技能実習生が失踪するまで、不正行為は隠し通せる

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相次ぐ外国人技能実習生失踪 でも受け入れ停止措置ゼロ 現行規定は空文化

産経新聞の関西版は外国人技能実習生に関連する記事が多いのですが、これもその記事の中の一つです。

外国人技能実習生が失踪した場合、企業の責任を問う仕組みが存在しているのに、普段は全く機能していないというのがこの記事から分かることでしょう。

普段から失踪した場合、基本的には『受け入れ先に責任は無かった』というみなし処理を行っている、なので受け入れ停止措置は空文化してしまっている、ということのようです。

実際、失踪者に聞き取りを行わずとも、他の同じ場所に技能実習生として勤めている人に聴きとり調査を行うことや、契約書などの実態調査を行うことは可能であって、この記事でも『他の法令を使って受け入れを止めている』ということに触れています。

しかし、これは逆に考えてみると、失踪が発覚するまで、他の不正行為は隠し通せるということの証拠となる事実になるのではないでしょうか?

前に紹介した、外国人技能実習生へのアンケートでも「アンケートへの協力が受け入れ先に知られれば報復されかねない」という回答が有ったように、実習生が不正行為を告発出来ない仕組みが出来上がってしまっているのでしょう。

もっとも、これは日本人労働者でもあり得ることだとは思うのです。普通の労働者でも不正行為を告発することはリスクがある行為になってしまっていると思います(労働基準監督署が機能していないという事もよく言われることですし)。

しかし、外国人技能実習生は日本人労働者よりも周囲に仲間が出来にくい環境に置かれているのは明白でしょう。異国の地に単身で乗り込んできているわけですから(しかも告発でその職場がダメとなった場合、他の受け入れ先を探す努力義務が監理団体にあるものの、実効性が不明なために、強制帰国になってしまう可能性がある、という制度の許容範囲の狭さも影響しているように思う)。そのような場合、日本人労働者よりも更に告発は困難であり、不正行為が発覚せずに成立しやすい環境であることは明白だと思います。

 

外国人技能実習生制度は、外国人研修制度として始まりました。外国人研修制度は、外国進出する企業が日本で進出先の国民を育てたことを参考にして生まれたらしい。

しかし、これは企業が自らの海外進出のために行うから成立したわけで、日本国内での展開しか考えていないような企業が、技術移転など行おうとする余裕をつくろうとすることは考えづらいのではないだろうか?

外国人技能実習生が誰のための制度なのか?本来、このような制度は誰のための制度にするべきなのか?その人のためには現在のような制度でいいのか?そういう部分からきちんと至急見なおさないと、日本に大きな負の影響をもたらし続けるのではないでしょうか?

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