デジタル庁は過去を有耶無耶にしかねない

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平井卓也デジタル改革担当相は9日の記者会見で、新型コロナウイルス対策のスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」の不具合について、「はっきり言ってあまり出来の良いアプリではなかった。そもそも発注自体にも問題があった」と述べた。

平井担当相「アプリの出来良くない」 ココア不具合で:時事ドットコム https://bit.ly/3aOkw13

平井卓也デジタル改革担当相が2月9日の会見で、政府の接触確認アプリ「COCOA」の障害に言及し、「あまり出来の良いアプリではなかった」と苦言を呈した。平井氏は5日の会見でもCOCOAに言及しており、9月のデジタル庁創設後は緊急性の高いアプリやシステムについて「(デジタル庁で)自ら開発し、責任をもってやりきる」と述べている。

(中略)

平井氏は会見で「デジタル系で国民の期待に応えられないような事案が結構出てきた。COCOAはその最たるもの」と発言。アプリ開発の多重下請け構造や入札方法に問題があったのではないかとの報道陣の質問に対し、「COCOAに関してはいろいろな問題がある」とした上で、「そもそも発注自体にも問題があったと言わざるを得ない」と批判。発注金額に関しても「とてつもなく高い」と指摘した。

平井大臣、COCOAに苦言 「出来のいいアプリではなかった」「発注にも問題あった」 – ITmedia NEWS

『COCOA』に関しては、入札の受注から幾重にわたり下請けされていた構造も問題視されていますが、平井大臣は厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム『HER-SYS』と連携し、予算も関連で組み込まれていたことを指摘。「いろいろな問題がある。(『COCOA』を)『HER-SYS』と同じところに発注したと聞いているし、その下請けの話はよく私自身は知らないが、報道されている金額等を見ると、とてつもなく高いなと思うし、あまり出来のいいアプリではなかったと思う」と述べつつも、「この『COCOA』はオリンピックが開催される時に入館で使うアプリと両方を機能させようという方針なので、何とかCOCOAは建て直さなければいけない。これから厚労省とヒアリングして、それに私がどう関与するかはこれから考えたい」と語りました。

また、これまでの官庁におけるデジタル担当について、「本業がある人が片手間でやる事が多かったと思う。実際の業務に詳しいのは非常に重要だが、国民のことを考える時間がなかった人がシステム担当だという事実もあった」といい、「デジタル庁では逆転の発想で動くことになる」とも述べています。

「そもそも発注自体に問題があった」 平井卓也デジタル担当大臣が接触確認アプリ『COCOA』の立て直しの必要性を強調 | ガジェット通信 GetNews

平井卓也大臣、デジタル庁を設置するに当たって存在感を示すための言動がここのところ増えている気がするのですが、今回のcocoaに対する言動は、ちょっと他人事が過ぎるのではないか?と思います。

これ以外にも平井卓也氏はclubhouseというアプリで行った勉強会?の配信にて以下のように発言していたようです

接触アプリ『COCOA』について、平井大臣は「導入の際にはあまり皆さん期待してなかったはず。個人情報やプライバシーの問題を排除して、疫学調査に使えず、自己申告ベースでデータも残らないというのは、デジタルの世界ではなかなか考えられないことで、“ちょっと安心程度”のものを目指したと思う。(不具合が発覚して)逆に注目を浴びたことにより問題になった」と見解を述べました。

これを受けて、村井教授は「システムは使われてなんぼ。毎日動かすシステムは動いているか、直すところはあるか、運用することはデザインして提供するのとは別の違う力がいる」と述べたのに対し、平井大臣は『COCOA』の不具合が『Github』上で報告されていたことを見逃していたことに触れて、「エンジニアとのコミュニケーションを置き去りにしてきた。(デジタルでは)これで完成形があり得ない。エンジニアの皆さんとの対話をしながらバージョンアップしないとならない」と応じています。

「お上意識が抜けてない役人のマインドを変えたい」 平井卓也デジタル担当大臣が『Clubhouse』で勉強会を公開 | ガジェット通信 GetNews

デジタル庁を作るにあたって「これまでは問題があったけど、これからはデジタル庁ができるから大丈夫!」という論調で話す平井卓也氏を何度も見ている印象なのですが、少なくともcocoaについては、契約するタイミングで与党議員として何も情報を見てなかったのか?とか情報を得ていても何もしなかったのか?とか疑問に思うのですが。

しかも「導入の際にはあまり皆さん期待してなかったはず。個人情報やプライバシーの問題を排除して、疫学調査に使えず、自己申告ベースでデータも残らないというのは、デジタルの世界ではなかなか考えられないことで、“ちょっと安心程度”のものを目指したと思う。(不具合が発覚して)逆に注目を浴びたことにより問題になった」なんて言ってますけど、当時の首相発言などでは、このアプリは「日本が誇るクラスター対策の一段強化のための施策」として紹介されていたはずです。
また、当時の官房副長官である平将明氏は、ここで「個人情報やプライバシーの問題を排除して、疫学調査に使えず、自己申告ベースでデータも残らないというのは、デジタルの世界ではなかなか考えられないこと」とネガティブに言っている話を「中国のような社会になるのは、国民の一人としてまっぴらごめん。」と具体的な他国名まで出して、ポジティブな要素として積極的にそういう仕組みを推していたはずです。
そういう方針だった政府を支えていた一与党議員として当時存在していたはずの方が、今になって「皆さん期待してなかったはず」というのは、酷い言い訳のようにしか聞こえません。

