興味乱舞に引きこもれず

全記事数:606件

権利保護の緊縮削減に反対するブログ

国家戦略

日本獣医師会と山本幸三大臣の面会から考える加計学園の話

 58views

アドセンス広告

この記事の所要時間: 727

日本獣医師会の蔵内勇夫会長は20日、獣医学部の新設計画をめぐり、2016年11月、日本獣医師会を訪れた山本地方創生担当相が、獣医学部を新設する候補地について、「四国」だけでなく、「京都」も挙げていたと述べた。
さらに、「獣医師会側が1校に絞るよう求めた」と述べ、その時期は、山本地方創生担当相の訪問のあとだったことを明らかにした。
日本獣医師会・蔵内会長は、「山本大臣から報告を受けたあとに、われわれとしては、1校に絞ってほしいという要請をした」と述べた。

獣医師会長 山本大臣発言追認

山本大臣は、加計学園が特区の事業者に認定される2カ月前の2016年11月、日本獣医師連盟の幹部と面会した。
連盟側が作成した記録には、大臣が加計学園の名を挙げて、「四国に新設することになった」、「放っておくと、京都なども続いてしまう」と発言したと記されていて、連盟側は「1校限り」を選定条件に加えるよう要請したという。
山本地方創生相は「四国・今治ばかりと言っているが、京都だって追加であり得るんですよという話を、そういう状況を受けてした」と述べた。
山本大臣は、閣議後の会見で、京都での学部新設は「追加」であり得るという趣旨の発言だったと述べた。

加計問題「放っておくと京都なども続く」

「四国・今治ばかりと言っているが、京都だって追加であり得るんですよという話を、そういう状況を受けてした」と言ってますが、やはり以前から四国今治ばかり、と言われていたようで、それを否定したかったと言っているようです。
しかし、わざわざ『京都が続く』と言っても、国家戦略特区ワーキンググループの原氏が、参考人として国会で『最後の2ヶ月以外実質加計学園1校のみだった。』と述べていたり、ワーキンググループの八田氏は京都の計画が断念した際に『結果的に十分な熟度を伴った提案ではなかったことが判明し、大変残念です。』などと言い放っていたわけで、遅れてきた十分な熟度を伴わない京都の計画をわざわざ持ち出すのは、あまりにも言い訳にすぎるのではないでしょうか。

(八田氏はそれと同時に『京都府・京都産業大学からは昨年10月に具体的な提案がなされており、二校目の最有力候補と考えていました。』『京都産業大学が昨年提案を行った際、今治市が先行して提案を行っていることは認識されていたはずであり、今治市と京都府の獣医学部が両立することを前提に提案されていたはずです。』としていますが、京都産業大学は記者会見にて『獣医学部を持つ大学は、日本で16校ぐらいしかない。教員も六百数十人しかいない。国際水準の獣医教育をしようとすると、教員72人が必要とされているので、一般的には難しいのではないか。』と述べていて、その知識を元に2校同時に新規獣医学部立ち上げはできない事を前提に動いていたようにしか思えません。それを『十分な熟度を伴った提案ではなかった』と見るのか『そもそも国家戦略特区ワーキンググループの前提が非現実的』と見るのかは、各々あるでしょうが、個人的には『要請がなくとも前提条件的に1校に限られてるじゃん』と思うのですが。それと、やはりワーキンググループの見解は一校目は加計ありきでなにがおかしい?というものなのですね。)

しかも、最終的に開学30年4月と区切ったために、後から準備を始めた京都案を実現できないものに国家戦略特区の方針を定めたのです。
この開学期日は、国家戦略特区の全体的な方針としてスピード感を大事にしているから定めたものであるわけで、要するに最初っから京都案は国家戦略特区の方針に沿わないため実現不可能だったのではないか?と言わざるを得ないのです。

(ちなみに『最後の2ヶ月以外実質加計学園1校のみだった。』と述べていましたが、その最後の二ヶ月に入る直前に、加計学園がボーリング調査を開始しているのは注目に値するかもしれません。)

