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「今日の仕事は、楽しみですか」騒動に思ったこと

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アルファドライブというnewspicksと事業統合していた会社が、法人向け事業の宣伝として行った、品川駅での広告が、Twitterで騒がれて、広告の取り下げをする結果になりました。

今回の騒動の大きな原因は、アルファドライブの社長自らツイートした広告が実際に表示されている写真にあったように思います。

「今日の仕事は、楽しみですか」という言葉が延々に表示されている瞬間の画像、これが「洗脳」チックなイメージになってしまった。
この画像の見栄えが強い拒否反応を引き出してしまったように思います。

実際、その広告が表示されている様子を撮影した動画をツイートしている人もいましたが、多分その場にいた人は、存在に気づくことすらまれだったのではないかと思います。

これを見ると、あの画像がなければ広告としての存在感が薄そうであるように思え、あの画像を取ることがメイン目的の広告だったのかな?とも思ってしまうレベルです。

一方で、インターネットでの強力な拒否反応には、画像自体の印象以外にも布石が打たれていたように思います。

それは、それこそnewspicksによくいる「仕事を楽しもう」と発言する人々が、そういう発言をする際に、「仕事を楽しめないのは努力不足」「仕事を楽しめないのはあなたがおかしい」という「自己責任」メッセージを含んでいるというイメージが、今回の拒否反応を強める一部となっているのではないかと思ったのです。
なんというか、仕事を投げてくる組織や上司の問題を解決するのではなく、いかに自助努力で楽しむか、みたいな方向性の話が多いイメージがあるように思います。

そのうえでメッセージが問いかけの形であることで、インターネット上でそういうイメージを引き出してしまったのだろうと思います。

例えば、今回の騒動についての田端氏の反応なんかが、そういう拒否反応に油を注ぐ、イメージ通りの言動と言えると思います。

ちなみに、今回の広告はどうも「新規事業があれば、仕事は楽しい」という前提のもとに行われているようなのですが、それを強調せずに「楽しんでいますか?」という部分を強調してしまうのが、こういう人たちらしさなのかもしれません。

ちなみに、今回の話を受けて、常見陽平氏が連載コラムを書いています。
「社会全体が「脱・意識高い系」に向かっていないか。あるいは、意識高い系がよりマイノリティ化し、その他大勢との分断が顕著になっていないか」という見立てについては、今回の騒動を大きく見すぎているのではないかと思うのですが、「仕事が楽しい」という概念が「気をつけて考えなければいけない概念」であるというのは、本当にそうだと思います。

また、意識高い系への言及に続けて、「45歳定年制」について言及しているのですが、そのように労働観と言うのは社会構造の設計に影響してくるようにも思うので、気を付けて行かなければな、と思うのです。

この広告を見て、私が最初に抱いた大きな疑問は「仕事が楽しみなら、それでいいのか?」というものである。たしかに、仕事は時間的にも精神的にも、人生において大きな割合を占めるものではある。自己啓発本などでも、「どうせ仕事は人生で大きなウェートを占めるのだから、楽しんだもの勝ち」という考え方が紹介されていたりする。求人広告、人材紹介、人材派遣などの「人材ビジネス」の広告でもよくこの手のフレーズが紹介される。少し視点を変えると「働き方改革」に関する議論でも「仕事が楽しくて、自らする残業はOK。上司や同僚が帰らないので、巻き込まれる残業はNG」という意見をよく見かけた。言っていることは間違っているわけではない。共感する人もいることだろう。

 もっとも、「仕事は楽しくなければならない」と思い込んでいたとしたら、これはこれで不幸なことである。実際は及第点以上のパフォーマンスを発揮し、顧客や社内から感謝されていても、自分で自分を責めてしまうことにつながりかねない。さらに、仕事が楽しいがゆえに頑張りすぎてしまうことも問題である。

 世の中には「明るく楽しいブラック企業」というものも存在する。やたらと曖昧で厚い大きなビジョンを掲げる、「バイトリーダー」など名ばかりの役職がある、社員のことを「クルー」と呼ぶ、各種表彰制度などで社員のモチベーションを無理やり高めようとする…などが特徴だ。結果として、「仕事は大変だけど、楽しい」「この上司、仲間となら頑張れる」などと従業員が言い出すのである。

 そもそも仕事に対するスタンスは多様だ。大きく分けるならば、仕事を目的と考えるか、手段と考えるかという違いがある。その仕事をすること自体が目的であり、喜びなのか、あるいはあくまで稼ぐ手段なのか。いかにも前者はOKで後者はNGというような意見もあるだろうが、これは単純に良い・悪いと判断できる話ではない。

 この「仕事が楽しい」ということ自体、気をつけて考えなくてはならない概念なのだ。そして、仕事が楽しくないからと言って、自分を責めてはいけない。その人自身が楽しめていなかったとしても、きっと何らかの形で役には立っているのである。

「今日の仕事は楽しみですか」批判集まった広告…仕事で“楽しさ”は正義か

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