杉田和博氏の事前報告報道を読んで気になること

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2020年10月12日の夜、報道各社が関係者談として、杉田和博官房副長官が菅義偉総理に6人が任命から除外される経緯などを事前に報告していたことが報じられました。

この各社報道について、微妙な違いがある気がして、それが気になったのでブログにします。

 日本学術会議から推薦された新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題を巡って、杉田和博官房副長官が事前の任命拒否の判断に関与していた。政府関係者が12日、明らかにした。

 杉田氏は、学術会議が政府に提出した105人の推薦者名簿の中から6人を除外して、99人の名簿にする取りまとめに関わっていた。杉田氏はこうした経緯について、首相に報告していた。首相が6人を除外する事前の判断に関与していたかはわかっていない。

杉田和博官房副長官が拒否の判断に関与 政府関係者明らかに 首相に経緯報告 – 毎日新聞

まず、毎日新聞の報道です。

杉田和博官房副長官が取りまとめに関わっていて、そのとりまとめの経緯を菅義偉総理に報告していたという内容です。
事前の判断への関与は不明だと断っていることが特徴のように思います。

 日本学術会議の会員任命拒否を巡り、杉田和博官房副長官が内閣府の提案に基づき、任命できない人が複数いると、菅義偉首相に口頭で報告していたことが12日、分かった。政府関係者が明らかにした。加藤官房長官は首相が会員人事を決裁した際の文書に、会議側が推薦した105人全員の名簿が添付されていたと明かした。105人の推薦名簿を「見ていない」とした菅首相発言に対し、名簿は添付したが「詳しく見ていなかったということだ」と軌道修正した。

 政府関係者によると、具体的な人数については事前報告していなかったが、決裁時には口頭で任命されない6人について説明し、首相も理解を示した。

首相に任命拒否を「事前報告」 杉田官房副長官「複数人いる」

こちらは共同通信の報道です。

報告が口頭であること。
決裁時に任命されない6人について説明していて、首相が理解を示していること。
具体的な人数については事前報告していなかったこと。(記事冒頭に書かれている複数人いるという口頭報告が事前のものであり、それ以上は事前には報告されていないということでしょう。)
杉田和博官房副長官は「内閣府の提案に基づき」任命できない人が複数いると、菅義偉首相に口頭で報告していること

これらが共同通信の報道内容の注目すべき点でしょう。

 日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人が任命されなかった問題で、菅義偉首相がこの6人の名前と選考から漏れた事実を事前に把握していたことが分かった。除外の判断に杉田和博官房副長官が関与していたことも判明した。関係者が12日、明らかにした。

(中略)

 今回の人事を首相が最終的に決裁したのは9月28日。関係者によると、政府の事務方トップである杉田副長官が首相の決裁前に推薦リストから外す6人を選別。報告を受けた首相も名前を確認した。首相は105人の一覧表そのものは見ていないものの、排除に対する「首相の考えは固かった」という。

菅首相、「6人排除」事前に把握 杉田副長官が判断関与―学術会議問題:時事ドットコム

時事通信の記事です。

選別したのは杉田和博官房副長官であるということ。
決済前に首相は外された人の名前を確認していること。
排除に関する首相の考えは固かったという、首相の信念が強かったことが書かれています。

 日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を任命しなかった問題をめぐり、菅義偉首相が複数の任命除外者が出るとの報告を事前に受けていたことが12日、わかった。首相は朝日新聞などのインタビューで除外前の推薦者名簿を「見ていない」としていたが、除外方針については把握し、了承していたことになる。

 政府関係者によると、杉田和博官房副長官が事前に首相に対し、「任命できない候補者がいる」という趣旨の報告を行った。首相は決裁時にも同様の説明を受け、決裁の判断をしたという。官邸幹部は「首相は(除外された候補者の)個人名は知らなかったかもしれないが、何人かが任命されないことは説明されていた」と語った。

学術会議候補、複数の除外を首相に事前報告 官房副長官 [日本学術会議]:朝日新聞デジタル

最後に朝日新聞の記事です。

事前に「任命できない候補者がいる」という報告をしていたこと。
除外された候補者の個人名は知らない可能性があること。

この辺が特徴でしょうか。

これらの記事を読んで思うことはいくつかあります。

杉田和博氏と菅義偉氏のコミュニケーションは、過去の事例とどこまでつながっているのか、ということが一つ。
安倍内閣時に、何度か杉田和博官房副長官が人事に難色を示していたことは、いくつか事例が出てきましたが、これに菅義偉氏がどこまで関与していたのか。その方針がどこまで継承されているのか、というのは検証の必要があるのではないでしょうか。

また、前回のブログでも触れましたが、内閣府の実質的な関与はどこまであったのか、というのも気になります。
内閣府は杉田和博氏の意向を受けた下請け作業を行ったのか、それとも、内閣府がこれまでの慣習で積極的に提案したのか、内閣府は杉田和博氏に言われた人を弾いて「内閣府が提案した」体にしたのか。
この辺の実態を明らかにすることが、内閣の権力構造、「誰の判断で立案・実行がされるのか」、「誰がどういう意図でリークするのか」という構造が見えてくるようになるのではないでしょうか。

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