いくらなんでもテキトーすぎないか高橋洋一

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たまたま見つけた高橋洋一氏の衆院補欠選挙東京15区の予想?がめちゃくちゃだったのでブログに。

【日本の解き方】衆院東京15区補選、高橋洋一氏が大胆予測 無所属で出馬の乙武氏、基礎票取り崩す懸念 自民が負ければ「岸田降ろし」開始も(1/3ページ)
衆院東京15区補選は、島根1区、長崎3区とともに16日告示、28日に投開票される。告示前の気の早い話だが、現時点での予測について私見を書こう。

まず、『本コラムでは、政治資金の還流(キックバック)問題は、岸田文雄政権が仕掛けた安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)潰しであるという立場』という認識の時点で色々とおかしい気がするが…。

選挙戦の行方を予測するのは現段階では困難であるが、あえて大胆な前提でやってみた。有権者数43万人で投票率6割、25万票の争奪戦となる。

大胆な前提と書いているが、大胆な前提どころか、現実を何も考慮していないあり得ない前提としか言いようがありません。

今回の補欠選挙に関して、関心等に関する報道が行われるとき、様々な報道機関が、このような文言をテンプレとして書いています。

補選は、全国一斉で行われる通常選よりも投票率が下がる傾向がある

衆院選挙で全国屈指の高投票率誇る島根県、きょう投開票の1区補選は関心低下で6割切るか : 読売新聞

補選は、全国一斉に行われる総選挙よりも投票率が下がる傾向にある。

衆院補選 「保守王国」島根でも政治不信か、過去の衆院選は高い投票率 – 産経ニュース

そもそも補選は投票率が下がる傾向にある。

衆院長崎3区補選 薄い関心、どうなる投票率 自民不在、連休中…「30%台」の声も – 長崎新聞

このように補欠選挙というのは投票率が下がるのが定説なのです。それを考慮せず、しかも直近3回の衆院選でも到達していない高投票率と言える60%(56.03→55.59→58.73)を前提に置くのはあまりにも粗雑ではないでしょうか。(投票率も組織票の比率などに影響し、各党の得票の仕方の想定に関わるはずですが…)

乙武氏の基礎票は昨年区長選の得票率から10万票程度だろう。しかし、収賄などで有罪判決が出ている元職の秋元氏に3万票食われ、公明党支持者から2万票が逃げると5万票となる。

すべての数字の根拠がよくわかりません。

乙武氏の基礎票として『区長選の得票率から10万票程度』と書いていますが、区長選の候補者は乙武氏ではありませんし、首長選挙と国政選挙の得票を同一視するのは細かい前提を置くなどの検討が必要なのではないでしょうか。

また、区長選の都民ファーストの会推薦候補(自民・公明・国民民主・都民ファースト推薦)の得票は「投票率 39.20% 57,029票 得票率35.0%なのですが、これがどう計算したら投票率60%だと10万票程度になるのでしょうか…(25万の35%は8万7500となる)

また、高橋洋一氏本人がこの文章の前に書いているように『その結果、乙武洋匡氏が無所属で出馬し、自民党は支援を検討することとなった。昨年12月の東京・江東区長選では、これに公明党と国民民主党が乗ったが、今回は乙武氏の過去の女性問題などもあって未知数だ。』と書いています(この高橋洋一氏のコラムが書かれた時点では、多分国民民主が自民とへ相乗りしない。自民推薦なら国民民主は乗らないと言ってた頃でしょう)。なのに公明党分と秋元司分を引き算しつつ、国民民主党分を引き算しないのはよくわかりません。

ちなみに、直近国政選挙2つ(2021衆院選・2022参院選)での江東区内での比例代表での投票結果は以下の通りです。

政党名得票数得票率
自民7781731.96%
立憲40763.74316.74%
維新3972916.32%
公明2902211.92%
共産241599.92%
れいわ110854.55%
国民10696.2564.39%
NHK39641.63%
社民28451.17%
日本第一25241.04%
やまと4540.19%
コロナ3960.16%
2021年衆院選 江東区比例得票
政党名得票数得票率
自民76517.82831.92%
維新38121.4815.90%
公明25411.79510.60%
立憲25105.87410.47%
共産20997.6428.76%
国民民主16130.1926.73%
れいわ13373.465.58%
NHK7839.6473.27%
参政74513.11%
社民5873.0272.45%
ごぼう951.0490.40%
日本第一9470.40%
幸福実現5520.23%
くにもり3310.14%
新風960.04%
2022年参院選 江東区比例得票

このように、政党の支持者を勘案するならば、直近の比例票を見ても国民民主分としても一万票はあるはずですので推薦で揉めてる段階ではそれを考慮すべきですし、『公明党支持者から2万票が逃げる』というのもなんの数字なのかよくわからないとしか言えない気がします。

また、秋元司に3万票というのも根拠が分かりません。『2017秋元票−2021柿沢票』だったとしても約2万5千程度ですし(しかも2021は自民党は柿沢と今村で分裂していたので…)3万の根拠は正直見当たらない気がします。