平副大臣は「(個人情報の取り扱いについては)中国が一番マッチョで日本とドイツが一番、プライバシーに配慮している。我々のアプリはインストールもオプトインだし、陽性登録もオプトイン。インストールであれこれフォームを入力するものは途中で断念されてしまう。そのあたりのハードルも低くした。(中国のやり方ならビッグデータが蓄積されるかもしれないが)コロナがあったからといって中国のような社会になるのは、国民の一人としてまっぴらごめん。私は政府の一員で事務方の責任者だが、このような仕組みでやりたいと決めた」と語る。

安倍首相の6割発言は誤解。接触確認アプリは感染拡大を防げるか?(MAG2 NEWS) – goo ニュース

「 個人情報をどう捉えるかによって、世界経済のルールが分かれ、ブロック経済化する懸念があります。日本は信頼感のもとに、できるだけデータを自由に流通させようという考え方です。

完全に中国と我々ではフィロソフィーが違い過ぎていてですね……。

新型コロナの脅威にあっても、どうやって自由主義や民主主義、プライバシーの配慮を維持するのか。そういう大きな命題を背負いながら、アプリの開発を進めました。

私は“この仕組みでやりたい”と決めた事務方の責任者です。

今は政府の一員ですが、コロナがあったからといって中国のような社会になるのは、国民のひとりとしても真っ平御免なので、この仕組みにしました。

その一方で、中国にはいろんな知見が貯まるでしょう。それは、国際社会へ、しっかりフィードバックをしてくださることをお願いしたいです」

内閣副大臣が語る「コロナ接触確認アプリ“COCOA”」をめぐる4つの事実 | Business Insider Japan

 リスクの高い人だけを特定し、積極的に検査を行い、陽性者を速やかに発見する、いわゆるクラスター対策は、社会経済活動と両立する形で感染の拡大を防止する、極めて有効、効果的な手段であると考えます。
 経済活動の回復に向けて取り組んでいる世界の中で、今、我が国のクラスター対策に注目が集まっています。密閉、密集、密接、3つの密を避けることによって、日々の仕事や暮らしを続けながら感染を予防できる。これも、クラスター対策を進める中で得られた知見であり、3つのCとして、今、世界中で認識されるに至っています。
 そして、明日からは接触確認アプリを導入し、このクラスター対策をもう一段強化していきます。陽性者と濃厚接触した可能性がある場合、このアプリを用いることによって、皆さんのスマートフォンに自動的に通知が送られます。そして、速やかな検査につながるシステムとなっています。個人情報は全く取得しない、安心して使えるアプリですので、どうか多くの皆さんにこのアプリをダウンロードしていただきたいと思います。
 さきの会見でも申し上げたとおり、オックスフォード大学の研究によれば、人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者を早期の隔離につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となります。繰り返し申し上げてきましたが、私たちはしっかりと発想を変えなければなりません。社会経済活動を犠牲とするこれまでのやり方は長続きしません。できる限り制限的でない手法で、感染リスクをコントロールしながら、しっかりと経済を回していく。私たちの仕事や暮らしを守ることに、もっと軸足を置いた取組が必要です。
 だからこそ、我が国が誇るクラスター対策にこれからも磨きをかけていく。様々な専門家の皆さんの協力を得て、最新の知見、最新の技術を常に取り入れながら、絶えず進化させていく考えです。

令和2年6月18日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

菅義偉官房長官は、15日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染経路の拡大防止に役立つアプリ、いわゆる接触確認アプリについて、今週中にも提供する方針とコメントした。

 菅官房長官は「スマートフォンの無線通信機能を利用して、自らが陽性者と接触した可能性について、通知を受けることができるものであり、今週中のリリースを目指し、現在、開発の最終段階にあると聞いています。個人情報はまったく取得しない、安心して使えるアプリであり、利用者が増えることで感染拡大の防止に繋がる。そうしたことが期待されていると考えており、多くの皆さんに活用いただけるようになればと思っています」と語った。

「接触確認アプリは今週中」、菅官房長官がコメント – ケータイ Watch

この辺の過去の政府の話を全て厚労省に戦犯として押し付けて、改修した後のおいしいところは内閣とデジタル庁で持って行くみたいな話にするつもりのようにも私には見えます。

そんな話にされないように、これから気を付ける必要がありそうです。

政府は新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を知らせるアプリ「COCOA(ココア)」について、運営を厚生労働省から内閣官房に移す検討を始めた。厚労省はデジタル技術に詳しい人材が少なく、今後を不安視する声が政府・与党内で広がっていた。

接触確認アプリ、厚労省から内閣官房に移管: 日本経済新聞

今回のトラブルをめぐっては、デジタル分野の専門知識を持った職員が省内に限られているなど「COCOA」の管理体制にも課題があるとして、アプリの改修は内閣官房のIT総合戦略室が担当し、システムを抜本的に見直すことも検討する方針です。

接触確認アプリ「COCOA」トラブル 調査チームで検証へ 厚労省 | 新型コロナウイルス | NHKニュース

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