一方で、京都が続く可能性を述べたことで、獣医師会を動かしたわけです。
以前、私はブログにて『この『一校のみ』が存在しなくても京都産業大学(など)はその段階では条件を満たせないため、加計学園のみが成立するような形にされていたわけで、獣医師会からの要請は内閣府の都合のいい言い訳材料(と、獣医師会が妥協するための材料)になっただけなのではないか?』と述べましたが、この言動も獣医師会の動きを誘導したのではないか?と思ってしまいます。

行政(内閣)の意図で加計学園ありきになったという印象を払拭するために、『獣医師会が要請した』という言い訳を用意したのではないか?ということです。

また、加計学園は開学を間に合わせるために事前準備を開始してるのでその他の学園を入れ込むことはできない。
しかも、他校を同時に認めると、一校あたりの定員を減らさないといけなくなったり、貴重な教員を取り合うことになり(京都産業大学は教員の確保が困難なので断念)、教育の質の低下が懸念されるなどの弊害があったわけです。

なので、本来は募集時点で開学を区切らないことで、計画が未熟でも将来性などをきちんと審査することが必要だったのにもかかわらず、開学を区切りスピード重視したことにより、事前にすでに計画がある程度形になっていた加計学園に準備をさせるため色々とやらざるを得なくなった、それが前川元事務次官が述べている意味での『加計学園ありき』の実態なのではないでしょうか。

ただし、山本幸三国家戦略担当大臣は、『国家試験を突破しさえすれば、そこから先は多ければ多いほど国民にとっていいと思っている。経済の原理でいうと、現在は高止まりしていると思うので、一定数担保した国家試験を突破した人がどんどん出てくれば、均衡価格まで調整されるだろう。』と述べているので、教育の質なんて『資格試験でコントロールすればいい』くらいしか考えてなさそうですし、ワーキンググループの八田氏も『質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなくて、おそらく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、あまり競争力がないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。』と教育の質については非現実的な考えしか考えて無いようですが。

ちなみに前川氏は参考人質疑にて『大学の学部を新設するとなると一定期間が必要。設置認可の審査プロセスは1年間あればできるが、それ以前に文科省では申請予定者と打ち合わせして、どのような指導が必要か、条件が必要かを相談するのが常。それがなければ1年で新設は難しい。獣医学部は申請ができない建前になっていることから、十分な相談はできない。昨年10月から相談するならば、30年4月に開学は難しいという認識を持っていた。』と解説していまして、それに関しては参考になるツイッターでの記述もありました。

要するに、設置審査の時点で不認可にすることは事実上不可能に近い話なので、設置審査の前のプロセスが必要かつ重要なのに、それが特区を挟んだことによりすっ飛ばされているという話なのです。

つまり特区のプロセスに載った時点でシードのような形で設置審査に移行できるわけなので、特区認定までの流れが重要なわけです。

ちなみにその特区でのプロセスについて菅官房長官が以下のようにのべています。

「教員や用地、建物の確保や開学時期のめどがつかなければ特区認定の要件を満たすことは困難で、準備期間が足りないという以前に物事の順序が逆ではないか」

京産大は「物事の順序逆」=菅長官

事前準備していないと特区認定されない、ということのようです。

早めの事前準備するには認可の担保が必要だったりするにもかかわらず、その事前準備がないと特区認定されず、設置審査にも進めなかったわけです。

ここらへんを考慮するに、特区のメニューにあったのが設置審査の前にサポートが必要な新規学部の設置であることから、『ありき』のサポートを受けられる形にせざるを得なかったのが『行政を歪める』形になったのてはないか?ということなのでしょう。

要するに国家戦略特区制度が開学時期を区切る前提である限り、学校開学を国家戦略特区で緩和するのは、結果として行政の手続きを歪めるのに、それに関してほとんど閣僚が無関心なのはなぜだ?というのが、今回の前川事務次官のしかけた話の本質なのだと思います。

関連記事&アドセンス広告

-国家戦略
-, , , , ,