くが削除」などされておらず、普通にいろんな人がツイート、拡散したことが複数の分析で確認されています。



また、政権と近いのは黒川ではなく、共謀罪で答弁しまくってた林のほうだ、みたいなストーリーを有本香と飯田浩司で作り上げようとしているんですけど、ではなぜそのタイミングで林刑事局長だったかというと、それも官邸が、黒川を共謀罪で事務次官として根回しさせたかったから、みたいに書かれてる記事があるのですが、本当のところどうなんでしょうね…
有本)安倍政権は7年以上になるわけですが、これまで特定秘密保護法など、いろいろな難しい局面がありました。そういうときに、当時の官邸を支えて来たのは黒川さんではないのです。
飯田)確かに私も記憶しているのは、共謀罪と呼ばれた特定秘密保護法、あのときに答弁に立っていた当時の刑事局長が、実はいま取り沙汰されているうちの1人なのですよね。
有本)同志であるという感覚からすると、別の人なのですよ。
官邸側は、黒川氏の危機管理、調整能力を高く評価していた。黒川次官にこだわったのは、長期にわたって政権を支えた「恩」に報いる「処遇」の意味もあったとみられるが、政権を安定的に維持するため、今後も黒川氏をこれまで同様に使いたいとの考えもあった。
安倍政権は、沖縄の辺野古移設訴訟、「国際公約」とされる「共謀罪」法案を抱え、従来にも増して野党や弁護士会などへの法務省のロビーイングを必要としていた。特に、共謀罪法案は野党や弁護士会などの強い反対でこれまでに3度廃案になっており、政権幹部の一人は朝日新聞の取材に対し「共謀罪をやるためにここまで黒川氏を官房長として引っ張ってきた」とも話した。
黒川氏が検事長になってしまうと、検察の独立の面から捜査、公判以外の仕事はできなくなる。法務事務次官ならば、官房長の上司であり、官房長同様、各方面への根回しの仕事を期待できるとの思惑があったとみられる。
官邸の注文で覆った法務事務次官人事 「検事総長人事」に影響も – 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary
ちなみにDappiというアカウントなどが拡散した、Dappiツイートでは4枚目にある、まるで大量のツイートが削除されたかのようなグラフは、作成主自身が誤解を認め撤回してるので、Dappiというアカウントも撤回したほうがいいのではないでしょうか?出典も明らかにせず差も自分作成かのようにパクるとこういうときに情報が混乱するので、他人のグラフを自分のもののように出さずに、引用の場合はネタ元を出しましょうね。

アカウントのホームに行くと、このように削除して、お詫び行脚みたいなツイートしてるのがわかるのですが、全く認知・拡散されておらず、どうも定説として定着しちゃいそうな気配があります。
「NHKはネットを見ない人を騙す気満々」とDappiは書いていますが、狭いインターネットしか見ない人を結果として騙しているDappiは、騙す気は満々なのでしょうか?
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