先日のwork with prideの閉会の挨拶で馳浩議員が、稲田朋美防衛大臣がLGBTフレンドリーになったのは、米国の慰安婦像撤去を求める運動を手伝ったのがLGBT当事者で、この問題を人権問題だと考えるようになったと話すのを聞いて、なるほど政治とはそういうものかと思いました。
— Masa Yanagisawa (@nw3masa) 2016年10月27日
又聞きの又聞きツイートなんで、内容がどこまで正しいのか不明ですが、なんと稲田朋美氏がLGBTに興味をもったきっかけは『慰安婦増撤去運動をLGBT当事者が手伝ってくれたから』だそうです。
これ、色んな意味で問題だらけなんですよね。
まず、この話が出た場所。馳浩議員が話したとされている場所って『企業のLGBTなどの性的マイノリティ(以下、「LGBT」という)に関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」を策定』している団体の会合のことだとおもうんですよね。(ニュースにもなっているこの表彰式かと 性的少数者が働きやすい会社は? 国内初82社を格付け:朝日新聞デジタル)
ここで堂々と慰安婦像撤去の話をするというのは、どう考えてもLGBT問題と慰安婦問題を分断する動きでしか無いと思うんです。
そういう方面で貢献したら、お前らの要望を叶えてやるよ、という促しでしか無いと思うんです。
で、こうして分断できることに稲田朋美氏が気づいたのが慰安婦像撤去運動だったということなんでしょう。
実際、LGBT当事者にもそういう思想の持ち主は当然いるでしょう。普通の人間なんですから。実際そういう人に類似してるっぽい感じのBlogを見つけました。
ただ、今回の動きで気になることは、そういう人って政府からの支援・対策を何も望んでいない可能性が高いということです。
例えば先ほど見つけたBlogでは
『(同性愛差別防止法について)こんな法律が認められれば、この日本という国の、この美しく、かつ先進的な国の、秩序もへったくれもなくなります。』
『性同一性障害の方には何らかの支援が必要と考えるが、同性愛者に対して自治体が税金を投入してまで何かやるなんて根本的に間違っている。』
『最大の問題は冒頭のような発言(大河内茂太の発言)があった時にいちいち差別だ、云々と騒ぎ立てる方がいること(中略)あーいった人たちが騒げば騒ぐほど、大半のLGBTは息苦しくなる』
『同性愛者として生きる上で、少なくともこの日本では別に迫害にあうこともありません。何より日本には「男色」って日本語が存在するように、昔っから同性愛者に対する許容がある国なんですよね。』
『(ヘイトスピーチ禁止法について)僕はこの大阪市の条例にしろ、国の法案にしろ、結局は在日の方々と日本人の溝を深めるにすぎないと思う。』
『現に今現在、この美しい国が、周辺諸国の侵略を受けようとしているのだ。(実際に侵略されている)』
『LGBTが働きやすい環境づくり、なんて言えば、その他大勢のノンケ連中が居心地の悪い会社になりゃせんものか』
『活動家連中が言ってることって、単なる「わがまま」にすぎない』
こういう認識が披露されています。まだ、このBlogの人には考慮する必要がある指摘がいくつかあるのですが、個人的には慰安婦像撤去運動に関わるような人ってこういう認識よりもっと極端に寄ってる認識の人が大多数だと思うんですよね。
そういう人がいたから支援する気になったというのは、どう考えてもエピソードとしておかしいという違和感しか私には無いんですよね。
むしろ慰安婦像撤去運動するような人は、このBlogの人よりも、こういう支援に対し『活動家が』『日本の社会が』と反発しそうに思うんです。
それを考えると、やはり慰安婦像撤去というのが『日本国家の利益』という象徴になっていて、このエピソードをLGBT支援を要求している人たちに披露することで『国家に尽くせばおまえらに利益をやろう』と暗に示しているとしか認識しようがないんです。
慰安婦像撤去が日本国家の利益という時点でどうしようもないと思うんですけど、全体的に『日本の社会は人権問題に対策されると不利益になってしまうようになっている』と考えると、現在の様々な惨状に納得がいきますね。
これは『行き過ぎた人権』という話ではなく、私は単純に『個人の利益と社会の利益が合致せず、むしろ対立するように社会形成がなされてしまっている』という話だと思うんで、そこをどう変えていくかということを考えていきたいと思います。
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