松下市長と小美濃市議のサブカル問答

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武蔵野市議会だよりを見ていたところ、松下玲子市長の施政方針に対する質問として、以下のものが掲載されていました。

どうも表現の自由に関する質問がなされたようなので、確認してみたら予想以上に面白いものだったので、以下議事録の一部、サブカル問答関連の部分のみ転載します。

http://asp.db-search.com/musashino-c/

(小美濃安弘市議)
次に、市長の考えるサブカルチャーの考え方と、それらにおける表現の自由について、市長の基本的な考えについてお伺いをいたします。
施政方針における、個性かがやく活力あるまちの項目で、市長は、武蔵野市はサブカルチャーの発信地として創造性の高い活動を行っている。アニメなどのコンテンツ産業を振興し、まちのブランドイメージ向上を図ると述べられております。サブカルチャーとは、一般的には、主流文化に対して、一部の集団を担い手とする文化を指す用語であり、副文化または下位文化とも訳されております。日本では特撮、アニメ、アイドルといった趣味を指す場合においても用法が見られるようですが、1980年代ではSF、オカルト、アダルトビデオなどもサブカルチャーとみなされた時期もあり、現在でも特定のマニアにとっての文化というイメージを持っている方が多いのではないかと感じております。
そこで質問をいたします。さまざま調べてみますと、サブカルチャーには明確な定義がないようであります。施政方針で述べられている、市長が考えるサブカルチャーとはどのようなものを指しているのか、見解を求めます。
施政方針では漫画やアニメにも触れられており、武蔵野市の地場産業として発展させるための支援を行うと述べられております。漫画やアニメというと、かつて市長が都議時代、表現の自由などを理由に、東京都青少年健全育成条例の改正に反対をし、メディアなどにも大きく取り上げられたことを思い出します。条例の審査、内容については都議会で既に終わった話なので、今回は触れません。しかし、市内には図書館を初めさまざまな冊子や映像を扱っている施設などがあり、それらに対して表現の自由をどう捉えるのか、市の執行責任者として重大な影響力を持つ市長の考え方をぜひお聞かせいただきたいと思っております。
アニメや漫画には法律や条例に反しない限り、それぞれ表現の自由が保障されており、たとえそれらが過激なものであったとしても、作者、出版社などの権利が不当に規制されるものではありません。かつて市内に住んでいた私の知人も、成人向け雑誌にかかわっておりまして、そういった分野の漫画家の集まりに私も顔を出させていただいたことがあります。そしてその業界独特の苦労話、例えば表現の自由とさまざまな規制などの話も聞かせてもらったことがあります。こうした成人漫画などもサブカルチャーの一つだと考えておりますし、特定のマニアにとってはまさしく文化の一つなのだろうと想像はしております。
一方、いかにサブカルチャーとはいえ、成人向けの漫画やアニメなどを容易に青少年が手にできる環境には抵抗感があるという意見も多々聞くところであります。都では、漫画、アニメ、その他の画像──これは実写を除くそうでありますが──で、青少年の性に関する健全な判断能力を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるものを不健全図書に指定し、書店などで18歳未満の青少年に販売することを禁止、また、青少年が容易に閲覧できないように、一般図書と区分して陳列することが義務づけられております。その結果かもしれませんが、最近、コンビニで成人雑誌を立ち読みしている中学生を余り見かけなくなったように思っております。
松下市長の過去の発言などを拝見いたしますと、規制はできるだけしないほうがよいという趣旨のものが多かったように感じております。例えば、過激な表現も含め、漫画、アニメ、ゲームの表現の自由を守ることについてというアンケートの問いに対して、規制は少ないほうがよいとも述べられておりました。そこで質問をいたします。都が指定した不健全図書を18歳未満の青少年に販売することを規制・禁止することや区分陳列することに対して、表現の自由の観点からどのように考えておりますか。見解を求めます。また、図書館やヒューマンあいなど市内施設の蔵書の中には、いわゆるサブカルチャー的なものも含まれていると思っております。そういったものに対する制約のあり方についてはどのように考えますか。見解を求めます。