酒井氏は、共産党と一本化して、基礎票は昨年区長選から6万票程度だが、須藤氏に2万票食われると4万票となる。

酒井氏の票も区長選から導くならば、得票率21%なので5万強ではないでしょうか。一方、『須藤氏に2万票食われる』の根拠はなにもなさそうです。(実際の結果は、本来立憲などの野党に入れていた無党派層は須藤氏に流れた可能性はありますが、立憲支持層などは須藤氏にはインパクトがあるほどは流れず、自民党支持層が須藤氏に多数入れたようでした)

衆議院東京15区補欠選挙2024年 開票結果や投票率は 投開票4月28日 | NHK
【NHK】衆議院東京15区の補欠選挙は、前の法務副大臣が公職選挙法違反の罪に問われ、衆議院議員を辞職したことに伴う選挙です。過去最多となる9人が立候補し、立憲民主党の新人の酒井菜摘氏が初めての当選を果たしました。NHKの出口調査の結果や投票...

前述のように秋元氏が3万票、須藤氏が2万票とすると、残り11万票を金澤氏、吉川氏、飯山氏で分けることとなる。吉川氏が1万~3万票とみれば、金澤氏が4万~5万票、飯山氏が4万~5万票と考えられる。

もちろんこれらの数字も根拠は触れられていないのですが、参政党の吉川氏が最大三万というのは本当にどう考えたらそうなるのでしょうか?

また、なんとなくなんですが、維新の金沢氏と日本保守党の飯山氏の得票計算が「最後だから残り全部持ってきな!」方式にしか見えないのですが…。

この無根拠予測と実際の結果は以下の通りです。

高橋洋一実際の結果
投票率60%40.70%
酒井菜摘4000049476
金澤結衣40000〜5000028461
吉川里奈10000〜300008639
飯山陽40000〜5000024264
乙武洋匡5000019655
秋元司300008061
須藤元気2000029669
根本良輔1110

ちなみにこの予想はjcastでの連載でも使っていました。

東京15区は有権者数43万、投票率6割で25万票。乙武氏、酒井氏、金澤氏、飯山氏は4~5万程度で横一線の団子レースではないか。

(2/2)高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 混戦!東京15区補選、小池氏元側近の「爆弾告発」が与える影響: J-CAST ニュース

それ以外の諸々も見たうえでなんですが、飯山あかりに甘めの評価を下すバイアスがあるようなきがします。(正直「最後だから残り全部持ってきな!」方式も飯山陽氏[と大阪市特別顧問をしていたりと関係が近い維新の候補者]の票を多く見積もるための辻褄合わせのような気がしていますが、根拠がないので小さく書いときます…)

勢いってなんですかね…?

で、少し調べると高橋洋一氏は日本保守党に対し結構高評価で、日本保守党の書籍に応援メッセージも寄せているらしいのです。

高橋洋一氏って学者や評論家じゃないんですか?

北村晴男弁護士、武田邦彦氏、茂木健一郎氏、川渕三郎氏、ほんこん氏,高橋洋一氏、島田洋一教授等々多くの著名人の言葉も添えられていてよく理解できました。

Amazonのレビュー: 日本保守党をよく理解できる

まさか、このようなバイアスが予測の中身を歪めたのでしょうか。

しかし、このような粗雑な数字を組み立てる人が『数量政策学者』という肩書を名乗っていたり『データと確率を駆使し、数学的思考で物事を冷徹に分析している髙橋洋一先生』なんて言われてて大丈夫なんですかね?(ところで数量政策学者ってなんなんですかね?)


ちなみにこのブログの内容とは関係ないですが、飯山氏が飯山氏の名前がなかった読売新聞の情勢調査に対していじめだとか、嫌いだから外したんだ、情報をコントロールしているんだと言っていたのに呆れました。(ちなみに飯山氏は調査してるなら数字をそのまま出せば良いみたいなことを言っていましたが、多分それ違法です)

野党や諸派、無所属候補9人が立候補した東京15区(東京都江東区)では、立民の酒井菜摘氏が一歩リードし、維新の金沢結衣氏(教育無償化を実現する会推薦)、無所属の須藤元気氏、無所属の乙武洋匡氏(国民民主党推薦)が続いている。酒井氏は立民支持層の7割を固めた。無党派層は4割強が態度を決めていない。

衆議院3補欠選挙、立憲民主は全てで優勢…読売情勢調査 : 読売新聞

公職選挙法逐条解説によると、「公職に就くべき者を予想する人気投票」に類似するものとして、新聞社等の行う世論調査があるが、たとえ名目は世論調査であっても、その調査方式が投票の方法によるものであれば、その経過又は結果を公表することは本条違反となる。しかし、調査員が被調査者に面接したり、架電して口頭回答を得るような方法で調査をした場合は、ここにいう「人気投票」には当たらない、としています。

選挙期間中の情勢調査の公表記事に関する質問主意書

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