「公明抜きで、単独で勝負するいい機会ではないか」(首相)
「虫がよすぎる。公明にもっと強い態度に出たほうがいい」(閣僚経験者)
「もはや都議会レベルの話ではない」(首相周辺)。
「都議会自民党にハッパをかけたのだろうが、公明党をけん制する意味もあるのではないか」(ベテラン議員)
「自民党の選挙と言えば公明党頼りのように皆が言う。今までにない選挙をやる」(二階)
数ヶ月前にはこんな強気発言も出ていた都議選。
思えば、この時点で自民党が第一党から落ちることは確定していたのかもしれません。
誰が出馬しているのかを見て、公示直後に予測したのは以下の数字でした。
数字を改めて確認して思うことは『都民ファーストを弱く見すぎていたのだなぁ』ということです。
その後に出た世論調査を見ても『都民ファースト40前半、自民党30後半かなぁ』なんて考えていたのですが、甘かったですね。
ここからは、各勢力ごとに感想を書いていきます。
都民ファースト&無所属(都民ファースト推薦) 49+6議席
お見事としか言えない結果でした。
事前予想はベストでも47だったのですが、結果としては、50人に公認を出して、そのうち49人が当選。
唯一落選したのが土地の事情などで現職超有利な島部だけというえげつない結果になりました。
個人的には、共倒れする選挙区がいくつかあるのではないか?と思ったのですが、結果論としてはむしろもう一人立てても行けた場所がいくつかある感じでした。(世田谷、練馬、大田、町田など。)
『得票を読んで適正人数を立てる事』が重要になってくる中選挙区制では、組織として人数調整が出来るところが一番ベストな結果を出せるのですが、そういう部分がうまく行っていたというより、それを吹っ飛ばす勢いだったのでしょう。
ほんと、舐めてました。
公明党 23議席
ここもお見事としか言えない結果でした。
予想通りのきれいな全員当選、しかも必要以上の票がない状態です。
先程『組織として人数調整が出来るところが一番ベストな結果を出せる』と書きましたが、公明党がまさにそれが出来ている政党です。
(支持者住民の数の調整なんて噂もありますが…)
自民党 23議席
事前予想でワーストの結果として記述した23議席が実際の結果になってしまいました。
第一党と第二党で分け合う結果になりがちな定数2の選挙区でも小池与党に独占されてしまう選挙区が複数存在したり、定数3の選挙区でも共産党などに競り負けるくらいには劣勢でした。
しかも、現職が57人も存在した結果、定数3以上の選挙区で自民党現職同士で足を引っ張り合う状態になり、組織としても崩壊状態になってしまっていたようでした。
(一番票差が少なかった最下位当選者と次点者の戦いが定数3の墨田区で自民党同士が争った形【103票差】でした。『東京都議会議員選挙 惜敗ランキング』)
こういう点は中選挙区制の悪い点に引っかかってしまっている感じでもありました。
というわけで、国政での劣勢もありましたが、それはダメ押しであり、そもそも東京都の自民党が脆い状態になっていた、というのが実際のようです。
個人的には、こんなに議席が少なくなったのに、あの都議会ヤジ事件で名前が出て離党したはずの鈴木章浩都議や七生養護学校事件などを引き起こしている極右といえる古賀俊昭都議が通ってしまっている状態なのが非常に恐ろしいと思います。
(この古賀俊昭都議の応援に小泉進次郎氏が送られていたのが『どうなってんの?』と思ったのも思い出)
民進党 5議席
事前予想ではベター5議席としていましたが、これは大分大甘に見たつもりでしたが、結果としてその通りになってびっくりしています。
実際、民進党は戦う前に都議や公認候補が大量離党していくという不戦敗状態だったのですから。
しかも選挙戦も個々で戦っている様子で、統一した方針もなさそうで、今回当選した人は、凄い自力があったり、選挙区内に素晴らしい区議や市議さんがいるのではないでしょうか?(個人的に練馬区の結果が不思議なので、なにが有ったのか知りたいです)
で、党としてこの不戦敗状態を招いたことをどう総括し、どう動いていくのかが注目点でしょうか。
正直言うと、離脱した時点で責任を問えなかった時点で、責任を問うタイミングを失ってしまっているように思います。
とりあえず松原仁都連会長は辞任するようですが・・・
共産党 19議席
民進党が不戦敗になった結果、見事に反自民の左派の受け皿になったのでしょうか、予想以上に伸びました。
小池都知事が豊洲を使う方向に動いたことで、豊洲を不安視する人たちの受け皿にもなったようです。
良くも悪くも変わらないことが強みになったパターンのようです。
日本維新の会 1議席
取るだろうと予想していた意地の現職1議席を大田区で保持しましたが、そもそもそれ以外の擁立がまともに出来ない状態で、民進党と同じく不戦敗という感じでした。
昨年末には20人以上の擁立を目標にしながら、似たような勢力と外部からは見える都民ファーストに飲み込まれ、結果7人の公認にとどまり、更に3人の新人が出馬をし4人のみの立候補になるという状態ですし。
ただ、結局は負ける候補者を減らしたことで効率よく当選可能性の一番高い現職に資源の投入を絞ることが出来たのかもしれません。
『日本維新の会らしい選択と集中で、効率の良い選挙戦が出来た』なんて開き直ってもいいのかもしれませんね。
もしくは、渡辺喜美にヘイトをぶつけ続ける感じでしょうか?
生活者ネットワーク 1議席
支持者や外部の人から散々疑問や批判を受けながら、結果的にはその対象であった都民ファーストとの選挙協力を行った北多摩第二選挙区で自民党の候補者に競り勝ち、なんとか一議席を確保しました。
他に世田谷で約三〇〇〇票差で次点となったものの、それ以外ではほぼノーチャンス。
民進党と擁立などの調整ができればなんとかなるのかもしれませんが、民進党と統一した協力が(民進党都連が意思統一困難そうで)できそうもない以上、生き残りは困難なのだろうな、と思いました。
社民党 0議席
世田谷区で1人擁立するも落選。
取り付く島もない感じというか・・・
地方議員ゼロの会 0議席
お疲れ様でした。
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