(松下玲子市長)
続きまして、サブカルチャーについて御質問がございました。サブカルチャーはどのようなものを指すのかということでございます。こちらも小美濃議員が御説明していたとおり、サブカルチャーの定義というのは非常に広く、人によってもさまざまであると考えておりますが、私自身、サブカルチャーを定義する中では、やはりこれは漫画やアニメ、また同人誌や二次制作物といったものも含んで、要は、JANコードとかをつけずにサークル同士で販売をしていたりするようなものも含めた、漫画やアニメへのオマージュ作品といいますか、そうした文化をサブカルチャーと呼んでおります。
続きまして、表現の自由の観点から、区分陳列や都条例をどう考えているのかとの御質問でございますが、こちらは大前提として、私自身、区分陳列は必要であると考えておりますし、都条例の必要性も感じております。ただしそれは、憲法に保障もされている表現の自由というのは、これは制作の段階であり、作者や制作者が表現の自由が保障されているということと、子どもが容易に手にとれる場所にあるべきではないというのは、これは別の問題であると考えております。なので、区分陳列は必要である、そして、その作品の制約のあり方への見解はとの御質問もございましたが、これは容易に手にとれる場所に置くべきではないという意味での制約は必要であると考えております

(小美濃市議)
サブカルチャーについてはわかりました。私も今回サブカルチャーについていろいろ調べさせていただいて、大変いい勉強になりました。吉祥寺でもアニメフェスタなどやると、コスプレの皆さんが吉祥寺駅周辺をにぎわしていただいて、大変ニュースにも取り上げていただいていい感じだなと思っておりますけれども、ここでいう、施政方針にも書かれておりますが、いいのですよ、一応イメージだけ、結局ああいう総合的なサブカルチャーを推進して武蔵野市のブランドとされたいのかということをもう一回だけお伺いしたいと思います。ブランドというイメージが私はよくわからなかったので、施政方針にブランドづくりとか書いてありましたよね、それをよろしくお願いしたいと思います。
それと、区分陳列について明快な答弁をいただいたので、よかったと思います。というか、私も保護司とかもやらせていただきまして、いろいろな青少年とつき合うのですけれども、昔は確かにコンビニで立ち読みが多かったのです。だんだん減ってきて、これもあのおかげかなとも思っております。さっきお伺いしたのは、表現の自由の中に知る権利というのも入っていますよね。この知る権利についてどうなのかなということで思っておりました。しかし、区分陳列は賛成だというお話を伺いましたので、その件については結構でございます。

(松下市長)
続きましては、サブカルチャーの、小美濃議員がサブカルチャーにも御関心をお持ちいただいて、いろいろお調べいただいたとのことは私も大変うれしく思っております。まちのブランドイメージ向上と私が施政方針でも述べたのは、サブカルチャーの発信地としても創造性の高い活動、小美濃議員からも御紹介があったようなアニメのフェアだったり、来街者のコスプレだったり、そういうものも含めてですが、サブカルチャーイコールまちのブランドイメージというよりも、サブカルチャーも含めてさまざまなコンテンツというものがございますので、そうしたコンテンツ産業を市として振興して、発展をさせていくことで武蔵野市としてのまちのブランドイメージの向上を図っていきたいと考えております。

(小美濃市議)
また、サブカルチャー、本当にいろいろな幅があると思います。私も実は結構、大好きというか、漫画も自分自身も昔書いておりましたし、(「そうなの」と呼ぶ者あり)ええ、今度お見せします。漫画のコミックスも400冊以上ありますし、セル画なんかも集めておりましたので、そういう意味では相当オタクかもしれません。しかし、既にそういう文化は、私はもう日本の中ではサブカルチャーとは呼ばないで、相当メーンカルチャーになってきているのだろうな、そんなふうに思っておりまして、サブカルチャーという言葉がひとり歩きしないように今後はぜひ御注意というか、今わかりましたので、よろしくお願いしたいな、そんなふうに思っております。

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